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48 ヒロイン、キャラ崩壊の時間です
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バードナー伯爵が我が家に訪問してから、客室で泊まって頂いている三日目の朝。兄様と私も学校を休んでいる。
アリサさんを刺激しないためとここに来るしか選択肢を無くしている。
伯爵や父様は、領地の話を詳しくして兄様は聞き入っている。
今頃、噂好きな令嬢やご婦人達は、ダルン侯爵家の実態とか悲劇の連れ子とかこういったネタは、面白おかしく言っているだろう。
玄関先に怒りを伴う甲高い声が響いた。
一同に集められたダイニング
とても不機嫌な父様。
顔色は悪いがアリサさんを見つめるお義母様。
覚悟を決めたような強い意志を感じる兄様
汗が流れているようなバードナー伯爵
不思議なんだが、伯爵は顔を隠すのがとても上手い。ハンカチを巧みに使って気が弱いふりが上手だと感じる。
でも、みんなを観察している気がする。だから、私とは、何度も目が合う。
そして全く怒りを隠さないアリサさん。
今、私はどんな顔をしているのかしら?ラーニャがいたら、教えてくれたのだけど…
「突然の訪問はなんだ?」
と父様が口火をきった。すかさずアリサさんは、
「バードナー伯爵様は仕事が忙しいんです。いつまでもダルン侯爵家に軟禁するなんておかしいです。私が学校でダルン侯爵家の真実を言ったことに対する当てつけですか?随分と強引なやり方ですね」
と言うと、父様は、
「すぐにアリサに手紙を出したのに、返事が来なかったから伯爵に事情を聞いていただけだ。軟禁なんてしてない」
アリサさんは自虐的に笑った。
「嘘よ!バードナー伯爵様、また嘘をつかれてます。私が少し、ミルフィーナ姉様のことを言っただけで、部屋に閉じ込めるような人達です。すぐに帰りましょう」
と隣の席の伯爵の腕を取る。
…少し?
兄様は、
「何でそんな風になったんだ。花嫁修行に行った方がいいと言った案は、私だし、部屋に軟禁されたのは、アリサが礼儀知らずで人を貶めることばかりする意地悪令嬢だからだろう!?」
…
…
言ってしまった兄。
アリサさんの口が開いている。
伯爵様は黙って、ハンカチを動かしている。
お義母様は、静かに
「本当に申し訳ありません。何度か注意はしたのですが、その意味を理解出来なくさせてしまっていました。自分がしていることの悪さより自分が優位に立つことがアリサには大事。それを知っていながら、導けなかったのは母親としての罪です」
と言えば、アリサさんは、
「やっぱりね、何かあれば、すみません、娘が悪いんです、侯爵家の子達は悪くないです。母様はいつもいつも私だけ悪く言う。遠慮しているんでしょう?身分でしょう?母様はそこばっかり気にして私を悪者扱いすれば、自分が侯爵夫人として成立するんでしょう!」
とアリサさんが目を吊り上げ、お義母様を睨んでいる。
父様は、
「アリサ、何で自分は悪くないと思うんだ?まずそこから話すべきだ。ローズリーは身分を気にしてはいる、しかし侯爵夫人として夫人会を円滑に進め、領地からも派閥からも文句は出ていない。きちんと努力を認められている。侯爵家に来て君がやったことは?」
と言えば、アリサさんは私を見た。
「そこにいるミルフィーナ姉様が中々仲良くしてくださらないから、私をいじめているのかと思っただけで、言った言葉も私じゃなく兄様だし、別に使用人とも仲良くしたいと思ったから、使用人部屋を訪れただけじゃないですか。それだってメイドが、凄いカッコいいと騒ぐから」
と言った。
結局、なんでも人のせい。
兄様は、悲しそうな顔をして、
「私にミルフィーナがいじめた、意地悪をすると同じ話を繰り返しして、私がミルフィーナを怒った事も、アリサの勘違いだったし、男性の使用人部屋に令嬢が訪問して万が一、何かあったらとみんな心配から注意しただけだろう。アリサ、君は侯爵令嬢として礼儀作法も出来ず男達に媚びや色目を使うばかりで、恥ずかしくて外に出せないから、伯爵様の家で修行させていただく約束になったんだよ」
…
…
またしても兄、抉った。
真面目な人が言うと真実が暴力になるのは何でだろう。
私が言えば、反抗するが攻略対象者が言えば、大人しい。不思議だ。こういう所もゲームの影響なのか?
