85 / 120
85 学年テストの勝負 其の1
しおりを挟む
テスト勉強の合間、窓を開けて空気の冷たさを感じる。
「ミランダちゃん~!手が空いたなら、お茶をしないかい?」
丁度、外出から戻ってきた義兄が手を挙げて私を見つけてくれた。
相変わらず、かっこいい。ずるいわ、容姿端麗を最大限に活かして、私だけに手を振ってくれてると思ったら、元気よく返事をしてしまう。
*
「お義兄様、やっと落ちつかれましたか?今日もお忙しいそうにしてましたから…」
「ああ、ほら、情報収集で商人と話を聞く事とパーティーの準備…
マユリカ王女様の事だけど、半年後にマリングレー王国の国王陛下の側妃になる事が決まったよ。ミランダちゃんも事件に巻き込まれた訳だから、報告だよ」
優雅にお茶を飲む姿に、ひと段落ついた事を語っていた。
「マユリカ王女様は、ずっとアンドル王子様の婚約者になると言っていたので、お相手がマリングレー王国の国王様と知って、ショックを受けたかもしれませんね」
「マリングレー国は豊かな国だ。確かに年齢差はあるが…身分や起こした騒動を考えれば、落とし所だよ、王女の責任さ。ミランダちゃんが落ち込む必要はないよ!ご令嬢方が夢中になっているパールの白粉がある国だ。側妃になれば、優先的に使えるだろう?」
「もう!お義兄様、別に白粉が好きだから良いとはなりませんよ!」
どうも高級化粧品がみんな令嬢は好きというイメージがあるみたいだけど、それは偏見だと思う。
「ふふ、確かにそうだけど。良かった。ミランダちゃんが元気が出てきて!マリアーノ嬢に嫌味を言われたって聞いたから。珍しくグレゴリーが厳しく注意したって?私も注意しようか?」
「グレゴリー様のあれは、注意というかすでに脅し、アンドル王子様に至っては、宣告って感じでしたけど…これ以上は騒ぎにしないで下さい。それに元気はあります、今はテスト勉強をしているから、そちらに集中しているだけで」
「そうか、ミランダちゃんは、二人と何か話したかい?」
「何も。私は教室内でしたし、マリアーノ様や王子様達は、廊下側でしたから」
「…ミランダちゃんもパーティーに行きたい?」
笑って聞くお義兄様だけど、
「前にも答えた通り、私は、パーティーに参加したいとは、本当に思っておりませんから。最近話題の高位貴族の争う場面なんて、怖くて入れませんよ。最後マリアーノ様の腰が抜けて、立ち上がれずに先生が、補助しながら移動したんですよ…」
騒ぎを聞きつけて、見に来る人もいて、笑っている人もいた。
「それは大変だな…
ライバルを蹴落としたい、自分をアピールしたいが強いよね。彼女の話し方は…いつも思うが令嬢として酷い。度々ミランダちゃんに迷惑をかけるのも許せないし。反省出来る子じゃなさそうだから。ファンド侯爵家は、東部地方のまとめ役、領地も地方も不正などはなくきちんとしている…真面目さのある人物と聞く限り証言されている。だからこそ、何故あんなに娘を甘やかして育てたのか疑問だよ」
そうね、確かに。
他の東部地方の人達も真面目で忠実。
昔、先生から聞いたアレかしら?
「馬鹿な子ほどかわいい…」
「何それ?」
「あら、お義兄様も知りませんか。昔、先生が言ってました。親は意外と優秀な子よりも、馬鹿な子ほど、手の掛かる子ほどかわいいものだと言っていたんです。そして何とかしたい、助けたいと思うと」
「へぇ~、先生は我々の知らない事を沢山知っているよね。見かけは若そうだけど。ミランダちゃんは、先生が何歳なのか知っているの?」
「…秘密と言われました。女性に年齢を聞いていいのは学生までで、それを過ぎてから聞く男性には、不信感を抱きなさい、要注意よと言われました」
お義兄様が笑っている。
「厳しいな。相変わらず、家庭教師と言っても、どうでも良い事まで教えられているな…国の歴史や地理、外国語とかもミランダちゃんは、知識が浅かったよね。周辺諸国も名前と場所ぐらいだったし。何を中心に教わっていたの?」
「経済や動植物、天気や神話、礼儀作法や淑女教育も。でも一番は生きることについてですね。沢山の事を学びましたね。先生からは、一応教科書通りには習いましたけど、いつも話が脱線して、先生の体験談や私にどう思うと意見や考えをさせてくれましたね」
「本当に変わっている。普通教師は決め事を詰め込むからな。確かにミランダちゃんの個性は先生の影響を受けているよね」
それってどういう意味かしら?
