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49 お義兄様が帰ってきました
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私はマユリカ王女様達が停学ではなく、ウランダル王国に強制的に帰国することをクラスメイトに言わなかった。
マユリカ王女様達が可哀想…とも思ってはいない。
ザマァミロ、とも思ってはいない。
何と言えばいいのか、あまり興味がない人だった。お姫様だとは思ったのだけど、私が知っている絵本のお姫様とは違ったからかもしれない。
申し訳ないな。本物なのに。
*
「ただいまーーー
ミランダちゃん~」
と両手を広げて、玄関で私を待っているお義兄様がいた。
普通は逆だよね。
明るい。そして艶やか。お義父様はあんなに疲れた顔をしていたのに…
お風呂上がりのスッキリ感。
もしかして、湯上がり?
「お帰りなさい、お義兄様。もう聞いていると思いますが、お義兄様からの贈り物、防犯板が大変役立ちました。ありがとうございます」
「違うな。まずは、久しぶりなのだから顔を見せて欲しいな。さぁ、さぁ、近くに」
どうした?お義兄様。情緒不安なのか?一カ月のウランダル王国だもの、大変に決まっているわ。
「お疲れ様でした」
とお義兄様の目の前まで行く。おずおずとお義兄様が私の両手を取って、よく見ている。
何をしたいのかしら?
「うん、怪我無しだね?また危なかったね。もう学校行くのやめる?」
「いいえ、行きます!」
「そうか…怖くないの?学校は楽しいの?」
「はい、クラスの女生徒が何人も友達になったのですよ。友達の作り方とか意識していたのが、嘘みたいにみんな話しかけてくれたり、輪の中に入れてくれたり、面白い話や失敗談なんか教えてくれたり、楽しいです」
「聞いているだけで楽しそうだね。明日にでも教室に挨拶にいかないと!」
「ええ、みんなお義兄様に挨拶したいと言ってました」
「ミランダちゃん嫌がらないの?前は、お昼ご飯は、リリエット嬢と食べるからお友達と食べてとか挨拶する事を拒否してなかった?」
「してない、わ。挨拶ぐらいみんなするのが常識ですから。それにやっぱりお義兄様は、二日しか学校に現れなかったのに、人気者ですもの。自慢のお義兄様です。もちろんリリエットが、お昼は一緒にしたいと、話したい事があるそうです」
自慢げに胸を張って言えば、耳も頬も薄ら赤いお義兄様がいた。お義兄様ってご自分から攻めるのはいいけど、少し私から攻めると急に顔を背けたりするのよね。
「あぁ~、ミランダちゃんは、着替えて来なさい!その後でみんなで恒例のお土産を見てみようのお茶会だよ!」
と私をラナに押し出すようにした。あら、お義兄様の顔が見れない。やっぱり、顔を背けられたわ。
ラナや侍女達はみんなニヤニヤしていた。
あれ、この表情どこかで見たことがあるなと思いつつ、着替えに行った。
「お嬢様、良かったですね、ディライド様が帰ってきてくださって」
笑顔が花咲くとは、侍女達のことをいうのね。
「そうね、みんな嬉しそうで良かったわ」
と言えば、
「えっ?それだけですか?」
と驚かれ、
「ん?お土産も楽しみよ」
と言えば、ラナが複雑な顔をした。ラナったら意外に色んな表情を持っているのよね。
何とも言えない空気になった。
この微妙な沈黙は何なのかしら?
気になる!?
「ラナどうかしたの?」
「いえ、思っていたのと違うなぁというか、いえ何でもありません。お嬢様が、お気にする必要はありません。こちらの問題です」
とラナは一歩後ろに下がった。
レオンと一緒にお土産を見て、家族で笑いながら食事をするのは、楽しかった。やっぱりみんな揃っての食事は、会話があちらこちらで飛び交う。
聞いているだけで、笑ってしまう。
「ミランダちゃんは、笑ってないで反省するんだよ。言われた事を覚えてないなんて、イズリー家の人間として駄目だよ。ミランダちゃんが毎日書いている日誌?に一言一句漏らさずに書かないと。それが後の復讐、いや、情報になるのだから」
今、復讐って。
絶対復讐日誌なんて嫌~
何か怨念がくっついてきそうで。
「あぁ、そうそう、ウランダル王国の王太子が、こちらの条件をのんだよ。彼が、マリングレー王国のティア王女様を妃に迎えるか、マリングレー王国にマユリカ王女様を嫁に出すかのどちらか。私としては、どっちも叶えて欲しかったけどね。そこは残念だけど、ピィーピィー言うから、譲歩してしまったよ。マリングレー王国と協議するって約束をして帰ってきた」
何でも無さそうに言った。
「そんな勝手なことマリングレー王国だって認めないのではありませんか?王族の婚姻なんて、お義兄様が、他国の交渉に関わっていい話ではありませんでしょう?」
「あぁ、普通ならね。ティア王女様自ら進言されたから。私達とマユリカ王女様達もなのだけど、聞いているからね。マユリカ王女様が男爵家の令嬢に嵌められるとか、いじめてはいけないとか、マユリカ王女様を婚約者にしてはいけないとか、ね。ウランダル王国も抗議していい内容だろう?あちらに少し助言しただけ。流石に他国の王女様が、口出ししていい問題じゃない。頼まれてもいないのに、夢見の進言って言い逃れ出来る程、王族の発言は軽くない。実際には、学校内で男爵令嬢とは仲が良かったと聞いたよ。マユリカ王女様がティア王女様に腹を立ててもいるからね。そのせいで、クリネッと王国との縁が結べなかったと言ってもいいはずだよ。楽しみだよ」
凄く嬉しそうに笑っているわ。
この二カ国に何かの仕返し?
