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51 食堂は食事をする所ですから
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「ミランダちゃん、教室覗いたらもう食堂に向かったと聞いて慌てたよ」
と食堂入り口でお義兄様に追いつかれた。歩く速度が違うらしい…足の長さか?
「リリエットと食堂の角の一画のテーブルを取るつもりで早めにきたのです」
と言えば、まるで予約席のようにきちんと空いているテーブルがある。あら、急がなくても良かったのかしら…
「やぁ!ミランダ嬢、リリエット嬢!そして、ディライド、こっちだよ」
この軽い口調で、サイファ様が手を振って招いてくる。どういうことかしら?お義兄様を見れば物凄く嫌な顔をしていたから、これは想定外なのでしょう。
連れて行かれてしまうのね、お義兄様…
朝はグレゴリー様だったし、次は、サイファ様がお迎えに来たのね。
挨拶に行かなかったお義兄様がきっと悪いのよ。
まだまだ話し足りないのね。
確かにウランダル王国のお義兄様の冒険譚は、あらすじだけでも驚きましたから。
工房の爆発、技師や設計者を纏めて国外に逃して、王城内の関係書類も破棄して、国の一大戦略を頓挫にして、最後王太子を脅迫したなんて、詳しく聞いたら、何日もかかる話だわ。
…さようなら、お義兄様。
私とリリエットは、端に座ると当然のように、私の隣にお義兄様が座り、リリエットの隣にはサイファ様が座る。
ん?
ここはそんな国家規模な爆発話をする場所じゃないわよ、あなた達?
そして、いつも連れているダイアナさんは、どうしたのかしら?
「えっ、お義兄様は、応接室に連行されるのではなかったのですか?それにサイファ様には、いつもダイアナさんが側にいるのではないですか?」
私が聞くと、サイファ様が答えてくれた。
「いつも一緒というわけではないよ。ダイアナ嬢は、少し怪我をしてしまってね。しばらく療養のため学校を休学することになったそうです」
「まぁ、お怪我を!お元気な方でしたから、辛いでしょうね。療養なんて可哀想ですね」
「ミランダ嬢は、優しいですね。でもダイアナ嬢は、喜んでいて、何でも思い通りに願いが叶ったらしいです」
サイファ様に笑顔で返された。
ダイアナさん、怪我をして療養していることが、願った事で喜んでいるの?
随分と変わった方なのね。
確かに発言も、いつも乱暴的というか荒々しさがある方だったから。何か武術的なことで勝利して、名誉の負傷をしたのかもしれないわね。
「どうしたのか?…ミランダ嬢…それにリリエット嬢、席を共にするよ…」
とサイファ様の後ろからの声。
微妙に小さく、遠慮がちな、戸惑いがある声。どこかで聞いたことがあるのだけど…どこだろう?
「えっ、アンドル王子様にグレゴリー様まで!」
リリエットの跳ねるような声に、驚いてすぐに見る。
何で、王子様がいるのよ、食堂は食事をするところなんですよ。ここは側近の打ち合わせや報告の場には相応しくありません!
どうかお帰りくださいませ。
「あちらに行けばいいだろう」
私の思っている事を、端的にお義兄様が言って冷たい言葉と口調が、王子様に向いた。
流石にその物言いは、乱暴で不敬なのでは?
お義兄様も嫌がっているし、やはり捕まえに来たのかな?
いや、私達としては、すぐにでもお義兄様が、あちらのテーブルに移動してくれれば、王子様御一行や観客を連れて行くと思うのだけど。
リリエットもオドオドしているし、もちろん私も周りの視線が痛いし、こんな状況では、食事が美味しく摂れそうにないです。目で義兄に訴えてみる、が、それをアンドル王子様に邪魔された。
「今回は視察というか…私達も、学生のうちにしか出来ないことをやりたいと思っていたのです。こうやって、身分関係なく、みんなでテーブルを囲み食堂でメニューを選んで食べるというのは、やってみたい事だったので…
様子を見ているだけで良いな、ワクワクして楽しい気分になる」
私を見て話してきたような…説明されている?視察を校内で?
でも校内の人気者である人が、食堂に毎回来られたら、私達は、食堂に入れなくなるだろし、遠慮していたのかな。
確かにそう言われてしまうとね、私もその気持ちはよくわかります。
一人で食べるより、こんな風にテーブルを囲むとワクワクするよね。
「楽しくなる気持ち、わかります」
とぽろっと言ってしまった。同調…これは平穏な昼食は取れないと思った方がいいな。
「ありがとう、ミランダ嬢!」
あ、声が大きくなった!
そして、
満面の笑みで返された。
おわぁ~
もう何も言えない。思考が奪われた!
