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第17話 密偵
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思わぬ出来事があり、閉口しながらも、グレイは何をしでかすか分からないマルーンを抑え、共に密偵の死事を続行した。
セレストに運命の人が現われたと言われた事にも驚いたが、マルーンの危うい面にも面食らった。
ずっと仲間だったから見逃していた。グレイは彼の未熟な幼い面が変化に対応できない脆弱な心をもっていたことに
一抹の不安を感じていた。
それでも、彼らはカテイサ、セレストとともに、有力な権力者の情報や,動向など、できるだけ調査した。
中にはシン将軍と呼ばれる先の暴君を倒したと人気の或る将軍も居た。
詳細に調べると、なるほど破滅に付き合うのを拒んだのか。
確かに、破滅主義嗜好の者が権力をもったら危ういものだ。
上層部もなかなか一枚岩ではなく、それぞれの思惑と意志をもってかろうじて平和を保っている状態だ。
いつ何か起きるか分からない状態でもあった。
最下層では、大量に餓死や戦いの後が残っている遺体が放置されていた。
長い間、放置されてほとんどミイラや骸骨になっているのもあった。
蛇や小動物の糧になったのだろう。
その悲惨な現場を唯冷静に見ていると、下民たちが何かを運び、その遺体の山の上に捨てた。
「なんだ?あれは?」
カテイサは近くに寄って、捨てたものを見た。果実の皮や食べ物の残りかすだ。
なんでも、果実や食品を扱っている商会の出すゴミを捨てる場所としても選ばれたらしい。
ここは遺体処理どころが、ゴミ捨て場にもなるようだ。
淡々と、彼はその状況を見届けた。
まさかそのゴミ捨て場が後に、植物の種が多く宿っていて、遺体やゴミを糧に美しい花畑や緑の山をつくるとはおもいもよらない未来を彼らは今だ知らなかった。
数年後、彼らは再度調査のため訪れると、そこは緑と花が何もかも覆い隠し、美しい光景になっていた。
醜悪だが美しい自然の摂理だ。
カテイサはこれを見て、嗚呼人間がいなかったら楽園になるかもしれないなと思った。しかし人間のやる行為で
思わぬ生態系ができたことに彼はどこか感動していた。
カテイサは、密偵を任務のためやっているが、時には人間の生み出す醜悪な行為やその負の遺産を見たこともある。
そのたびに、カテイサは人間を疎み嫌悪したが、生きている限り人間という生き物と付き合うのだ。
自分も人間という醜悪な動物として生まれたのだから、その行為や、思わぬ結果には安堵するものもあった。
まだまだこの世を生き抜いて何かを見届けるか・・カテイサはなにか希望というものを感じて去っていった。
セレストに運命の人が現われたと言われた事にも驚いたが、マルーンの危うい面にも面食らった。
ずっと仲間だったから見逃していた。グレイは彼の未熟な幼い面が変化に対応できない脆弱な心をもっていたことに
一抹の不安を感じていた。
それでも、彼らはカテイサ、セレストとともに、有力な権力者の情報や,動向など、できるだけ調査した。
中にはシン将軍と呼ばれる先の暴君を倒したと人気の或る将軍も居た。
詳細に調べると、なるほど破滅に付き合うのを拒んだのか。
確かに、破滅主義嗜好の者が権力をもったら危ういものだ。
上層部もなかなか一枚岩ではなく、それぞれの思惑と意志をもってかろうじて平和を保っている状態だ。
いつ何か起きるか分からない状態でもあった。
最下層では、大量に餓死や戦いの後が残っている遺体が放置されていた。
長い間、放置されてほとんどミイラや骸骨になっているのもあった。
蛇や小動物の糧になったのだろう。
その悲惨な現場を唯冷静に見ていると、下民たちが何かを運び、その遺体の山の上に捨てた。
「なんだ?あれは?」
カテイサは近くに寄って、捨てたものを見た。果実の皮や食べ物の残りかすだ。
なんでも、果実や食品を扱っている商会の出すゴミを捨てる場所としても選ばれたらしい。
ここは遺体処理どころが、ゴミ捨て場にもなるようだ。
淡々と、彼はその状況を見届けた。
まさかそのゴミ捨て場が後に、植物の種が多く宿っていて、遺体やゴミを糧に美しい花畑や緑の山をつくるとはおもいもよらない未来を彼らは今だ知らなかった。
数年後、彼らは再度調査のため訪れると、そこは緑と花が何もかも覆い隠し、美しい光景になっていた。
醜悪だが美しい自然の摂理だ。
カテイサはこれを見て、嗚呼人間がいなかったら楽園になるかもしれないなと思った。しかし人間のやる行為で
思わぬ生態系ができたことに彼はどこか感動していた。
カテイサは、密偵を任務のためやっているが、時には人間の生み出す醜悪な行為やその負の遺産を見たこともある。
そのたびに、カテイサは人間を疎み嫌悪したが、生きている限り人間という生き物と付き合うのだ。
自分も人間という醜悪な動物として生まれたのだから、その行為や、思わぬ結果には安堵するものもあった。
まだまだこの世を生き抜いて何かを見届けるか・・カテイサはなにか希望というものを感じて去っていった。
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