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74 友達問題は、デリケートだそうです
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いつも通り学校へ向かってはいるけど、お義兄様が、挨拶のみで話をしない。朝食もみんなと摂らない…
喋りかけるなオーラが出ている…
やっぱり私が王宮に行ったことが原因よね。
困ったわ。
こういう時、どうしたらいいのでしょうか、先生~。
昨日王子様と友達になりました、今度、お義兄様も一緒にいきましょう、王子と友達付き合いしてあげてください。
とても言い辛い。
考えてみると、お義兄様は、何度もアンドルとは話したか?会ったか?と聞かれていた、それはつまり自分の知り合いと義妹が親しくなるってありえないだろう!ということなんだろうか?
お義兄様に迷惑をかけているのかもしれない。謝罪かしら?
「お義兄様、昨日のことですが…」
「すまない、ミランダちゃん、少し王子関係の話は聞きたくない…
自分でもよくわからないから、その話はしないでくれると助かる…」
側近と友達という壁は、私が考えているより、ずっと複雑なのかもしれない。
*
「あら、ミランダ元気がないみたいだけど…大丈夫?」
「リリエット、少し困っているの…
お義兄様が、怒っていて、馬車の中でも話さないし、その…
どうも王子様との関係が複雑みたいで考えこんでいるのよ」
「…ミランダ、あなた余計なことをしたり、言ったりしていない?大丈夫?それにその話題は良くないわ」
何故私が、何かしたこと前提で話すの?
「リリエット、私は何も…」
あー、王子と友達になったわ、これは流石に言えない。
「リリエット…ごめんなさい。私がもっと上手く立ち回れるなら…
ハァー、友達って難しいわね。片方と上手くやっていても、違う人が入るのを躊躇ってしまう。みんなで上手く仲良く出来れば良いのにね…」
「ミランダ、それは、お二人に言ってはいけないわ。みんなそれぞれ考えているからこそ、話すのを躊躇っているのだから。とりあえず、困るぐらい悩んで結論がでたら、きっとミランダに教えてくれるわ」
リリエットが、凄く真面目な顔で私に言う。友達作りは、間違いなくリリエットの方が先輩だろう。こんなやり取りも経験があるのかもしれないわ。そうよね、マリアーノ様の取り巻きもしていたし、経験豊富なんだわ。
「ありがとう、リリエット。とても頼りになるわ。私は、余計なことを言ったり、動いたりしない。それで良いのよね?」
一応確認を。
「その通りよ。こういう問題はデリケートなの。慌てず、騒がず、話さない。そして、よく見て考えるの、ね、大丈夫よね、ミランダ?」
「ええ、もちろんよ」
リリエットは静かに頷いた。
それで良いのね。
*
「ミランダちゃん、今日は食欲がないんだ。申し訳ないが先に帰ることにしたよ。ミランダちゃんも、周りに気をつけて帰るんだよ…やっぱり、一緒に帰った方がいいか…」
「お義兄様、私なら大丈夫です。体調が悪いなら、無理せずお帰りください」
私が、言うや否やお義兄様は、リリエットに身体を向けた。
「リリエット嬢、君だけが頼りだ。ミランダちゃんを絶対に一人にしないで欲しい。それと今日は、馬車留めまで一緒に帰って欲しい。誰かきたら、私の名前を使って追い払っていいからね、頼むよ」
お義兄様がやたら、リリエットに私の護衛みたいなことを頼んでいるのだけど…
私今日も、誰かに狙われているのかしら?最近こんな事が続くわ。
「任せてください、ディライド様。ご心配の件は、なるべく視界に入らないよう私も注意します」
「ありがとう、リリエット嬢。理解が早くて助かるよ」
二人で昼食を食べ終え教室に戻ると、私の席にマリアーノ様の取り巻きの一人、サーシャさんが睨んでいる…
「話があるのですけど、ミランダ様」
「お待ち下さい、サーシャ様、ミランダのことはディライド様に頼まれていますの。お話ならご一緒させて頂きたいですわ」
とリリエットが私の前に立つ。
「あなた!東部の子爵令嬢のくせに、何故マリアーノ様を盛り立てないのよ!この裏切り者、すっかり変わって…あぁディライド様狙いなのね、嫌だわ~、皆さん聞きました、婚約者がいるのに端ないわ」
酷い!
