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第3章 神に愛されし者
幕間 地獄の道化師
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あたしですかい・・。
いやあ、ありふれたろくでもない家族から生まれた虐待されたこどもですよ。
熱湯や刃物も刺されたり、ろくに飯も与えられませんでしたね。
あたしは男じゃありませんよ。かといっておんなでもない。ふたなりですよ。
あたしのくだらない下衆な両親はあたしのからだを見世物にして商品にしていましたね。
そのころはあたしの心は殆ど崩壊していて、何も感じませんでしたね。
身体で客を悦ばせる技術も仕込まれた。
あたしの人生は、道化師でさ。お客を悦ばせて、柔らかな身体を利用して、膣に花びらや卵やストローを入れて風船を創り出す芸を披露する下賤なものでさあ。
でも、ある日、あたしはこんな屑も居るのかと思う位の地獄を味わった。地獄にも下には下があるんだねえ。
醜悪で巨大な性器があたしの柔らかな性器に濡らしもせず、ほくじもせず、あたしの子宮の奥まで入り込んだ。
あたしはぎゃと串刺しになった鳥みたいに嗚呼死ぬと思って気絶した。
あたしは三日間、死ぬほど責められた。首も絞められ、ほとんど嬲り殺されそうになった。
生きているのが不思議だった。
そしてあたしは悟った。生き延びたらあいつら絶対殺そうって。あたしは馬鹿だねえ。こんなやつらに地獄を受けて
やっとわかったのさ。殺さなきゃあたしの生は奪われるって。
地獄の神様はあたしの願いを聞き届けて下さった。
あたしの身体は生存本能が強かった。泣きながら介抱しているあたしの仲間・・嗚呼ミモザといったっけ。
変な名前。ミモザは植物の名前だって。
人間なのにね。まあ人間なんてろくでもないからねえ。
でもミモザ。あんたにはすまないけど、あたしは完全にあいつらに壊された。
身体は回復しても、こころはあっち側。めいふ?彼岸?そんなイメージがあるところにいっちまった。
あたしは生ける亡霊になったんだよ。
何も感じない。ただ、あいつらを殺すための道化になっただけさ。
あんたの匂いは好きだ。
あたしはわらいながらへらへらとあいつらを殺したよ。
弱いものやいつも木偶のような女があいつらに刃向かうなんて思わなかったろうね。そこに隙があったのさ。
あたしはこっそりと毒をあいつらの飲み物に混ぜて弱らせて、えいえいと子どものように何度も何度も小さいナイフを首や目や性器を刺したよ。血塗れに肉塊になっていく様は面白かったよ。
あたしはその時、あああとすうきりしたあと爽快な気分になった。
あたしは男たちの仲間に殺されるだろうと思っていたら、ミモザが蒼白な顔で、あたしを連れてリコリス部隊、宗教施設へ入ろうと無理矢理連れて行った。
なんだい。そりゃ?
しゅうきょう?あんさつ?
