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第2章 宗教施設
第7話 邪悪な子ども視点
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あの女は益々美しくなっている。ほとんどの信者は突如現れた不思議な力を持った女が前の教祖を倒して、新しい教祖になったとしか知らない。
しかし、今までの腐敗は正され、確実に良くなってきている。信者も肌で感じている。
食べ物も待遇も前よりは正しく良くなっていることが解ってきたようだ。
ほとんどの愚かな民は、自分の待遇や粗悪な境遇が改善されれば何も文句は言わない。
だが、俺は知っている。あの女は、とるにたらない売られた売春婦だ。
狂った夫にはした金で売られた愚かな馬鹿なとんまな女だ。
あの女はそれでも美しかった。他の女とは少し毛色が違った。
あの女の色香に惑わされた子どもたち二人がいた。ダリアとゴルデアだ。あいつらは優秀なのに、なんで売春婦なんかに惑わされたのか?
あの女は母親のように、子ども達を守ろうとしていた。
気に入らない。気に入らない。気に入らない。苛々した。あの3人の醸し出す不思議な幸福な家族の情景が気に入らなかった。
俺たちは疎外された子どもの様だった。あの3人の輪には入れなかった。
俺は幸福な家族が気に入らなかった。壊したかった。破壊衝動が高まる。
俺たちは怖い大人と一緒にあの女を嬲り犯し壊した。
あの女は人形のようにそれでも美しかった。白い肌が印象的だった。
あの女は一度も俺たちに助けを呼ばなかった。俺たちを悪鬼と思っていた。
あの女が気を許したのは、ダリアとゴルデアだけだった。
嗚呼。すべてが気に入らない。あの女が息絶えたのを見た時爽快感があった。そしてすぐに寂寥感と虚しさと空白感があった。何だったのか。あの心は。俺には自分の心がわからない。
死体の処分は、ダリアとゴルデアがやった。ダリアは泣いていた。乳房を撫でていた。綺麗な白い乳房を宝物のように触っていた。
俺も触りたかった。でもこれであいつらの幸福はなくなった。ざまあみろ。
あの女が海の底へ消えていく瞬間を俺は見ていた。
ゴルデアは何だか奇妙な顔をしていた。花をあの女の手に添えていた。
組織へ帰る途中。あの女が無事で立っている姿を見た。俺は目を疑った。あの女の顔だ。前より綺麗になっている。
化け物だ・・・。
あの女は花のような無垢な笑顔を浮かべて許さないといって俺たちを拷問し殺した。
俺と数人の子ども達は耐えた。あの女コロシテヤル。もう一度。
俺たちは逃げた。しばらく後遺症に悩まされ、隠しアジトで体を休息した。
その間に宗教施設や、俺たちの属していた暴力集団は壊滅し、ほとんど変わっていた。
ダリアとゴルデアは生き生きとかつての仲間を殺し続けた。ずっと嫌いだったのかよ。あいつら。前から嫌悪している面があるなとは思っていたが・・
それから俺たちは密かに観察した。
ダリアとゴルデアはみるみる美しく成長した。優秀でより良く冷徹になっていった。
服も上質になり、容姿も綺麗になっていった。
彼らは傭兵団の長になったり、宗教施設の幹部になったりしていた。
そして、嗚呼あの女だ。シズナと言う様だ。
あの女は美しい宝石を纏い貴婦人のような衣装を着ていた。
あの女は母親のようにダリアとゴルデアに格別の笑みを向けた。とても美しい笑みだった。
あの女を蹂躙し犯した瞬間を思い浮かべると、興奮した。いきり立った男根が止まらなかった。
その惨めな女奴隷のころと現在の落差が激しかった。
あの女は死んで蘇ったらしい。何か高次元の神によってだ。
あの下賤な女は、高貴になっていた。俺はまるで魔法を見ているようだった。
ダリアとゴルデアはあの女の寵愛を受けて益々運が向いてきた。
貴族のように気品と教養。華麗な美貌や地位、権力を得た。
あの女はニコニコと微笑ましそうに見守っていた。
前よりあの3人は幸福な家族になっていった。
俺はそれが狂うほど妬ましかった。気にいらない。気に入らない。嗚呼・・・。
もう一度何度でも破壊したい・・。
しかし、今までの腐敗は正され、確実に良くなってきている。信者も肌で感じている。
食べ物も待遇も前よりは正しく良くなっていることが解ってきたようだ。
ほとんどの愚かな民は、自分の待遇や粗悪な境遇が改善されれば何も文句は言わない。
だが、俺は知っている。あの女は、とるにたらない売られた売春婦だ。
狂った夫にはした金で売られた愚かな馬鹿なとんまな女だ。
あの女はそれでも美しかった。他の女とは少し毛色が違った。
あの女の色香に惑わされた子どもたち二人がいた。ダリアとゴルデアだ。あいつらは優秀なのに、なんで売春婦なんかに惑わされたのか?