「交渉で金銭の賠償で終えるのではないですか?」
と聞くと、
「お金も貰って、マユリカ王女様もあちらに押し付けようとするだろうな。ウランダル王国は。王太子は婚約者がいるからね、流石にここに来て彼は裏切れない。反対にマユリカ王女様は、嫁ぎ先がなくなってしまった件を強く押すね、きっと、側妃でもってね。マリングレー王国はどうでるか」
お義兄様は、再び笑っている。
「先生なら、現国王の側妃にするでしょうね。名称は、第二王妃とかで。近年には退任されるでしょうし、どこか辺境に連れて行き、王子達にマユリカ王女様を近づけさせない。賠償金も吊り上げさせず、ウランダル王国に文句を言わせないでしょうね」
と言えば、
「…普通なら、間違いなくそうだろうね。まぁ、ミランダちゃんに攻撃した王女様にはきちんと罰が下ったということで手打ちかな…出来れば、もう一人顔を歪ませたかったけどね」
またお義兄様が笑った。
ウランダル王国に行って生き生きして帰ってきたのではないかしら?
「お義兄様、ほどほどが一番ですよ」
と言えば、お義兄様以外みんな
「「「その通り!」」」
と納得してくれた。良かったわ。
不思議そうな顔をしたお義兄様を除いて。
マユリカ王女様達が可哀想…とも思ってはいない。
ザマァミロ、とも思ってはいない。
何と言えばいいのか、あまり興味がない人だった。お姫様だとは思ったのだけど、私が知っている絵本のお姫様とは違ったからかもしれない。
申し訳ないな。本物なのに。
*
「ただいまーーー
ミランダちゃん~」
と両手を広げて、玄関で私を待っているお義兄様がいた。
普通は逆だよね。
明るい。そして艶やか。お義父様はあんなに疲れた顔をしていたのに…
お風呂上がりのスッキリ感。
もしかして、湯上がり?
「お帰りなさい、お義兄様。もう聞いていると思いますが、お義兄様からの贈り物、防犯板が大変役立ちました。ありがとうございます」
「違うな。まずは、久しぶりなのだから顔を見せて欲しいな。さぁ、さぁ、近くに」
どうした?お義兄様。情緒不安なのか?一カ月のウランダル王国だもの、大変に決まっているわ。
「お疲れ様でした」
とお義兄様の目の前まで行く。おずおずとお義兄様が私の両手を取って、よく見ている。
何をしたいのかしら?