あたしはもういいのに。首をふりながら嫌がっていたけど、ミモザは鬼のように怖い顔をしてあたしの人生を変える
弱いものでも変わるんだと示したいと醜悪な形相で、あたしも変わりたいと叫んだ。
あたしは気圧された。あたしはずるずると、ミモザによって、とてもきれいな奴らにあった。
ええと、ダリア様だっけ。
ダリア様は別世界の人間だったよ。あたしが見たことが無いぐらい綺麗だった。
ダリア様は無表情でミモザに頼まれたから、暗殺部隊に入れると言った。
あたしはへらへらと従った。
あたしは『地獄の道化師』と異名をもらうほど、暗殺の技術を上げた。
なかには罪もない子どももいたけど、あたしは何も感じずに殺した。
ごめんねえ。運が悪かったねえ。
でもねえ。あんたの親や周りはとても非道な事をやって、裏社会からも睨まれていたみたい。
残念だったよね、屑すぎる家族を持つと、とんなにまっとうになろうとしても地獄だ。
ええと。連帯責任?わかっていながら止めずに放置して逃げていた罪もあるって。
そういう罪もあるんんだねえ。
暗殺部隊に入って、色々学んだよ。
ミモザも暗殺者として変わった。無表情になってなんでも殺すようになった。
泣きながら介抱しているミモザはもういない。あたしはそれが僅かに気になった。
どうしてだろう・・
とても不思議な匂いがする女に会った。綺麗な女だった。でもあたしと同じ匂いもする。
こんなに綺麗で女神のようなのに。
あたしは不思議でたまらなかった。
その女はニコリと無垢な笑みを浮かべながら、良くここまで頑張ったわねとダリアから貴女の事は聞いている
ときさくに話しかけてきた。
女はしばし黒い瞳を閉じて、あたしに変な祈り?のような言葉を与えた。
すると、何かが変わった。
あたしの身体が喜んでいる。 心も僅かに喜びや、壊れたこころが修復されるのを感じる。
あたしは生まれ変わったように、生き返ったように感情や前より生気がみなぎるのを感じた。
嗚呼・・この人は。
シズナ。様。この宗教施設の教祖 、女神シズナだ。
彼女の力はホンモノだ。あたしでさえもわかった。
あたしは喜んだ。世界が変わった。前より綺麗になった。感情が戻るだけでこうも世界は変わるのか?
綺麗な花畑。美しい豪奢な館。 ミモザの顔。前よりくっきりと鮮明に色づいていく。
穢いものも勿論ある。でもあたしは嬉しかった。
あたしはあたしを取り戻したんだ。
あたしは犬のようにシズナ様に忠誠を誓った。
ここでならあたしは失った物以上に、得るものがいっぱいある。
ミモザは正しかった。弱者でも変われるんだ。
あたしは嬉しかった。あたしははじめて歓喜した。
あたしは前以上に人を殺す道化師となった。
あたしが嫌いな奴を殺せる力をもったんだ。あたしはそれを実感した。
ありがとうありがとうありがとうありがとう
あたしは狂ったように同じことを繰り返す人形のようになった。
あたしの人生はますます狂った愉快な滑稽なものになっていった。
いやあ、ありふれたろくでもない家族から生まれた虐待されたこどもですよ。
熱湯や刃物も刺されたり、ろくに飯も与えられませんでしたね。
あたしは男じゃありませんよ。かといっておんなでもない。ふたなりですよ。
あたしのくだらない下衆な両親はあたしのからだを見世物にして商品にしていましたね。
そのころはあたしの心は殆ど崩壊していて、何も感じませんでしたね。
身体で客を悦ばせる技術も仕込まれた。
あたしの人生は、道化師でさ。お客を悦ばせて、柔らかな身体を利用して、膣に花びらや卵やストローを入れて風船を創り出す芸を披露する下賤なものでさあ。
でも、ある日、あたしはこんな屑も居るのかと思う位の地獄を味わった。地獄にも下には下があるんだねえ。
醜悪で巨大な性器があたしの柔らかな性器に濡らしもせず、ほくじもせず、あたしの子宮の奥まで入り込んだ。
あたしはぎゃと串刺しになった鳥みたいに嗚呼死ぬと思って気絶した。
あたしは三日間、死ぬほど責められた。首も絞められ、ほとんど嬲り殺されそうになった。
生きているのが不思議だった。
そしてあたしは悟った。生き延びたらあいつら絶対殺そうって。あたしは馬鹿だねえ。こんなやつらに地獄を受けて
やっとわかったのさ。殺さなきゃあたしの生は奪われるって。
地獄の神様はあたしの願いを聞き届けて下さった。
あたしの身体は生存本能が強かった。泣きながら介抱しているあたしの仲間・・嗚呼ミモザといったっけ。
変な名前。ミモザは植物の名前だって。
人間なのにね。まあ人間なんてろくでもないからねえ。
でもミモザ。あんたにはすまないけど、あたしは完全にあいつらに壊された。
身体は回復しても、こころはあっち側。めいふ?彼岸?そんなイメージがあるところにいっちまった。
あたしは生ける亡霊になったんだよ。
何も感じない。ただ、あいつらを殺すための道化になっただけさ。
あんたの匂いは好きだ。
あたしはわらいながらへらへらとあいつらを殺したよ。
弱いものやいつも木偶のような女があいつらに刃向かうなんて思わなかったろうね。そこに隙があったのさ。
あたしはこっそりと毒をあいつらの飲み物に混ぜて弱らせて、えいえいと子どものように何度も何度も小さいナイフを首や目や性器を刺したよ。血塗れに肉塊になっていく様は面白かったよ。
あたしはその時、あああとすうきりしたあと爽快な気分になった。
あたしは男たちの仲間に殺されるだろうと思っていたら、ミモザが蒼白な顔で、あたしを連れてリコリス部隊、宗教施設へ入ろうと無理矢理連れて行った。
なんだい。そりゃ?
