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45 ヒロイン本編に登場
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進級、クラス替え、名前の掲示
アリサ・ダルンとして、ダルン侯爵家からではなく、バードナー伯爵家から、転入生扱いで来た。
それを聞いたお兄様は、慌てて教室に向かって見に行き、私は、自分のクラスにいた。
そしてアリサさんは、兄様の腕を引きながら連れて、私の前に立ち、
「ミルフィーナ様、私、ダルン侯爵家とは合わなかったですが、バードナー伯爵家とは相性が良かったみたいで、学校に通わせていただける事になりました。ダルン侯爵家は、私が連れ子というだけで本家の子のミルフィーナ様と違って教育も受けさせてはもらえない扱いで、しまいには、侯爵家から出されて、花嫁修行としてバードナー伯爵様の世話になるように追い出されました。私からお母様だけ取り上げて、何一つ持たされないまま、放りだされたんですよ、私は!」
と悲しみと怒りを感情のままに訴えた。
怒りの感情は、教室に響く。
静まり返る。
そのあと教室内では、
「酷い、本当にダルン侯爵家ってそんな差別的な事していたの?」
「もちろんミルフィーナ様もご存知なのよね」
「義妹だからってそこまで差別するか?鬼だなぁ侯爵家」
クラスメイトの反応は、非難ばかり。
あえて、私のクラスに来て言ったのかな。アリサさんの口端が弧を描く。周りの反応を兄様は、慌てていた。
兄様が、
「それは、全て自分がしでかしたことが原因だ。ダルン侯爵家のせいにするな」
と反論した。
みんな固唾を飲んで聞いている。
アリサさんは、
「あんなに優しかったお兄様も同罪ですよ。私が辛くて大変で、逃げ出してきたのに、また伯爵様の元に連れていき、渡しましたね。私は物じゃないです、人ですよ。酷い扱いをするダルン侯爵家を私は許さないです」
と言って教室から飛び出した。
憎まれているな、激情型に変貌したヒロイン。
兄様は私を見た。私は、少し肩を上げ驚いた顔をしたけど、ラーニャが最後教えてくれた。
「アリサ様からあれ以来一通も手紙が、届いておりません。何か嫌な予感がします」
仕掛けてくるって何が?と思ったが、アリサさんは学校に行きたがっていた。可能性として、まだ乙女ゲームは終わっていないなら、現れるのではないかなと思っていた。
でも進級初日のクラスで、悪者として水を撒かれてしまった。悪役令嬢、ミルフィーナ・ダルンは、このクラスにいるよという自己紹介になってしまった。
夕食の時には、
「すぐにバードナー伯爵には手紙を書くが、ローズリー、君も知らなかったのかい?」
と兄様に説明を受けた父様がお義母様に聞いた。
「申し訳ありません、旦那様。あのパーティーの日、こちらに訪れてから手紙は届かなくなりました。反省してまじめに花嫁修行しているものと思っておりました」
と顔色が悪いお義母様。スレンダーな身体がまた一層痩せてしまいそう。
兄様がこちらを見た。
「ミルフィーナは大丈夫かい?私にもわかったよ。あれは、明らかにミルフィーナを敵視している。ダルン侯爵家が酷い、連れ子を差別していると言ったが、わざわざミルフィーナのクラスで、自分が虐待を受けているかのように吹聴していた。あれじゃ、初日から悪い噂しか立たないよ」
と私を思ってくれた。
お義母様は、さらに真っ白な顔色になり、
「申し訳ありません」
と頭を下げる。
「謝らないでお義母様。確かにアリサさんに言われてしまったけど、学校に行きたいとは、伯爵家に行く前に言っていたのも本当で伯爵家を抜け出してきた日も、この家を頼りにして戻ってきて、帰りたくないと言ったのを追い出したのも本当。私達は、彼女の話をもっと聞くべきだったから、悲しみが怒りや憎しみに変わったんでしょうね」
お父様も顎を摩る。
「バードナー伯爵は、まじめな男だ。我が家の事情は伝えてあった。アリサの願いを叶えてあげただけで、学校の中で、あの子が何をやるかなんて想像していないだろう。とりあえず、今日の出来事も書いておく、知っていると返信があったなら、これは我が侯爵家に対して名誉毀損になる」
「私、明日学校に向かいアリサを連れて来ます」
とお義母様は言った。
「今、無理矢理アリサさんを責めてもお義母様との仲がこじれるだけかもしれないです。しばらく様子を見てあげたらどうでしょう?」
「しかしそれでは、ミルフィーナ様にまた迷惑がかかります」
「私には兄様がいます。大丈夫」
と言って兄様を見たが難しい顔をした。
「ミルフィーナ、私は、お義母様の意見に賛成だ。今のアリサには憎しみがあって、学校に来る目的として勉強をしたいとは思えない。ダルン侯爵の名前を貶すのが目的なんじゃないか」
…
家族が黙ってしまった。今日言ったことで爆発してくれたらいいけど、まだまだだったら、後、何を話したいのだろう?
