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73 ディライド・イズリー 5
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ディライドside
「父上、どういうことですか?何故、ミランダちゃんを王宮に一人で向かわせたのですか?アンドルの目的が、…二人を合わせるのは、とても危険です。彼の目が、空気が、ミランダちゃんに向いている。好意を感じます」
「あぁ、知っているよ。若いって凄いね。あんなに表情が無かった王子様が、気持ちも感情も表情もコロコロ変わる。私としては手に取るようにわかる。もちろん、ディライドも」
さも当然みたいな顔をしないで欲しい。イライラする。
何故、後々面倒になることを、自ら後押ししているんだよ。
「私の事はいいのです。我が家は、別に王子の婚約者候補に名乗り上げる必要はないですよね?はっきり言って、父上も私も必要以上に、王国の政治に関与している。これ以上は我が家ばかりが、重要な位置にいることを怪訝に思われます。それに、アンドルはミランダちゃんの事を知らなすぎる。隣国マリングレー国と友好関係を続けるには、手を出してはいけない人だ」
「それは、アンドル王子を心配しているの?ミランダの方?それとも家?婚約者に指名されると思うのか」
「…アンドルは確実に思いがある。王族の権力を使って、婚約者指名はあると思います。…だからこそ知らないのに、諦めさせるような真似は可哀想です」
「何、怒っていたんじゃなくて同情しているの?ミランダは絶対に王子を選ばない、王子は拒絶されるって?それとも王子の想いは、隣国に潰されて悲恋ですと?」
「そんなことは思っていません。あいつは…良い奴です。心を人間性を見ていると知れただけで嬉しいし、最近のあいつは、よく笑うし、楽しそうで幸せそうで良かったと思いますけど、ミランダちゃんだけは駄目です。国の問題になります」
「国?自分の問題じゃなくて?ねぇ、ディライド…今の君の表情、怒っているでもなくて、心配しているでもなくて、泣き出しそうなぐらい悲しそうだよ。ねぇ、ディライド、その理由をちゃんと向き合った方が、一歩前に進めるんじゃないかな?その先を真剣に考えてみるのも良いんじゃないかな」
「何を言っているんですか?私は泣きなどしません。これからを考えて、面倒になるから、反対しているだけです」
何を言っているんだ。頭が痛くなる、イライラが増す。
「そうか…なら、私から言えることは、アンドル王子が国王陛下に真相を聞いたとして、弱腰になれば、それまで。傷つこうが、悩もうが、私は今回、国王陛下から頼まれた事で、ミランダをこの国に、養女として書類を作成し、入国させた借りは返した。アンドル王子は、素顔や身の上を知らないで、好意を持ったことに、私は好感を持てたし、ミランダが幸せになってくれるのが一番だと思っている。ここは、クリネット王国だ。忌み子も迷信もない。王族の呪い?そんなのも知らない」
「…父上、どこまで考えて連れて来たのですか?初めからアンドルに?」
こんな事を聞きたいわけではない。
わかっているのに、父を攻撃せずにはいられない。
この苛立ちをぶつける相手が欲しい。
「違うよ。美しさに目が奪われたのは、確かだけど、とても王族とは思えない環境で育ったというのに、魅力的な人間だと感じたからだよ。このまま、よくわからない迷信でこの世を去ってはいけない人とも思った。話してみて、彼女の先をみたいと思った。先生に言われたからではないよ。頼まれたのは、きっかけにすぎない。ただの私の我儘さ。それにみんな付き合わされただけだよ」
「私だって、迷信など信じておりません。忌み子が呪いを撒き散らす、そんなことを言っているのは、マリングレー王国だけです。それに、煽っているのは、ティア王女だけです。その他の王族は、呪いのせいか黙秘。確かに王族達は、グレーの瞳、あれが呪いというなら、先生は髪の色や長さまで失った事になる。アクア王子の気狂いの件もまだ真偽不明。別塔のマジックアイテムの制作者も、まだ発見も出来ていない。もし王族が彼女を守っていて、聖女だけが排除していると知ったら、ミランダちゃんは、マリングレー王国に本当の家族に会いたくなるのか…」
その先の言葉、
『我が家から離れるのか怖くて、それも伝えられない』
を飲み込んだ。
「我が家で引き受けた事に後悔もない。ただ一人にされたこと、隠された本当の意味は、あの子にとってマリングレー王国と決別じゃなくて、受け入れる事でもあると思う。一歳の赤子の時、命を落とせたはずだし、あの徹底的に王族、家族に意識外に置かれた状況が、ティア王女から離す必要性を感じるし、国王陛下と王妃様は、ミランダを外に逃したと私は思っているよ。彼女がもし家族に会いたいと言ったなら、私は喜んで連れていってあげたいよ。そして王女としての嫁入りも…考えている」