「サーシャ様、リリエットを馬鹿にしないで下さい!失礼ですよ」
と言えば、
「あら、いつも誰かの後ろに隠れている癖に!あなた昨日は何故王宮に来たのよ!何の目的?」
えっ、まさか見られていた?
アンドル王子様とお会いしていたのを?
思わず、喉が鳴りそうになる。
「ミランダが王宮?」
みんなも騒めく。
「そうよ、私はイズリー家の馬車が、王宮前に止まっていたのを見たの!家の力を借りて抜け駆けをしたのではないかしら?滞在理由を教えて下さりますか?」
と問い詰められる。
馬車から降りる時、ラナが警戒していたはず、
「我が家の馬車ですか?」
と誤魔化した。
「そうよ、私は馬車で王宮周辺を行ったり来たりして、ずっと一日見張っていたんだから!以前から、あなたって胡散くさいって思っていたのよ。急に現れて、リリエットさんは私達のグループだったのに唆して」
サーシャさんの言葉の途中から、みんな一斉にサーシャさんの行為を非難し始めた。
「イズリー家の馬車はあって当然よ、ディライド様は王子様の側近ですもの。それよりもサーシャ様の行動こそ令嬢らしからぬ下品よね」
「ずっと出入り馬車を見張っていたって…」
と教室内で声が上がると、顔を真っ赤に変えて、
「私は、東部地方の為に…マリアーノ様の為に…」
走って逃げてしまった。
「以前の彼女は、もっと穏やかな方だったのよ…最近の彼女こそ変わってしまったわ。マリアーノ様が婚約者になりたくて、本気で候補令嬢を排除する為に…東部の領地の令嬢が命令されているのかもね…」
と言って複雑な表情をしたリリエット。
度々、私は、あの取り巻きの方には絡まれていた。
もしかして…リリエットが取り巻きとして離れて、私と友達になった事が原因?
何となく彼女の私を睨む理由がわかった。
*
ディライドside 応接室
「失礼する、アンドル様…話がある」
私が言うと、アンドルは、ペンの動きを止めて、扉に立つ私を見た。
「二人でという意味か」
アンドルは昨日の事を悪いと思っていないのか!なんて図々しい。私の義妹に近づいて!
「もちろんだ!」
「わかった。グレゴリー、サイファ、すまないが昼休み中、応接室は私とディライドのみで使う…」
「…授業開始前に呼びに来る」
グレゴリーも何かあるとわかったんだろう、素直に引いたが、空気が読めないサイファが、
「何の話?あれか、ウランダル王国とマリングレー王国の交渉の件か?私も気になっていた事項だ、一緒に聞かせて欲しいよ、私達だって関わっているだろう」
どうでもいいことを言ってきた。
「話にならない、出ていけ」
と言えば、驚いた顔をされたが、グレゴリーに連れられて出て行った。
「ディライド、そんな顔をしているとミランダ嬢に心配されるぞ」
ふざけるな!
「お前に言われたくない!権力を使って父を動かして、ミランダちゃんを王宮に呼んだくせして。もう、ミランダとは関わるな、やめろ…」
「珍しいな。ディライド、全く一方的な物言いじゃないか…交渉でも何でもない。命令なら聞けない。私は、ミランダ嬢に興味があるし、知りたい。それは陛下や王妃にも言った。だけど、命令的に、イズリー家に婚約者の打診はしない!嫌がることはするつもりはない。学校を卒業するまでには、婚約者を決めるつもりだが。あと一年と少しだな…彼女に私という人間を知ってもらいたいと思っている」
何が、興味、知りたい、知ってもらいたい?
ふざけるなよ!良い格好するな!
「何、勝手なことを…ミランダがお前といたら、周りが誤解するだろう、またマユリカ王女にされたような事をするつもりか?」
違う、こんなことじゃなくて、根本的にお前達は駄目なんだよ!
「ディライド、私だって考えているよ、もちろんイズリー家に迷惑をかけた失敗も、図々しい事も、ミランダ嬢の優しさに甘えている事も理解している。駄目な部分を見せてでも、彼女と話したいんだ…こんな風に言われても困るだけだな、ディライド、すまない。私の一方的な押し付けだ。それでも自分の勝手さを優先した…今を、彼女と見てみたい…」
「ふざけるな!お前はミランダのこと何も知らない癖に!そういう自分勝手な奴らが、ミランダを苦しめるんだ!お前だけは絶対に駄目だ!」
怒鳴って、アンドルの話も聞かず、応接室から飛び出した。
…こんなのは話し合いでも何でもない。ただ嫌だ嫌だと言っただけだ…
お子様王子?