「お義兄様、私は確かに人の話の途中でも、自分の世界、彼方に行ってしまいますけど…一応テスト勉強も頑張ってますし、前回も中々成績は良かったんですのよ。私は、お義兄様の方が心配です。皆さんより学校は途中ですし、ウランダル王国に行っていた期間もありますし、その、授業に遅れたりとかしてませんか?」
先生がいろいろ協力してくれていたのは知っているけど…
「まぁ、任せてよ。私は物覚えが良いからね。間違いなく学年一位になるよ」
「…一位ですか!お義兄様ならなってしまいそうですが、でも同じ学年には、アンドル王子様がいるじゃないですか!それは難しいのでは?」
何も考えずに、ただ大変だよーっという意味を込めて言ったつもりだった…
馬鹿な一言だった。レオンのあの負けず嫌いな発言を忘れていた…兄弟なのに。
「…アンドルはアホンドルだから。私の敵ではない!」
えっ!?いきなり不敬発言!悪口!?
「あ、私は、一位なんて絶対に無理です。今回は、ニ十位ぐらいになれたらいいなぁと…」
私の話題に変えた。しかし、
「まぁ大丈夫だと思うが、そういう学校関係の情報を入手していなかったな…」
お義兄様がぶつぶつ言い始めた。駄目だわ、話題転換に失敗したわ。
あぁ、完璧に余計なことを言った気がする。最近ずっと穏やかな学校だった(マリアーノ様関係を除いて)
翌々日、学校で…
「ねぇ、ミランダ大変よ!なんでもディライド様とアンドル王子様が、今度の学力テストで勝負するって話よ!!
昨日まるで二人が戦いの宣言みたいにされたって!
何か聞いてないの?ミランダ」
…
リリエットが、私がお義兄様と別れて教室に入った後に、かつてないほど興奮して聞いてきました。
…たぶんアレだ。
難しいなんて言った、あの言葉だわ。
アンドル王子様、大変申し訳ございません、と心の中で謝罪をした。
*
二学年教室
「アンドル王子、私は、次の学年テストで必ず一位になります。もうミランダちゃんに予告したんです。私に負けたら、小賢しい真似をするのはやめて欲しいですね」
「こういうはっきりとした結果がでる勝負は良いな、久しぶりだ。ディライド、私もお前には言いたいことがある。この勝負私が勝ったら、私を邪魔するのは止めろ、馬鹿にもするな」
「ふふ、確かに久しぶりの勝負ですね」
「まぁ負けやしないがな」
「「フッフフフ」」
という会話があったとか…
(リリエット情報談)
「ミランダちゃん~!手が空いたなら、お茶をしないかい?」
丁度、外出から戻ってきた義兄が手を挙げて私を見つけてくれた。
相変わらず、かっこいい。ずるいわ、容姿端麗を最大限に活かして、私だけに手を振ってくれてると思ったら、元気よく返事をしてしまう。
*
「お義兄様、やっと落ちつかれましたか?今日もお忙しいそうにしてましたから…」
「ああ、ほら、情報収集で商人と話を聞く事とパーティーの準備…
マユリカ王女様の事だけど、半年後にマリングレー王国の国王陛下の側妃になる事が決まったよ。ミランダちゃんも事件に巻き込まれた訳だから、報告だよ」
優雅にお茶を飲む姿に、ひと段落ついた事を語っていた。
「マユリカ王女様は、ずっとアンドル王子様の婚約者になると言っていたので、お相手がマリングレー王国の国王様と知って、ショックを受けたかもしれませんね」
「マリングレー国は豊かな国だ。確かに年齢差はあるが…身分や起こした騒動を考えれば、落とし所だよ、王女の責任さ。ミランダちゃんが落ち込む必要はないよ!ご令嬢方が夢中になっているパールの白粉がある国だ。側妃になれば、優先的に使えるだろう?」
「もう!お義兄様、別に白粉が好きだから良いとはなりませんよ!」
どうも高級化粧品がみんな令嬢は好きというイメージがあるみたいだけど、それは偏見だと思う。