「やっぱり考えていたのですね。彼女の王族復帰。アンドルが介入してくれば、事態はそのようになる可能性が高い。何故そんな面倒になりそうなことを…巡り合わせたんですか!」
「そうだね。隣国だし仲良くしたいが、あの国は突然おかしくなった。だから探っていた。
もしある日突然国全体が変わるなんて、それをクリネット国でも出来るなら…危険すぎるだろ。戦争、いや話し合いもなく、国が消える危険性」
父の話すことはわかる。
「…はい」
「ティア王女。もう一人の夢見の乙女が言うには、前世の記憶があり、この世界を生み出した本が存在している国から来たと聞いたよ。また不思議な話だよね。私は王女を抑え、聖女の力を破る必要があると思う」
「はい、私も報告は受けてます。だから念の為、ウランダル王国を当て馬にしました」
「あぁ、まだ交渉中だっけ。誰かがごねているのかな…」
「他所の国の事はいいんです。私は、この国のことを。ミランダが身分を王族に戻したら、またある事ない事、迷信を引っ張り出す馬鹿が現れます」
「ミランダが泣くとか、義兄として思っているの。自分が守らないといけないとか。ミランダはずっと一人で生きてきた。あの子はディライドが思うより、強いと思う。あの子を檻に囲いたいのは誰だろう?」
私を煽る父の顔が憎らしい。
そうだ、凄く心配だ。王族云々じゃない、わかっている。
でも、だって、ミランダちゃんは、可愛い、
…私の義妹…
「もう、いいです。父上に頼んでも埒が開かない。自分でやりたいようにします…失礼します」
「ハァーーー、
君はアンドル王子をよくお子様王子と呼んでいたけれど、急いで大人になろうとした君も、大人のフリした子供じゃないか…全く。ディライドは大人と会話をしすぎて、自分が子供だとある時忘れてしまったんだな。君は全然子供だよ…」
と父上が言った言葉も聞かず、思いっきり扉を閉めて、自室に、戻った。
頭が痛い。
凄く痛い。
何故?
アンドルは何をやってるんだ!
いや、違う?ミランダちゃんは、一切アンドルを知らなかった。
例え、今日会ったとして初めましてだ。
私との方が付き合いが長い。
大丈夫…
何が?
「出掛ける。行き先は父上が知っている。遅くなるが心配しないで」
思わずそう言った。
行き先なんて決まってない。
頭の中を整理したいだけ。
家から出てただ逃げるように歩き始めた。
「父上、どういうことですか?何故、ミランダちゃんを王宮に一人で向かわせたのですか?アンドルの目的が、…二人を合わせるのは、とても危険です。彼の目が、空気が、ミランダちゃんに向いている。好意を感じます」
「あぁ、知っているよ。若いって凄いね。あんなに表情が無かった王子様が、気持ちも感情も表情もコロコロ変わる。私としては手に取るようにわかる。もちろん、ディライドも」
さも当然みたいな顔をしないで欲しい。イライラする。
何故、後々面倒になることを、自ら後押ししているんだよ。
「私の事はいいのです。我が家は、別に王子の婚約者候補に名乗り上げる必要はないですよね?はっきり言って、父上も私も必要以上に、王国の政治に関与している。これ以上は我が家ばかりが、重要な位置にいることを怪訝に思われます。それに、アンドルはミランダちゃんの事を知らなすぎる。隣国マリングレー国と友好関係を続けるには、手を出してはいけない人だ」
「それは、アンドル王子を心配しているの?ミランダの方?それとも家?婚約者に指名されると思うのか」
「…アンドルは確実に思いがある。王族の権力を使って、婚約者指名はあると思います。…だからこそ知らないのに、諦めさせるような真似は可哀想です」
「何、怒っていたんじゃなくて同情しているの?ミランダは絶対に王子を選ばない、王子は拒絶されるって?それとも王子の想いは、隣国に潰されて悲恋ですと?」
「そんなことは思っていません。あいつは…良い奴です。心を人間性を見ていると知れただけで嬉しいし、最近のあいつは、よく笑うし、楽しそうで幸せそうで良かったと思いますけど、ミランダちゃんだけは駄目です。国の問題になります」
「国?自分の問題じゃなくて?ねぇ、ディライド…今の君の表情、怒っているでもなくて、心配しているでもなくて、泣き出しそうなぐらい悲しそうだよ。ねぇ、ディライド、その理由をちゃんと向き合った方が、一歩前に進めるんじゃないかな?その先を真剣に考えてみるのも良いんじゃないかな」
「何を言っているんですか?私は泣きなどしません。これからを考えて、面倒になるから、反対しているだけです」
何を言っているんだ。頭が痛くなる、イライラが増す。
「そうか…なら、私から言えることは、アンドル王子が国王陛下に真相を聞いたとして、弱腰になれば、それまで。傷つこうが、悩もうが、私は今回、国王陛下から頼まれた事で、ミランダをこの国に、養女として書類を作成し、入国させた借りは返した。アンドル王子は、素顔や身の上を知らないで、好意を持ったことに、私は好感を持てたし、ミランダが幸せになってくれるのが一番だと思っている。ここは、クリネット王国だ。忌み子も迷信もない。王族の呪い?そんなのも知らない」
「…父上、どこまで考えて連れて来たのですか?初めからアンドルに?」
こんな事を聞きたいわけではない。
わかっているのに、父を攻撃せずにはいられない。
この苛立ちをぶつける相手が欲しい。
「違うよ。美しさに目が奪われたのは、確かだけど、とても王族とは思えない環境で育ったというのに、魅力的な人間だと感じたからだよ。このまま、よくわからない迷信でこの世を去ってはいけない人とも思った。話してみて、彼女の先をみたいと思った。先生に言われたからではないよ。頼まれたのは、きっかけにすぎない。ただの私の我儘さ。それにみんな付き合わされただけだよ」
「私だって、迷信など信じておりません。忌み子が呪いを撒き散らす、そんなことを言っているのは、マリングレー王国だけです。それに、煽っているのは、ティア王女だけです。その他の王族は、呪いのせいか黙秘。確かに王族達は、グレーの瞳、あれが呪いというなら、先生は髪の色や長さまで失った事になる。アクア王子の気狂いの件もまだ真偽不明。別塔のマジックアイテムの制作者も、まだ発見も出来ていない。もし王族が彼女を守っていて、聖女だけが排除していると知ったら、ミランダちゃんは、マリングレー王国に本当の家族に会いたくなるのか…」
その先の言葉、
『我が家から離れるのか怖くて、それも伝えられない』
を飲み込んだ。
「我が家で引き受けた事に後悔もない。ただ一人にされたこと、隠された本当の意味は、あの子にとってマリングレー王国と決別じゃなくて、受け入れる事でもあると思う。一歳の赤子の時、命を落とせたはずだし、あの徹底的に王族、家族に意識外に置かれた状況が、ティア王女から離す必要性を感じるし、国王陛下と王妃様は、ミランダを外に逃したと私は思っているよ。彼女がもし家族に会いたいと言ったなら、私は喜んで連れていってあげたいよ。そして王女としての嫁入りも…考えている」
「やっぱり考えていたのですね。彼女の王族復帰。アンドルが介入してくれば、事態はそのようになる可能性が高い。何故そんな面倒になりそうなことを…巡り合わせたんですか!」
「そうだね。隣国だし仲良くしたいが、あの国は突然おかしくなった。だから探っていた。
もしある日突然国全体が変わるなんて、それをクリネット国でも出来るなら…危険すぎるだろ。戦争、いや話し合いもなく、国が消える危険性」
父の話すことはわかる。
「…はい」
「ティア王女。もう一人の夢見の乙女が言うには、前世の記憶があり、この世界を生み出した本が存在している国から来たと聞いたよ。また不思議な話だよね。私は王女を抑え、聖女の力を破る必要があると思う」
「はい、私も報告は受けてます。だから念の為、ウランダル王国を当て馬にしました」
「あぁ、まだ交渉中だっけ。誰かがごねているのかな…」
「他所の国の事はいいんです。私は、この国のことを。ミランダが身分を王族に戻したら、またある事ない事、迷信を引っ張り出す馬鹿が現れます」
「ミランダが泣くとか、義兄として思っているの。自分が守らないといけないとか。ミランダはずっと一人で生きてきた。あの子はディライドが思うより、強いと思う。あの子を檻に囲いたいのは誰だろう?」
私を煽る父の顔が憎らしい。
そうだ、凄く心配だ。王族云々じゃない、わかっている。
でも、だって、ミランダちゃんは、可愛い、
…私の義妹…
「もう、いいです。父上に頼んでも埒が開かない。自分でやりたいようにします…失礼します」
「ハァーーー、
君はアンドル王子をよくお子様王子と呼んでいたけれど、急いで大人になろうとした君も、大人のフリした子供じゃないか…全く。ディライドは大人と会話をしすぎて、自分が子供だとある時忘れてしまったんだな。君は全然子供だよ…」
と父上が言った言葉も聞かず、思いっきり扉を閉めて、自室に、戻った。
頭が痛い。
凄く痛い。
何故?
アンドルは何をやってるんだ!
いや、違う?ミランダちゃんは、一切アンドルを知らなかった。
例え、今日会ったとして初めましてだ。
私との方が付き合いが長い。
大丈夫…
何が?
「出掛ける。行き先は父上が知っている。遅くなるが心配しないで」
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行き先なんて決まってない。
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