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52 エンディングまで6ヶ月
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レオナルド王子様との話(密会とは言いたくない)が終わり、屋敷に帰った。
何故か誰からも事情は聞かれなかった。まぁ、終わった未来の選択肢だもの、お情けで聞かないでくれたのだろう。
夏休み明けは、ラブなロマンスがそれぞれにあった話で大いに盛り上がった。
残念ながら、私にはないと伝えれば、憐れみの目を頂いた。
仕方ない。みんないい事があっても一人だけ不幸なことってあるよね。
はっきり言って普通だから。貴族令嬢にラブロマンスなんて求めちゃいけない。
家のための結婚!
それが責務よ。
「ねぇ、ミルフィーナ様。そう思いません?」
と聞かれ、全く彼女達の話を聞いてなかった。再び聞くと、ラブロマンスの相手は、セオデリック・レスターだとみんな言う。何人と付き合っているの?と聞けば、
「その時の甘い関係」
「一日だけの恋人」
「理想の思い出作り」
なんだそれは!
聞けば、彼女達も家のための結婚は、納得しているけど理想と現実は、お見合いや釣書を見てかけ離れているそうだ。
まぁ、アリサさんも最初、伯爵様を嫌だと言っていたし、見た目的にセオデリック様は、女子受けするイケメンだ。流石攻略対象者。学校に入る前は、可愛いタイプだったのに、マリネッセ様とお付き合いをされて、大人びた印象は去年あった。そしてマリネッセ様に捨てられた?から学校を休んで遊び人になったとは聞いていたけど、一日恋人なんてやっていたんだ。
心、病んだな、セオデリック様。
まぁチャラチャラしてもいいけど、いつかお互い立ち直ろうと、勝手ながら仲間意識を持った。
そんな中、カリナ様達、サーカス団のチケット購入組はまた別の熱狂があって凄かった。
チケットを買う予定だったのに、家から出ることが面倒になるという心を病んだ令嬢です、私は。
アリサさんは、本格的に結婚準備に入って夏休み中に学校を辞めた。領地で知らせてくれたので知ってはいたけど。とても私の周りが静かになった。
アリサさんとは、このぐらいの距離感が私にはちょうどいい。
カリナ様達は、最後まで人騒がせな人だと怒ってくれたから、もう私から言うことは特になかった。
正真正銘、本編終了です?
じんわりとした達成感。
さよなら悪役令嬢。
さよなら攻略対象者。
君らは、ちゃんと自分で相手を見つけなければいけないよ。私もだけど。
「これで自由、無関係、誰のせいにも出来ない、悪口も言えない、意地悪も出来ない、論破なし」
確かにそれで良いけど、私って結果何が残っているのだろうな。
家に帰れば、言語学の教師が待機していて、流石に父様、もうあれから三か月以上経っているのだから、契約切っても良いではないか?
勉強に対するモチベーションはもう低い。
「お父様、その…家庭教師の件ですか、そろそろ終了しても先生方も文句は言われないのではないですか?」
と当たり前のように夕食の時に言えば、
「あぁ、ミルフィーナ、それだが、イチ、一年契約なんだよ、新学年の時、前金で払ってしまっていて」
前金、一年契約、絶望…
ヒョーガル王子様に合う令嬢になりたくて始めた勉強。
確かに振られたから、即辞めます。それは、ないなと思っていたけど、まさか一年とは!
絶望…
本来私は、読書以外令嬢らしいことも面倒くさい、私が、なんの目的もないまま一年…
いや、後半年か。
これは今まで私がしてきた悪行の数々に合わせて最後、締めてきたのかもしれない。すべては自分に。
ああ、絶望。
「ミルフィーナ様、ご自分が旦那様にお願いして始めたのではありませんか。最初に望んでないとか不釣り合いだとか頑張りたいと言ったのは、あなたですよ」
「お義母様」
まさか、今まで、私のやること言うことに意見をぶつけてこなかったお義母様に意見されるなんて、思わなかった。
いつも一歩引いているお義母様が、初めて私に意見をぶつけてくれた。
なんか嬉しい。お父様とお義母様も少し笑っていた。
それに正論すぎる。
誰も居なくなったダイニングに、リンが待っていてくれた。
「さぁ、部屋に帰りましょう」
「きちんと金額分勉強するわ。だって私が言ったのですものね」
リンは大きく頷いた。
そしてリンは、最近ハマっている小説『暗殺ファイター1』
を貸してくれた。
「お嬢様、勉強に疲れたらこの本のスリルがたまりませんし、なんか自分でも出来そうで強くなった気になるのですよ。今人気の本です」
ありがたく気分転換にさせてもらうよ。
ラブなロマンスはちょっと私には重いから…
無事にラーニャは出産したとの報告を受けた。そして兄様達も卒業に向けて準備し始めた。
「後輩のための資料作りもあるが、ミルフィーナ、勉強でわからないことがあればなんでも聞いて欲しい。私も出来る限りの協力をするから」
と兄様から言われる。
意味がわからない?何故みんな私に勉強させたがるの?