「ふふ、確かにそうだけど。良かった。ミランダちゃんが元気が出てきて!マリアーノ嬢に嫌味を言われたって聞いたから。珍しくグレゴリーが厳しく注意したって?私も注意しようか?」
「グレゴリー様のあれは、注意というかすでに脅し、アンドル王子様に至っては、宣告って感じでしたけど…これ以上は騒ぎにしないで下さい。それに元気はあります、今はテスト勉強をしているから、そちらに集中しているだけで」
「そうか、ミランダちゃんは、二人と何か話したかい?」
「何も。私は教室内でしたし、マリアーノ様や王子様達は、廊下側でしたから」
「…ミランダちゃんもパーティーに行きたい?」
笑って聞くお義兄様だけど、
「前にも答えた通り、私は、パーティーに参加したいとは、本当に思っておりませんから。最近話題の高位貴族の争う場面なんて、怖くて入れませんよ。最後マリアーノ様の腰が抜けて、立ち上がれずに先生が、補助しながら移動したんですよ…」
騒ぎを聞きつけて、見に来る人もいて、笑っている人もいた。
「それは大変だな…
ライバルを蹴落としたい、自分をアピールしたいが強いよね。彼女の話し方は…いつも思うが令嬢として酷い。度々ミランダちゃんに迷惑をかけるのも許せないし。反省出来る子じゃなさそうだから。ファンド侯爵家は、東部地方のまとめ役、領地も地方も不正などはなくきちんとしている…真面目さのある人物と聞く限り証言されている。だからこそ、何故あんなに娘を甘やかして育てたのか疑問だよ」
そうね、確かに。
他の東部地方の人達も真面目で忠実。
昔、先生から聞いたアレかしら?
「馬鹿な子ほどかわいい…」
「何それ?」
「あら、お義兄様も知りませんか。昔、先生が言ってました。親は意外と優秀な子よりも、馬鹿な子ほど、手の掛かる子ほどかわいいものだと言っていたんです。そして何とかしたい、助けたいと思うと」
「へぇ~、先生は我々の知らない事を沢山知っているよね。見かけは若そうだけど。ミランダちゃんは、先生が何歳なのか知っているの?」
「…秘密と言われました。女性に年齢を聞いていいのは学生までで、それを過ぎてから聞く男性には、不信感を抱きなさい、要注意よと言われました」
お義兄様が笑っている。
「厳しいな。相変わらず、家庭教師と言っても、どうでも良い事まで教えられているな…国の歴史や地理、外国語とかもミランダちゃんは、知識が浅かったよね。周辺諸国も名前と場所ぐらいだったし。何を中心に教わっていたの?」
「経済や動植物、天気や神話、礼儀作法や淑女教育も。でも一番は生きることについてですね。沢山の事を学びましたね。先生からは、一応教科書通りには習いましたけど、いつも話が脱線して、先生の体験談や私にどう思うと意見や考えをさせてくれましたね」
「本当に変わっている。普通教師は決め事を詰め込むからな。確かにミランダちゃんの個性は先生の影響を受けているよね」
それってどういう意味かしら?
「お義兄様、私は確かに人の話の途中でも、自分の世界、彼方に行ってしまいますけど…一応テスト勉強も頑張ってますし、前回も中々成績は良かったんですのよ。私は、お義兄様の方が心配です。皆さんより学校は途中ですし、ウランダル王国に行っていた期間もありますし、その、授業に遅れたりとかしてませんか?」
先生がいろいろ協力してくれていたのは知っているけど…
「まぁ、任せてよ。私は物覚えが良いからね。間違いなく学年一位になるよ」
「…一位ですか!お義兄様ならなってしまいそうですが、でも同じ学年には、アンドル王子様がいるじゃないですか!それは難しいのでは?」
何も考えずに、ただ大変だよーっという意味を込めて言ったつもりだった…
馬鹿な一言だった。レオンのあの負けず嫌いな発言を忘れていた…兄弟なのに。
「…アンドルはアホンドルだから。私の敵ではない!」
えっ!?いきなり不敬発言!悪口!?
