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73夜会 4
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荷台車の中に積められ、頭の上に被せられたのは、シーツが二枚程度。廊下の灯りが感じられる。
声を出そうと思えば、届く。再度眠らされないで良かった、もしゴネていたら?
扉から出た時の感じから多分、台車の前にいるのは騎士一名、でも足音はこの荷台車の音でかき消されているのか、距離があるのか聞こえない。台車を押しているのはメイド、そして後方に騎士一名だろう。
メイドが言った伝えてあるとは、仲間がいるってことだろし、外にいるのだろうか?
王宮に入ったのが初めてだから、この場所がわからないけど、部屋から出て更に音楽がはっきりと聞こえるということは、会場の近くで間違いはないようだ。
部屋の感じからして、どこかの使用人の控え室だったのかしら。
頭の中を整理していく。
私達が邪魔と感じるのは、エスコートを受けた三人に好意を持つ方達ならご令嬢?
誰でもいいなんて、好意でもないかもしれない、ただこの夜会を潰したいとか混乱させたいとか…では、今、問題を起こしたトリウミ王国?
相手の思い通りにはさせたくないけど、今の私の持っているもの、武器はない。私自身しかないし。
人が通ったら、思いっきり立ち上がって叫ぼうか…それともこの荷台車を左右に身体を振って歩行の邪魔をしてみようか。実行は早めの方がいい。まだ音楽が聞こえるなら常駐している騎士がいるはず。
『運が悪かったな』
が頭の中で繰り返す。
絶対に、この人達の思う通りなんてしてあげないから!
こんなに綺麗なドレスもぐちゃぐちゃにされて悔しいったらないわ!どこの誰だか許せない。
男性と女性の笑い声が聞こえた。これはチャンスかもしれない。
と荷台車の左に重心を傾けた。
「んっ」
とメイドが言った後、その籠を蹴られた。それは背中に直接ビリビリと響く痛みで、
「次やったら刺すわよ」
と低く小さな声で脅された。
刺すって…
殺してもいい、悲鳴をあげてもいいってこと?この人達は逃げられるって事なの?
私だって痛いのは嫌だし、連れて行かれるのも嫌だ。このメイドの脅しかもしれない。
ただはっきりとお金目的の誘拐ではない。
アクセサリーが盗られてない。思わず靴を触る。ちゃんとある。どうしてだろう、ホッとした。
…
靴を手にして、少しだけ両端のシーツを持ち上げる。
どうかな?反射するかな?この廊下の灯りの加減はかなり明るいと思える。メイドにバレてしまうかな…震えそうになる手が何故かあの嬉しそうな顔をしたシルベルト様を思い出すと、震えない。
困ったな、こんな形でこの靴に勇気をもらえるなんて。盗られてないことで安心するなんて。
普段はこの靴の文句しか言ってないのよ。
派手でこんなピカピカキラキラした靴は、どこにも履けないわって。目立って恥ずかしいから私には、一生無縁とか。
私には、宝の持ち腐れなんてお母様にも言ったわ。
今朝になって、
「ティアラ、王宮の夜会にいくなら絶対に、あのサファイアの靴を履くべきよ」
と何故か母様は言い出した。
「お姫様みたいに綺麗だし、凄く思いを感じる靴だと思うの。こんな一生にそう何度もない素敵な場所に最高の物を身につけないでどうするのよ、これで宝の持ち腐れじゃないわね」
と笑って言われた。
だから公爵家にこの靴を一応持って行ったのだけど…
どうだろう?
廊下の明かりで反射しているかな。一応廊下に立っている騎士の気配は感じるけど。誰にも声をかけられない、このメイドが堂々としているからなのか…もう少しアピールするべきか…
どんどん音楽が小さくなっていく。それだけ会場から遠くなっているってことだ。
不安が襲う。やっぱり思いっきりここで立ち上がろうか、そして叫ぼうか、何もしないよりも連れ去られる方が怖い…
ガゴン
荷台車が急停止した。
何かあった?
嫌な感じがした。それはお互い様なのかもしれない…
立ち上がったら刺されるような気がした。何故か背中に感じる刃みたいな、殺気というものかも。
だから身体を思いっきり反動をつけてから再度左側に倒れる覚悟で左肩に力を入れた。
ガタンガゴッン
思いっきり荷台車は倒れた。
左肩、腕がめちゃくちゃ痛いし、髪の上に押さえ込まれたシーツも飛び出した。
ズササササッ
人、人、人の足音。
「手を挙げろ」
「へ?」
目の前の現状を目を見開けば、騎士に囲まれてました。
そして現在私は王宮の医務室にいる。
なんかこれってデジャヴじゃないかしら?
思いっきり医務室の扉が開いた。
「ティアラ嬢!大丈夫か!」
と心配が髪の毛に現れてしまったのか、めちゃくちゃ乱れているシルベルト様。
私は心配ないと軽く右手を上げた。
ちなみに左腕はめちゃくちゃ痛い。自分がやったことだと理解しているけど、現在医師による治療と湿布を貼ってもらっている最中。
『打ち身』
と診断された。
オロオロしているシルベルト様。
「すまない、こんな所に連れてこなければ…私がティアラ嬢にお願いをしなければ…」
「大丈夫じゃないですけど、大丈夫です。騎士様達のおかげで何処かに連れて行かれるわけでもなく王宮内で発見されましたから」
「いやそういうことじゃないだろう。身体に傷が!いやそれよりも心にも傷が…どうして俺は肝心な時に離れていたんだ、本当に自分が許せないよ、一生責任を持つから!」
えっ?
何言っているのかしら?
「お待ちください、シルベルト様。診断結果で、傷には残らないと言われてますから…打ち身です!…私が断りもなく行動したからですし」
と言えば
「ティアラ嬢、君に対して私の生涯を尽くすから…いや、私に君を守る名誉を下さい」
めちゃくちゃ重いから…
なにそれ。
まるで結婚のような…
「そうですわよ、レイヤード公爵家はあなたを一生大事にすると誓いますわ。私に任せてティアラさん。ふふふ、聞いたわよ騎士団からあなたの勇姿!公爵家の嫁として完璧よ、私の後継としてもね、自信を持って皆様に紹介できるわ。まさかキラキラと光る物で廊下に立っている騎士達に自分の居場所を伝えるなんて!あぁ、もう婦人会のお茶会が楽しみよ。あなたの武勇伝を皆さんに広めるわね。我が家は万全ね、後はシルベルト、あなたがしっかりティアラさんに相応しくありなさい」
バサリと取り出した羽付きの扇子を広げ、高笑いが響く。
あぁーー響く、左肩と腕にズキズキと。
レイヤード公爵が私に対して申し訳なさそうに目で挨拶してくれる。
なんか
終わった…
私の何かが、いえ、私の道がもう一本道しか見えない。
そこからは、シルベルト様に付き添われることになった。
「馬車を呼んである。帰ろうティアラ嬢」
と言われ、
「会場の中はどうなっているんですか?」
と聞くと、
「クラード様にはティアラ嬢を探すのを優先させてもらったから、私は会場内にはいなかったからわからないな」
と言われ、
「挨拶だけして帰ります。急にいなくなったので皆様に心配かけてしまったわ。私が一言声をかければこんな事態は起きなかったかもしれませんから。クラード殿下にも大変ご迷惑がかかってしまって申し訳ございません」
「そんな気にしなくていい…連れ去ろうとした者達が悪いんだから」
とシルベルト様は私を囲うように目の前に立った。
「でも…」
と言うと、突然廊下の向こう側から声の遠い悲鳴が聞こえた。
声を出そうと思えば、届く。再度眠らされないで良かった、もしゴネていたら?
扉から出た時の感じから多分、台車の前にいるのは騎士一名、でも足音はこの荷台車の音でかき消されているのか、距離があるのか聞こえない。台車を押しているのはメイド、そして後方に騎士一名だろう。
メイドが言った伝えてあるとは、仲間がいるってことだろし、外にいるのだろうか?
王宮に入ったのが初めてだから、この場所がわからないけど、部屋から出て更に音楽がはっきりと聞こえるということは、会場の近くで間違いはないようだ。
部屋の感じからして、どこかの使用人の控え室だったのかしら。
頭の中を整理していく。
私達が邪魔と感じるのは、エスコートを受けた三人に好意を持つ方達ならご令嬢?
誰でもいいなんて、好意でもないかもしれない、ただこの夜会を潰したいとか混乱させたいとか…では、今、問題を起こしたトリウミ王国?
相手の思い通りにはさせたくないけど、今の私の持っているもの、武器はない。私自身しかないし。
人が通ったら、思いっきり立ち上がって叫ぼうか…それともこの荷台車を左右に身体を振って歩行の邪魔をしてみようか。実行は早めの方がいい。まだ音楽が聞こえるなら常駐している騎士がいるはず。
『運が悪かったな』
が頭の中で繰り返す。
絶対に、この人達の思う通りなんてしてあげないから!
こんなに綺麗なドレスもぐちゃぐちゃにされて悔しいったらないわ!どこの誰だか許せない。
男性と女性の笑い声が聞こえた。これはチャンスかもしれない。
と荷台車の左に重心を傾けた。
「んっ」
とメイドが言った後、その籠を蹴られた。それは背中に直接ビリビリと響く痛みで、
「次やったら刺すわよ」
と低く小さな声で脅された。
刺すって…
殺してもいい、悲鳴をあげてもいいってこと?この人達は逃げられるって事なの?
私だって痛いのは嫌だし、連れて行かれるのも嫌だ。このメイドの脅しかもしれない。
ただはっきりとお金目的の誘拐ではない。
アクセサリーが盗られてない。思わず靴を触る。ちゃんとある。どうしてだろう、ホッとした。
…
靴を手にして、少しだけ両端のシーツを持ち上げる。
どうかな?反射するかな?この廊下の灯りの加減はかなり明るいと思える。メイドにバレてしまうかな…震えそうになる手が何故かあの嬉しそうな顔をしたシルベルト様を思い出すと、震えない。
困ったな、こんな形でこの靴に勇気をもらえるなんて。盗られてないことで安心するなんて。
普段はこの靴の文句しか言ってないのよ。
派手でこんなピカピカキラキラした靴は、どこにも履けないわって。目立って恥ずかしいから私には、一生無縁とか。
私には、宝の持ち腐れなんてお母様にも言ったわ。
今朝になって、
「ティアラ、王宮の夜会にいくなら絶対に、あのサファイアの靴を履くべきよ」
と何故か母様は言い出した。
「お姫様みたいに綺麗だし、凄く思いを感じる靴だと思うの。こんな一生にそう何度もない素敵な場所に最高の物を身につけないでどうするのよ、これで宝の持ち腐れじゃないわね」
と笑って言われた。
だから公爵家にこの靴を一応持って行ったのだけど…
どうだろう?
廊下の明かりで反射しているかな。一応廊下に立っている騎士の気配は感じるけど。誰にも声をかけられない、このメイドが堂々としているからなのか…もう少しアピールするべきか…
どんどん音楽が小さくなっていく。それだけ会場から遠くなっているってことだ。
不安が襲う。やっぱり思いっきりここで立ち上がろうか、そして叫ぼうか、何もしないよりも連れ去られる方が怖い…
ガゴン
荷台車が急停止した。
何かあった?
嫌な感じがした。それはお互い様なのかもしれない…
立ち上がったら刺されるような気がした。何故か背中に感じる刃みたいな、殺気というものかも。
だから身体を思いっきり反動をつけてから再度左側に倒れる覚悟で左肩に力を入れた。
ガタンガゴッン
思いっきり荷台車は倒れた。
左肩、腕がめちゃくちゃ痛いし、髪の上に押さえ込まれたシーツも飛び出した。
ズササササッ
人、人、人の足音。
「手を挙げろ」
「へ?」
目の前の現状を目を見開けば、騎士に囲まれてました。
そして現在私は王宮の医務室にいる。
なんかこれってデジャヴじゃないかしら?
思いっきり医務室の扉が開いた。
「ティアラ嬢!大丈夫か!」
と心配が髪の毛に現れてしまったのか、めちゃくちゃ乱れているシルベルト様。
私は心配ないと軽く右手を上げた。
ちなみに左腕はめちゃくちゃ痛い。自分がやったことだと理解しているけど、現在医師による治療と湿布を貼ってもらっている最中。
『打ち身』
と診断された。
オロオロしているシルベルト様。
「すまない、こんな所に連れてこなければ…私がティアラ嬢にお願いをしなければ…」
「大丈夫じゃないですけど、大丈夫です。騎士様達のおかげで何処かに連れて行かれるわけでもなく王宮内で発見されましたから」
「いやそういうことじゃないだろう。身体に傷が!いやそれよりも心にも傷が…どうして俺は肝心な時に離れていたんだ、本当に自分が許せないよ、一生責任を持つから!」
えっ?
何言っているのかしら?
「お待ちください、シルベルト様。診断結果で、傷には残らないと言われてますから…打ち身です!…私が断りもなく行動したからですし」
と言えば
「ティアラ嬢、君に対して私の生涯を尽くすから…いや、私に君を守る名誉を下さい」
めちゃくちゃ重いから…
なにそれ。
まるで結婚のような…
「そうですわよ、レイヤード公爵家はあなたを一生大事にすると誓いますわ。私に任せてティアラさん。ふふふ、聞いたわよ騎士団からあなたの勇姿!公爵家の嫁として完璧よ、私の後継としてもね、自信を持って皆様に紹介できるわ。まさかキラキラと光る物で廊下に立っている騎士達に自分の居場所を伝えるなんて!あぁ、もう婦人会のお茶会が楽しみよ。あなたの武勇伝を皆さんに広めるわね。我が家は万全ね、後はシルベルト、あなたがしっかりティアラさんに相応しくありなさい」
バサリと取り出した羽付きの扇子を広げ、高笑いが響く。
あぁーー響く、左肩と腕にズキズキと。
レイヤード公爵が私に対して申し訳なさそうに目で挨拶してくれる。
なんか
終わった…
私の何かが、いえ、私の道がもう一本道しか見えない。
そこからは、シルベルト様に付き添われることになった。
「馬車を呼んである。帰ろうティアラ嬢」
と言われ、
「会場の中はどうなっているんですか?」
と聞くと、
「クラード様にはティアラ嬢を探すのを優先させてもらったから、私は会場内にはいなかったからわからないな」
と言われ、
「挨拶だけして帰ります。急にいなくなったので皆様に心配かけてしまったわ。私が一言声をかければこんな事態は起きなかったかもしれませんから。クラード殿下にも大変ご迷惑がかかってしまって申し訳ございません」
「そんな気にしなくていい…連れ去ろうとした者達が悪いんだから」
とシルベルト様は私を囲うように目の前に立った。
「でも…」
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