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第6章 デイエル 統治者
第4話 昏い花
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デイエルは、ジルとの蜜月が忘れられなかった。未練たらしい女みたいだと思いながらも執着した。
デイエルにとって思ったより老人との同衾は、悪夢だったらしい。
デイエルは領主となってから若い者と乱交するのが習慣になっていた。その後、買った奴隷女や奴隷男が少しでも
年老いると容赦なく捨てることを繰り返していた。
原因はデイエルもわかっている。心の病だ。
老いる奴を見ると、醜い老人を思い出すのだ。老人に残忍に嬲られた記憶は生々しく蘇る。
デイエルは忌々しく思いながらもどうしたらいいか分からなかった。
密かに心の病を治す専門医にも相談したが、どれも劇的な療法にはならなかった。
彼は幾夜も寝ては捨てては繰り返し、体は荒淫のため荒れ果て悪循環が止まらなかった。
デイエルは望んだ権力を得たのに幸福にならなかった。
ジルと一緒に恋人だった頃がデイエルにとって唯一楽しい時間だったらしい。
それ以降はどこか穢い記憶ばかりだった。
ジルにいつのまにはデイエルは執着するようになった。時折 ジルと愛妻 アイシャの仲が良い夫婦を影ながら
見た。二人はなかなかよく似合っていた。
アイシャは金の髪が美しい女だった。立派な正妻に見えた。
ジルは優しくアイシャに触れていた。
ジルがアイシャを抱擁し、濃厚なキスをしているのを見たデイエルは黒い黒い何かが内から湧き出るものを感じた。二人だけが光の中にいるみたいだった。
許せない。理不尽にもデイエルはそう思った。
デイエルの身勝手な心はあと少しで爆発しそうだった。
暗い暗い昏い昏い花が咲き乱れる。デイエルは錯覚と幻影を見た。
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原因はデイエルもわかっている。心の病だ。
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許せない。理不尽にもデイエルはそう思った。
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暗い暗い昏い昏い花が咲き乱れる。デイエルは錯覚と幻影を見た。
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