乙女ゲームを考えるともう攻略対象者は、それぞれに相手がいたり、終わったりしている。私は、途中までしか知らない内容。
夏休みあたりにレオナルド王子様から王宮に招待されるヒロイン、僻む悪役令嬢、盗みに入る黒豹。
これが二年生のイベント、好感度上げのはずだけど、その続きは知らない。
「バードナー伯爵の姪、ラザリーさんにも話を聞いてみます」
そして翌日、兄様と馬車降り場からもう噂は流れていた。
悪い噂はよく回る。
「早いですね」
と兄様に言えば、
「一クラスに言ったにしては噂が早すぎるだろう?後でレオナに聞くよ。昨日は驚きすぎて私達早く帰っただろう。あの後何かあったのかもしれないな」
兄様とは別れ教室に入れば、何名かダルン侯爵家について話していた。そして私に気づくと、話をやめた。
「おはようございます」
と挨拶をしてから席につく。
とてもすぐにクラスに馴染むという事が難しくなったかもしれないな。
それでも前のクラスで一緒の子が挨拶してくれる。それだけで救われる。
「ミルフィーナ様、昨日のあの子、自分のクラスでもダルン侯爵家は酷いと言って、レオナルド王子様のところまで行って、ダルン侯爵家のやり方や自分に対しての扱われ方が酷すぎるから、訴えることが出来ないかと教室内で言っていたそうですよ」
「教えてくれてありがとうございます。大変助かります。お義母様が迎えにくると言っていました。家族で話し合う事が大切ですね」
「でもレオナルド王子様に言わなくてもいいのに」
と言われて
「今年、兄様はレオナルド王子様と同じクラスなんです。もしかすると、兄様に文句がいい足りなくてクラスに行ったら、偶然レオナルド王子様がいたとかですかね」
と言えば、
「そうかも知れませんね」
とクラスメイト達も納得した。
「私、ラザリー様に聞きたいことがあったのですが、誰かラザリー様のクラスご存知ですか?」
と聞くと、
「私も知らなかったのですが、学校辞めてしまったみたいですよ」
「えっ!?」
何故そんなことに。アリサさん学校来るためにラザリーさんに何かしたの?とヒロインが悪役ヒロイン真っ只中を想像した。
アリサ・ダルンとして、ダルン侯爵家からではなく、バードナー伯爵家から、転入生扱いで来た。
それを聞いたお兄様は、慌てて教室に向かって見に行き、私は、自分のクラスにいた。
そしてアリサさんは、兄様の腕を引きながら連れて、私の前に立ち、
「ミルフィーナ様、私、ダルン侯爵家とは合わなかったですが、バードナー伯爵家とは相性が良かったみたいで、学校に通わせていただける事になりました。ダルン侯爵家は、私が連れ子というだけで本家の子のミルフィーナ様と違って教育も受けさせてはもらえない扱いで、しまいには、侯爵家から出されて、花嫁修行としてバードナー伯爵様の世話になるように追い出されました。私からお母様だけ取り上げて、何一つ持たされないまま、放りだされたんですよ、私は!」
と悲しみと怒りを感情のままに訴えた。
怒りの感情は、教室に響く。
静まり返る。
そのあと教室内では、
「酷い、本当にダルン侯爵家ってそんな差別的な事していたの?」
「もちろんミルフィーナ様もご存知なのよね」
「義妹だからってそこまで差別するか?鬼だなぁ侯爵家」
クラスメイトの反応は、非難ばかり。
あえて、私のクラスに来て言ったのかな。アリサさんの口端が弧を描く。周りの反応を兄様は、慌てていた。
兄様が、
「それは、全て自分がしでかしたことが原因だ。ダルン侯爵家のせいにするな」
と反論した。
みんな固唾を飲んで聞いている。
アリサさんは、
「あんなに優しかったお兄様も同罪ですよ。私が辛くて大変で、逃げ出してきたのに、また伯爵様の元に連れていき、渡しましたね。私は物じゃないです、人ですよ。酷い扱いをするダルン侯爵家を私は許さないです」
と言って教室から飛び出した。
憎まれているな、激情型に変貌したヒロイン。
兄様は私を見た。私は、少し肩を上げ驚いた顔をしたけど、ラーニャが最後教えてくれた。
「アリサ様からあれ以来一通も手紙が、届いておりません。何か嫌な予感がします」
仕掛けてくるって何が?と思ったが、アリサさんは学校に行きたがっていた。可能性として、まだ乙女ゲームは終わっていないなら、現れるのではないかなと思っていた。
でも進級初日のクラスで、悪者として水を撒かれてしまった。悪役令嬢、ミルフィーナ・ダルンは、このクラスにいるよという自己紹介になってしまった。
夕食の時には、
「すぐにバードナー伯爵には手紙を書くが、ローズリー、君も知らなかったのかい?」
と兄様に説明を受けた父様がお義母様に聞いた。
「申し訳ありません、旦那様。あのパーティーの日、こちらに訪れてから手紙は届かなくなりました。反省してまじめに花嫁修行しているものと思っておりました」
と顔色が悪いお義母様。スレンダーな身体がまた一層痩せてしまいそう。
兄様がこちらを見た。
「ミルフィーナは大丈夫かい?私にもわかったよ。あれは、明らかにミルフィーナを敵視している。ダルン侯爵家が酷い、連れ子を差別していると言ったが、わざわざミルフィーナのクラスで、自分が虐待を受けているかのように吹聴していた。あれじゃ、初日から悪い噂しか立たないよ」
と私を思ってくれた。
お義母様は、さらに真っ白な顔色になり、
「申し訳ありません」
と頭を下げる。
「謝らないでお義母様。確かにアリサさんに言われてしまったけど、学校に行きたいとは、伯爵家に行く前に言っていたのも本当で伯爵家を抜け出してきた日も、この家を頼りにして戻ってきて、帰りたくないと言ったのを追い出したのも本当。私達は、彼女の話をもっと聞くべきだったから、悲しみが怒りや憎しみに変わったんでしょうね」
お父様も顎を摩る。
「バードナー伯爵は、まじめな男だ。我が家の事情は伝えてあった。アリサの願いを叶えてあげただけで、学校の中で、あの子が何をやるかなんて想像していないだろう。とりあえず、今日の出来事も書いておく、知っていると返信があったなら、これは我が侯爵家に対して名誉毀損になる」
「私、明日学校に向かいアリサを連れて来ます」
とお義母様は言った。
「今、無理矢理アリサさんを責めてもお義母様との仲がこじれるだけかもしれないです。しばらく様子を見てあげたらどうでしょう?」
「しかしそれでは、ミルフィーナ様にまた迷惑がかかります」
「私には兄様がいます。大丈夫」
と言って兄様を見たが難しい顔をした。
「ミルフィーナ、私は、お義母様の意見に賛成だ。今のアリサには憎しみがあって、学校に来る目的として勉強をしたいとは思えない。ダルン侯爵の名前を貶すのが目的なんじゃないか」
…
家族が黙ってしまった。今日言ったことで爆発してくれたらいいけど、まだまだだったら、後、何を話したいのだろう?
乙女ゲームを考えるともう攻略対象者は、それぞれに相手がいたり、終わったりしている。私は、途中までしか知らない内容。
夏休みあたりにレオナルド王子様から王宮に招待されるヒロイン、僻む悪役令嬢、盗みに入る黒豹。
これが二年生のイベント、好感度上げのはずだけど、その続きは知らない。
「バードナー伯爵の姪、ラザリーさんにも話を聞いてみます」
そして翌日、兄様と馬車降り場からもう噂は流れていた。
悪い噂はよく回る。
「早いですね」
と兄様に言えば、
「一クラスに言ったにしては噂が早すぎるだろう?後でレオナに聞くよ。昨日は驚きすぎて私達早く帰っただろう。あの後何かあったのかもしれないな」
兄様とは別れ教室に入れば、何名かダルン侯爵家について話していた。そして私に気づくと、話をやめた。
「おはようございます」
と挨拶をしてから席につく。
とてもすぐにクラスに馴染むという事が難しくなったかもしれないな。
それでも前のクラスで一緒の子が挨拶してくれる。それだけで救われる。
「ミルフィーナ様、昨日のあの子、自分のクラスでもダルン侯爵家は酷いと言って、レオナルド王子様のところまで行って、ダルン侯爵家のやり方や自分に対しての扱われ方が酷すぎるから、訴えることが出来ないかと教室内で言っていたそうですよ」
「教えてくれてありがとうございます。大変助かります。お義母様が迎えにくると言っていました。家族で話し合う事が大切ですね」
「でもレオナルド王子様に言わなくてもいいのに」
と言われて
「今年、兄様はレオナルド王子様と同じクラスなんです。もしかすると、兄様に文句がいい足りなくてクラスに行ったら、偶然レオナルド王子様がいたとかですかね」
と言えば、
「そうかも知れませんね」
とクラスメイト達も納得した。
「私、ラザリー様に聞きたいことがあったのですが、誰かラザリー様のクラスご存知ですか?」
と聞くと、
「私も知らなかったのですが、学校辞めてしまったみたいですよ」
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