あっ、最近集中力がないとか頑張ってないとかそういう事か、報告が入っているのね。
「金額分…」
そんな時、マリネッセ様からお茶会の案内が届いた。
「お忙しいのに、ごめんなさいね。ミルフィーナ様」
「いえ、マリネッセ様の方が卒業の準備があるではないですか!」
と言った。
当たり障りのない返答で止めた。
まだレオナルド王子様との婚約発表はされてない。王子が選びきれてないからなのか、実際はどうなんだろう?
「ミルフィーナ様は、この国の未来はどう思われますか?」
と漠然と壮大な問いがきた。
「ボルドート王国は、安定していると思います。内政も外政も荒れてないです。物価も穏やかですね、ただ最近雨が降っていないため、ダルン領は、水の節制をしたと聞きました。夏には治水工事もしておりましたよ」
「アルフレッド領も麦に支障が出ないように、一日の大半は水撒きと聞いたわ」
「自然不良の対策は、仕方ないですが、領民の生活に直結しますものね」
と天気の話から入ってみた。壮大すぎて逃げてしまった。
本題は、そこじゃない。
「フゥー、それでミルフィーナ様、あなたはレオナルド王子様が、私かミラン国の姫様どちらが王太子妃になるべきだと思います?」
マリネッセ様が直球を投げてきた。我慢出来なかったか…天気の話…
もちろん派閥の私には、一択よ。
「マリネッセ様です」
と答えた。
満足そうにしながらも、悲しい表情をする。
「私の判断が遅いと思う?」
これについては、ハイと返事がしたい。ゲーム上私の入学前が予定だから。変えてしまった私が言えないけど。
「後悔なさっているのですか?」
「ええ、お父様にもレオナ様にも怒られてしまったわ。内定が出ないことに文句を言ったら」
と愚痴をこぼすように言った。
レオナルド王子の気持ちはわからない。あの後考えているのかどうかも迂闊な発言は出来ない。
「セオデリック様はもうよろしいのですか?」
と聞くと、少し驚きながらも
「噂になってしまっていたかしら?」
「いえ、私は、お茶会で学校に入ったら、侍従をすると聞いていましたが、そんな様子はなかったのと、中々王子様と婚約発表されなかったのが関係しているのかと思っただけです」
「そう、レオナルド王子様にもバレているのね。謝った方がいいのよね?」
「それはわからないですが…マリネッセ様はお気持ちを王子様にお伝えしたことはありますか?」
「ないわ、だって私達の結婚は、国の内政や力関係が決めるのであって、レオナルド王子様の意志も関係ないわ」
「でも、レオナルド王子様はマリネッセ様の意志を汲んであのお茶会以降に婚約発表にならなかったのでは?」
マリネッセ様は、俯きながら、
「それは私、が、嫌だと言ったから」
と言った。
後悔先に立たず。
それでも、
「国の重鎮や政治だけじゃなく、本人の意志があるのではないですか!」
普通の事を言ってみた。
「でも、それなら、今、レオナルド王子様は、私を認めてくれないのは何故かしら?」
いや、そんなの知らないし。
面倒くさいな、この人も!
なんでも自分の思い通りになんかならないよ!!
嫌だと言って今はOKだから早く認めろだと、はっきり言って私は心配ですよ、あなたにどれだけの貴族令嬢が付いていくか。
幼少からの勉強、そりゃ大変でしょう。努力は認めますが、その我儘さはちょっと王妃になる方としては引きます。
「話し合われたらいかがですか?義務とか重鎮とか政治関係なく、学校で会える内に、もうすぐ卒業ですし、もっと周りがうるさくなる前に行動すべきだと思います」
少し語気が荒くなった。
面倒くさくなったのだから仕方がないでしょうよ。
私なんか意味なく勉強しなければいけないのですよ。自分の言葉で首絞めているんだから!