しゅうきょう?あんさつ?
あたしはもういいのに。首をふりながら嫌がっていたけど、ミモザは鬼のように怖い顔をしてあたしの人生を変える
弱いものでも変わるんだと示したいと醜悪な形相で、あたしも変わりたいと叫んだ。
あたしは気圧された。あたしはずるずると、ミモザによって、とてもきれいな奴らにあった。
ええと、ダリア様だっけ。
ダリア様は別世界の人間だったよ。あたしが見たことが無いぐらい綺麗だった。
ダリア様は無表情でミモザに頼まれたから、暗殺部隊に入れると言った。
あたしはへらへらと従った。
あたしは『地獄の道化師』と異名をもらうほど、暗殺の技術を上げた。
なかには罪もない子どももいたけど、あたしは何も感じずに殺した。
ごめんねえ。運が悪かったねえ。
でもねえ。あんたの親や周りはとても非道な事をやって、裏社会からも睨まれていたみたい。
残念だったよね、屑すぎる家族を持つと、とんなにまっとうになろうとしても地獄だ。
ええと。連帯責任?わかっていながら止めずに放置して逃げていた罪もあるって。
そういう罪もあるんんだねえ。
暗殺部隊に入って、色々学んだよ。
ミモザも暗殺者として変わった。無表情になってなんでも殺すようになった。
泣きながら介抱しているミモザはもういない。あたしはそれが僅かに気になった。
どうしてだろう・・
とても不思議な匂いがする女に会った。綺麗な女だった。でもあたしと同じ匂いもする。
こんなに綺麗で女神のようなのに。
あたしは不思議でたまらなかった。
その女はニコリと無垢な笑みを浮かべながら、良くここまで頑張ったわねとダリアから貴女の事は聞いている
ときさくに話しかけてきた。
女はしばし黒い瞳を閉じて、あたしに変な祈り?のような言葉を与えた。
すると、何かが変わった。
あたしの身体が喜んでいる。 心も僅かに喜びや、壊れたこころが修復されるのを感じる。
あたしは生まれ変わったように、生き返ったように感情や前より生気がみなぎるのを感じた。
嗚呼・・この人は。
シズナ。様。この宗教施設の教祖 、女神シズナだ。
彼女の力はホンモノだ。あたしでさえもわかった。
あたしは喜んだ。世界が変わった。前より綺麗になった。感情が戻るだけでこうも世界は変わるのか?
綺麗な花畑。美しい豪奢な館。 ミモザの顔。前よりくっきりと鮮明に色づいていく。
穢いものも勿論ある。でもあたしは嬉しかった。
あたしはあたしを取り戻したんだ。
あたしは犬のようにシズナ様に忠誠を誓った。
ここでならあたしは失った物以上に、得るものがいっぱいある。
ミモザは正しかった。弱者でも変われるんだ。
あたしは嬉しかった。あたしははじめて歓喜した。
あたしは前以上に人を殺す道化師となった。
あたしが嫌いな奴を殺せる力をもったんだ。あたしはそれを実感した。
ありがとうありがとうありがとうありがとう
あたしは狂ったように同じことを繰り返す人形のようになった。
あたしの人生はますます狂った愉快な滑稽なものになっていった。
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