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24 イズリー領の祭り 其の2
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イズリー領 祭りの日~お昼前、後
そう、あんなにに念押しされたのに、しっかり人の波に流されてしまったミランダです。
迷子です。
一人になってしまった。
そして私は、お金がない。
屋台の並びにいるというのに。
非常についてない。
「怒るわね、ラナ。でもみんなでぎゅうぎゅう押すから仕方ないじゃない。私は悪くないわ、一応真っ直ぐラナを見ていたし、でもほんの一瞬だったのよ、ラナを見なかったのは!」
一人言い訳をする。周りに通行人はいるが、みんな私の事を無視である。
「お姉さん、どうしたの?空なんて見上げて」
と私に話かけたのは、ブカブカのクリケットを被った子供。
おっ!?
「えーと、恥ずかしい話をするのだけど、ここがどこかわからないの。サタンクロス商店に行きたいのだけど、場所が分からず、空を見ながら考えていたの」
「良い考えは浮かんだ?」
「そうね、まだかしら」
「なら案内してあげようか」
と嬉しそうに話す子供。道案内をしてくれるなんて!
やったわ!独り言を言って良かった…?
ラナの危機管理と言う声が聞こえた気がした。
近くを通る人達は、私を無視しているのに、話しかけてくれたのは親切心?
子供を信用していいのだろうか?
流石に人攫いは、この子には出来ないと思うけど、大人の元に連れて行かれるかもしれない。
また同じ過ちをしたら?
…
先生が言っていた子供と侮るなかれ。身体の大きさであって、考える力もある喜怒哀楽を感じる心もある…時には残虐なことさえ仕出かす…
「疑っている?分厚い眼鏡をしているけど、綺麗な服を着ている人は。金持ちだから、汚い子供に案内されるのは嫌かな?」
あれ!?
いや、眼鏡は関係ないよね。綺麗な服…金という視点で私を見ていないかしら?
ジッと見てくる。私を見張るように、張り詰めてくる、何か。
これって以前の誘拐事件の時に、ダイアナさんから感じた決められた答えを待たれている圧みたいなもの…
やっぱり何か怪しい…どうしましょうか、困ったわ。
こういう時は、一旦話を変えましょう!
「お腹空いたね~、ここは美味しい匂いの宝庫だわ。この場所にいても解決出来なさそうだから、あなたに、案内を頼もうかな~。私、今お金持ってないから御礼は、サタンクロス商店に到着してからでいい?」
「いいよ~」
空気が緩んだ。
「でも、『今』お腹空いちゃった。お金持ってないかな?もしくは屋台の人達に知り合いとかいない?知り合いなら、後払いなんて出来ないかな~」
「は!?ここにいる人なんて知らないよ、金もねぇよ」
あらら、随分と口調が乱れたな。ここにいる人知らないの?イズリー領の人間じゃないってこと?
…
サタンクロス商店に道案内って出来るのかしら?
…
フッと頭に浮かぶのは、悪の組織と戦う冒険者の少年の話…
何となく似ている描写があったのよ。
…ワクワクしてきたわ。
この子の後ろに悪い組織がいて、この子は、使い走りの役割の可能性も有りじゃないかしら!!
新たな冒険譚、いえ、危険の香りがします!?
「いいじゃない、やっぱり食べたい!そうだ、私良いことを思いついたわ。サタンクロス商店のツケで食べればいいのよ~。後で丁稚に払わせれば全て解決だわ。並びましょう~」
「お姉さん、眼鏡して頭良さそうなのに、お祭りの常識も知らないのかよ。屋台にツケなんて効かないよ。金の保証があるなら、先に商店に行ってお金をもらった方が安心だよ、絶対に!」
必死だね、服を掴まれた。それを気付かないふりをしながら、とぼける。
「そう?でも一応ツケが効くか聞いてみるわ。だってお腹ぺこぺこなんだもの、さぁ行きましょう。一人より二人の方が、常識外れなことをしても、心強いわ」
と子供を引っ張って屋台に行く。どの店も盛況で、特にソーセージの屋台の長い行列を見てから並び始めた。
漁港の領だから、肉の屋台が祭りでは人気なのかしら?
