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3正気
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(シルベルトside)
〈ティアラに(青)と呼ばれている青年〉
クリスマスパーティーが途中で終わったことを警備員に連絡し、残った学生がいないか見回ってもらおうと会場を出た。
受付なども片付けないといけない。
やる事、段取りも含めて辺りを確認していると、突然、頭に衝撃が落ちた。
思わず、うずくまった。
めちゃくちゃ痛い。
「イテェーーーー」
痛みで冷静になれなかった。言葉使いが乱れた…
何か頭に硬いものが落ちてきた事はわかったが…
これは何かの嫌がらせ?いや闇討ちか?
ガンとぶつかった物が落ちると同時に痛みと何かの匂いでフラッと目が回った。
その異物のような鉄っぽくて惹きつけられる匂い。
その正体は靴、女性物のハイヒール…
を握った。
そこからブワッーーーと匂いとして何かわからない風のように全身に送られた。
鳥肌、全身の毛が一瞬で立ったと思う。
後ろからバタバタと音がした。見れば、白い足…美しい…滑らかな白い肌…
生足?
耳は正常だ。目は幻を映しているのか?また、鼻が…何かを強く求めているようで…全神経が鼻へと集まっていくようで気がつけば、
目の前に人が立っている。
「すみません」
謝られた…
誰だと言いたかった。なのに…
「だっ」
…
意識が、また鼻に行く。血の匂いが…熱く芳しい。
今この目前の人間がいなければこの靴に顔を埋めたい、そんな欲…
駄目だ、そんなのは駄目だ、変態だ…
私はどうした?
そんな恥ずかしい真似事できるわけないだろう…
私は、シルベルト・レイヤードだぞ。二大公爵家の一つレイヤード公爵家の嫡男だ。人がいてもいなくても女性のハイヒールに顔を埋めるなんてそんな下品な卑しい事してはいけない!
身体に命令する。
意識を鼻から引き離さなければ。
目に集中だ。
と目を凝らす。
しかし、先程の痛みで涙目になって景色が滲む。全くぼやけて見えない。かろうじて、声を出した。
「えっと、何?」
と。
いや、考えればわかること。この目の前の人はこのハイヒールを落とした人物に決まっている。
「何…あっ、大変申し訳ございませんでした。私が階段の上からこの靴を落としてしまい、あぉ、あなた様に当たってしまうという粗相をしてしまいました。何卒お許しくださいませ」
…
何か許しを請われている、視線が足下に行き、白い肌がふわりと甘さを含むような…美しい…
かなり現実的に生足…
視界は未だぼやけている。
鼻から指先に意識が行く。ブワッーーーと広がる全身から今度は指先に熱が籠る。
不思議だ。何も考えられない。
いや今のいままで何か考えていたのだろうか?
そう、さっきまで何をやっていたんだろう?
あぁ、熱い
指先が熱い、思わず、ハイヒールを持っている手でこの靴を回してしまった。
指先を見れば、
「血…」
血が付いていた。踵も折られている。サイズが合わないハイヒールだったのだろう。
目線がその血に釘付けになる。
ボォーーとする。
脳内が何を考えていいかもわからない。情報がどんどん積み重なるように次から次に押し込まれていく。
「本当に申し訳ありませんでした」
目の前の人物が謝ってきた。
「あぁ」
このハイヒールを落としたことか。
頭も痛いし、この上の階段から落ちたのか。
少しだけ意識が戻って来た。
それと同時に
『私は今まで何をしていた?』
それを思い出そうとするとまるで風に逆らおうとするように脳が抵抗する。
まだよくわからない状態だけど、まずこのハイヒールを返そう。
「わかった、はいこれ」
と言って令嬢に持っていたハイヒールを渡した。また白い足が見えた。
甘そう…芳しい匂い…
いや…
美しい、すらっとした曲線を描いた…
ハァ、顔を近づけたい!そして齧り付きたい…
『駄目だ』
何かが俺を引っ張る。そちらに意識を向けてはいけない。
見れば、私の人差し指に血が付いていた。
芳しい、いや新鮮な風、匂いが再び私を襲う。まだ目の前に美しい白い肌の足が見える。
食べたい…舐めたい…齧り付きたい
欲が深くなる。
…
『駄目だ』
抵抗する意識との狭間で顔に力を入れた。
意識を…別なところに…
自分の手だ、匂いを嗅いでもいいだろう。
いやこれは人の血だ。
駄目だ、
これも駄目だ。
そんな姿を見せたら変態だ。
それにこれはきっと彼女の血だ。
しまった。
ずっと血を見て自分と葛藤してしまった。
何か言っている。でも何故かこの血から離れがたく目も鼻も指先も囚われてしまっている。
目線を外さなければ!