アリサさんがまた口が開いている。
すると、バードナー伯爵が口を開いた。
「全て吐き出したかな?アリサさん、みんな気づいてないって思っていたのかい?あざとさも媚びも色目も甘言もスキンシップも。馬鹿だね君は。ラザリーのこと馬鹿だと思っていただろう?それも本人は気づいているよ。実際あの子は勉強は出来ないからね。それでも髪飾りを選んでくれて、王子主催のパーティーのドレスや髪型を選んでくれて感謝していたんだ。笑われても、そのパーティーで注目されて花になったってね。あんな夢物語の中で存在したという思い出が嬉しいと笑う。アリサさん、自信がないから縋りつくのもわかる、私も同じだから。君がたまに言う台詞にドキッとしたりするし、嫌味を言われても笑える。本当に馬鹿なのは君なんだよ、でも君ほどわかりやすい人はいない。嘘も本当もわかるし何より腹の探りあいも要らない、心から楽な人だよ」
アリサさんは驚いていた。
バードナー伯爵が一番大事な姪を馬鹿にされていたのを知っていながら、自分を自由にし、ラザリーを利用していても一度も怒られたことはなかったようだ。
「そんな、ことないわ、確かに王子様のパーティーには、私も行きたかったわ。だからって…あれは、ラザリーさんが願った通りにしただけです。私ラザリーさん大好きよ。可愛いし、確かに今回一緒に学校に通えなくて本当に残念だったけど、伯爵領に行けば、お茶もするし会話も弾むわ。買い物だって。ラザリーさんにわざと意地悪なんてしてないわ。私、男性とか女性とか身分とか気にしないで、みんなと仲良くしたいから、それだけで媚びているとか言われるの違うと思うの?伯爵はわかるでしょう?」
と必死で訴えている。
伯爵に嫌われたくないから、必死に言い訳しているのね。もう、嫌になるわ。
伯爵は、
「わかるよ。アリサさん、それが君の生き方だって、必死さも。汚さも。貴族令嬢として明らかに省かれる。だからダルン侯爵様は、パーティーに参加しない私にアリサさんを託したんだ。偏屈な変わり者な10歳も歳上の男に」
と言った。
「違う、連れ子が邪魔だから、ミルフィーナ姉様に高位貴族の婚約者をつけたいから!そうよ、私が盗ると思ったんだわ。昨日学校で聞いたのよ、アルフィン様でしたよね、騎士団長の息子さん、その方と婚約間近だから、私をまた排除しようとしているのよ。いつもそうよ、ミルフィーナ姉様の為にみんな動いているんだわ」
と私を見る。
そして酷い顔。ヒロインとして見る影もない。
アリサさんも伯爵様も言葉の違う部分を取ったら告白しているようなものなのにな~
結局、彼女、私のせいにして全て収めたいみたいだけど、
「アリサさん、いくら私を見ても解決しないわ。だってこれは全てあなたが作った僻みで妬みに対抗する世界でしょう。今のあなたの顔、すっかり全部剥がれてしまったわよ」
と言えば、
「うるさいわ、いつも高みの見物で高慢な令嬢、私を下に見て馬鹿にして、言葉巧みにみんなを騙して!」
アリサさんは私だけを睨む。まぁそれは事実。
「わー凄い、すっかり本心しか出てないですわね。貴族は、まず本音も表情も隠さないと、これは侯爵云々ではなく令嬢として失格です。言いたい嫌味をオブラートに包んで言わなきゃ、下品ですよ。伯爵様、花嫁修行進んでないじゃないですか?甘やかさないで下さい」
と伯爵を見ると、汗を拭く手が止まっていた。始めから汗なんてかいていなかったのかもしれない、そして自分の言葉に気づいたのか照れながら笑って、
「すみません」
と一言頭を下げた。
アリサさんは、それが気に入らなかったらしく、
「伯爵様にまで頭を下げさすなんて、何様のつもりよ!この傲慢女!」
と言う。
可愛さなんて欠片もない。
父様も兄様も酷い顔だ。お義母様がアリサさんを止めようと手を伸ばせば伯爵様が手を押さえた。平然としている伯爵。
それに驚くアリサさん。
私は、
「お義母様、落ちついて下さい。誰も本性なんて見せたくない。誤魔化して生きています。でも伯爵様はアリサさんのそこが気に入っているんです。まぁ、この続きは本人がアリサさんに言う事ですから、アリサさんあなたは侯爵令嬢にはなれません。あなたの本性は割と早くこの屋敷にいる者達みんなにバレてしまっていたんです。嘘も計略も。(乙女ゲームの真実を確認しに行った私のせいだけど)
見知らぬ土地で花嫁修行という形が、あなたがあなたらしく生きるための道だったんです。まだ納得出来ないかも知れませんが。それからイライラを侯爵家のせいに置きかえないで下さい。ラザリーさんが伯爵領にいることに怒っているんでしょう?一緒に学校に行くつもりだったのにとか、ラザリーさんと伯爵様の仲へのヤキモチでしょう?ちゃんと二人で話し合ってくださいな。もう振り返すことはありません」
と言えば、
…
…
…
「ヤキモチ…」
言葉を失ったアリサさんとバードナー伯爵を残して、ダイニングを出て行く。
「本当にいい迷惑だ」
とさっさと歩く父様と
「ご迷惑かけてすみません」
と顔色が良くなって父様の後ろを歩くお義母様。
そしてまだ納得いかない顔をしている兄様。
「兄様。早く今日のことレオナ様に報告書に書かないとまた言葉が足りないとか意味がわからないとか何故忘れてしまうのとか言われてしまいますよ」
「何でそれを?」
「兄様、なんと我が家のメイド、ロマンス作家を目指している者がいるんですよ。お気をつけ下さい。ネタにされますよ」
私達は、部屋に戻った。
ハァー、納得云々じゃないのよ。
許される者と許されない者の不平等さがあることだけが事実なのよ、兄様。
アリサさんを刺激しないためとここに来るしか選択肢を無くしている。
伯爵や父様は、領地の話を詳しくして兄様は聞き入っている。
今頃、噂好きな令嬢やご婦人達は、ダルン侯爵家の実態とか悲劇の連れ子とかこういったネタは、面白おかしく言っているだろう。
玄関先に怒りを伴う甲高い声が響いた。
一同に集められたダイニング
とても不機嫌な父様。
顔色は悪いがアリサさんを見つめるお義母様。
覚悟を決めたような強い意志を感じる兄様
汗が流れているようなバードナー伯爵
不思議なんだが、伯爵は顔を隠すのがとても上手い。ハンカチを巧みに使って気が弱いふりが上手だと感じる。
でも、みんなを観察している気がする。だから、私とは、何度も目が合う。
そして全く怒りを隠さないアリサさん。
今、私はどんな顔をしているのかしら?ラーニャがいたら、教えてくれたのだけど…
「突然の訪問はなんだ?」
と父様が口火をきった。すかさずアリサさんは、
「バードナー伯爵様は仕事が忙しいんです。いつまでもダルン侯爵家に軟禁するなんておかしいです。私が学校でダルン侯爵家の真実を言ったことに対する当てつけですか?随分と強引なやり方ですね」
と言うと、父様は、
「すぐにアリサに手紙を出したのに、返事が来なかったから伯爵に事情を聞いていただけだ。軟禁なんてしてない」
アリサさんは自虐的に笑った。
「嘘よ!バードナー伯爵様、また嘘をつかれてます。私が少し、ミルフィーナ姉様のことを言っただけで、部屋に閉じ込めるような人達です。すぐに帰りましょう」
と隣の席の伯爵の腕を取る。
…少し?
