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63舞台
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教会の奥に続く聖堂に入るなんて初めてで、空気が扉の外と中で違う気がする。
教会は人の出入りがあるのに対して、聖堂は、空気が止まっているみたいに感じた。
そして、ひんやりする。多分、この階段の下に水場があるからだろう。
階段の上から見た景色は、不思議と本当に小さな音で壁からの湧水という感じだ。その壁に水を守るように小さな聖杯十数個(偽)と大きめな聖杯(偽)があった。
まず先頭は、サクラさん。白いシンプルなドレスを着ている。後ろの裾が長く作られていて引き摺っていた。髪の毛はハーフアップ、いつもつけている金の髪飾りで留めている。
階段を降りきり、神父が前にいてサクラさん、その後ろにシスター二名がついて行く。
始めの約束事、私語禁止、その意味がわかるくらい、水の音、衣類の擦れる音、足音のみがこの聖堂に響く。
そして、後に続くように乙女達が歩き出した。私の前にいるミンネの目は、見えないのに、身体の揺れから好奇心を隠せていない。私達は、総レースのベールを被っている。お互い顔の認識は出来ない。そして後ろに続く聖杯を持つ乙女達も皆同じデザインの白いAラインのシンプルなドレスを身に纏っている。飾りも香水も駄目だ。イリーネ様が怒っていそうだと先頭を見た。
鮮やかな艶のある金髪は綺麗に編み込まれ、どこから見ても淑女にしか見えなかった。
『意外だわ』
文句を言いそうなのに。
ここで声をかけるわけにもいかないので、黙って後ろについて階段を降りた。
最後の私が階段を降り終わると、既にサクラさんは大きな聖杯に聖水を入れ終わった後のようで、両手で持ち、ドヤ顔でこちらに歩いて来た。
彼女だけベールはしていない。主役ですからね。みんなに顔を見せなきゃ。
しかし、したり顔が凄い。
これで野心がありませんなんてよく言えたものだ。
よっぽど後ろのシスターの方が聖女の顔をしている。
まぁ、このシスターも神父も偽だけど。
そう、これは教会と聖堂を借りた偽聖女イベントです。
生徒会が主催、ロフト公爵家やミュラ侯爵家が衣装や小道具を用意してくれて、所謂スポンサーで、この教会は国王陛下が借り切ってくれた。そして台本は、シリル殿下とカミューラ様。
ここは今、舞台となっている。
『不運な聖女』
私達は小さな聖杯を順番に水場で一つずつとって後に続く。全員が受取るのを神父が確認すると、小さく手を上げ、先頭のサクラさんから階段を上がっていく。
私の聖杯はコップぐらいの大きさだけど、サクラさんのは花瓶の大きさだ、きっと重たいだろうなぁと思う。勿論、シスターも神父も手伝わない。
聖女ですからね、清めないと。
声も出せないから不満も言えない。きっと階段辛いだろうなと思いながら、その背中を見る。
階段を上りきると、人の騒めき声が聞こえた。教会にクラスメイト達が見る役観客として入っている。
もちろん主役は最後の入場ですから、ここで待機、小さな聖杯を持つ乙女達が、教会に向けて先に歩いて行く。
サクラさんの横を通り過ぎる。両手がプルプル震えているようだった。
是非頑張って欲しい。
聖女として。
イリーネ様を先頭に教会に入った。順番に定位置に着く。メインの中央バージンロードを開けるように両脇に感覚を開けながら立つ。
扉近くは、イリーネ様だ。
彼女はやる気だ。
かなりアイドリングが足に出ていた。そんな足を何度も踏み締めなくてもいいのに。
私は、メインの三段高くなった台座の下、カミューラ様のご指名だ。ここでやることはただ一つ…
台座の段の上壁際にクラード殿下を始め生徒会メンバーが立っている。シリル殿下は、反対の壁に立っている司教役。じっと見れば気づかれそうだと思う。
教会の鐘がなる。
神父が先頭で真ん中を歩いてくる。そしてその後ろにサクラさんが、晴れやかな笑みを浮かべて入ってきた。
観客に向けて、自信たっぷりのご満悦感を満載に出して歩き始めた。
「キャッ」
バッシャーン
「あっ」
見ていたクラスメイトの声も響いた。
最初の悲鳴は、サクラさんが体勢を崩した時の声で、次は、聖杯の水を溢した音。
すぐに後ろを振り返ったサクラさん。当たり前だろう。ドレスの裾を踏まれたんだから…
「何するのよ!」
サクラさんが言ったが、司教が、
「ご静粛に!聖杯は、無事ですか?」
と台座の三段高い位置から聞くと、
「聖水が少し溢れました…」
と声を司教に向けて答えていた。
「なら、続けますよ、聖女サクラ、しっかりお持ちください」
と厳しい口調で言われていた。
もう一度振り返っていたが、きっと睨みつけたのだろう。
笑い声が聞こえる。きっとサクラさんを笑っている観客がいるのに気づいたのだろう。前だけでなく教会の両脇に座っている人達まで忙しなく目線を動かしている。
聖女ぽさなど全くない。
ミンネの前を通りすぎた後、ミンネは持っていた聖杯を軽くサクラさんに向けて振った。
サクラさんの白いドレスが、背中からお尻にかけて数個の緑色をしたオナモミがくっついたようだ。
それを見た座っている観客席は笑いを堪えられないらしく、吹き出している人もいた。
「静粛に、ご静粛に願います」
と司教が言うと、サクラさんは左右のクラスメイト達を睨みつけていた。
後ろのシスターが、サクラさんに、
「失礼します」
と言って背中のオナモミを一つ取ってサクラさんに見せた。
「なんでこんな物がついているのよ!」
と怒っている。後ろをまた睨みつけたのだろうか?笑い声はおさまらない。
シスターが、
「全て取りますので前を向いてください」
と言い、二人がかりで取る。
「なんで髪にも触るのよ!」
「失礼しました。オナモミが髪の毛にもついてまして」
「本当に、そんな感じしなかったんだけど…」
司教が
「聖女サクラ、注意が散漫すぎるので、もっとしっかりお願いします。真っ直ぐに前を向いて歩いてください、そのぐらい出来ますよね?皆様、ご静粛に願います」
と随分厳しく注意をされていた。
あの晴れやかな笑みとは、全く表情を変え、憎く憎しい顔になっていた。
そして台座に向かって歩いてきた。天蚕糸が光って見える。
あのシスターは、実際の職業でこんなこともされているのかしら?随分と手ぐせが早いとそちらの方が気になる。
台座の段差に気をつけたのだろう。サクラさんが下を向いた。
伸びた天蚕糸をミンネから並んでいる乙女達がゆっくりと引いた。そのキラキラ輝く光の糸は、ピーンと張ってサクラさんの頭を捕らえるように、ガシャっと髪飾りが音を立てて引っ張られ床に落ちた。
一瞬だった。
サクラさんが後ろを振り返るよりも早く後ろのシスターが拾う。
手にしていた大きな聖杯は、床に落ちた。
大きな音がした。
それを気にするよりも、音が、サクラさんの金切り声に塗り替えられた。
シスターが手にした金の髪飾りを見た瞬間に、
「イヤーーー!
返せー!泥棒ー!」
とシスター目掛けて突っ込んでいく瞬間、私の持っている聖杯をサクラさんの顔目掛けてかけた。
「キャッ、冷たい、何するのよ!」
と鬼の形相でこちらを見た。
サクラさんの落とした聖杯からの水が、床に広がり、彼女のドレスの裾は、水で濡れている。
シスターはすでに扉近くまで走っている。
もう走っても追いつけないだろうなと思いながら、もう一人のシスターの動きも見た。サクラさんを止めるために戦闘体勢に入っていた。
そこで安心してしまったのかもしれない。やけに周りを見ていてサクラさんをみていなかった。確かに彼女はこちらを見ていたのに。
両手を振り上げ私に向かった。
「あっ」
その手が私のドレスを捕らえた。あまりにも強く握られたのだろう。
ビリッ
どこか縫製が破けた音がした。
髪を振り、凄まじい顔を見せつけ、手はドレスを握られ、これが怖くないわけはないが、私の役…
聖女を倒す…という大役。
普通は、ここはグラード殿下だと思うのに、カミューラ様は、あえて、私を使命してくれた…
サクラさんと私は、ライバル関係らしい…
ドレスを握られた手の手首を取り、自らサクラさんに大きく一歩近づく、その軸足を踏ん張り、反対側の足で彼女の足を片方思いっきり払う。
私の足も痛い、でも躊躇したら駄目だと教わり勢いのまま払う。サクラさんがバランスを崩した。そのまま私も彼女をクッションにするかのように倒れた。
「キャーー」
悲鳴が上がった。
それは見ている側からなのか、サクラさんだったかはわからない。
ただ夢中で押し倒した。多分私の全体重はサクラさんに乗ったと思う。
その感覚はあまりなかったのだけど。理由は、倒れたと同時にすぐに引き上げられたから。
そして今、私はシルベルト様に何故かお姫様抱っこされている。
「「「キャッーーー」」」
さぁ、この悲鳴はどっちの意味?