何処か違う所を見て意識を違う方向に持っていかなければ変態に私はなってしまう。どこを見ればいい?
『駄目だ、それだけは嫌だ』
そんな葛藤を暫ししていれば。あの靴の持ち主の令嬢はもういなかった。
ふぅーーーー
気づけば脂汗のように額から汗がポツンと下に落ちた。ずっと己と戦っていたらしい。
何とか醜態を晒さずに済んだか…
…
…
「俺は本当に何をしていたんだ?」
急にクリアになった脳内と視界に驚く。
「片付け…」
そうだ、やろうとしていたこと。
階段を上った。
その階段の途中に片方のハイヒールが落ちていた。
「血が付いている」
これも先程の彼女の物だな。
ここから片方のハイヒールを落として、運悪く私の頭に落ちて慌てて謝りに来たのだな。
「後で返すか」
と拾う。
そういえば、あの令嬢は誰だったんだろう?話した内容もよく思い出せないし、はっきり顔も思い出せない。
思い出すのは、白い肌の滑らかな曲線をした足…
甘そうで、美味しそうで
『駄目だ』
さっきから何を考えているんだ!
そういえばオレンジのネクタイをしていたな。一年生か。何故、学園規定の黒タイツを履いていなかったんだろう?やはり生足…?考えるな!
困ったな、あぁログワットやシリル様に聞けばわかるか。
と靴を握る。
…アレ…
私はとんでもない事をしたのではないか?
「おい、シルベルト、何してんだよ。セレナも待っているぞ。違う場所でクリスマスパーティーを仕切り直しでやるぞ」
とログワットが声をかけてきた。
「え!?…俺は…」
「何だよ、どうしたんだシルベルト?昔みたいに"オレ"なんて言って、何に動揺している…体調が悪いのか。顔が真っ青になっているぞ」
顔色、当たり前だろ。今も今、俺達何をしたんだよ…とんでもないことしてしまったのではないか。
…
婚約破棄って言った。
あれは政略…家同士の縁だ。
俺が勝手に決めていいわけない。
ましてや令嬢同士のゴタゴタに関わって、自分を介入して一方的に宣言したに過ぎない。
「おい、聞いているか?シルベルト先に行くからな」
…
とんでもない。
まずい。
父上が、この話を聞けば怒っている未来が見える…
「早く帰らなければ」
片付けを後回しに、すぐに馬車乗り場に走る。
握りしめたハイヒール(血付き)…
…
災難だったが…
この靴を見て正常になった気がする。
靴じゃない。芳しい匂いからだ。
『血』
また、その一点に意識が集中した。
ハァーーー
間違いない。
血を嗅いで正常に戻るなんて…公爵家の嫡男としてなんと言われるだろうか?
出来れば秘密にしたいが、王子達を救わなければ…ハァ、無理だろうな。
肩を落とした。
私は何か盛られていたか、嗅がされていたか、正常ではない意識下に置かれていたに違いない。この話を父上や母上が信じてくれるだろうか?
いや、ある程度の毒類だって子供の頃から経験させられていた、毒ではないか…その上で引っかかったのだから自業自得なのかもしれない…
片手でまたこのハイヒールをくるりと回した。
「痛かったが、何処の誰かわからないけど君には感謝だな」
と何故か再び頭に浮かぶの真っ白な滑らかな曲線の足と甘そうな美味そうな…
「な、何で、」
頭に浮かんだその時に下半身のある一点に血液が集まってしまい…
落ちつくまで、浅くなる呼吸をゆっくり意識して、ひたすら数を数えて心頭滅却を試みた。
俺は、ヤバいのかも知れない…
不安のおかげで萎えたけど、まさかな…大丈夫だよな、俺。
自分の身体の具合に不安を覚えた。
(新しい扉に手をかけたかも…困惑中)
〈ティアラに(青)と呼ばれている青年〉
クリスマスパーティーが途中で終わったことを警備員に連絡し、残った学生がいないか見回ってもらおうと会場を出た。
受付なども片付けないといけない。
やる事、段取りも含めて辺りを確認していると、突然、頭に衝撃が落ちた。
思わず、うずくまった。
めちゃくちゃ痛い。
「イテェーーーー」
痛みで冷静になれなかった。言葉使いが乱れた…
何か頭に硬いものが落ちてきた事はわかったが…
これは何かの嫌がらせ?いや闇討ちか?