違う、どう見ても、誰が見ても、自分の感情のまま話して相手の話を聞きたくない、否定しに来ただけだ。
こんなはずじゃなかったのに
…
この苛つきが…
苦しい。
喋りかけるなオーラが出ている…
やっぱり私が王宮に行ったことが原因よね。
困ったわ。
こういう時、どうしたらいいのでしょうか、先生~。
昨日王子様と友達になりました、今度、お義兄様も一緒にいきましょう、王子と友達付き合いしてあげてください。
とても言い辛い。
考えてみると、お義兄様は、何度もアンドルとは話したか?会ったか?と聞かれていた、それはつまり自分の知り合いと義妹が親しくなるってありえないだろう!ということなんだろうか?
お義兄様に迷惑をかけているのかもしれない。謝罪かしら?
「お義兄様、昨日のことですが…」
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「リリエット、少し困っているの…
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どうも王子様との関係が複雑みたいで考えこんでいるのよ」
「…ミランダ、あなた余計なことをしたり、言ったりしていない?大丈夫?それにその話題は良くないわ」
何故私が、何かしたこと前提で話すの?
「リリエット、私は何も…」
あー、王子と友達になったわ、これは流石に言えない。
「リリエット…ごめんなさい。私がもっと上手く立ち回れるなら…
ハァー、友達って難しいわね。片方と上手くやっていても、違う人が入るのを躊躇ってしまう。みんなで上手く仲良く出来れば良いのにね…」
「ミランダ、それは、お二人に言ってはいけないわ。みんなそれぞれ考えているからこそ、話すのを躊躇っているのだから。とりあえず、困るぐらい悩んで結論がでたら、きっとミランダに教えてくれるわ」
リリエットが、凄く真面目な顔で私に言う。友達作りは、間違いなくリリエットの方が先輩だろう。こんなやり取りも経験があるのかもしれないわ。そうよね、マリアーノ様の取り巻きもしていたし、経験豊富なんだわ。
「ありがとう、リリエット。とても頼りになるわ。私は、余計なことを言ったり、動いたりしない。それで良いのよね?」
一応確認を。
「その通りよ。こういう問題はデリケートなの。慌てず、騒がず、話さない。そして、よく見て考えるの、ね、大丈夫よね、ミランダ?」
「ええ、もちろんよ」
リリエットは静かに頷いた。
それで良いのね。
*
「ミランダちゃん、今日は食欲がないんだ。申し訳ないが先に帰ることにしたよ。ミランダちゃんも、周りに気をつけて帰るんだよ…やっぱり、一緒に帰った方がいいか…」
「お義兄様、私なら大丈夫です。体調が悪いなら、無理せずお帰りください」
私が、言うや否やお義兄様は、リリエットに身体を向けた。
「リリエット嬢、君だけが頼りだ。ミランダちゃんを絶対に一人にしないで欲しい。それと今日は、馬車留めまで一緒に帰って欲しい。誰かきたら、私の名前を使って追い払っていいからね、頼むよ」
お義兄様がやたら、リリエットに私の護衛みたいなことを頼んでいるのだけど…
私今日も、誰かに狙われているのかしら?最近こんな事が続くわ。
「任せてください、ディライド様。ご心配の件は、なるべく視界に入らないよう私も注意します」
「ありがとう、リリエット嬢。理解が早くて助かるよ」
二人で昼食を食べ終え教室に戻ると、私の席にマリアーノ様の取り巻きの一人、サーシャさんが睨んでいる…
「話があるのですけど、ミランダ様」
「お待ち下さい、サーシャ様、ミランダのことはディライド様に頼まれていますの。お話ならご一緒させて頂きたいですわ」
とリリエットが私の前に立つ。
「あなた!東部の子爵令嬢のくせに、何故マリアーノ様を盛り立てないのよ!この裏切り者、すっかり変わって…あぁディライド様狙いなのね、嫌だわ~、皆さん聞きました、婚約者がいるのに端ないわ」
酷い!
「サーシャ様、リリエットを馬鹿にしないで下さい!失礼ですよ」
と言えば、
「あら、いつも誰かの後ろに隠れている癖に!あなた昨日は何故王宮に来たのよ!何の目的?」
えっ、まさか見られていた?
アンドル王子様とお会いしていたのを?