そんなどうでもいいことを考えた。お金もないのに並ぶ事に子供は、ギャンギャン怒る。早く商店に行こう、案内するを繰り返している。
そんな子供を察してか、あまり関わりたくない男達が寄ってきた。
「なぁ、お嬢さん、子供が怒っているじゃないか、呑気に列なんて並んでないで、少しはその子の話を聞いてあげたらどうだ」
「ここだとみんなの邪魔になる」
突然現れて、子供の味方をしだした男達。しかし、一人が周りをキョロキョロして、何かを警戒しているみたい。
イズリー領民じゃなさそうね。誰も彼らに話しかけてこないし…子供を利用した悪い手口なら余計に成敗しなきゃ、治安維持は大事ね。
私だって、イズリーの人間だもの!
無理矢理でも、私を違う場所に連れて行こうと、優しく言ったり叱ったり声をかけてきた。
さぁ、みなさん、怪しい人達がここにいますよ!
私の思惑通りの展開にはなった…が、
周りの人達から、私達を避けるような目をされた。迷惑そうな視線…
あれ?みんなでこういう人達を捕まえる展開ではないの?
私の読んだ物語では、フライパン片手にとか町の住人が取り囲んで悪い組織をコテンパンにやっつける…はず
あれ、どうしようか…
「お嬢さん、他の人の迷惑になるから、まず、列を抜けて話し合いをあちらでしよう」
と細い路地裏を指された。
この展開は、違う。
私の考えていた捕物話とは、違う!
またイズリー家みんなに叱られるパターンじゃない!?
私の手首を掴まれた。
「駄目、駄目です。これは絶対に駄目な話です」
「意味がわからない、お嬢さんだな。頭イカれてるのか?」
「そう!私はお腹が空いているのです。知らないあなた達には付いて行けません。まずは、腹ごしらえを!
こちらの店は、ツケは可能でしょうか!!
私、今、見知らぬ方々にあっちに連れて行かれてしまいますのーーーまずは、腹ごしらえをーーー」
と今の状況を屋台主に向かって私の出来る限りの大きな声で呼びかけた。
恥を捨て、食べたいをアピールした。
「何だって!?お嬢さん、その子供と知り合いじゃなかったのか」
「うるさく騒いでいると思ったら、絡まれていただけか、危ない連中だな」
「怪しい奴らだ!」
ええ、どうしたの、急に列に並んでいた人や屋台から店主も出てきて…取り囲み始められた子供を含めた三人組。
今のどの言葉が他の人に刺さったの?
粘ったかいがあったのか、循環中の衛兵が現れて、
「どうした、何事だ!」
三人は逃げた…もう完全に悪い人だった。
私は学んだのだよ、子供よ。
誘拐事件経験済みの私を甘く見るなよ。
逃げだそうとしても、その場にいた人達に捕まえてもらい、子供に関しては、私がガッチリ両腕を押さえた。蹴りを一発、足に受けたけども。
名誉の負傷です。
今、みんなが拍手している。お互いに健闘を讃えあっている状況でしょうか?
賞賛の声も聞こえる。
そう、この展開が欲しかった、途中、危なかったけど、これぞ、正義の捕物話!
大満足です!!フフッ
今回の教訓は、まず、大きな声で正直に現在の状況を報告することが大事だったのね。
勉強になります。
「お嬢様ーーー!」
ラナだ。そしてサタンクロスの店員さんまで、忙しいのに私の捜索に手を貸してくれたのね。慌てているし、心配してくれたのね
申し訳ないわ、ね、それに、感謝もしているわ。
…私途中からワクワクしちゃって、捕物を体験出来るなんて思ってしまった。
この捕物の盛り上がり…
ラナが周りの様子を見ているわ。怒りが顔に出始めた。
わかっているわ。また勝手な事を起こしたもの…
今は痛いなんて言わない。
お風呂でラナに気づかれるまで…
お義兄様に差し出され、もうそれは良い笑顔で私に叱られろと念を送るだろう。
受け入れます。
やっぱり目を離した私が、悪いのですから。
そう、あんなにに念押しされたのに、しっかり人の波に流されてしまったミランダです。
迷子です。
一人になってしまった。
そして私は、お金がない。
屋台の並びにいるというのに。
非常についてない。
「怒るわね、ラナ。でもみんなでぎゅうぎゅう押すから仕方ないじゃない。私は悪くないわ、一応真っ直ぐラナを見ていたし、でもほんの一瞬だったのよ、ラナを見なかったのは!」
一人言い訳をする。周りに通行人はいるが、みんな私の事を無視である。
「お姉さん、どうしたの?空なんて見上げて」
と私に話かけたのは、ブカブカのクリケットを被った子供。
おっ!?