静かに頷くマリネッセ様。
まぁ、私もきちんと自分の気持ちをヒョーガル王子様に伝えてはいない。
手紙でも出せば良いんだ。返事が来なくても。相手は王子なんだから国を跨いですぐ会えるとか思うことが間違いだった。
まず手紙を書こう、書いてみよう。
何故か誰からも事情は聞かれなかった。まぁ、終わった未来の選択肢だもの、お情けで聞かないでくれたのだろう。
夏休み明けは、ラブなロマンスがそれぞれにあった話で大いに盛り上がった。
残念ながら、私にはないと伝えれば、憐れみの目を頂いた。
仕方ない。みんないい事があっても一人だけ不幸なことってあるよね。
はっきり言って普通だから。貴族令嬢にラブロマンスなんて求めちゃいけない。
家のための結婚!
それが責務よ。
「ねぇ、ミルフィーナ様。そう思いません?」
と聞かれ、全く彼女達の話を聞いてなかった。再び聞くと、ラブロマンスの相手は、セオデリック・レスターだとみんな言う。何人と付き合っているの?と聞けば、
「その時の甘い関係」
「一日だけの恋人」
「理想の思い出作り」
なんだそれは!
聞けば、彼女達も家のための結婚は、納得しているけど理想と現実は、お見合いや釣書を見てかけ離れているそうだ。
まぁ、アリサさんも最初、伯爵様を嫌だと言っていたし、見た目的にセオデリック様は、女子受けするイケメンだ。流石攻略対象者。学校に入る前は、可愛いタイプだったのに、マリネッセ様とお付き合いをされて、大人びた印象は去年あった。そしてマリネッセ様に捨てられた?から学校を休んで遊び人になったとは聞いていたけど、一日恋人なんてやっていたんだ。
心、病んだな、セオデリック様。
まぁチャラチャラしてもいいけど、いつかお互い立ち直ろうと、勝手ながら仲間意識を持った。
そんな中、カリナ様達、サーカス団のチケット購入組はまた別の熱狂があって凄かった。
チケットを買う予定だったのに、家から出ることが面倒になるという心を病んだ令嬢です、私は。
アリサさんは、本格的に結婚準備に入って夏休み中に学校を辞めた。領地で知らせてくれたので知ってはいたけど。とても私の周りが静かになった。
アリサさんとは、このぐらいの距離感が私にはちょうどいい。
カリナ様達は、最後まで人騒がせな人だと怒ってくれたから、もう私から言うことは特になかった。
正真正銘、本編終了です?
じんわりとした達成感。
さよなら悪役令嬢。
さよなら攻略対象者。
君らは、ちゃんと自分で相手を見つけなければいけないよ。私もだけど。
「これで自由、無関係、誰のせいにも出来ない、悪口も言えない、意地悪も出来ない、論破なし」
確かにそれで良いけど、私って結果何が残っているのだろうな。
家に帰れば、言語学の教師が待機していて、流石に父様、もうあれから三か月以上経っているのだから、契約切っても良いではないか?
勉強に対するモチベーションはもう低い。
「お父様、その…家庭教師の件ですか、そろそろ終了しても先生方も文句は言われないのではないですか?」
と当たり前のように夕食の時に言えば、
「あぁ、ミルフィーナ、それだが、イチ、一年契約なんだよ、新学年の時、前金で払ってしまっていて」
前金、一年契約、絶望…
ヒョーガル王子様に合う令嬢になりたくて始めた勉強。
確かに振られたから、即辞めます。それは、ないなと思っていたけど、まさか一年とは!
絶望…
本来私は、読書以外令嬢らしいことも面倒くさい、私が、なんの目的もないまま一年…
いや、後半年か。
これは今まで私がしてきた悪行の数々に合わせて最後、締めてきたのかもしれない。すべては自分に。
ああ、絶望。
「ミルフィーナ様、ご自分が旦那様にお願いして始めたのではありませんか。最初に望んでないとか不釣り合いだとか頑張りたいと言ったのは、あなたですよ」
「お義母様」
まさか、今まで、私のやること言うことに意見をぶつけてこなかったお義母様に意見されるなんて、思わなかった。
いつも一歩引いているお義母様が、初めて私に意見をぶつけてくれた。
なんか嬉しい。お父様とお義母様も少し笑っていた。
それに正論すぎる。
誰も居なくなったダイニングに、リンが待っていてくれた。
「さぁ、部屋に帰りましょう」
「きちんと金額分勉強するわ。だって私が言ったのですものね」
リンは大きく頷いた。
そしてリンは、最近ハマっている小説『暗殺ファイター1』
を貸してくれた。
「お嬢様、勉強に疲れたらこの本のスリルがたまりませんし、なんか自分でも出来そうで強くなった気になるのですよ。今人気の本です」
ありがたく気分転換にさせてもらうよ。
ラブなロマンスはちょっと私には重いから…
無事にラーニャは出産したとの報告を受けた。そして兄様達も卒業に向けて準備し始めた。
「後輩のための資料作りもあるが、ミルフィーナ、勉強でわからないことがあればなんでも聞いて欲しい。私も出来る限りの協力をするから」
と兄様から言われる。
意味がわからない?何故みんな私に勉強させたがるの?
あっ、最近集中力がないとか頑張ってないとかそういう事か、報告が入っているのね。
「金額分…」
そんな時、マリネッセ様からお茶会の案内が届いた。
「お忙しいのに、ごめんなさいね。ミルフィーナ様」
「いえ、マリネッセ様の方が卒業の準備があるではないですか!」
と言った。
当たり障りのない返答で止めた。
まだレオナルド王子様との婚約発表はされてない。王子が選びきれてないからなのか、実際はどうなんだろう?
「ミルフィーナ様は、この国の未来はどう思われますか?」
と漠然と壮大な問いがきた。
「ボルドート王国は、安定していると思います。内政も外政も荒れてないです。物価も穏やかですね、ただ最近雨が降っていないため、ダルン領は、水の節制をしたと聞きました。夏には治水工事もしておりましたよ」
「アルフレッド領も麦に支障が出ないように、一日の大半は水撒きと聞いたわ」
「自然不良の対策は、仕方ないですが、領民の生活に直結しますものね」
と天気の話から入ってみた。壮大すぎて逃げてしまった。
本題は、そこじゃない。
「フゥー、それでミルフィーナ様、あなたはレオナルド王子様が、私かミラン国の姫様どちらが王太子妃になるべきだと思います?」
マリネッセ様が直球を投げてきた。我慢出来なかったか…天気の話…
もちろん派閥の私には、一択よ。
「マリネッセ様です」
と答えた。
満足そうにしながらも、悲しい表情をする。
「私の判断が遅いと思う?」
これについては、ハイと返事がしたい。ゲーム上私の入学前が予定だから。変えてしまった私が言えないけど。
「後悔なさっているのですか?」
「ええ、お父様にもレオナ様にも怒られてしまったわ。内定が出ないことに文句を言ったら」
と愚痴をこぼすように言った。
レオナルド王子の気持ちはわからない。あの後考えているのかどうかも迂闊な発言は出来ない。
「セオデリック様はもうよろしいのですか?」
と聞くと、少し驚きながらも
「噂になってしまっていたかしら?」
「いえ、私は、お茶会で学校に入ったら、侍従をすると聞いていましたが、そんな様子はなかったのと、中々王子様と婚約発表されなかったのが関係しているのかと思っただけです」
「そう、レオナルド王子様にもバレているのね。謝った方がいいのよね?」
「それはわからないですが…マリネッセ様はお気持ちを王子様にお伝えしたことはありますか?」
「ないわ、だって私達の結婚は、国の内政や力関係が決めるのであって、レオナルド王子様の意志も関係ないわ」
「でも、レオナルド王子様はマリネッセ様の意志を汲んであのお茶会以降に婚約発表にならなかったのでは?」
マリネッセ様は、俯きながら、
「それは私、が、嫌だと言ったから」
と言った。
後悔先に立たず。
それでも、
「国の重鎮や政治だけじゃなく、本人の意志があるのではないですか!」
普通の事を言ってみた。
「でも、それなら、今、レオナルド王子様は、私を認めてくれないのは何故かしら?」
いや、そんなの知らないし。
面倒くさいな、この人も!
なんでも自分の思い通りになんかならないよ!!
嫌だと言って今はOKだから早く認めろだと、はっきり言って私は心配ですよ、あなたにどれだけの貴族令嬢が付いていくか。
幼少からの勉強、そりゃ大変でしょう。努力は認めますが、その我儘さはちょっと王妃になる方としては引きます。
「話し合われたらいかがですか?義務とか重鎮とか政治関係なく、学校で会える内に、もうすぐ卒業ですし、もっと周りがうるさくなる前に行動すべきだと思います」
少し語気が荒くなった。
面倒くさくなったのだから仕方がないでしょうよ。
私なんか意味なく勉強しなければいけないのですよ。自分の言葉で首絞めているんだから!
静かに頷くマリネッセ様。
まぁ、私もきちんと自分の気持ちをヒョーガル王子様に伝えてはいない。
手紙でも出せば良いんだ。返事が来なくても。相手は王子なんだから国を跨いですぐ会えるとか思うことが間違いだった。
まず手紙を書こう、書いてみよう。
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