ノックダウンだわ。
頬も耳も熱くなり、下を向くだけの哀れな令嬢と化した。
すっかり絵本の王子様から離れ、表情豊かな人間味のある王子様になっていた。
もちろん私も妄想の世界から憧れの絵本王子に感謝を告げ、思い出からすっかり離脱出来始めている。もうパニックなんて起きない。
「うちのミランダちゃんが困っている。そして、何より、私が、非常にこの状況が不快だ。妥協案として、視察なら違うテーブルに移動してくれれば良いだろう。食事終了後、私も応接室に一緒に行こう」
「応接室に来てくれるのは、嬉しいが、今は、みんなで食事することが楽しみだから、妥協案は却下だ。…ミランダ嬢を困らせるつもりはない。…せ、先日は、怖い思いをさせて申し訳なかった。謝罪したいと思っていたし、それにミランダ嬢は、今、了承してくれたよね。リリエット嬢はどうかな?」
壊れたおもちゃのように、首を上下にしたリリエットも、哀れな令嬢になった。
「確かに、少し狡いかもしれないが、ほら、ディライドだけだ。では、みんなで食べよう。何にしようか、ワクワクするな。ほら、席も取ったし、メニューを選ぶのだろう」
突っかえながら、話すアンドル王子に違和感を感じたが、何故か王子様は、私に手を差し出した。
エスコート?
食堂でエスコートなんかいらないのだけど…
王子様は、食堂が初めてみたいだから、普通に作法として、手を差し出したのね。
ここは、食堂の先輩である私が教えてあげた方がいいわね。
「アンドル王子様、ここは…」
お義兄様が、べしっと王子様の手を叩いた。
「「あっ」」
声を揃えて発したのは、私とリリエット。
「ミランダちゃんに触ろうとするな、婚約者候補でもないし、我が家は断固拒否するし、この手は目障りだ。夢見の乙女ナンチャラでもエスコートすればいい」
まるで吐き捨てるみたいに、お義兄様は王子様に向かって言った。その表情は見れなかったけど、対面しているアンドル王子様の顔が驚いていた。
どんどん知らない王子様になっていく…
不敬の現場をみんなが目撃よ!今日の義兄は変よ。
「悪い、ディライド。楽しくて調子に乗った。食堂の視察は今日だけだから、毎日ディライドと一緒に食事したって、私は構わないけどね」
と楽しげに言った。でも目はしっかりお義兄様しか見ていない。何だかこの二人の間には入っていけないみたいだわ。
ゆっくり椅子から立ち上がり一歩後ろに下がり二人を残すような形で、メニューを決めに行く。
と食堂入り口でお義兄様に追いつかれた。歩く速度が違うらしい…足の長さか?
「リリエットと食堂の角の一画のテーブルを取るつもりで早めにきたのです」
と言えば、まるで予約席のようにきちんと空いているテーブルがある。あら、急がなくても良かったのかしら…
「やぁ!ミランダ嬢、リリエット嬢!そして、ディライド、こっちだよ」
この軽い口調で、サイファ様が手を振って招いてくる。どういうことかしら?お義兄様を見れば物凄く嫌な顔をしていたから、これは想定外なのでしょう。
連れて行かれてしまうのね、お義兄様…
朝はグレゴリー様だったし、次は、サイファ様がお迎えに来たのね。
挨拶に行かなかったお義兄様がきっと悪いのよ。
まだまだ話し足りないのね。
確かにウランダル王国のお義兄様の冒険譚は、あらすじだけでも驚きましたから。
工房の爆発、技師や設計者を纏めて国外に逃して、王城内の関係書類も破棄して、国の一大戦略を頓挫にして、最後王太子を脅迫したなんて、詳しく聞いたら、何日もかかる話だわ。
…さようなら、お義兄様。
私とリリエットは、端に座ると当然のように、私の隣にお義兄様が座り、リリエットの隣にはサイファ様が座る。
ん?
ここはそんな国家規模な爆発話をする場所じゃないわよ、あなた達?
そして、いつも連れているダイアナさんは、どうしたのかしら?
「えっ、お義兄様は、応接室に連行されるのではなかったのですか?それにサイファ様には、いつもダイアナさんが側にいるのではないですか?」
私が聞くと、サイファ様が答えてくれた。
「いつも一緒というわけではないよ。ダイアナ嬢は、少し怪我をしてしまってね。しばらく療養のため学校を休学することになったそうです」
「まぁ、お怪我を!お元気な方でしたから、辛いでしょうね。療養なんて可哀想ですね」
「ミランダ嬢は、優しいですね。でもダイアナ嬢は、喜んでいて、何でも思い通りに願いが叶ったらしいです」
サイファ様に笑顔で返された。
ダイアナさん、怪我をして療養していることが、願った事で喜んでいるの?