「えーと、恥ずかしい話をするのだけど、ここがどこかわからないの。サタンクロス商店に行きたいのだけど、場所が分からず、空を見ながら考えていたの」
「良い考えは浮かんだ?」
「そうね、まだかしら」
「なら案内してあげようか」
と嬉しそうに話す子供。道案内をしてくれるなんて!
やったわ!独り言を言って良かった…?
ラナの危機管理と言う声が聞こえた気がした。
近くを通る人達は、私を無視しているのに、話しかけてくれたのは親切心?
子供を信用していいのだろうか?
流石に人攫いは、この子には出来ないと思うけど、大人の元に連れて行かれるかもしれない。
また同じ過ちをしたら?
…
先生が言っていた子供と侮るなかれ。身体の大きさであって、考える力もある喜怒哀楽を感じる心もある…時には残虐なことさえ仕出かす…
「疑っている?分厚い眼鏡をしているけど、綺麗な服を着ている人は。金持ちだから、汚い子供に案内されるのは嫌かな?」
あれ!?
いや、眼鏡は関係ないよね。綺麗な服…金という視点で私を見ていないかしら?
ジッと見てくる。私を見張るように、張り詰めてくる、何か。
これって以前の誘拐事件の時に、ダイアナさんから感じた決められた答えを待たれている圧みたいなもの…
やっぱり何か怪しい…どうしましょうか、困ったわ。
こういう時は、一旦話を変えましょう!
「お腹空いたね~、ここは美味しい匂いの宝庫だわ。この場所にいても解決出来なさそうだから、あなたに、案内を頼もうかな~。私、今お金持ってないから御礼は、サタンクロス商店に到着してからでいい?」
「いいよ~」
空気が緩んだ。
「でも、『今』お腹空いちゃった。お金持ってないかな?もしくは屋台の人達に知り合いとかいない?知り合いなら、後払いなんて出来ないかな~」
「は!?ここにいる人なんて知らないよ、金もねぇよ」
あらら、随分と口調が乱れたな。ここにいる人知らないの?イズリー領の人間じゃないってこと?
…
サタンクロス商店に道案内って出来るのかしら?
…
フッと頭に浮かぶのは、悪の組織と戦う冒険者の少年の話…
何となく似ている描写があったのよ。
…ワクワクしてきたわ。
この子の後ろに悪い組織がいて、この子は、使い走りの役割の可能性も有りじゃないかしら!!
新たな冒険譚、いえ、危険の香りがします!?
「いいじゃない、やっぱり食べたい!そうだ、私良いことを思いついたわ。サタンクロス商店のツケで食べればいいのよ~。後で丁稚に払わせれば全て解決だわ。並びましょう~」
「お姉さん、眼鏡して頭良さそうなのに、お祭りの常識も知らないのかよ。屋台にツケなんて効かないよ。金の保証があるなら、先に商店に行ってお金をもらった方が安心だよ、絶対に!」
必死だね、服を掴まれた。それを気付かないふりをしながら、とぼける。
「そう?でも一応ツケが効くか聞いてみるわ。だってお腹ぺこぺこなんだもの、さぁ行きましょう。一人より二人の方が、常識外れなことをしても、心強いわ」
と子供を引っ張って屋台に行く。どの店も盛況で、特にソーセージの屋台の長い行列を見てから並び始めた。
漁港の領だから、肉の屋台が祭りでは人気なのかしら?