「あ、私は、一位なんて絶対に無理です。今回は、ニ十位ぐらいになれたらいいなぁと…」
私の話題に変えた。しかし、
「まぁ大丈夫だと思うが、そういう学校関係の情報を入手していなかったな…」
お義兄様がぶつぶつ言い始めた。駄目だわ、話題転換に失敗したわ。
あぁ、完璧に余計なことを言った気がする。最近ずっと穏やかな学校だった(マリアーノ様関係を除いて)
翌々日、学校で…
「ねぇ、ミランダ大変よ!なんでもディライド様とアンドル王子様が、今度の学力テストで勝負するって話よ!!
昨日まるで二人が戦いの宣言みたいにされたって!
何か聞いてないの?ミランダ」
…
リリエットが、私がお義兄様と別れて教室に入った後に、かつてないほど興奮して聞いてきました。
…たぶんアレだ。
難しいなんて言った、あの言葉だわ。
アンドル王子様、大変申し訳ございません、と心の中で謝罪をした。
*
二学年教室
「アンドル王子、私は、次の学年テストで必ず一位になります。もうミランダちゃんに予告したんです。私に負けたら、小賢しい真似をするのはやめて欲しいですね」
「こういうはっきりとした結果がでる勝負は良いな、久しぶりだ。ディライド、私もお前には言いたいことがある。この勝負私が勝ったら、私を邪魔するのは止めろ、馬鹿にもするな」
「ふふ、確かに久しぶりの勝負ですね」
「まぁ負けやしないがな」
「「フッフフフ」」
という会話があったとか…
(リリエット情報談)
14
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■

いつかの空を見る日まで
たつみ
恋愛
皇命により皇太子の婚約者となったカサンドラ。皇太子は彼女に無関心だったが、彼女も皇太子には無関心。婚姻する気なんてさらさらなく、逃げることだけ考えている。忠実な従僕と逃げる準備を進めていたのだが、不用意にも、皇太子の彼女に対する好感度を上げてしまい、執着されるはめに。複雑な事情がある彼女に、逃亡中止は有り得ない。生きるも死ぬもどうでもいいが、皇宮にだけはいたくないと、従僕と2人、ついに逃亡を決行するのだが。
------------
復讐、逆転ものではありませんので、それをご期待のかたはご注意ください。
悲しい内容が苦手というかたは、特にご注意ください。
中世・近世の欧風な雰囲気ですが、それっぽいだけです。
どんな展開でも、どんと来いなかた向けかもしれません。
(うわあ…ぇう~…がはっ…ぇえぇ~…となるところもあります)
他サイトでも掲載しています。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

人質王女の婚約者生活(仮)〜「君を愛することはない」と言われたのでひとときの自由を満喫していたら、皇太子殿下との秘密ができました〜
清川和泉
恋愛
幼い頃に半ば騙し討ちの形で人質としてブラウ帝国に連れて来られた、隣国ユーリ王国の王女クレア。
クレアは皇女宮で毎日皇女らに下女として過ごすように強要されていたが、ある日属国で暮らしていた皇太子であるアーサーから「彼から愛されないこと」を条件に婚約を申し込まれる。
(過去に、婚約するはずの女性がいたと聞いたことはあるけれど…)
そう考えたクレアは、彼らの仲が公になるまでの繋ぎの婚約者を演じることにした。
移住先では夢のような好待遇、自由な時間をもつことができ、仮初めの婚約者生活を満喫する。
また、ある出来事がきっかけでクレア自身に秘められた力が解放され、それはアーサーとクレアの二人だけの秘密に。行動を共にすることも増え徐々にアーサーとの距離も縮まっていく。
「俺は君を愛する資格を得たい」
(皇太子殿下には想い人がいたのでは。もしかして、私を愛せないのは別のことが理由だった…?)
これは、不遇な人質王女のクレアが不思議な力で周囲の人々を幸せにし、クレア自身も幸せになっていく物語。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる