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34 アンドル・クリネット 2
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王宮 夜会会場 アンドルside
「まだ続くのか」
後ろに控えている近衞騎士長に耳打ちをする。
伯爵家の令嬢と挨拶を交わし、次は公爵家、侯爵家、私との年齢の差異が少ない令嬢とのことだったはずなのに、下は、三歳の幼女、上は、母と同じ年齢のご婦人まで…どうして招待状が届いているのか?
これは、文官を取調べる案件だ。
自分の娘を売り込みたいのはわかるが、これは非常識だろう。
欲深さを押し付けられているとしか、感じないよ。
こちらから招待して申し訳ないけどな…
執務が終わり、途中入場した国王と王妃でさえ引き攣った笑顔になっている。
伯爵家のみなさんは、高位貴族の数合わせという意識があってか、実に自己紹介のみ、もしくは、領地の特産品の売り込みの交渉話もあったが、効率よく進んだ。
非常に助かった。
…公爵家、侯爵家の者達は、未来の王妃を諦めていない分、みんなギラギラして、とうとうサイファの父、宰相が会話切り上げ、私から対象者を剥がすという荒い行動をしている。
こんな状況に好意を持つ相手が現れるわけがない…
時間通りなら、もう他国の王族だって、扉前にいるだろう。
「失礼します、殿下。グレゴリーから伝言です」
横から新しい近衞騎士が耳打ちをしてきた。
瞬時に後ろを向き口元を隠す
「何だ、問題か?」
「はい、ウランダルのマユリカ王女が控え室から消えた、捜索中とのことです」
「わかった」
前を向き、いつもと変わらない顔で応対する。香水の匂いがきつい…
「アンドル王子様、私、ファンド侯爵家の娘、マリアーノ・ファンドです。本日はよろしくお願いします」
「よくお越し下さいました…」
また面倒なことをしてくれたな。あの部屋には侍女の配置を多くして、グレゴリーまでつけたのに…
「はい、本日アンドル王子様に会えるのを非常に楽しみにしておりました」
控え室は、バルコニーがあったな。あちらの階段から外に出たのか。ドレスアップしているにも関わらず、外の階段に行くなんて…
「ありがとうございます」
「もしよろしければ、この後、ダンスを一曲お相手して頂きたいのですが、本日のためにずっと練習をしてきました…ダンスは自信があるのです。アンドル王子様には、どうしてもご覧頂き、共にダンスを楽しみたいのです」
我儘な王女だとは聞いていたが、待機もできないとはな。ディライドも話を聞き出すのに、手間がかかる割に何の情報もないと言っていたし、一番は…
「大変光栄なお誘いですが、今、この場でお約束は出来ないのです。申し訳ございません、しかし後ほどみんなで話をする機会を設けますから、またその時、お話をさせて下さい」
宰相が横から出て来た。任せよう。
「えっ、…はい。私、学校でいつもアンドル王子様にご挨拶」
「申し訳ございません、ファンド侯爵令嬢、お父上もあちらの方々とご挨拶があるようで、移動のほどお願いします」
一番は、ウランダル王国で何を聞かされたか、私の婚約者は自分だと疑っていないこと。自分の国が、他国を戦争するぞと脅しているのが、マユリカ王女はわかって発言しているのか?
「…はい」
…
あ、今の令嬢と何を話していた?匂いのキツさで思考も外していた。
「失礼、殿下。グレゴリーより、発見、扉前に連れて行くと」
騎士が耳打ちした。
…
あぁ、職業王子、面倒くさい!
今すぐ、夜会を抜けだして、荷馬車に乗り込みどこか遠くに行きたい。
何で予定外や手間をかけさせられるのか!準備とは一体何だったのか!
結局、私自身の計画が甘いから駄目なのだ。
…誰かのせいにしたら、楽になる。楽になりたいから、他者を悪く言う。
あぁ、全員揃って臭い!キツイ!