随分と変わった方なのね。
確かに発言も、いつも乱暴的というか荒々しさがある方だったから。何か武術的なことで勝利して、名誉の負傷をしたのかもしれないわね。
「どうしたのか?…ミランダ嬢…それにリリエット嬢、席を共にするよ…」
とサイファ様の後ろからの声。
微妙に小さく、遠慮がちな、戸惑いがある声。どこかで聞いたことがあるのだけど…どこだろう?
「えっ、アンドル王子様にグレゴリー様まで!」
リリエットの跳ねるような声に、驚いてすぐに見る。
何で、王子様がいるのよ、食堂は食事をするところなんですよ。ここは側近の打ち合わせや報告の場には相応しくありません!
どうかお帰りくださいませ。
「あちらに行けばいいだろう」
私の思っている事を、端的にお義兄様が言って冷たい言葉と口調が、王子様に向いた。
流石にその物言いは、乱暴で不敬なのでは?
お義兄様も嫌がっているし、やはり捕まえに来たのかな?
いや、私達としては、すぐにでもお義兄様が、あちらのテーブルに移動してくれれば、王子様御一行や観客を連れて行くと思うのだけど。
リリエットもオドオドしているし、もちろん私も周りの視線が痛いし、こんな状況では、食事が美味しく摂れそうにないです。目で義兄に訴えてみる、が、それをアンドル王子様に邪魔された。
「今回は視察というか…私達も、学生のうちにしか出来ないことをやりたいと思っていたのです。こうやって、身分関係なく、みんなでテーブルを囲み食堂でメニューを選んで食べるというのは、やってみたい事だったので…
様子を見ているだけで良いな、ワクワクして楽しい気分になる」
私を見て話してきたような…説明されている?視察を校内で?
でも校内の人気者である人が、食堂に毎回来られたら、私達は、食堂に入れなくなるだろし、遠慮していたのかな。
確かにそう言われてしまうとね、私もその気持ちはよくわかります。
一人で食べるより、こんな風にテーブルを囲むとワクワクするよね。
「楽しくなる気持ち、わかります」
とぽろっと言ってしまった。同調…これは平穏な昼食は取れないと思った方がいいな。
「ありがとう、ミランダ嬢!」
あ、声が大きくなった!
そして、
満面の笑みで返された。
おわぁ~
もう何も言えない。思考が奪われた!
ノックダウンだわ。
頬も耳も熱くなり、下を向くだけの哀れな令嬢と化した。
すっかり絵本の王子様から離れ、表情豊かな人間味のある王子様になっていた。
もちろん私も妄想の世界から憧れの絵本王子に感謝を告げ、思い出からすっかり離脱出来始めている。もうパニックなんて起きない。
「うちのミランダちゃんが困っている。そして、何より、私が、非常にこの状況が不快だ。妥協案として、視察なら違うテーブルに移動してくれれば良いだろう。食事終了後、私も応接室に一緒に行こう」
「応接室に来てくれるのは、嬉しいが、今は、みんなで食事することが楽しみだから、妥協案は却下だ。…ミランダ嬢を困らせるつもりはない。…せ、先日は、怖い思いをさせて申し訳なかった。謝罪したいと思っていたし、それにミランダ嬢は、今、了承してくれたよね。リリエット嬢はどうかな?」
壊れたおもちゃのように、首を上下にしたリリエットも、哀れな令嬢になった。
「確かに、少し狡いかもしれないが、ほら、ディライドだけだ。では、みんなで食べよう。何にしようか、ワクワクするな。ほら、席も取ったし、メニューを選ぶのだろう」
突っかえながら、話すアンドル王子に違和感を感じたが、何故か王子様は、私に手を差し出した。
エスコート?
食堂でエスコートなんかいらないのだけど…
王子様は、食堂が初めてみたいだから、普通に作法として、手を差し出したのね。
ここは、食堂の先輩である私が教えてあげた方がいいわね。
「アンドル王子様、ここは…」
お義兄様が、べしっと王子様の手を叩いた。
「「あっ」」
声を揃えて発したのは、私とリリエット。
「ミランダちゃんに触ろうとするな、婚約者候補でもないし、我が家は断固拒否するし、この手は目障りだ。夢見の乙女ナンチャラでもエスコートすればいい」
まるで吐き捨てるみたいに、お義兄様は王子様に向かって言った。その表情は見れなかったけど、対面しているアンドル王子様の顔が驚いていた。
どんどん知らない王子様になっていく…
不敬の現場をみんなが目撃よ!今日の義兄は変よ。
「悪い、ディライド。楽しくて調子に乗った。食堂の視察は今日だけだから、毎日ディライドと一緒に食事したって、私は構わないけどね」
と楽しげに言った。でも目はしっかりお義兄様しか見ていない。何だかこの二人の間には入っていけないみたいだわ。
ゆっくり椅子から立ち上がり一歩後ろに下がり二人を残すような形で、メニューを決めに行く。
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