27 / 77
27ツギカラツギ
しおりを挟む
生徒会で話を聞いたあと、午後の授業を聞き流し、ミンネ達と話すよりも慌て家に帰ろうと、急いで荷物を片付けて廊下に出た。
周りなど見ずに廊下の角を曲がると前にいた人とぶつかってしまった。
「申し訳ございません、急いでいて周りを確認しませんでした」
と言えば、
「久しぶりです」
と言われた。
返しとしては変だ。
顔を上げるとセオルド様がいた。
「…すみません、怪我などはありませんか?」
と聞くと、
「だ、大丈夫」
と胸を押さえていた。私の肩とぶつかったのはセオルド様の胸だったようだけど、それ以上何も言われなかったので、
「少々急いでおりまして、申し訳ありませんでした」
と一礼して前に進んだ。
そう言えば、この間、セオルド様をお見かけしたな…
視線は感じたけど、今はそれどころじゃなく父様への確認が一番。
外の正門近くには見慣れた制服姿がいた。
クランさんに、
「こんにちは」
と言えば、
「ティアラさん、今日は随分と急いでいるんですね」
と話しかけてもらえた。
本来なら嬉しい出来事なのに、今日は急いで、家に帰らなければならないため、断腸の思いで
「すみません、クランさん。急いで確認したいことがありまして、すぐに帰宅しますので失礼します」
と挨拶だけした。
ゔ~
せっかくだから話したかった…
お茶会の話の続きとか。
残念。
「ただいま戻りました。父様はいらっしゃるかしら?」
と聞くと、執事が、
「お嬢様、おかえりなさいませ、旦那様は執務室にいらっしゃいます。お嬢様の事大層喜ばれております」
と言われた。
既に、喜んでいる…と知らされた。いじめを?あり得ないでしょう!!出来れば関わりたくないのに。
執務室に入れば、
「よくやった」
と褒められた…
いじめられて賠償金よ…
めちゃくちゃ喜んでいる父様に、私は…
恥ずかしいよ…領地の税をまさか生徒会メンバー五人からのお金で未払い分払ってもらうなんて…
この話聞いて恥ずかしくてすぐ生徒会室出たからね。まさか学生に払ってもらうなんて…いくら王太子だ王弟だとお金持ちかもしれないけど、私達が納める税が王族に使われているんだから、変わりないって最後言われたしね。
私の感覚とは違う世界の方達…もう考えても駄目だ、相容れない。
父様に聞いたら、いじめの事は伏せられて、セレナさんの黒魔術を解いた御礼の報奨金という事で話を聞いたそう。
「えっ、賠償金って言ってたのよ、生徒会で、誰か」
…
「何だい?」
これは良くない。
家族に黙っているのも心苦しくなり、母様も来てもらい、洗いざらい全部話した。母様には、いじめの件で泣かれてしまった。
父様には、ロフト公爵家のカミューラ様に目をつけられたことを話すと、とても考えこむようになってしまった。
ただの報奨金だと喜んでいた所悪いけど、ちゃんと妬みや僻みの影響を受けていることを知ってもらいたかった。
被害の影響は、もしかすれば私を越えて家族にもかかってくるかもしれないから。
両親にも心配され、どうしてそんな色々な事を黙っていたのかと怒られ、悲しまれた。
言わなかったのは、困っている事を知られたくなかったから。ビルド家でこんな色々困っているのに更に心労をかけたくなかった。
「ごめんなさい…」
その続きは言葉が詰まった。
「いや、きっとお金がないことで苦労させているせいで自分で抱え込むようにさせていたんだね。私の責任だよ、ティアラすまなかった」
…
…
この空気を飲み込んで、諦めれば(現実逃避)楽になるだろう。
「でも王太子殿下の使者にサインもしてしまったよ…今からやっぱりいらないですと言うのか…」
「そうね、これでまた王宮に行って、手続きして、領地の返納、降格…
私はもう今回は、これでいいのではないかって思っているのよ」
と母様が悪魔の囁きをする。
上位貴族の決めたことに逆らう勇気もないし、結局大人しくしていようと父様も決めた。
私はかなり複雑だけど。
色々認めてしまえば、領民にも苦労をかけずに済んで…良かった。
お父様の話では、ある貴族からの領民に重税をかけるべきだと二年前から言われていたと告白された。
流行り病に荷台の事故、重なった不運に更に重税なんてビルドの領民が飢えてしまうわ。
うん、きっと良かったんだね、いじめの賠償金。この使い道が、流されてしまう自分が怖いわ。
週が明けて、いつもなら教室の中央にいるのに今日は、みんな席についてノートを見ていた。
「おはよう」