そんなどうでもいいことを考えた。お金もないのに並ぶ事に子供は、ギャンギャン怒る。早く商店に行こう、案内するを繰り返している。
そんな子供を察してか、あまり関わりたくない男達が寄ってきた。
「なぁ、お嬢さん、子供が怒っているじゃないか、呑気に列なんて並んでないで、少しはその子の話を聞いてあげたらどうだ」
「ここだとみんなの邪魔になる」
突然現れて、子供の味方をしだした男達。しかし、一人が周りをキョロキョロして、何かを警戒しているみたい。
イズリー領民じゃなさそうね。誰も彼らに話しかけてこないし…子供を利用した悪い手口なら余計に成敗しなきゃ、治安維持は大事ね。
私だって、イズリーの人間だもの!
無理矢理でも、私を違う場所に連れて行こうと、優しく言ったり叱ったり声をかけてきた。
さぁ、みなさん、怪しい人達がここにいますよ!
私の思惑通りの展開にはなった…が、
周りの人達から、私達を避けるような目をされた。迷惑そうな視線…
あれ?みんなでこういう人達を捕まえる展開ではないの?
私の読んだ物語では、フライパン片手にとか町の住人が取り囲んで悪い組織をコテンパンにやっつける…はず
あれ、どうしようか…
「お嬢さん、他の人の迷惑になるから、まず、列を抜けて話し合いをあちらでしよう」
と細い路地裏を指された。
この展開は、違う。
私の考えていた捕物話とは、違う!
またイズリー家みんなに叱られるパターンじゃない!?
私の手首を掴まれた。
「駄目、駄目です。これは絶対に駄目な話です」
「意味がわからない、お嬢さんだな。頭イカれてるのか?」
「そう!私はお腹が空いているのです。知らないあなた達には付いて行けません。まずは、腹ごしらえを!
こちらの店は、ツケは可能でしょうか!!
私、今、見知らぬ方々にあっちに連れて行かれてしまいますのーーーまずは、腹ごしらえをーーー」
と今の状況を屋台主に向かって私の出来る限りの大きな声で呼びかけた。
恥を捨て、食べたいをアピールした。
「何だって!?お嬢さん、その子供と知り合いじゃなかったのか」
「うるさく騒いでいると思ったら、絡まれていただけか、危ない連中だな」
「怪しい奴らだ!」
ええ、どうしたの、急に列に並んでいた人や屋台から店主も出てきて…取り囲み始められた子供を含めた三人組。
今のどの言葉が他の人に刺さったの?
粘ったかいがあったのか、循環中の衛兵が現れて、
「どうした、何事だ!」
三人は逃げた…もう完全に悪い人だった。
私は学んだのだよ、子供よ。
誘拐事件経験済みの私を甘く見るなよ。
逃げだそうとしても、その場にいた人達に捕まえてもらい、子供に関しては、私がガッチリ両腕を押さえた。蹴りを一発、足に受けたけども。
名誉の負傷です。
今、みんなが拍手している。お互いに健闘を讃えあっている状況でしょうか?
賞賛の声も聞こえる。
そう、この展開が欲しかった、途中、危なかったけど、これぞ、正義の捕物話!
大満足です!!フフッ
今回の教訓は、まず、大きな声で正直に現在の状況を報告することが大事だったのね。
勉強になります。
「お嬢様ーーー!」
ラナだ。そしてサタンクロスの店員さんまで、忙しいのに私の捜索に手を貸してくれたのね。慌てているし、心配してくれたのね
申し訳ないわ、ね、それに、感謝もしているわ。
…私途中からワクワクしちゃって、捕物を体験出来るなんて思ってしまった。
この捕物の盛り上がり…
ラナが周りの様子を見ているわ。怒りが顔に出始めた。
わかっているわ。また勝手な事を起こしたもの…
今は痛いなんて言わない。
お風呂でラナに気づかれるまで…
お義兄様に差し出され、もうそれは良い笑顔で私に叱られろと念を送るだろう。
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やっぱり目を離した私が、悪いのですから。
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