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41 王子様が菓子折りをくれました
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朝、教室に入るとリリエットにすぐに捕まった。
「今、聞いた話なの!昨日から、あの二人静かになったでしょう。実は、アンドル王子様が、マユリカ王女様とマリアーノ様に毎回言い争いするなら、一席設けるから、十分そこで話し合って欲しい、だから学びの場所である学校で、騒ぐのはやめてほしいと言ったのですって。
婚約者に選ばれたい人が、王子様の目の前で喧嘩しなさいと言われたら、今日の朝も大人しかったわ」
いつのまにかリリエットが、情報通になっていた…あなたマリアーノ様の派閥じゃないの?
「それは、良かったのではないの?最近、校内ピリピリしていたから」
なんて言っていると、何故か廊下から、
「サイファ様、絶対こんなのおかしいですって!それに、どこに行くんですか?私も連れて行ってください~」
元下世話な噂第一位の人、甘えた声が聞こえてきた。
「あぁ、あれね」
リリエットが、それも訳知り顔で教えてくれる。あなた一体どこまで聞き耳を立てていますか?
実はイズリー家の親族?
「最近ずっと、ダイアナさんってマユリカ王女様に媚びているのか、あなたが婚約者じゃないと困るんです、あなたしかいない、みたいなことを言っているのよ。頑張って下さいって応援しているの。取り巻きとして王子様達の陣営に潜り込んでいるとかかしら」
「そうなの?確かにマユリカ王女様を追いかけていたわね。でも、アンドル王子様にも甘えた声をかけて、お義兄様にも挨拶したがっていたような…」
「そう、そう」
「変わった人ね」
「ミランダ嬢」
声をかけてきたのは、先程、噂をしていた人。アンドル王子が扉から教室を覗いた。
そして、何故か、私の名を呼んだ。
「わ、私デスカ?」
あっ、なんか声が引き攣ってしまった。話題にしていたのを聞かれたかしら?そっとリリエットを見るけど、私より慌ている。
プッフフフ
え?誰の笑い声?
視線を戻すと、
扉の側に、見たこともない顔をしている人がいる。
サラサラの髪は、不自然に揺れ、肩も揺れ、表情筋が動いている。片手で顔を隠しているけど。
…ただならぬ雰囲気にこの場が飲み込まれる。
隣のグレゴリー様も、後ろにいたサイファ様も、その腕に絡みついたダイアナさんも驚いていた。口が開いている…
「すまない、失礼した。これはディライドに頼み事をして、イズリー家の家族に迷惑をかけている詫び品です。もし良かったら、みんなで食べて欲しい、デス」
何故また思い出し笑いのように、言葉詰まりにカタコト?的な話し方。
えっ、誰この人!?
そんな姿見たことない。
誰ですか?あなたは…
差し出してきたのは、多分、お菓子の箱なんだろうけど、今まで見たことのない表情を見てしまって、固まって手が動かない。
あまりにも衝撃的だった。
だって王子様が生きているんだから。
「ミランダ嬢?どうかしたか」
「王子様が、生きているなんて…は!?失礼しました。
…いえ、アンドル王子様が笑うなんて、また表情筋を動かすなんて…」
また、失礼な話をしてしまった!
駄目!妄想が現実を超えて私を迎えに来ている…
「生きてる?一体、何の話か?ほら、君にではなく家族に渡して欲しいから、受け取って」
と教室内に入ってきた。
その瞬間、静まり返っていた教室が、喜色な歓声に一斉に変わった。
何も答えられず、ただ頷き、品物を受け取った。
そんな姿をまた笑われた。
…そんなに今の私の顔は、面白い顔をしているのかしら?
頬に、熱が集中してきた。
首も熱い、手も熱い、あぁ、心臓がドッドッドッと太鼓になった。
これは何?
絵本の中の王子様が、今、目の前、教室の中に飛び出してきたんだから。
いつも読んでました。憧れてました!会いたかったです!
昔から、ページを捲るとあなたがいて、いつもの朝が来て、夜の月の光で、あなたに会って…私は、一人でいることを紛らわしていました。
いつも、いつも読んでました。
「アリカトウゴザイマス」
「いえ、こちらこそ」
そして、王子様は、すぐに私に背を向けて、歩いた。
あぁ、御礼が言えた、あの絵本の王子様に。ずっと一緒にいてくれた王子様に。
「ねぇ、ミランダ大丈夫?わかるけど、尋常じゃないぐらい真っ赤よ。ねぇ、聞こえている?」
喜色な歓声が残ったのと、扉の近くで私を睨みつけるダイアナさんの視線。
誰かが教室の窓を開けてくれた。
風が入ってきた。
私に冷めた風が当たるのに、まだ頬もどこの箇所も熱くて…
私の身体は、馬鹿になったのかもしれない。またパニックになったのかもしれない…
先生、私、一番大好きな絵本に感謝を伝えることが、出来ました。王子様が、絵本から抜け出して、私に会いに来てくれたのです。
『私も絵本の中に連れて行って…』
…あの頃の繰り返した呪文。
ありがとうございました。
もしかして、あの頃にお別れが出来た!?
ふらふらとして、床に座り込んでしまった。腰が抜けてしまう。
「キャーーー、大丈夫ミランダ?大変、保健室に!」
「あぁ、リリエット、大丈夫よ。ちょっと彼方に行っていただけだから。アンドル王子様に、あんな風に対面出来るなんて驚きと緊張と凄すぎて、一気に爆発してしまったわ」
と言うと、教室内の女生徒が
「「「わかるわ、あの笑顔よね!」」」
とみんなが、頷きあう。
「そう、もう、心臓の音が太鼓でした」
と言えば、女生徒のおしゃべりは止まらない。
「太鼓って、そこはドキドキとか可愛いく言うところでしょう。もう、ミランダ様、面白すぎ」
「でも、アンドル王子様が、声出して笑うなんて、凄く珍しいわよ。私は初めて見たわ」
「本当よね。あんな人間味がある方だったのね。私にとって雲の上の存在だから、信じられないというか」
「私だってそうよ」
またまた教室内の女生徒が同意していた。私は、そんな話を聞きながら、どこか別のことを考えていた。
*
授業が終わっても、みんなの興奮は冷めない。
みんな私の席の近くに来て、思い出すかのように何度も話す。そろそろ、お昼を食べに行かなきゃと思いつつ、切り出しが難しい。
キャッキャッと盛り上がっていると、
「この野暮眼鏡!あんたなんてディライド様の妹だから、アンドル様に声をかけてもらったんでしょう!何、調子に乗っているのよ」
と怒鳴りながら、私の席までやってきた。
「ダイアナさん、野暮眼鏡って…私は、ミランダ・イズリーですよ」
「あなたのその水色の髪が、なんか忌々しいのよ、あの偽物を思い出すわ。前にも言ったわよね。マリアーノ様の取り巻きのくせに、出しゃばるなと注意したはずよ!」
私とダイアナさんの間に、リリエットが入った。
「ちょっと、あなたこそ失礼過ぎるでしょう。以前から態度が悪すぎるわ。ミランダは、伯爵令嬢です、ダイアナさんは、男爵令嬢でしょう。それに、ミランダは誰の取り巻きでもないわ。ミランダを侮辱するのはやめてくれる?今回の件は、先生に報告するから。証人は、クラスのみんなよ!」
リリエットが宣言した。
周りにいた女生徒も同意している。ダイアナさんは周りを見渡した後
「ふざけるな!」
と言って走り出した。彼女は、泣き出す寸前の真っ赤な顔をした赤鬼のような表情だった。
「今、聞いた話なの!昨日から、あの二人静かになったでしょう。実は、アンドル王子様が、マユリカ王女様とマリアーノ様に毎回言い争いするなら、一席設けるから、十分そこで話し合って欲しい、だから学びの場所である学校で、騒ぐのはやめてほしいと言ったのですって。
婚約者に選ばれたい人が、王子様の目の前で喧嘩しなさいと言われたら、今日の朝も大人しかったわ」
いつのまにかリリエットが、情報通になっていた…あなたマリアーノ様の派閥じゃないの?
「それは、良かったのではないの?最近、校内ピリピリしていたから」
なんて言っていると、何故か廊下から、
「サイファ様、絶対こんなのおかしいですって!それに、どこに行くんですか?私も連れて行ってください~」
元下世話な噂第一位の人、甘えた声が聞こえてきた。
「あぁ、あれね」
リリエットが、それも訳知り顔で教えてくれる。あなた一体どこまで聞き耳を立てていますか?
実はイズリー家の親族?
「最近ずっと、ダイアナさんってマユリカ王女様に媚びているのか、あなたが婚約者じゃないと困るんです、あなたしかいない、みたいなことを言っているのよ。頑張って下さいって応援しているの。取り巻きとして王子様達の陣営に潜り込んでいるとかかしら」
「そうなの?確かにマユリカ王女様を追いかけていたわね。でも、アンドル王子様にも甘えた声をかけて、お義兄様にも挨拶したがっていたような…」
「そう、そう」
「変わった人ね」
「ミランダ嬢」
声をかけてきたのは、先程、噂をしていた人。アンドル王子が扉から教室を覗いた。
そして、何故か、私の名を呼んだ。
「わ、私デスカ?」
あっ、なんか声が引き攣ってしまった。話題にしていたのを聞かれたかしら?そっとリリエットを見るけど、私より慌ている。
プッフフフ
え?誰の笑い声?
視線を戻すと、
扉の側に、見たこともない顔をしている人がいる。
サラサラの髪は、不自然に揺れ、肩も揺れ、表情筋が動いている。片手で顔を隠しているけど。
…ただならぬ雰囲気にこの場が飲み込まれる。
隣のグレゴリー様も、後ろにいたサイファ様も、その腕に絡みついたダイアナさんも驚いていた。口が開いている…
「すまない、失礼した。これはディライドに頼み事をして、イズリー家の家族に迷惑をかけている詫び品です。もし良かったら、みんなで食べて欲しい、デス」
何故また思い出し笑いのように、言葉詰まりにカタコト?的な話し方。
えっ、誰この人!?
そんな姿見たことない。
誰ですか?あなたは…
差し出してきたのは、多分、お菓子の箱なんだろうけど、今まで見たことのない表情を見てしまって、固まって手が動かない。
あまりにも衝撃的だった。
だって王子様が生きているんだから。
「ミランダ嬢?どうかしたか」
「王子様が、生きているなんて…は!?失礼しました。
…いえ、アンドル王子様が笑うなんて、また表情筋を動かすなんて…」
また、失礼な話をしてしまった!
駄目!妄想が現実を超えて私を迎えに来ている…
「生きてる?一体、何の話か?ほら、君にではなく家族に渡して欲しいから、受け取って」
と教室内に入ってきた。
その瞬間、静まり返っていた教室が、喜色な歓声に一斉に変わった。
何も答えられず、ただ頷き、品物を受け取った。
そんな姿をまた笑われた。
…そんなに今の私の顔は、面白い顔をしているのかしら?
頬に、熱が集中してきた。
首も熱い、手も熱い、あぁ、心臓がドッドッドッと太鼓になった。
これは何?
絵本の中の王子様が、今、目の前、教室の中に飛び出してきたんだから。
いつも読んでました。憧れてました!会いたかったです!
昔から、ページを捲るとあなたがいて、いつもの朝が来て、夜の月の光で、あなたに会って…私は、一人でいることを紛らわしていました。
いつも、いつも読んでました。
「アリカトウゴザイマス」
「いえ、こちらこそ」
そして、王子様は、すぐに私に背を向けて、歩いた。
あぁ、御礼が言えた、あの絵本の王子様に。ずっと一緒にいてくれた王子様に。
「ねぇ、ミランダ大丈夫?わかるけど、尋常じゃないぐらい真っ赤よ。ねぇ、聞こえている?」
喜色な歓声が残ったのと、扉の近くで私を睨みつけるダイアナさんの視線。
誰かが教室の窓を開けてくれた。
風が入ってきた。
私に冷めた風が当たるのに、まだ頬もどこの箇所も熱くて…
私の身体は、馬鹿になったのかもしれない。またパニックになったのかもしれない…
先生、私、一番大好きな絵本に感謝を伝えることが、出来ました。王子様が、絵本から抜け出して、私に会いに来てくれたのです。
『私も絵本の中に連れて行って…』
…あの頃の繰り返した呪文。
ありがとうございました。
もしかして、あの頃にお別れが出来た!?
ふらふらとして、床に座り込んでしまった。腰が抜けてしまう。
「キャーーー、大丈夫ミランダ?大変、保健室に!」
「あぁ、リリエット、大丈夫よ。ちょっと彼方に行っていただけだから。アンドル王子様に、あんな風に対面出来るなんて驚きと緊張と凄すぎて、一気に爆発してしまったわ」
と言うと、教室内の女生徒が
「「「わかるわ、あの笑顔よね!」」」
とみんなが、頷きあう。
「そう、もう、心臓の音が太鼓でした」
と言えば、女生徒のおしゃべりは止まらない。
「太鼓って、そこはドキドキとか可愛いく言うところでしょう。もう、ミランダ様、面白すぎ」
「でも、アンドル王子様が、声出して笑うなんて、凄く珍しいわよ。私は初めて見たわ」
「本当よね。あんな人間味がある方だったのね。私にとって雲の上の存在だから、信じられないというか」
「私だってそうよ」
またまた教室内の女生徒が同意していた。私は、そんな話を聞きながら、どこか別のことを考えていた。
*
授業が終わっても、みんなの興奮は冷めない。
みんな私の席の近くに来て、思い出すかのように何度も話す。そろそろ、お昼を食べに行かなきゃと思いつつ、切り出しが難しい。
キャッキャッと盛り上がっていると、
「この野暮眼鏡!あんたなんてディライド様の妹だから、アンドル様に声をかけてもらったんでしょう!何、調子に乗っているのよ」
と怒鳴りながら、私の席までやってきた。
「ダイアナさん、野暮眼鏡って…私は、ミランダ・イズリーですよ」
「あなたのその水色の髪が、なんか忌々しいのよ、あの偽物を思い出すわ。前にも言ったわよね。マリアーノ様の取り巻きのくせに、出しゃばるなと注意したはずよ!」
私とダイアナさんの間に、リリエットが入った。
「ちょっと、あなたこそ失礼過ぎるでしょう。以前から態度が悪すぎるわ。ミランダは、伯爵令嬢です、ダイアナさんは、男爵令嬢でしょう。それに、ミランダは誰の取り巻きでもないわ。ミランダを侮辱するのはやめてくれる?今回の件は、先生に報告するから。証人は、クラスのみんなよ!」
リリエットが宣言した。
周りにいた女生徒も同意している。ダイアナさんは周りを見渡した後
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