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29ピンチ
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「あっ、ティアラ嬢…」
後ろから声をかけられた。反射的に振り返ってしまった。
…シルベルト様…追いかけてきたのですか?
「は、い」
「突然、すまない。君は大丈夫なのか、直接的なカミューラ嬢からの攻撃は?」
と聞かれた。
ブランカ先輩の話を聞いていなかったのか?と聞き返したくなる質問だ。ユリアーノ先輩が私を家に誘っているのは、もしかしてカミューラ様の仲間もしくはご本人という事だと察しがつくはずだが、ポロっとまた悪態が出そうな私の口に…気まずい。いくら謝ったからって、言った言葉は取り消せない。生意気な発言、関わらないでと言いながら、結果また生徒会メンバーに頼るという行い。
口だけとは私の事でした。
「ご心配いただきありがとうございます。私の家にはロフト公爵家からの直接的な圧力はないと思います。領地も離れてますから…」
「そうか…
もうすぐ靴が出来上がるそうだ。ちょうど卒業式の前あたりに、卒業パーティーで履けると良いな」
「はい…ありがとうございます…」
なんか間が怖い。顔を見ているが何を考えているかわからない。これ以上続く言葉もないようなので、一礼してすぐ教室に戻った。
教室では囲まれて、後で話すことを約束した。ユリアーノ先輩のこと、生徒会メンバーの一人のフラン様の婚約問題をあんな形で決まるか決まらないかなんて話せない。
とりあえず、ロフト公爵様、カミューラ様、怖~いって話になるだろう…
深い溜息だけ吐き出した。
楽しいことを考えた方がいい。
「白いハイヒール出来あがるのか…」
それを聞いて、少し嬉しかった。勿論高級靴店のオーダーメイドというのもあるけど、パーティーに新しい靴を履ける、それだけで特別でワクワクしてしまう。
なんだかんだで、嬉しいなんてね。
踊る相手もいないけど…
そういえば最近、今までは、全く見なかったセオルド様に偶然会ったな、婚約破棄をしたら学園でも顔を合わせるなんて、以前も本当は見かけていたのかもしれない。今まではどれだけ気にしてなかったのだっていう話になる。
その後、ミンネ達にユリアーノ先輩の事を少し話し、みんな公爵家の権力に巻き込まれたくないため波のように引いていった。
『知りません』が一番平穏無事だから。
「本当に大変だね、ティア」
ミンネも心配しつつ、それ以上は聞かないスタンスをとっていたので、苦笑いした。
噂話や情報入手にも手を出してはいけないラインがあるのだなぁと令嬢としての駆け引きを学ぶ。
ブランカ先輩みたいな好奇心は、危険で今まで先輩はご無事だったのかしら、無事じゃないから被害者の会に入っている?
また謎が生まれた、今度話しを聞いてみたいと思った。
それも怖い話に当たりそう。
「今日はスッキリしていますね、ティアラさん」
と警備員の服を着た目が隠れたイケメンに声をかけられて、気分も一気に上がる。
「クランさん!本当にずっと大変で。
やっと落ち着き始めたのでホッとしてました」
と言えば、
「そうなんですか?良かったですね。流石ティアラさん余裕があるのですね、明日から学期末テストですよね。勉強がひと段落ついたのですね」
とクランさんに言われた。
学期末テスト?
テスト?
明日から…
毎日、そんなこと考える余裕がなかったわ、そういえば、朝からミンネも手にノートを持っていた。
いつの間にみんな勉強していたのか!?考えてみれば、すぐにサロンが予約出来たり、サマリアさんに捕まった時、学生の声がしなかった。たまたま(青)が通ってくれただけで、本当にほとんどの人がいなかったのは、みんな帰宅していたからか。
サァーと青褪めた。二重の意味で。
もっと救出が遅かったかもしれない事と授業中、関係ないことばかり考えていた。
私が巻き込まれていた期間、いじめだ何だと被害を受けていて、頭が勉強なんて疎かになっていて…
「ハアーー、クランさんいつもありがとうございます。急いで帰らなければ!また明日~」
と一礼してから急ぎ馬車に乗った。
最近は、授業中の時間が空っぽになっていて全く記憶にない…
「どうしよう…
ノート…書いてない…私、本当に何やってるのかしら…」
ガクガクブルブルの追い込まれた状態は寝ることも許されず、精神状態最悪なままテストに挑む事になり…
公爵家?何それ?怖くないわ。今必要なもの、それは、テスト対策!
必死アピールのお願い体制にクラスメイトから、呆れられながらノートを借り写し、その日その場のテスト対策となった…
調子に乗っていたのかもしれない。
学生の本分は勉強!
婚約者探しではない!
イベント?
いじめ?
お茶会?
全て毎日を学生として全うしている者達が考えれば良い副産物です…
『神様、真面目に学生をしますので、留年だけはお見逃し下さい』
願い虚しく、
ティアラ・ビルド、テスト結果によるお叱りのため、職員室に呼び出された…
「どうされたのかしら?二教科得点が足らないのよ、歴史と算術…
放課後補習を受けて再テストをしましょうか?もう一度一年生は嫌でしょう?」
「はい、先生!ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
と言えば、先生も、
「最近ティアラさん大変ですものね…しかし今回だけですからね。しっかりしてくださいね。二年生になったら、生徒会に入るんでしょう」
ん?
入らないよ、生徒会なんて…
私、馬鹿だし、貧乏だし、器じゃないし…
ヤメテクダサイ、適当困る!
またそんなことを聞いて噂が先行したら大変。
「先生、私は、そんな話聞いてません!」
とはっきり言った。
「そうなの?」
そう言った噂話の一人歩きが一番怖いのよ。誰よ、そんな馬鹿なことを言いだした犯人は!
そして私は、五日後の再テストに向けて猛勉強をすることになった。
「本当にティア、ついてないね…みんな卒業式の後のパーティーの準備をしているのに、補習なんて」
「ミンネ、三年生に素敵なパートナーがいれば良いね、がんばって」
とみんな最後三年生の優良物件をハンターしに行っている間にひたすら補習を受け再試験。
そのおかげもありまして、どうにか卒業式前日、進級が決定しました。
パチパチパチ…
そういえば、再試験ばかり気にして、ユリアーノ先輩はどうなったのかしら?誘いに来ないということは、カミューラ様やロフト公爵の圧力はなくなったということかな?
卒業式やパーティーにそんな問題持ち込まず、楽しめる最後の学園生活だと良いな。
後ろから声をかけられた。反射的に振り返ってしまった。
…シルベルト様…追いかけてきたのですか?
「は、い」
「突然、すまない。君は大丈夫なのか、直接的なカミューラ嬢からの攻撃は?」
と聞かれた。
ブランカ先輩の話を聞いていなかったのか?と聞き返したくなる質問だ。ユリアーノ先輩が私を家に誘っているのは、もしかしてカミューラ様の仲間もしくはご本人という事だと察しがつくはずだが、ポロっとまた悪態が出そうな私の口に…気まずい。いくら謝ったからって、言った言葉は取り消せない。生意気な発言、関わらないでと言いながら、結果また生徒会メンバーに頼るという行い。
口だけとは私の事でした。
「ご心配いただきありがとうございます。私の家にはロフト公爵家からの直接的な圧力はないと思います。領地も離れてますから…」
「そうか…
もうすぐ靴が出来上がるそうだ。ちょうど卒業式の前あたりに、卒業パーティーで履けると良いな」
「はい…ありがとうございます…」
なんか間が怖い。顔を見ているが何を考えているかわからない。これ以上続く言葉もないようなので、一礼してすぐ教室に戻った。
教室では囲まれて、後で話すことを約束した。ユリアーノ先輩のこと、生徒会メンバーの一人のフラン様の婚約問題をあんな形で決まるか決まらないかなんて話せない。
とりあえず、ロフト公爵様、カミューラ様、怖~いって話になるだろう…
深い溜息だけ吐き出した。
楽しいことを考えた方がいい。
「白いハイヒール出来あがるのか…」
それを聞いて、少し嬉しかった。勿論高級靴店のオーダーメイドというのもあるけど、パーティーに新しい靴を履ける、それだけで特別でワクワクしてしまう。
なんだかんだで、嬉しいなんてね。
踊る相手もいないけど…
そういえば最近、今までは、全く見なかったセオルド様に偶然会ったな、婚約破棄をしたら学園でも顔を合わせるなんて、以前も本当は見かけていたのかもしれない。今まではどれだけ気にしてなかったのだっていう話になる。
その後、ミンネ達にユリアーノ先輩の事を少し話し、みんな公爵家の権力に巻き込まれたくないため波のように引いていった。
『知りません』が一番平穏無事だから。
「本当に大変だね、ティア」
ミンネも心配しつつ、それ以上は聞かないスタンスをとっていたので、苦笑いした。
噂話や情報入手にも手を出してはいけないラインがあるのだなぁと令嬢としての駆け引きを学ぶ。
ブランカ先輩みたいな好奇心は、危険で今まで先輩はご無事だったのかしら、無事じゃないから被害者の会に入っている?