と言えば、ミンネが側に来て、
「もう、心配したよ。急いで帰るし…」
と言われ、ミンネ達に説明した。
生徒会室内であったこと、但し領地の徴税未払い分を報奨金としてもらい支払った事は言っていない。
流石にそこは…
父様からも黒魔術を解いた事は秘密だからその口止め料も入っていると思うと聞いているから。
ミンネも
「怖かったものね、シリル殿下。やっぱり高位貴族がすることにケチをつけたら駄目なのよ。これでみんなティアのこと放っておいてくれればいいね」
と言われた。
これで本当に終われば嬉しい。
しかしそんなすぐに変わらないのが、運の悪いビルド家で、
「ティアラ様、三年生の方が見えているわよ」
…
見れば、顔色を悪くしたユリアーノ先輩だった。
あぁ、何かあるなとわかるのも悲しい性です。あんなにお茶会楽しかったのにね。
「どうしましたか、ユリアーノ先輩?」
言うしかない一言を投げた。
…
…
「今日、我が家に来てもらえないかしら?」
と少し震えた声が出ている。
そんなビクビクして誘われたら、絶対何かあるってこちらも構えます!
サマリアさんの件で学習済みです。
「急なお誘いは、流石に…無理ですわ、ユリアーノ先輩?ここでは言えないことですか?昼休みでも駄目ですか?」
と聞けば、
「そうよね、突然ですもの、無理よね…」
と絶望的な顔をした。
これは絶対に何かある…
それもこのタイミングだ。
「ブランカ先輩には?」
顔を振ったユリアーノ先輩。
「困っている事をお伝えしても良いですか?」
と聞けば、
「どうすることも出来ないのよ…」
と走っていってしまった。
流石にこれは気になるわ…
ブランカ先輩に連絡して、昼休みに時間を作ってもらった。
「そう、ユリアーノ先輩がお困りなのはきっとロフト公爵家関係よ」
と断言された。
「ロフト公爵家からユリアーノ先輩の元婚約者サイモン様を取られたのだから。ティアラ様はあまり下世話なお家事情をご存知ないと思うのだけど、このサイモン様は、次男で子爵の位を頂く予定だった所、多分、嫡男を押しのけて侯爵位を継ぐという噂になり始めたの。理由は簡単。彼の後ろにロフト公爵家がついたから。次男だったサイモン様が嫡男と爵位を交換するという話よ。お家騒動よね。そうなれば、カミューラ様も体裁は保てるでしょう。でも嫡男は面白くないわよね。そしてユリアーノ先輩には、ロフト公爵の末弟の後妻にと話が来たのではないかしら」
…
どこからそんな詳しい情報を仕入れているのか…
それにしても先日からよく聞く名前。
「また、カミューラ様にロフト公爵ですか…
私、お茶会の帰りにいじめに遭いまして、サマリアさんとカミューラ様の手先令嬢に捕まって罵倒され監禁されてしまい…
それをシルベルト様が発見してくださり、その三名にシリル殿下が尋問、そしてロフト公爵様もその場に呼んで、カミューラ様の罪を問うと聞きました…
それがユリアーノ先輩に降りかかったのでしょうか?」
と聞けば、
「えっ?そんなことが!」
ブランカ先輩が考え始めた。
そして、
「もしかして、見せしめ…カミューラ様ならやりかねないわ。生徒会に行きましょう!」
と言った。
更に面倒くさい事になりそうで、関わりたくないのに…
もがけばもがくほど深みに嵌る蟻地獄。
意気揚々と歩くブランカ先輩。
その後を付いていく私は、相談なんてしないで、申し訳ないけどユリアーノ先輩を見ないふりをすれば良かったと後悔していた。
この道は、巻き込まれるために敷かれた道にしか見えなかったから。
(どうして、私ばかり…)
周りなど見ずに廊下の角を曲がると前にいた人とぶつかってしまった。
「申し訳ございません、急いでいて周りを確認しませんでした」
と言えば、
「久しぶりです」
と言われた。
返しとしては変だ。
顔を上げるとセオルド様がいた。
「…すみません、怪我などはありませんか?」
と聞くと、
「だ、大丈夫」
と胸を押さえていた。私の肩とぶつかったのはセオルド様の胸だったようだけど、それ以上何も言われなかったので、
「少々急いでおりまして、申し訳ありませんでした」
と一礼して前に進んだ。
そう言えば、この間、セオルド様をお見かけしたな…
視線は感じたけど、今はそれどころじゃなく父様への確認が一番。
外の正門近くには見慣れた制服姿がいた。
クランさんに、
「こんにちは」
と言えば、
「ティアラさん、今日は随分と急いでいるんですね」
と話しかけてもらえた。