兄様は、
「何でそんな風になったんだ。花嫁修行に行った方がいいと言った案は、私だし、部屋に軟禁されたのは、アリサが礼儀知らずで人を貶めることばかりする意地悪令嬢だからだろう!?」
…
…
言ってしまった兄。
アリサさんの口が開いている。
伯爵様は黙って、ハンカチを動かしている。
お義母様は、静かに
「本当に申し訳ありません。何度か注意はしたのですが、その意味を理解出来なくさせてしまっていました。自分がしていることの悪さより自分が優位に立つことがアリサには大事。それを知っていながら、導けなかったのは母親としての罪です」
と言えば、アリサさんは、
「やっぱりね、何かあれば、すみません、娘が悪いんです、侯爵家の子達は悪くないです。母様はいつもいつも私だけ悪く言う。遠慮しているんでしょう?身分でしょう?母様はそこばっかり気にして私を悪者扱いすれば、自分が侯爵夫人として成立するんでしょう!」
とアリサさんが目を吊り上げ、お義母様を睨んでいる。
父様は、
「アリサ、何で自分は悪くないと思うんだ?まずそこから話すべきだ。ローズリーは身分を気にしてはいる、しかし侯爵夫人として夫人会を円滑に進め、領地からも派閥からも文句は出ていない。きちんと努力を認められている。侯爵家に来て君がやったことは?」
と言えば、アリサさんは私を見た。
「そこにいるミルフィーナ姉様が中々仲良くしてくださらないから、私をいじめているのかと思っただけで、言った言葉も私じゃなく兄様だし、別に使用人とも仲良くしたいと思ったから、使用人部屋を訪れただけじゃないですか。それだってメイドが、凄いカッコいいと騒ぐから」
と言った。
結局、なんでも人のせい。
兄様は、悲しそうな顔をして、
「私にミルフィーナがいじめた、意地悪をすると同じ話を繰り返しして、私がミルフィーナを怒った事も、アリサの勘違いだったし、男性の使用人部屋に令嬢が訪問して万が一、何かあったらとみんな心配から注意しただけだろう。アリサ、君は侯爵令嬢として礼儀作法も出来ず男達に媚びや色目を使うばかりで、恥ずかしくて外に出せないから、伯爵様の家で修行させていただく約束になったんだよ」
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またしても兄、抉った。
真面目な人が言うと真実が暴力になるのは何でだろう。
私が言えば、反抗するが攻略対象者が言えば、大人しい。不思議だ。こういう所もゲームの影響なのか?
アリサさんがまた口が開いている。
すると、バードナー伯爵が口を開いた。
「全て吐き出したかな?アリサさん、みんな気づいてないって思っていたのかい?あざとさも媚びも色目も甘言もスキンシップも。馬鹿だね君は。ラザリーのこと馬鹿だと思っていただろう?それも本人は気づいているよ。実際あの子は勉強は出来ないからね。それでも髪飾りを選んでくれて、王子主催のパーティーのドレスや髪型を選んでくれて感謝していたんだ。笑われても、そのパーティーで注目されて花になったってね。あんな夢物語の中で存在したという思い出が嬉しいと笑う。アリサさん、自信がないから縋りつくのもわかる、私も同じだから。君がたまに言う台詞にドキッとしたりするし、嫌味を言われても笑える。本当に馬鹿なのは君なんだよ、でも君ほどわかりやすい人はいない。嘘も本当もわかるし何より腹の探りあいも要らない、心から楽な人だよ」
アリサさんは驚いていた。
バードナー伯爵が一番大事な姪を馬鹿にされていたのを知っていながら、自分を自由にし、ラザリーを利用していても一度も怒られたことはなかったようだ。
「そんな、ことないわ、確かに王子様のパーティーには、私も行きたかったわ。だからって…あれは、ラザリーさんが願った通りにしただけです。私ラザリーさん大好きよ。可愛いし、確かに今回一緒に学校に通えなくて本当に残念だったけど、伯爵領に行けば、お茶もするし会話も弾むわ。買い物だって。ラザリーさんにわざと意地悪なんてしてないわ。私、男性とか女性とか身分とか気にしないで、みんなと仲良くしたいから、それだけで媚びているとか言われるの違うと思うの?伯爵はわかるでしょう?」
と必死で訴えている。
伯爵に嫌われたくないから、必死に言い訳しているのね。もう、嫌になるわ。
伯爵は、
「わかるよ。アリサさん、それが君の生き方だって、必死さも。汚さも。貴族令嬢として明らかに省かれる。だからダルン侯爵様は、パーティーに参加しない私にアリサさんを託したんだ。偏屈な変わり者な10歳も歳上の男に」
と言った。
「違う、連れ子が邪魔だから、ミルフィーナ姉様に高位貴族の婚約者をつけたいから!そうよ、私が盗ると思ったんだわ。昨日学校で聞いたのよ、アルフィン様でしたよね、騎士団長の息子さん、その方と婚約間近だから、私をまた排除しようとしているのよ。いつもそうよ、ミルフィーナ姉様の為にみんな動いているんだわ」
と私を見る。
そして酷い顔。ヒロインとして見る影もない。
アリサさんも伯爵様も言葉の違う部分を取ったら告白しているようなものなのにな~
結局、彼女、私のせいにして全て収めたいみたいだけど、
「アリサさん、いくら私を見ても解決しないわ。だってこれは全てあなたが作った僻みで妬みに対抗する世界でしょう。今のあなたの顔、すっかり全部剥がれてしまったわよ」
と言えば、
「うるさいわ、いつも高みの見物で高慢な令嬢、私を下に見て馬鹿にして、言葉巧みにみんなを騙して!」
アリサさんは私だけを睨む。まぁそれは事実。
「わー凄い、すっかり本心しか出てないですわね。貴族は、まず本音も表情も隠さないと、これは侯爵云々ではなく令嬢として失格です。言いたい嫌味をオブラートに包んで言わなきゃ、下品ですよ。伯爵様、花嫁修行進んでないじゃないですか?甘やかさないで下さい」
と伯爵を見ると、汗を拭く手が止まっていた。始めから汗なんてかいていなかったのかもしれない、そして自分の言葉に気づいたのか照れながら笑って、
「すみません」
と一言頭を下げた。
アリサさんは、それが気に入らなかったらしく、
「伯爵様にまで頭を下げさすなんて、何様のつもりよ!この傲慢女!」
と言う。
可愛さなんて欠片もない。
父様も兄様も酷い顔だ。お義母様がアリサさんを止めようと手を伸ばせば伯爵様が手を押さえた。平然としている伯爵。
それに驚くアリサさん。
私は、
「お義母様、落ちついて下さい。誰も本性なんて見せたくない。誤魔化して生きています。でも伯爵様はアリサさんのそこが気に入っているんです。まぁ、この続きは本人がアリサさんに言う事ですから、アリサさんあなたは侯爵令嬢にはなれません。あなたの本性は割と早くこの屋敷にいる者達みんなにバレてしまっていたんです。嘘も計略も。(乙女ゲームの真実を確認しに行った私のせいだけど)
見知らぬ土地で花嫁修行という形が、あなたがあなたらしく生きるための道だったんです。まだ納得出来ないかも知れませんが。それからイライラを侯爵家のせいに置きかえないで下さい。ラザリーさんが伯爵領にいることに怒っているんでしょう?一緒に学校に行くつもりだったのにとか、ラザリーさんと伯爵様の仲へのヤキモチでしょう?ちゃんと二人で話し合ってくださいな。もう振り返すことはありません」
と言えば、
…
…
…
「ヤキモチ…」
言葉を失ったアリサさんとバードナー伯爵を残して、ダイニングを出て行く。
「本当にいい迷惑だ」
とさっさと歩く父様と
「ご迷惑かけてすみません」
と顔色が良くなって父様の後ろを歩くお義母様。
そしてまだ納得いかない顔をしている兄様。
「兄様。早く今日のことレオナ様に報告書に書かないとまた言葉が足りないとか意味がわからないとか何故忘れてしまうのとか言われてしまいますよ」
「何でそれを?」
「兄様、なんと我が家のメイド、ロマンス作家を目指している者がいるんですよ。お気をつけ下さい。ネタにされますよ」
私達は、部屋に戻った。
ハァー、納得云々じゃないのよ。
許される者と許されない者の不平等さがあることだけが事実なのよ、兄様。
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