「うん、怪我無しだね?また危なかったね。もう学校行くのやめる?」
「いいえ、行きます!」
「そうか…怖くないの?学校は楽しいの?」
「はい、クラスの女生徒が何人も友達になったのですよ。友達の作り方とか意識していたのが、嘘みたいにみんな話しかけてくれたり、輪の中に入れてくれたり、面白い話や失敗談なんか教えてくれたり、楽しいです」
「聞いているだけで楽しそうだね。明日にでも教室に挨拶にいかないと!」
「ええ、みんなお義兄様に挨拶したいと言ってました」
「ミランダちゃん嫌がらないの?前は、お昼ご飯は、リリエット嬢と食べるからお友達と食べてとか挨拶する事を拒否してなかった?」
「してない、わ。挨拶ぐらいみんなするのが常識ですから。それにやっぱりお義兄様は、二日しか学校に現れなかったのに、人気者ですもの。自慢のお義兄様です。もちろんリリエットが、お昼は一緒にしたいと、話したい事があるそうです」
自慢げに胸を張って言えば、耳も頬も薄ら赤いお義兄様がいた。お義兄様ってご自分から攻めるのはいいけど、少し私から攻めると急に顔を背けたりするのよね。
「あぁ~、ミランダちゃんは、着替えて来なさい!その後でみんなで恒例のお土産を見てみようのお茶会だよ!」
と私をラナに押し出すようにした。あら、お義兄様の顔が見れない。やっぱり、顔を背けられたわ。
ラナや侍女達はみんなニヤニヤしていた。
あれ、この表情どこかで見たことがあるなと思いつつ、着替えに行った。
「お嬢様、良かったですね、ディライド様が帰ってきてくださって」
笑顔が花咲くとは、侍女達のことをいうのね。
「そうね、みんな嬉しそうで良かったわ」
と言えば、
「えっ?それだけですか?」
と驚かれ、
「ん?お土産も楽しみよ」
と言えば、ラナが複雑な顔をした。ラナったら意外に色んな表情を持っているのよね。
何とも言えない空気になった。
この微妙な沈黙は何なのかしら?
気になる!?
「ラナどうかしたの?」
「いえ、思っていたのと違うなぁというか、いえ何でもありません。お嬢様が、お気にする必要はありません。こちらの問題です」
とラナは一歩後ろに下がった。
レオンと一緒にお土産を見て、家族で笑いながら食事をするのは、楽しかった。やっぱりみんな揃っての食事は、会話があちらこちらで飛び交う。
聞いているだけで、笑ってしまう。
「ミランダちゃんは、笑ってないで反省するんだよ。言われた事を覚えてないなんて、イズリー家の人間として駄目だよ。ミランダちゃんが毎日書いている日誌?に一言一句漏らさずに書かないと。それが後の復讐、いや、情報になるのだから」
今、復讐って。
絶対復讐日誌なんて嫌~
何か怨念がくっついてきそうで。
「あぁ、そうそう、ウランダル王国の王太子が、こちらの条件をのんだよ。彼が、マリングレー王国のティア王女様を妃に迎えるか、マリングレー王国にマユリカ王女様を嫁に出すかのどちらか。私としては、どっちも叶えて欲しかったけどね。そこは残念だけど、ピィーピィー言うから、譲歩してしまったよ。マリングレー王国と協議するって約束をして帰ってきた」
何でも無さそうに言った。
「そんな勝手なことマリングレー王国だって認めないのではありませんか?王族の婚姻なんて、お義兄様が、他国の交渉に関わっていい話ではありませんでしょう?」
「あぁ、普通ならね。ティア王女様自ら進言されたから。私達とマユリカ王女様達もなのだけど、聞いているからね。マユリカ王女様が男爵家の令嬢に嵌められるとか、いじめてはいけないとか、マユリカ王女様を婚約者にしてはいけないとか、ね。ウランダル王国も抗議していい内容だろう?あちらに少し助言しただけ。流石に他国の王女様が、口出ししていい問題じゃない。頼まれてもいないのに、夢見の進言って言い逃れ出来る程、王族の発言は軽くない。実際には、学校内で男爵令嬢とは仲が良かったと聞いたよ。マユリカ王女様がティア王女様に腹を立ててもいるからね。そのせいで、クリネッと王国との縁が結べなかったと言ってもいいはずだよ。楽しみだよ」
凄く嬉しそうに笑っているわ。
この二カ国に何かの仕返し?
「交渉で金銭の賠償で終えるのではないですか?」
と聞くと、
「お金も貰って、マユリカ王女様もあちらに押し付けようとするだろうな。ウランダル王国は。王太子は婚約者がいるからね、流石にここに来て彼は裏切れない。反対にマユリカ王女様は、嫁ぎ先がなくなってしまった件を強く押すね、きっと、側妃でもってね。マリングレー王国はどうでるか」
お義兄様は、再び笑っている。
「先生なら、現国王の側妃にするでしょうね。名称は、第二王妃とかで。近年には退任されるでしょうし、どこか辺境に連れて行き、王子達にマユリカ王女様を近づけさせない。賠償金も吊り上げさせず、ウランダル王国に文句を言わせないでしょうね」
と言えば、
「…普通なら、間違いなくそうだろうね。まぁ、ミランダちゃんに攻撃した王女様にはきちんと罰が下ったということで手打ちかな…出来れば、もう一人顔を歪ませたかったけどね」
またお義兄様が笑った。
ウランダル王国に行って生き生きして帰ってきたのではないかしら?
「お義兄様、ほどほどが一番ですよ」
と言えば、お義兄様以外みんな
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