思わず、喉が鳴りそうになる。
「ミランダが王宮?」
みんなも騒めく。
「そうよ、私はイズリー家の馬車が、王宮前に止まっていたのを見たの!家の力を借りて抜け駆けをしたのではないかしら?滞在理由を教えて下さりますか?」
と問い詰められる。
馬車から降りる時、ラナが警戒していたはず、
「我が家の馬車ですか?」
と誤魔化した。
「そうよ、私は馬車で王宮周辺を行ったり来たりして、ずっと一日見張っていたんだから!以前から、あなたって胡散くさいって思っていたのよ。急に現れて、リリエットさんは私達のグループだったのに唆して」
サーシャさんの言葉の途中から、みんな一斉にサーシャさんの行為を非難し始めた。
「イズリー家の馬車はあって当然よ、ディライド様は王子様の側近ですもの。それよりもサーシャ様の行動こそ令嬢らしからぬ下品よね」
「ずっと出入り馬車を見張っていたって…」
と教室内で声が上がると、顔を真っ赤に変えて、
「私は、東部地方の為に…マリアーノ様の為に…」
走って逃げてしまった。
「以前の彼女は、もっと穏やかな方だったのよ…最近の彼女こそ変わってしまったわ。マリアーノ様が婚約者になりたくて、本気で候補令嬢を排除する為に…東部の領地の令嬢が命令されているのかもね…」
と言って複雑な表情をしたリリエット。
度々、私は、あの取り巻きの方には絡まれていた。
もしかして…リリエットが取り巻きとして離れて、私と友達になった事が原因?
何となく彼女の私を睨む理由がわかった。
*
ディライドside 応接室
「失礼する、アンドル様…話がある」
私が言うと、アンドルは、ペンの動きを止めて、扉に立つ私を見た。
「二人でという意味か」
アンドルは昨日の事を悪いと思っていないのか!なんて図々しい。私の義妹に近づいて!
「もちろんだ!」
「わかった。グレゴリー、サイファ、すまないが昼休み中、応接室は私とディライドのみで使う…」
「…授業開始前に呼びに来る」
グレゴリーも何かあるとわかったんだろう、素直に引いたが、空気が読めないサイファが、
「何の話?あれか、ウランダル王国とマリングレー王国の交渉の件か?私も気になっていた事項だ、一緒に聞かせて欲しいよ、私達だって関わっているだろう」
どうでもいいことを言ってきた。
「話にならない、出ていけ」
と言えば、驚いた顔をされたが、グレゴリーに連れられて出て行った。
「ディライド、そんな顔をしているとミランダ嬢に心配されるぞ」
ふざけるな!
「お前に言われたくない!権力を使って父を動かして、ミランダちゃんを王宮に呼んだくせして。もう、ミランダとは関わるな、やめろ…」
「珍しいな。ディライド、全く一方的な物言いじゃないか…交渉でも何でもない。命令なら聞けない。私は、ミランダ嬢に興味があるし、知りたい。それは陛下や王妃にも言った。だけど、命令的に、イズリー家に婚約者の打診はしない!嫌がることはするつもりはない。学校を卒業するまでには、婚約者を決めるつもりだが。あと一年と少しだな…彼女に私という人間を知ってもらいたいと思っている」
何が、興味、知りたい、知ってもらいたい?
ふざけるなよ!良い格好するな!
「何、勝手なことを…ミランダがお前といたら、周りが誤解するだろう、またマユリカ王女にされたような事をするつもりか?」
違う、こんなことじゃなくて、根本的にお前達は駄目なんだよ!
「ディライド、私だって考えているよ、もちろんイズリー家に迷惑をかけた失敗も、図々しい事も、ミランダ嬢の優しさに甘えている事も理解している。駄目な部分を見せてでも、彼女と話したいんだ…こんな風に言われても困るだけだな、ディライド、すまない。私の一方的な押し付けだ。それでも自分の勝手さを優先した…今を、彼女と見てみたい…」
「ふざけるな!お前はミランダのこと何も知らない癖に!そういう自分勝手な奴らが、ミランダを苦しめるんだ!お前だけは絶対に駄目だ!」
怒鳴って、アンドルの話も聞かず、応接室から飛び出した。
…こんなのは話し合いでも何でもない。ただ嫌だ嫌だと言っただけだ…
お子様王子?
違う、どう見ても、誰が見ても、自分の感情のまま話して相手の話を聞きたくない、否定しに来ただけだ。
こんなはずじゃなかったのに
…
この苛つきが…
苦しい。
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