ガンとぶつかった物が落ちると同時に痛みと何かの匂いでフラッと目が回った。
その異物のような鉄っぽくて惹きつけられる匂い。
その正体は靴、女性物のハイヒール…
を握った。
そこからブワッーーーと匂いとして何かわからない風のように全身に送られた。
鳥肌、全身の毛が一瞬で立ったと思う。
後ろからバタバタと音がした。見れば、白い足…美しい…滑らかな白い肌…
生足?
耳は正常だ。目は幻を映しているのか?また、鼻が…何かを強く求めているようで…全神経が鼻へと集まっていくようで気がつけば、
目の前に人が立っている。
「すみません」
謝られた…
誰だと言いたかった。なのに…
「だっ」
…
意識が、また鼻に行く。血の匂いが…熱く芳しい。
今この目前の人間がいなければこの靴に顔を埋めたい、そんな欲…
駄目だ、そんなのは駄目だ、変態だ…
私はどうした?
そんな恥ずかしい真似事できるわけないだろう…
私は、シルベルト・レイヤードだぞ。二大公爵家の一つレイヤード公爵家の嫡男だ。人がいてもいなくても女性のハイヒールに顔を埋めるなんてそんな下品な卑しい事してはいけない!
身体に命令する。
意識を鼻から引き離さなければ。
目に集中だ。
と目を凝らす。
しかし、先程の痛みで涙目になって景色が滲む。全くぼやけて見えない。かろうじて、声を出した。
「えっと、何?」
と。
いや、考えればわかること。この目の前の人はこのハイヒールを落とした人物に決まっている。
「何…あっ、大変申し訳ございませんでした。私が階段の上からこの靴を落としてしまい、あぉ、あなた様に当たってしまうという粗相をしてしまいました。何卒お許しくださいませ」
…
何か許しを請われている、視線が足下に行き、白い肌がふわりと甘さを含むような…美しい…
かなり現実的に生足…
視界は未だぼやけている。
鼻から指先に意識が行く。ブワッーーーと広がる全身から今度は指先に熱が籠る。
不思議だ。何も考えられない。
いや今のいままで何か考えていたのだろうか?
そう、さっきまで何をやっていたんだろう?
あぁ、熱い
指先が熱い、思わず、ハイヒールを持っている手でこの靴を回してしまった。
指先を見れば、
「血…」
血が付いていた。踵も折られている。サイズが合わないハイヒールだったのだろう。
目線がその血に釘付けになる。
ボォーーとする。
脳内が何を考えていいかもわからない。情報がどんどん積み重なるように次から次に押し込まれていく。
「本当に申し訳ありませんでした」
目の前の人物が謝ってきた。
「あぁ」
このハイヒールを落としたことか。
頭も痛いし、この上の階段から落ちたのか。
少しだけ意識が戻って来た。
それと同時に
『私は今まで何をしていた?』
それを思い出そうとするとまるで風に逆らおうとするように脳が抵抗する。
まだよくわからない状態だけど、まずこのハイヒールを返そう。
「わかった、はいこれ」
と言って令嬢に持っていたハイヒールを渡した。また白い足が見えた。
甘そう…芳しい匂い…
いや…
美しい、すらっとした曲線を描いた…
ハァ、顔を近づけたい!そして齧り付きたい…
『駄目だ』
何かが俺を引っ張る。そちらに意識を向けてはいけない。
見れば、私の人差し指に血が付いていた。
芳しい、いや新鮮な風、匂いが再び私を襲う。まだ目の前に美しい白い肌の足が見える。
食べたい…舐めたい…齧り付きたい
欲が深くなる。
…
『駄目だ』
抵抗する意識との狭間で顔に力を入れた。
意識を…別なところに…
自分の手だ、匂いを嗅いでもいいだろう。
いやこれは人の血だ。
駄目だ、
これも駄目だ。
そんな姿を見せたら変態だ。
それにこれはきっと彼女の血だ。
しまった。
ずっと血を見て自分と葛藤してしまった。
何か言っている。でも何故かこの血から離れがたく目も鼻も指先も囚われてしまっている。
目線を外さなければ!
何処か違う所を見て意識を違う方向に持っていかなければ変態に私はなってしまう。どこを見ればいい?
『駄目だ、それだけは嫌だ』
そんな葛藤を暫ししていれば。あの靴の持ち主の令嬢はもういなかった。
ふぅーーーー
気づけば脂汗のように額から汗がポツンと下に落ちた。ずっと己と戦っていたらしい。
何とか醜態を晒さずに済んだか…
…
…
「俺は本当に何をしていたんだ?」
急にクリアになった脳内と視界に驚く。
「片付け…」
そうだ、やろうとしていたこと。
階段を上った。
その階段の途中に片方のハイヒールが落ちていた。
「血が付いている」
これも先程の彼女の物だな。
ここから片方のハイヒールを落として、運悪く私の頭に落ちて慌てて謝りに来たのだな。
「後で返すか」
と拾う。
そういえば、あの令嬢は誰だったんだろう?話した内容もよく思い出せないし、はっきり顔も思い出せない。
思い出すのは、白い肌の滑らかな曲線をした足…
甘そうで、美味しそうで
『駄目だ』
さっきから何を考えているんだ!
そういえばオレンジのネクタイをしていたな。一年生か。何故、学園規定の黒タイツを履いていなかったんだろう?やはり生足…?考えるな!
困ったな、あぁログワットやシリル様に聞けばわかるか。
と靴を握る。
…アレ…
私はとんでもない事をしたのではないか?
「おい、シルベルト、何してんだよ。セレナも待っているぞ。違う場所でクリスマスパーティーを仕切り直しでやるぞ」
とログワットが声をかけてきた。
「え!?…俺は…」
「何だよ、どうしたんだシルベルト?昔みたいに"オレ"なんて言って、何に動揺している…体調が悪いのか。顔が真っ青になっているぞ」
顔色、当たり前だろ。今も今、俺達何をしたんだよ…とんでもないことしてしまったのではないか。
…
婚約破棄って言った。
あれは政略…家同士の縁だ。
俺が勝手に決めていいわけない。
ましてや令嬢同士のゴタゴタに関わって、自分を介入して一方的に宣言したに過ぎない。
「おい、聞いているか?シルベルト先に行くからな」
…
とんでもない。
まずい。
父上が、この話を聞けば怒っている未来が見える…
「早く帰らなければ」
片付けを後回しに、すぐに馬車乗り場に走る。
握りしめたハイヒール(血付き)…
…
災難だったが…
この靴を見て正常になった気がする。
靴じゃない。芳しい匂いからだ。
『血』
また、その一点に意識が集中した。
ハァーーー
間違いない。
血を嗅いで正常に戻るなんて…公爵家の嫡男としてなんと言われるだろうか?
出来れば秘密にしたいが、王子達を救わなければ…ハァ、無理だろうな。
肩を落とした。
私は何か盛られていたか、嗅がされていたか、正常ではない意識下に置かれていたに違いない。この話を父上や母上が信じてくれるだろうか?
いや、ある程度の毒類だって子供の頃から経験させられていた、毒ではないか…その上で引っかかったのだから自業自得なのかもしれない…
片手でまたこのハイヒールをくるりと回した。
「痛かったが、何処の誰かわからないけど君には感謝だな」
と何故か再び頭に浮かぶの真っ白な滑らかな曲線の足と甘そうな美味そうな…
「な、何で、」
頭に浮かんだその時に下半身のある一点に血液が集まってしまい…
落ちつくまで、浅くなる呼吸をゆっくり意識して、ひたすら数を数えて心頭滅却を試みた。
俺は、ヤバいのかも知れない…
不安のおかげで萎えたけど、まさかな…大丈夫だよな、俺。
自分の身体の具合に不安を覚えた。
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