また謎が生まれた、今度話しを聞いてみたいと思った。
それも怖い話に当たりそう。
「今日はスッキリしていますね、ティアラさん」
と警備員の服を着た目が隠れたイケメンに声をかけられて、気分も一気に上がる。
「クランさん!本当にずっと大変で。
やっと落ち着き始めたのでホッとしてました」
と言えば、
「そうなんですか?良かったですね。流石ティアラさん余裕があるのですね、明日から学期末テストですよね。勉強がひと段落ついたのですね」
とクランさんに言われた。
学期末テスト?
テスト?
明日から…
毎日、そんなこと考える余裕がなかったわ、そういえば、朝からミンネも手にノートを持っていた。
いつの間にみんな勉強していたのか!?考えてみれば、すぐにサロンが予約出来たり、サマリアさんに捕まった時、学生の声がしなかった。たまたま(青)が通ってくれただけで、本当にほとんどの人がいなかったのは、みんな帰宅していたからか。
サァーと青褪めた。二重の意味で。
もっと救出が遅かったかもしれない事と授業中、関係ないことばかり考えていた。
私が巻き込まれていた期間、いじめだ何だと被害を受けていて、頭が勉強なんて疎かになっていて…
「ハアーー、クランさんいつもありがとうございます。急いで帰らなければ!また明日~」
と一礼してから急ぎ馬車に乗った。
最近は、授業中の時間が空っぽになっていて全く記憶にない…
「どうしよう…
ノート…書いてない…私、本当に何やってるのかしら…」
ガクガクブルブルの追い込まれた状態は寝ることも許されず、精神状態最悪なままテストに挑む事になり…
公爵家?何それ?怖くないわ。今必要なもの、それは、テスト対策!
必死アピールのお願い体制にクラスメイトから、呆れられながらノートを借り写し、その日その場のテスト対策となった…
調子に乗っていたのかもしれない。
学生の本分は勉強!
婚約者探しではない!
イベント?
いじめ?
お茶会?
全て毎日を学生として全うしている者達が考えれば良い副産物です…
『神様、真面目に学生をしますので、留年だけはお見逃し下さい』
願い虚しく、
ティアラ・ビルド、テスト結果によるお叱りのため、職員室に呼び出された…
「どうされたのかしら?二教科得点が足らないのよ、歴史と算術…
放課後補習を受けて再テストをしましょうか?もう一度一年生は嫌でしょう?」
「はい、先生!ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
と言えば、先生も、
「最近ティアラさん大変ですものね…しかし今回だけですからね。しっかりしてくださいね。二年生になったら、生徒会に入るんでしょう」
ん?
入らないよ、生徒会なんて…
私、馬鹿だし、貧乏だし、器じゃないし…
ヤメテクダサイ、適当困る!
またそんなことを聞いて噂が先行したら大変。
「先生、私は、そんな話聞いてません!」
とはっきり言った。
「そうなの?」
そう言った噂話の一人歩きが一番怖いのよ。誰よ、そんな馬鹿なことを言いだした犯人は!
そして私は、五日後の再テストに向けて猛勉強をすることになった。
「本当にティア、ついてないね…みんな卒業式の後のパーティーの準備をしているのに、補習なんて」
「ミンネ、三年生に素敵なパートナーがいれば良いね、がんばって」
とみんな最後三年生の優良物件をハンターしに行っている間にひたすら補習を受け再試験。
そのおかげもありまして、どうにか卒業式前日、進級が決定しました。
パチパチパチ…
そういえば、再試験ばかり気にして、ユリアーノ先輩はどうなったのかしら?誘いに来ないということは、カミューラ様やロフト公爵の圧力はなくなったということかな?
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