あの女は母親のように、子ども達を守ろうとしていた。
気に入らない。気に入らない。気に入らない。苛々した。あの3人の醸し出す不思議な幸福な家族の情景が気に入らなかった。
俺たちは疎外された子どもの様だった。あの3人の輪には入れなかった。
俺は幸福な家族が気に入らなかった。壊したかった。破壊衝動が高まる。
俺たちは怖い大人と一緒にあの女を嬲り犯し壊した。
あの女は人形のようにそれでも美しかった。白い肌が印象的だった。
あの女は一度も俺たちに助けを呼ばなかった。俺たちを悪鬼と思っていた。
あの女が気を許したのは、ダリアとゴルデアだけだった。
嗚呼。すべてが気に入らない。あの女が息絶えたのを見た時爽快感があった。そしてすぐに寂寥感と虚しさと空白感があった。何だったのか。あの心は。俺には自分の心がわからない。
死体の処分は、ダリアとゴルデアがやった。ダリアは泣いていた。乳房を撫でていた。綺麗な白い乳房を宝物のように触っていた。
俺も触りたかった。でもこれであいつらの幸福はなくなった。ざまあみろ。
あの女が海の底へ消えていく瞬間を俺は見ていた。
ゴルデアは何だか奇妙な顔をしていた。花をあの女の手に添えていた。
組織へ帰る途中。あの女が無事で立っている姿を見た。俺は目を疑った。あの女の顔だ。前より綺麗になっている。
化け物だ・・・。
あの女は花のような無垢な笑顔を浮かべて許さないといって俺たちを拷問し殺した。
俺と数人の子ども達は耐えた。あの女コロシテヤル。もう一度。
俺たちは逃げた。しばらく後遺症に悩まされ、隠しアジトで体を休息した。
その間に宗教施設や、俺たちの属していた暴力集団は壊滅し、ほとんど変わっていた。
ダリアとゴルデアは生き生きとかつての仲間を殺し続けた。ずっと嫌いだったのかよ。あいつら。前から嫌悪している面があるなとは思っていたが・・
それから俺たちは密かに観察した。
ダリアとゴルデアはみるみる美しく成長した。優秀でより良く冷徹になっていった。
服も上質になり、容姿も綺麗になっていった。
彼らは傭兵団の長になったり、宗教施設の幹部になったりしていた。
そして、嗚呼あの女だ。シズナと言う様だ。
あの女は美しい宝石を纏い貴婦人のような衣装を着ていた。
あの女は母親のようにダリアとゴルデアに格別の笑みを向けた。とても美しい笑みだった。
あの女を蹂躙し犯した瞬間を思い浮かべると、興奮した。いきり立った男根が止まらなかった。
その惨めな女奴隷のころと現在の落差が激しかった。
あの女は死んで蘇ったらしい。何か高次元の神によってだ。
あの下賤な女は、高貴になっていた。俺はまるで魔法を見ているようだった。
ダリアとゴルデアはあの女の寵愛を受けて益々運が向いてきた。
貴族のように気品と教養。華麗な美貌や地位、権力を得た。
あの女はニコニコと微笑ましそうに見守っていた。
前よりあの3人は幸福な家族になっていった。
俺はそれが狂うほど妬ましかった。気にいらない。気に入らない。嗚呼・・・。
もう一度何度でも破壊したい・・。
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