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66 文化祭 其の5
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みんながハンカチ探しをしていると、先生から話しかけられた。
「今、お手隙かしら?」
「はい、お義兄様もリリエットもスタンルートさんもハンカチを選び中ですから」
「申し訳ないのだけど、交代の先生が来ないの。私はハンカチの会計をやっていて離れるわけにはいかないので、別館に呼びに行って下さるかしら?」
「もちろん、いいですよ。ここからなら、渡り廊下渡ってすぐですから!」
「お願いね。みなさんには話しておくから」
「はい」
部屋を出て、渡り廊下でマリアーノ様に出会した。
「もう、驚きましたわ。突然廊下に出ないで下さい!」
ええ~、それは理不尽な言葉よ。再び会うなんて嫌だわ。
「私も驚きました、用事を頼まれていますので失礼しますわ…」
関わらないのが一番!
「なんて言い方かしら」
と取り巻きさん達に言われても、すぐに目線を逸らして無視して歩き出せば、
「あなたアンドル王子様を見ませんでしたか?私探してますの」
何故か少し焦っていた。
大事な用件なのかしら?
「いえ、見ていませんが、もしかしたら義兄が予定を知っているかもしれませんね」
「確かに!ディライド様は?」
「今、あちらの教室でハンカチを見てますけど」
と言えば、
「まぁ!私のハンカチを見せなくてはいけませんわ」
「いえマリアーノ様それよりアンドル王子様を見つけて、来客や全生徒に婚約者候補だと見せつけるべきです!」
と取り巻きのサーシャさんが、私を睨みながらマリアーノ様に話し、私を押し除ける勢いで歩かれた。
理不尽ね。
ダイアナさんの件で、騒ぎを起こしたのに反省無しね。取り巻きさんもどんどん態度が大きくなっているわ、リリエットの証言で、救われたと言うのにね。
急いで渡り廊下を歩くと、黒い影の塊が木の影の横で、揺れた。
…もう、また溜息の船乗りね。
今日は、楽しい文化祭、お祭りなのに、何をやっているのかしら?
私も今嫌な気持ちになったから、少しわかるけど。
溜息なんか吐かないで、りんご飴を食べたりすれば良いのに!
と思いながら、何故か嬉しくなってしまう。
どうしてなんだろう?
今の理不尽な言動を私も溜息を吐きたかった仲間だからかしら?
「ニャーン」
一応、驚かさないように小声で言う。
「えっ?」
ガタッゴトッ
鈍い音がした。怪我してしまったかもしれないけど、
「大丈夫?もう、今日は、文化祭ですよ。楽しまなくてどうするのですか?」
と言うと、
「追いかけられて、面倒で隠れた」
まぁ、追いかけられるって、いじめかしら?
「まぁ!声を上げたり、人が多い場所なら相手だって何も出来ないわ」
「…お構いなしなんだ。あえて人が多い所で接触しようとしてる、と思う」
それは随分と乱暴で自分勝手な相手ね。
「困ったわね。私も、腕を掴まれてとても怖い思いをしたの。確かに行く手を防がれるって恐怖よね。私は声を上げて、助けてもらえたけど」
「そんな大変な事があったのか!」
またガタゴトと木にぶつかった音!
「大丈夫?あなたこそ…
商店での出来事だったし、お義兄様も店員もいて衛兵に突き出して捕まったの。でも掴まれた感覚やもしもを考えると悪い事を考えてしまっていたの…
何で最近の悩みをあなたにペラペラと話してしまうのかしら?不思議ね。あなたの話を聞いていたはずなのに…
ごめんなさいね」
「いや、いい…それよりも怖い思いをしたんだね。ゆっくりで良いから楽しい記憶に塗り替えれればいいな」
「ええ、本当に。でもあなたに話したら胸にあったモヤが晴れた気がするわ。不思議!あなたも逃げずに真正面から話したら?」
「話か…相手が随分と自分の都合に良いように解釈するからな。だけど、確かにこのままでは埒があかない。
…そう言えば、もう、ここに来ないって言わなかった?」
「あっ!?そうだったわ。また余計なことをしてしまったわ。刺繍の先生を呼ばなきゃいけなかったの!ごめんなさい。私、行くわ」
走って別館に入ろうとすれば、ちょうど先生がいて、
「先生、交代の時間で呼びに来ました」
二人で渡り廊下を歩いていると、お義兄様が現れた。
「迎えに行く所だったけど、先生と来たんだね。やっぱりハンカチは、なかったよ、残念」
お義兄様ったら。
「リリエット、りんご飴は食べた?スタンルートさんとお義兄様のクラスのりんご飴やチョコバナナは人気よ、食べて来て、楽しまないと文化祭を。私は、お義兄様と回るからね」
と手を振った。そう言えばマリアーノ様はどこに行ったのかしら?部屋にはいなかったわ。
「ではお義兄様、次はどこにしましょうか?」
「え?私かい?ミランダちゃんの好きな所を」
「駄目です。お義兄様も楽しまなくては、文化祭の意味はありません」
「では、食堂でお茶をしながらパンフレットを見て二人で決めたいな」
「お義兄様、凄く良い考えです。ちょうど飲み物が欲しかったのです」
「良いタイミングだったね、行こう。あ、先生を迎えに行く時に何もなかった?」
「えっと、マリアーノ様達に会いました。アンドル王子様を探していたようですが、見ていませんので、そう言いましたわ」
「そうか、私も聞かれたから、思いつく場所を教えてあげたよ、フッフフ」
だから、いなかったのね。何故か語尾の笑いは気になったけど。
「では、お茶にしましょう」
「あぁ、今日は、楽しい文化祭だよ」
*
中庭 アンドルside
「アンドル様、もし良かったらご一緒に回りませんか?」
「マリアーノ嬢、申し訳ないが、まだ執務がある」
断ってしばらくして応接室を出ると、まだ彼女達はいた。クラスの役割は?
応接室前で、ずっと待っていたのだろうか?
困ったな、面倒くさい…
「アンドル様、お疲れ様です。お茶をしませんか。私、最高級の品を用意しますわ」
「すまないが、マリアーノ嬢、その時間はない、貴賓客に挨拶をしなければいけない。グレゴリー頼む」
グレゴリーにマリアーノ嬢を引き留める事を頼んで、中庭に逃げて来た。
私の文化祭は、朝チラッと見たあの瞬間で終了だ。残る雑務をこなす日だ。
彼女は、魚にドライフルーツを食べさせようとしたみたいだな。友人に止められていたな。
プッフフフ、
廊下から耳を澄ませておいて良かった。
そのやり取りを聞けただけで、全教室回った甲斐はある。
ハァーーー
やっぱり、私も一緒に楽しみたいな。
ハァー、ん?物音…
「ニャーン」
えっ、まさか、嘘だろう?胸に入れたハンカチを服ごと押さえた。慌て木の根に足をぶつけた。
「もう、今日は、文化祭ですよ。楽しまなくてどうするのですか?」
彼女の声は呆れと私を心配している口ぶりだ。
嬉しい。
つい、本音を漏らす。
「追いかけられて、面倒で隠れた」
と言えば、彼女も怖い思いをした事を話して、そんな大変なこと報告に上がってない、ディライドの奴め私に教えてくれなかった。
小さな事件なのかもしれない…
だけど。
もどかしい、この関係が!
もっと君の事が知りたい、手助けしたい、ディライドが知っている事が狡い。
慌て去る後ろ姿を今日は、見た。ちゃんと木から出て見た。
「こっちを見ろ!」
と念を送った。
神様は、そこまで私に甘くない、らしい。先生と話しながら行ってしまった。
心が痛い。言うに言い出せなくなった正体…
君も偶然気づいてもらって、色々有耶無耶にして、上手く関係を築こうとした情けない心。
楽しく思いたい時間は、あまりに短くて。
現実が、どんな風に私に突きつけるのか怖くて動けない。君が私と知ったら避けるのが分かっているから…
私は、現実を知りたくない。
この穏やかな癒やしの時間が、とても好きなんだ。
「今、お手隙かしら?」
「はい、お義兄様もリリエットもスタンルートさんもハンカチを選び中ですから」
「申し訳ないのだけど、交代の先生が来ないの。私はハンカチの会計をやっていて離れるわけにはいかないので、別館に呼びに行って下さるかしら?」
「もちろん、いいですよ。ここからなら、渡り廊下渡ってすぐですから!」
「お願いね。みなさんには話しておくから」
「はい」
部屋を出て、渡り廊下でマリアーノ様に出会した。
「もう、驚きましたわ。突然廊下に出ないで下さい!」
ええ~、それは理不尽な言葉よ。再び会うなんて嫌だわ。
「私も驚きました、用事を頼まれていますので失礼しますわ…」
関わらないのが一番!
「なんて言い方かしら」
と取り巻きさん達に言われても、すぐに目線を逸らして無視して歩き出せば、
「あなたアンドル王子様を見ませんでしたか?私探してますの」
何故か少し焦っていた。
大事な用件なのかしら?
「いえ、見ていませんが、もしかしたら義兄が予定を知っているかもしれませんね」
「確かに!ディライド様は?」
「今、あちらの教室でハンカチを見てますけど」
と言えば、
「まぁ!私のハンカチを見せなくてはいけませんわ」
「いえマリアーノ様それよりアンドル王子様を見つけて、来客や全生徒に婚約者候補だと見せつけるべきです!」
と取り巻きのサーシャさんが、私を睨みながらマリアーノ様に話し、私を押し除ける勢いで歩かれた。
理不尽ね。
ダイアナさんの件で、騒ぎを起こしたのに反省無しね。取り巻きさんもどんどん態度が大きくなっているわ、リリエットの証言で、救われたと言うのにね。
急いで渡り廊下を歩くと、黒い影の塊が木の影の横で、揺れた。
…もう、また溜息の船乗りね。
今日は、楽しい文化祭、お祭りなのに、何をやっているのかしら?
私も今嫌な気持ちになったから、少しわかるけど。
溜息なんか吐かないで、りんご飴を食べたりすれば良いのに!
と思いながら、何故か嬉しくなってしまう。
どうしてなんだろう?
今の理不尽な言動を私も溜息を吐きたかった仲間だからかしら?
「ニャーン」
一応、驚かさないように小声で言う。
「えっ?」
ガタッゴトッ
鈍い音がした。怪我してしまったかもしれないけど、
「大丈夫?もう、今日は、文化祭ですよ。楽しまなくてどうするのですか?」
と言うと、
「追いかけられて、面倒で隠れた」
まぁ、追いかけられるって、いじめかしら?
「まぁ!声を上げたり、人が多い場所なら相手だって何も出来ないわ」
「…お構いなしなんだ。あえて人が多い所で接触しようとしてる、と思う」
それは随分と乱暴で自分勝手な相手ね。
「困ったわね。私も、腕を掴まれてとても怖い思いをしたの。確かに行く手を防がれるって恐怖よね。私は声を上げて、助けてもらえたけど」
「そんな大変な事があったのか!」
またガタゴトと木にぶつかった音!
「大丈夫?あなたこそ…
商店での出来事だったし、お義兄様も店員もいて衛兵に突き出して捕まったの。でも掴まれた感覚やもしもを考えると悪い事を考えてしまっていたの…
何で最近の悩みをあなたにペラペラと話してしまうのかしら?不思議ね。あなたの話を聞いていたはずなのに…
ごめんなさいね」
「いや、いい…それよりも怖い思いをしたんだね。ゆっくりで良いから楽しい記憶に塗り替えれればいいな」
「ええ、本当に。でもあなたに話したら胸にあったモヤが晴れた気がするわ。不思議!あなたも逃げずに真正面から話したら?」
「話か…相手が随分と自分の都合に良いように解釈するからな。だけど、確かにこのままでは埒があかない。
…そう言えば、もう、ここに来ないって言わなかった?」
「あっ!?そうだったわ。また余計なことをしてしまったわ。刺繍の先生を呼ばなきゃいけなかったの!ごめんなさい。私、行くわ」
走って別館に入ろうとすれば、ちょうど先生がいて、
「先生、交代の時間で呼びに来ました」
二人で渡り廊下を歩いていると、お義兄様が現れた。
「迎えに行く所だったけど、先生と来たんだね。やっぱりハンカチは、なかったよ、残念」
お義兄様ったら。
「リリエット、りんご飴は食べた?スタンルートさんとお義兄様のクラスのりんご飴やチョコバナナは人気よ、食べて来て、楽しまないと文化祭を。私は、お義兄様と回るからね」
と手を振った。そう言えばマリアーノ様はどこに行ったのかしら?部屋にはいなかったわ。
「ではお義兄様、次はどこにしましょうか?」
「え?私かい?ミランダちゃんの好きな所を」
「駄目です。お義兄様も楽しまなくては、文化祭の意味はありません」
「では、食堂でお茶をしながらパンフレットを見て二人で決めたいな」
「お義兄様、凄く良い考えです。ちょうど飲み物が欲しかったのです」
「良いタイミングだったね、行こう。あ、先生を迎えに行く時に何もなかった?」
「えっと、マリアーノ様達に会いました。アンドル王子様を探していたようですが、見ていませんので、そう言いましたわ」
「そうか、私も聞かれたから、思いつく場所を教えてあげたよ、フッフフ」
だから、いなかったのね。何故か語尾の笑いは気になったけど。
「では、お茶にしましょう」
「あぁ、今日は、楽しい文化祭だよ」
*
中庭 アンドルside
「アンドル様、もし良かったらご一緒に回りませんか?」
「マリアーノ嬢、申し訳ないが、まだ執務がある」
断ってしばらくして応接室を出ると、まだ彼女達はいた。クラスの役割は?
応接室前で、ずっと待っていたのだろうか?
困ったな、面倒くさい…
「アンドル様、お疲れ様です。お茶をしませんか。私、最高級の品を用意しますわ」
「すまないが、マリアーノ嬢、その時間はない、貴賓客に挨拶をしなければいけない。グレゴリー頼む」
グレゴリーにマリアーノ嬢を引き留める事を頼んで、中庭に逃げて来た。
私の文化祭は、朝チラッと見たあの瞬間で終了だ。残る雑務をこなす日だ。
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プッフフフ、
廊下から耳を澄ませておいて良かった。
そのやり取りを聞けただけで、全教室回った甲斐はある。
ハァーーー
やっぱり、私も一緒に楽しみたいな。
ハァー、ん?物音…
「ニャーン」
えっ、まさか、嘘だろう?胸に入れたハンカチを服ごと押さえた。慌て木の根に足をぶつけた。
「もう、今日は、文化祭ですよ。楽しまなくてどうするのですか?」
彼女の声は呆れと私を心配している口ぶりだ。
嬉しい。
つい、本音を漏らす。
「追いかけられて、面倒で隠れた」
と言えば、彼女も怖い思いをした事を話して、そんな大変なこと報告に上がってない、ディライドの奴め私に教えてくれなかった。
小さな事件なのかもしれない…
だけど。
もどかしい、この関係が!
もっと君の事が知りたい、手助けしたい、ディライドが知っている事が狡い。
慌て去る後ろ姿を今日は、見た。ちゃんと木から出て見た。
「こっちを見ろ!」
と念を送った。
神様は、そこまで私に甘くない、らしい。先生と話しながら行ってしまった。
心が痛い。言うに言い出せなくなった正体…
君も偶然気づいてもらって、色々有耶無耶にして、上手く関係を築こうとした情けない心。
楽しく思いたい時間は、あまりに短くて。
現実が、どんな風に私に突きつけるのか怖くて動けない。君が私と知ったら避けるのが分かっているから…
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