メイクが盛り過ぎて誰だかわからない!
胸を強調するな!
あぁ言いたいことが溜まる。
最低なのは、私だ。ホストのくせに…
招待客の悪口、面倒だぐらい言わせて欲しいと思ってしまう。
グッと溜息を飲み込んだ。
…
「マリングレー王国、ティア王女殿下」
やっとと言うべきか、王族の招待客の入場だ。
夜会前日、各王女とは、挨拶済みだ。この挨拶時間は短いだろう。
「アンドル様、学校でも人気者だそうですね。招待された御令嬢達が、自慢気に言ってましたよ。ふふ、今日は頑張って下さいませ」
「ありがとうございます、ティア王女」
…次は、この問題王女だ。
「あら~、お疲れですの、アンドル様。だから昨日申し上げましたでしょう。夜会前に、婚約者発表なさるべきだと。この私、ウランダル王国の王女マユリカがお相手なら、誰も文句を言いませんよ。それにすでに決まっているのに、婚約者を見つける為の夜会なんて言ってしまったら、今みたいなギラギラの目付きした勘違い令嬢が出てしまうでしょう?とても不親切だと思いますわ。それに時間の・無・駄」
よくこんな話を大きな声で出来るものだ。どんな高飛車王女だ…
あぁ、誰でも相手は一緒、国益優先…
国民のために…国を守るために
なんて
馬鹿なことを考えたんだ数週間前の自分。ありえない。
こいつは、ありえない。
職業、王子でもありえない。
無理、妃、要らない!
チラッと国王を見た。
王妃共々おでこに手を置き、頭を振っている。
現実を見たか!
これが王妃?速攻でクーデターだよ。イズリー家が中心となってやるね、絶対に。
再び二人に向けて頷く。
「何をおっしゃっているかわかりませんが、昨日も申しました通り、この夜会の趣旨は変わりません。時間もありますので、失礼します」
ハアー、面倒くさい。
言われた通り挨拶をして、ファーストダンスは、マユリカ王女と踊る。
一曲踊り、次にティア王女、と他国から招いた招待客と次々踊る。
マユリカ王女が、こちらを睨んでいるが、気にしない。
あぁ、ティア王女の言う通りだな、この王女を婚約者に決めたら、きっと学校内で、誰かと話した姿を見かけただけで、何かしそうだ。
ダイアナ嬢はサイファが近くにいるから、私の後をついてくるし、虐めらしい言動はするな…
普通に考えてあり得る未来だ。
何も考えたくない、現実逃避だったのだろうか、ふと、
『あれ、何でミランダ嬢、水色の髪色を茶色に染めていたのだろう?』
そんな随分と時間が経過したあと、思い出した。今頃と言われそうだ。いや、誰に?おや?
会場をぐるりと見渡して、ミランダ嬢は多分いなかった。
「あれ、何だったんだろう?ディライドに聞けばいいか…」
そんな独り言は、どこかの誰かと踊りながら流れた。
「こんな最悪な夜会、私、聞いてないですわ。クリネット王国は、ウランダル王国の王女である私に対して、失礼な態度すぎます!私は、アンドル王子の婚約者に決まったから、急遽クリネット王国の学校で交流を持とうと、寄り添ってあげたのですわよ。それなのに、婚約者を放置して…最低ですわ!」
マユリカ王女が大きな声をあげた。
またか!
すぐに駆け寄り、
「何度も言いましたが、この夜会は、婚約者を見つけるための会。決定しているなら開催しません。ウランダル王国の招待状は、送りましたが、マユリカ王女様を婚約者としてお招きしますとは、書いていないはずです。どうかもう一度確認の程、よろしくお願いします」
と言えば、マユリカ王女は、顔を真っ赤にして、
「失礼しますわ!」
と怒って会場を出て行った。
あの王女は、招待状も見ていないらしい。
あれ、私の直筆なんだが…
サイファに書かせれば良かった…
そんな地獄のような夜会は、疲労困憊で終えた。
「まだ続くのか」
後ろに控えている近衞騎士長に耳打ちをする。
伯爵家の令嬢と挨拶を交わし、次は公爵家、侯爵家、私との年齢の差異が少ない令嬢とのことだったはずなのに、下は、三歳の幼女、上は、母と同じ年齢のご婦人まで…どうして招待状が届いているのか?
これは、文官を取調べる案件だ。
自分の娘を売り込みたいのはわかるが、これは非常識だろう。
欲深さを押し付けられているとしか、感じないよ。
こちらから招待して申し訳ないけどな…
執務が終わり、途中入場した国王と王妃でさえ引き攣った笑顔になっている。
伯爵家のみなさんは、高位貴族の数合わせという意識があってか、実に自己紹介のみ、もしくは、領地の特産品の売り込みの交渉話もあったが、効率よく進んだ。
非常に助かった。
…公爵家、侯爵家の者達は、未来の王妃を諦めていない分、みんなギラギラして、とうとうサイファの父、宰相が会話切り上げ、私から対象者を剥がすという荒い行動をしている。
こんな状況に好意を持つ相手が現れるわけがない…
時間通りなら、もう他国の王族だって、扉前にいるだろう。
「失礼します、殿下。グレゴリーから伝言です」
横から新しい近衞騎士が耳打ちをしてきた。
瞬時に後ろを向き口元を隠す
「何だ、問題か?」
「はい、ウランダルのマユリカ王女が控え室から消えた、捜索中とのことです」
「わかった」
前を向き、いつもと変わらない顔で応対する。香水の匂いがきつい…
「アンドル王子様、私、ファンド侯爵家の娘、マリアーノ・ファンドです。本日はよろしくお願いします」
「よくお越し下さいました…」
また面倒なことをしてくれたな。あの部屋には侍女の配置を多くして、グレゴリーまでつけたのに…
「はい、本日アンドル王子様に会えるのを非常に楽しみにしておりました」
控え室は、バルコニーがあったな。あちらの階段から外に出たのか。ドレスアップしているにも関わらず、外の階段に行くなんて…
「ありがとうございます」
「もしよろしければ、この後、ダンスを一曲お相手して頂きたいのですが、本日のためにずっと練習をしてきました…ダンスは自信があるのです。アンドル王子様には、どうしてもご覧頂き、共にダンスを楽しみたいのです」
我儘な王女だとは聞いていたが、待機もできないとはな。ディライドも話を聞き出すのに、手間がかかる割に何の情報もないと言っていたし、一番は…
「大変光栄なお誘いですが、今、この場でお約束は出来ないのです。申し訳ございません、しかし後ほどみんなで話をする機会を設けますから、またその時、お話をさせて下さい」
宰相が横から出て来た。任せよう。
「えっ、…はい。私、学校でいつもアンドル王子様にご挨拶」
「申し訳ございません、ファンド侯爵令嬢、お父上もあちらの方々とご挨拶があるようで、移動のほどお願いします」
一番は、ウランダル王国で何を聞かされたか、私の婚約者は自分だと疑っていないこと。自分の国が、他国を戦争するぞと脅しているのが、マユリカ王女はわかって発言しているのか?
「…はい」
…
あ、今の令嬢と何を話していた?匂いのキツさで思考も外していた。
「失礼、殿下。グレゴリーより、発見、扉前に連れて行くと」
騎士が耳打ちした。
…
あぁ、職業王子、面倒くさい!
今すぐ、夜会を抜けだして、荷馬車に乗り込みどこか遠くに行きたい。
何で予定外や手間をかけさせられるのか!準備とは一体何だったのか!
結局、私自身の計画が甘いから駄目なのだ。
…誰かのせいにしたら、楽になる。楽になりたいから、他者を悪く言う。
あぁ、全員揃って臭い!キツイ!
メイクが盛り過ぎて誰だかわからない!
胸を強調するな!
あぁ言いたいことが溜まる。
最低なのは、私だ。ホストのくせに…
招待客の悪口、面倒だぐらい言わせて欲しいと思ってしまう。
グッと溜息を飲み込んだ。
…
「マリングレー王国、ティア王女殿下」
やっとと言うべきか、王族の招待客の入場だ。
夜会前日、各王女とは、挨拶済みだ。この挨拶時間は短いだろう。
「アンドル様、学校でも人気者だそうですね。招待された御令嬢達が、自慢気に言ってましたよ。ふふ、今日は頑張って下さいませ」
「ありがとうございます、ティア王女」
…次は、この問題王女だ。
「あら~、お疲れですの、アンドル様。だから昨日申し上げましたでしょう。夜会前に、婚約者発表なさるべきだと。この私、ウランダル王国の王女マユリカがお相手なら、誰も文句を言いませんよ。それにすでに決まっているのに、婚約者を見つける為の夜会なんて言ってしまったら、今みたいなギラギラの目付きした勘違い令嬢が出てしまうでしょう?とても不親切だと思いますわ。それに時間の・無・駄」
よくこんな話を大きな声で出来るものだ。どんな高飛車王女だ…
あぁ、誰でも相手は一緒、国益優先…
国民のために…国を守るために
なんて
馬鹿なことを考えたんだ数週間前の自分。ありえない。
こいつは、ありえない。
職業、王子でもありえない。
無理、妃、要らない!
チラッと国王を見た。
王妃共々おでこに手を置き、頭を振っている。
現実を見たか!
これが王妃?速攻でクーデターだよ。イズリー家が中心となってやるね、絶対に。
再び二人に向けて頷く。
「何をおっしゃっているかわかりませんが、昨日も申しました通り、この夜会の趣旨は変わりません。時間もありますので、失礼します」
ハアー、面倒くさい。
言われた通り挨拶をして、ファーストダンスは、マユリカ王女と踊る。
一曲踊り、次にティア王女、と他国から招いた招待客と次々踊る。
マユリカ王女が、こちらを睨んでいるが、気にしない。
あぁ、ティア王女の言う通りだな、この王女を婚約者に決めたら、きっと学校内で、誰かと話した姿を見かけただけで、何かしそうだ。
ダイアナ嬢はサイファが近くにいるから、私の後をついてくるし、虐めらしい言動はするな…
普通に考えてあり得る未来だ。
何も考えたくない、現実逃避だったのだろうか、ふと、
『あれ、何でミランダ嬢、水色の髪色を茶色に染めていたのだろう?』
そんな随分と時間が経過したあと、思い出した。今頃と言われそうだ。いや、誰に?おや?
会場をぐるりと見渡して、ミランダ嬢は多分いなかった。
「あれ、何だったんだろう?ディライドに聞けばいいか…」
そんな独り言は、どこかの誰かと踊りながら流れた。
「こんな最悪な夜会、私、聞いてないですわ。クリネット王国は、ウランダル王国の王女である私に対して、失礼な態度すぎます!私は、アンドル王子の婚約者に決まったから、急遽クリネット王国の学校で交流を持とうと、寄り添ってあげたのですわよ。それなのに、婚約者を放置して…最低ですわ!」
マユリカ王女が大きな声をあげた。
またか!
すぐに駆け寄り、
「何度も言いましたが、この夜会は、婚約者を見つけるための会。決定しているなら開催しません。ウランダル王国の招待状は、送りましたが、マユリカ王女様を婚約者としてお招きしますとは、書いていないはずです。どうかもう一度確認の程、よろしくお願いします」
と言えば、マユリカ王女は、顔を真っ赤にして、
「失礼しますわ!」
と怒って会場を出て行った。
あの王女は、招待状も見ていないらしい。
あれ、私の直筆なんだが…
サイファに書かせれば良かった…
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