教会は人の出入りがあるのに対して、聖堂は、空気が止まっているみたいに感じた。
そして、ひんやりする。多分、この階段の下に水場があるからだろう。
階段の上から見た景色は、不思議と本当に小さな音で壁からの湧水という感じだ。その壁に水を守るように小さな聖杯十数個(偽)と大きめな聖杯(偽)があった。
まず先頭は、サクラさん。白いシンプルなドレスを着ている。後ろの裾が長く作られていて引き摺っていた。髪の毛はハーフアップ、いつもつけている金の髪飾りで留めている。
階段を降りきり、神父が前にいてサクラさん、その後ろにシスター二名がついて行く。
始めの約束事、私語禁止、その意味がわかるくらい、水の音、衣類の擦れる音、足音のみがこの聖堂に響く。
そして、後に続くように乙女達が歩き出した。私の前にいるミンネの目は、見えないのに、身体の揺れから好奇心を隠せていない。私達は、総レースのベールを被っている。お互い顔の認識は出来ない。そして後ろに続く聖杯を持つ乙女達も皆同じデザインの白いAラインのシンプルなドレスを身に纏っている。飾りも香水も駄目だ。イリーネ様が怒っていそうだと先頭を見た。
鮮やかな艶のある金髪は綺麗に編み込まれ、どこから見ても淑女にしか見えなかった。
『意外だわ』
文句を言いそうなのに。
ここで声をかけるわけにもいかないので、黙って後ろについて階段を降りた。
最後の私が階段を降り終わると、既にサクラさんは大きな聖杯に聖水を入れ終わった後のようで、両手で持ち、ドヤ顔でこちらに歩いて来た。
彼女だけベールはしていない。主役ですからね。みんなに顔を見せなきゃ。
しかし、したり顔が凄い。
これで野心がありませんなんてよく言えたものだ。
よっぽど後ろのシスターの方が聖女の顔をしている。
まぁ、このシスターも神父も偽だけど。
そう、これは教会と聖堂を借りた偽聖女イベントです。
生徒会が主催、ロフト公爵家やミュラ侯爵家が衣装や小道具を用意してくれて、所謂スポンサーで、この教会は国王陛下が借り切ってくれた。そして台本は、シリル殿下とカミューラ様。
ここは今、舞台となっている。
『不運な聖女』
私達は小さな聖杯を順番に水場で一つずつとって後に続く。全員が受取るのを神父が確認すると、小さく手を上げ、先頭のサクラさんから階段を上がっていく。
私の聖杯はコップぐらいの大きさだけど、サクラさんのは花瓶の大きさだ、きっと重たいだろうなぁと思う。勿論、シスターも神父も手伝わない。
聖女ですからね、清めないと。
声も出せないから不満も言えない。きっと階段辛いだろうなと思いながら、その背中を見る。
階段を上りきると、人の騒めき声が聞こえた。教会にクラスメイト達が見る役観客として入っている。
もちろん主役は最後の入場ですから、ここで待機、小さな聖杯を持つ乙女達が、教会に向けて先に歩いて行く。
サクラさんの横を通り過ぎる。両手がプルプル震えているようだった。
是非頑張って欲しい。
聖女として。
イリーネ様を先頭に教会に入った。順番に定位置に着く。メインの中央バージンロードを開けるように両脇に感覚を開けながら立つ。
扉近くは、イリーネ様だ。
彼女はやる気だ。
かなりアイドリングが足に出ていた。そんな足を何度も踏み締めなくてもいいのに。
私は、メインの三段高くなった台座の下、カミューラ様のご指名だ。ここでやることはただ一つ…
台座の段の上壁際にクラード殿下を始め生徒会メンバーが立っている。シリル殿下は、反対の壁に立っている司教役。じっと見れば気づかれそうだと思う。
教会の鐘がなる。
神父が先頭で真ん中を歩いてくる。そしてその後ろにサクラさんが、晴れやかな笑みを浮かべて入ってきた。
観客に向けて、自信たっぷりのご満悦感を満載に出して歩き始めた。
「キャッ」
バッシャーン
「あっ」
見ていたクラスメイトの声も響いた。
最初の悲鳴は、サクラさんが体勢を崩した時の声で、次は、聖杯の水を溢した音。
すぐに後ろを振り返ったサクラさん。当たり前だろう。ドレスの裾を踏まれたんだから…
「何するのよ!」
サクラさんが言ったが、司教が、
「ご静粛に!聖杯は、無事ですか?」
と台座の三段高い位置から聞くと、
「聖水が少し溢れました…」
と声を司教に向けて答えていた。
「なら、続けますよ、聖女サクラ、しっかりお持ちください」
と厳しい口調で言われていた。
もう一度振り返っていたが、きっと睨みつけたのだろう。
笑い声が聞こえる。きっとサクラさんを笑っている観客がいるのに気づいたのだろう。前だけでなく教会の両脇に座っている人達まで忙しなく目線を動かしている。
聖女ぽさなど全くない。
ミンネの前を通りすぎた後、ミンネは持っていた聖杯を軽くサクラさんに向けて振った。
サクラさんの白いドレスが、背中からお尻にかけて数個の緑色をしたオナモミがくっついたようだ。
それを見た座っている観客席は笑いを堪えられないらしく、吹き出している人もいた。
「静粛に、ご静粛に願います」
と司教が言うと、サクラさんは左右のクラスメイト達を睨みつけていた。
後ろのシスターが、サクラさんに、
「失礼します」
と言って背中のオナモミを一つ取ってサクラさんに見せた。
「なんでこんな物がついているのよ!」
と怒っている。後ろをまた睨みつけたのだろうか?笑い声はおさまらない。
シスターが、
「全て取りますので前を向いてください」
と言い、二人がかりで取る。
「なんで髪にも触るのよ!」
「失礼しました。オナモミが髪の毛にもついてまして」
「本当に、そんな感じしなかったんだけど…」
司教が
「聖女サクラ、注意が散漫すぎるので、もっとしっかりお願いします。真っ直ぐに前を向いて歩いてください、そのぐらい出来ますよね?皆様、ご静粛に願います」
と随分厳しく注意をされていた。
あの晴れやかな笑みとは、全く表情を変え、憎く憎しい顔になっていた。
そして台座に向かって歩いてきた。天蚕糸が光って見える。
あのシスターは、実際の職業でこんなこともされているのかしら?随分と手ぐせが早いとそちらの方が気になる。
台座の段差に気をつけたのだろう。サクラさんが下を向いた。
伸びた天蚕糸をミンネから並んでいる乙女達がゆっくりと引いた。そのキラキラ輝く光の糸は、ピーンと張ってサクラさんの頭を捕らえるように、ガシャっと髪飾りが音を立てて引っ張られ床に落ちた。
一瞬だった。
サクラさんが後ろを振り返るよりも早く後ろのシスターが拾う。
手にしていた大きな聖杯は、床に落ちた。
大きな音がした。
それを気にするよりも、音が、サクラさんの金切り声に塗り替えられた。
シスターが手にした金の髪飾りを見た瞬間に、
「イヤーーー!
返せー!泥棒ー!」
とシスター目掛けて突っ込んでいく瞬間、私の持っている聖杯をサクラさんの顔目掛けてかけた。
「キャッ、冷たい、何するのよ!」
と鬼の形相でこちらを見た。
サクラさんの落とした聖杯からの水が、床に広がり、彼女のドレスの裾は、水で濡れている。
シスターはすでに扉近くまで走っている。
もう走っても追いつけないだろうなと思いながら、もう一人のシスターの動きも見た。サクラさんを止めるために戦闘体勢に入っていた。
そこで安心してしまったのかもしれない。やけに周りを見ていてサクラさんをみていなかった。確かに彼女はこちらを見ていたのに。
両手を振り上げ私に向かった。
「あっ」
その手が私のドレスを捕らえた。あまりにも強く握られたのだろう。
ビリッ
どこか縫製が破けた音がした。
髪を振り、凄まじい顔を見せつけ、手はドレスを握られ、これが怖くないわけはないが、私の役…
聖女を倒す…という大役。
普通は、ここはグラード殿下だと思うのに、カミューラ様は、あえて、私を使命してくれた…
サクラさんと私は、ライバル関係らしい…
ドレスを握られた手の手首を取り、自らサクラさんに大きく一歩近づく、その軸足を踏ん張り、反対側の足で彼女の足を片方思いっきり払う。
私の足も痛い、でも躊躇したら駄目だと教わり勢いのまま払う。サクラさんがバランスを崩した。そのまま私も彼女をクッションにするかのように倒れた。
「キャーー」
悲鳴が上がった。
それは見ている側からなのか、サクラさんだったかはわからない。
ただ夢中で押し倒した。多分私の全体重はサクラさんに乗ったと思う。
その感覚はあまりなかったのだけど。理由は、倒れたと同時にすぐに引き上げられたから。
そして今、私はシルベルト様に何故かお姫様抱っこされている。
「「「キャッーーー」」」
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恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
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