水底の恋 天上の花

栗菓子

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第4章 アイシャの章

第8話 再びの初夜

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わたくしはお姉様に閨の手ほどきを受けたから初夜をやり直させてほしいとジル様にお願いをした。
ジル様は驚愕の表情でわたくしを見た。
わたくしはお互いに痛かったので、今度は気持ちいい初夜をしたい。そうすれば子どもも早くできるでしょうとジル様に言った。

ジル様はあ、ああと子どものような表情で頷いた。
こうしてわたくしとジル様の初夜が始まった。

わたくしは既にお姉様に教わった香油で自分の性器をほぐしていつでも入れられるようにしている。
自分の体もすでにほぐして性感帯は高まっている。

わたくしはジル様の服をゆっくりと脱がせた。今度はわたくしが導かなければジル様は嫌悪のあまり乱暴するだろう。それでは二の舞だ。
わたくしは微笑んで、大丈夫です。ジル様。母親のように宥めた。お姉様の真似だ。
ジル様は警戒した獣のようにピリピリしていたが、ずっと宥めていると落ち着くようになった。
わたくしはお姉様のように、ジル様の体に良い匂いがする香油を塗った。
緊張がほぐされる香油です。
害はないとジル様の硬質な身体に柔らかく塗った。硬くこわばっている筋肉をほぐすとジル様は痛みと共に気持ち良さが見られた。私は丹念にジル様の体をほぐした。ジル様は気持ちよさそうになっていた。

わたくしは跪き、ジル様の男根を咥えた。
「お、おい。お前・・やめろ・・。」
わたくしは嫌悪で足で蹴られないか危惧したが、ジル様も罪悪感があったのか蹴ろうとはしなかった。
「こうしないと、わたくしの痛みがなくならないのです。お許しを。」
わたくしはお姉様に教わった通り、柔らかに丹念にジル様の男根を舐めた。愛おし気に舐めた。
ジル様の性感帯がわかるようになった。わたくしはその急所を攻めて気持ち良くさせた。
ジル様の男根はそそり立っていた。女でも立つらしい。
わたくしは男色家がよくわからなかった。

わたくしは服をきたまま、わたくしの性器をスカートで隠し、横たわったジル様の雄々しくなった性器にゆっくりと合わせようとした。私の性器がジル様の性器を受け入れるように体重をかけてゆっくりと奥まで入った。

「これならわたくしが女となかなかわからないでしょう。スカートで隠しているからわたくしを男と思ってください。」
わたくしはこどものようにわたくしを無防備に見ているジル様に柔らかく宥めて言った。
ジル様は目を閉じた。恐らく思い人を浮かべたのだろう。
わたくしは少し虚しいと思いながらも、懸命にジル様に奉仕した。
息が荒くなる。ジル様もハアハアと息を荒げながら、紅潮して目を僅かに開けた。わたくしの顔がジル様の目に映った。奇妙な感じだ。
やにわに、ジル様は欲情の目でわたくしの腰をつかんで、立ち上がり思う存分腰を動かした。
激しい律動だ。わたくしはジル様に合わせて性器をぴったりと合わせた。 最後の射精が間もなく来る。
わたくしはかすかに呻きながらジル様の射精を受け入れた。

終わった・・わたくしは疲労のあまりジル様にもたれた。
すると、ジル様が驚く行動に出た。わたくしの金の髪を柔らかく撫でたのだ。わたくしは唯、ジル様の思うように従った。
ジル様は何回もわたくしを押し倒し、服を着ているわたくしをみながら性器を結合し続けた。
わたくしは流石に痛みがあって痛みに歪んだ。かすかに目じりに涙が浮かんだ。
感じるまいとはしたない声は出すまいと思いながらもかすかに抑えきれなかった。
「あ。ああ・・」「う・・ううん・・」
恥辱の声をわたくしは抑えようと必死にこらえた。

ジル様は嗜虐の目でわたくしを見た。何回もジル様はわたくしを抑えながら犯し続けた。
スカートの中は、ジル様の精液とわたくしの愛液でいっぱいになっていた。

これなら早く子どもも生まれるだろう・・わたくしはこれで初夜の儀式が修正されたのを感じた。
お姉様のお陰だわ・・

わたくしは子どもをつくってお互いに解放されるのを待っていた。
ジル様の心情に微妙な変化があるとも気づかずにわたくしは唯、ジル様に体をゆだねた。


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