本来なら嬉しい出来事なのに、今日は急いで、家に帰らなければならないため、断腸の思いで
「すみません、クランさん。急いで確認したいことがありまして、すぐに帰宅しますので失礼します」
と挨拶だけした。
ゔ~
せっかくだから話したかった…
お茶会の話の続きとか。
残念。
「ただいま戻りました。父様はいらっしゃるかしら?」
と聞くと、執事が、
「お嬢様、おかえりなさいませ、旦那様は執務室にいらっしゃいます。お嬢様の事大層喜ばれております」
と言われた。
既に、喜んでいる…と知らされた。いじめを?あり得ないでしょう!!出来れば関わりたくないのに。
執務室に入れば、
「よくやった」
と褒められた…
いじめられて賠償金よ…
めちゃくちゃ喜んでいる父様に、私は…
恥ずかしいよ…領地の税をまさか生徒会メンバー五人からのお金で未払い分払ってもらうなんて…
この話聞いて恥ずかしくてすぐ生徒会室出たからね。まさか学生に払ってもらうなんて…いくら王太子だ王弟だとお金持ちかもしれないけど、私達が納める税が王族に使われているんだから、変わりないって最後言われたしね。
私の感覚とは違う世界の方達…もう考えても駄目だ、相容れない。
父様に聞いたら、いじめの事は伏せられて、セレナさんの黒魔術を解いた御礼の報奨金という事で話を聞いたそう。
「えっ、賠償金って言ってたのよ、生徒会で、誰か」
…
「何だい?」
これは良くない。
家族に黙っているのも心苦しくなり、母様も来てもらい、洗いざらい全部話した。母様には、いじめの件で泣かれてしまった。
父様には、ロフト公爵家のカミューラ様に目をつけられたことを話すと、とても考えこむようになってしまった。
ただの報奨金だと喜んでいた所悪いけど、ちゃんと妬みや僻みの影響を受けていることを知ってもらいたかった。
被害の影響は、もしかすれば私を越えて家族にもかかってくるかもしれないから。
両親にも心配され、どうしてそんな色々な事を黙っていたのかと怒られ、悲しまれた。
言わなかったのは、困っている事を知られたくなかったから。ビルド家でこんな色々困っているのに更に心労をかけたくなかった。
「ごめんなさい…」
その続きは言葉が詰まった。
「いや、きっとお金がないことで苦労させているせいで自分で抱え込むようにさせていたんだね。私の責任だよ、ティアラすまなかった」
…
…
この空気を飲み込んで、諦めれば(現実逃避)楽になるだろう。
「でも王太子殿下の使者にサインもしてしまったよ…今からやっぱりいらないですと言うのか…」
「そうね、これでまた王宮に行って、手続きして、領地の返納、降格…
私はもう今回は、これでいいのではないかって思っているのよ」
と母様が悪魔の囁きをする。
上位貴族の決めたことに逆らう勇気もないし、結局大人しくしていようと父様も決めた。
私はかなり複雑だけど。
色々認めてしまえば、領民にも苦労をかけずに済んで…良かった。
お父様の話では、ある貴族からの領民に重税をかけるべきだと二年前から言われていたと告白された。
流行り病に荷台の事故、重なった不運に更に重税なんてビルドの領民が飢えてしまうわ。
うん、きっと良かったんだね、いじめの賠償金。この使い道が、流されてしまう自分が怖いわ。
週が明けて、いつもなら教室の中央にいるのに今日は、みんな席についてノートを見ていた。
「おはよう」
と言えば、ミンネが側に来て、
「もう、心配したよ。急いで帰るし…」
と言われ、ミンネ達に説明した。
生徒会室内であったこと、但し領地の徴税未払い分を報奨金としてもらい支払った事は言っていない。
流石にそこは…
父様からも黒魔術を解いた事は秘密だからその口止め料も入っていると思うと聞いているから。
ミンネも
「怖かったものね、シリル殿下。やっぱり高位貴族がすることにケチをつけたら駄目なのよ。これでみんなティアのこと放っておいてくれればいいね」
と言われた。
これで本当に終われば嬉しい。
しかしそんなすぐに変わらないのが、運の悪いビルド家で、
「ティアラ様、三年生の方が見えているわよ」
…
見れば、顔色を悪くしたユリアーノ先輩だった。
あぁ、何かあるなとわかるのも悲しい性です。あんなにお茶会楽しかったのにね。
「どうしましたか、ユリアーノ先輩?」
言うしかない一言を投げた。
…
…
「今日、我が家に来てもらえないかしら?」
と少し震えた声が出ている。
そんなビクビクして誘われたら、絶対何かあるってこちらも構えます!
サマリアさんの件で学習済みです。
「急なお誘いは、流石に…無理ですわ、ユリアーノ先輩?ここでは言えないことですか?昼休みでも駄目ですか?」
と聞けば、
「そうよね、突然ですもの、無理よね…」
と絶望的な顔をした。
これは絶対に何かある…
それもこのタイミングだ。
「ブランカ先輩には?」
顔を振ったユリアーノ先輩。
「困っている事をお伝えしても良いですか?」
と聞けば、
「どうすることも出来ないのよ…」
と走っていってしまった。
流石にこれは気になるわ…
ブランカ先輩に連絡して、昼休みに時間を作ってもらった。
「そう、ユリアーノ先輩がお困りなのはきっとロフト公爵家関係よ」
と断言された。
「ロフト公爵家からユリアーノ先輩の元婚約者サイモン様を取られたのだから。ティアラ様はあまり下世話なお家事情をご存知ないと思うのだけど、このサイモン様は、次男で子爵の位を頂く予定だった所、多分、嫡男を押しのけて侯爵位を継ぐという噂になり始めたの。理由は簡単。彼の後ろにロフト公爵家がついたから。次男だったサイモン様が嫡男と爵位を交換するという話よ。お家騒動よね。そうなれば、カミューラ様も体裁は保てるでしょう。でも嫡男は面白くないわよね。そしてユリアーノ先輩には、ロフト公爵の末弟の後妻にと話が来たのではないかしら」
…
どこからそんな詳しい情報を仕入れているのか…
それにしても先日からよく聞く名前。
「また、カミューラ様にロフト公爵ですか…
私、お茶会の帰りにいじめに遭いまして、サマリアさんとカミューラ様の手先令嬢に捕まって罵倒され監禁されてしまい…
それをシルベルト様が発見してくださり、その三名にシリル殿下が尋問、そしてロフト公爵様もその場に呼んで、カミューラ様の罪を問うと聞きました…
それがユリアーノ先輩に降りかかったのでしょうか?」
と聞けば、
「えっ?そんなことが!」
ブランカ先輩が考え始めた。
そして、
「もしかして、見せしめ…カミューラ様ならやりかねないわ。生徒会に行きましょう!」
と言った。
更に面倒くさい事になりそうで、関わりたくないのに…
もがけばもがくほど深みに嵌る蟻地獄。
意気揚々と歩くブランカ先輩。
その後を付いていく私は、相談なんてしないで、申し訳ないけどユリアーノ先輩を見ないふりをすれば良かったと後悔していた。
この道は、巻き込まれるために敷かれた道にしか見えなかったから。
(どうして、私ばかり…)
19
お気に入りに追加
518
あなたにおすすめの小説
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】
白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語
※他サイトでも投稿中
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
牢で死ぬはずだった公爵令嬢
鈴元 香奈
恋愛
婚約していた王子に裏切られ無実の罪で牢に入れられてしまった公爵令嬢リーゼは、牢番に助け出されて見知らぬ男に託された。
表紙女性イラストはしろ様(SKIMA)、背景はくらうど職人様(イラストAC)、馬上の人物はシルエットACさんよりお借りしています。
小説家になろうさんにも投稿しています。
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。
母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語
母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・?
※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる