39 / 42
第十章
3.恩赦
しおりを挟む
「な、何を仰っているのかわかりませんわ! 私は、道もわからず困っているところをパトリエール子爵に助けていただいただけで……」
「パトリエール子爵。真実を話す気があるなら、貴殿の身の上は保証してやろう」
「は……はい……申し訳ありません! すべてお話します。あの、ですが、ここではどうかご容赦ください――どうか……」
床に額を擦りつけて子爵は詫び続けた。残念ながらそれだけで後ろめたい事情があることは明白で、場内の人々はその滑稽な様子に苦笑いを禁じえなかった。
「ふん。まったく面倒なものを持ちこんでくれた」
フェザンは侮蔑を含んだ鋭利な眼差しで子爵を見下ろす。
「わ、私はサリアン王家の――」
思い通りに事が進まないことに、デルフィーヌの顔に焦りの色が浮かんだ。
「いい加減にしてください。あなたは私の姉の名を騙っただけでなく、パトリエール子爵の好意も無下にするつもりなのですか?」
「な、何を言いだすのよ、アルエット。頭おかしくなった?」
デルフィーヌは頬を引きつらせた。
「見た目は姉にそっくりですが、あなたはお姉さまではありません。私にはもう両親も姉弟もいないのです。私の家族はここにいるフェザン、それにディエルシカ王家の皆様だけです!」
アルエットがきっぱりと言い切る様子に、ナルヴィクの近くにいたミレイユは兄と顔を見合わせ、「あんな嫌がらせしたのに家族って言った……」と戸惑い気味に頬を染める。
「全然気にしていないみたいだな」
ナルヴィクが口端を上げると、ミレイユは肩を落として頷いた。
「どうして……? お人形みたいにニコニコしているだけの人だと思ったのに」
何やら言い合っているアルエットの姉だかなんだか知らないが、不愉快極まりなく、一言文句を言ってやろうかと思ったのに、なぜかそこに口を挟めない。アルエットの放つ毅然とした空気に気圧されてしまうのだ。
「戦争で身内を亡くして困っているのなら、せめてエグマリンに帰してさしあげますから、みんなを困らせるのはおやめになって」
アルエットは両手を胸の前で祈るように組み合わせ、天使のような微笑を浮かべた。
今や天涯孤独となったのはデルフィーヌの方だった。
「ベミナー修道院などいかがでしょう?」
アルエットの口から紡がれたその名を耳にした途端、デルフィーヌの目が見開かれた。
「ベミナー……ですって?」
「ご存知ですか? 厳重な鉄柵に囲まれているので不審者の侵入も心配ないそうです。生を全うするまで面倒を見てくださるとか」
それは逆に言えば、一生そこから出られないことを意味する。
「い、いや……」
デルフィーヌは呆然とした表情でゆるゆると首を横に振った。
「昔、お姉さまから教えていただいたのです。どこにも行く所がないならそこへ行くといいって。清貧を美とし、厳しい戒律の下で奉仕活動に励めば心も洗われるのだとか」
つらい現実から逃げられるなら、そこへ行くのも選択肢の一つだと思った時期もあった。だがアルエットは、侍女が扉の向こうで事実を話しているのを聞いてしまったのだ。
ベミナー修道院は厳格な場所で、罪を犯した貴族の娘などを隠したい貴族の親が放り込む人生の終着点のような場所だと。高い鉄柵で覆われ、逃げ出すことはできず、何日も食事を抜いたり、真冬に夜通し祈りを捧げ続けたり、そんな生活に耐え切れず精神を病む者も後を絶たないそうだ。
「冗談はやめなさい、アルエット……」
デルフィーヌが青ざめる。
「せっかく助かった命ですから、エグマリンの国民には一日でも長く生きていてほしいのです」
「ねえ。あなた、本当にアルエットなの……?」
愕然とした様子で恐怖の色を双眸に滲ませ、デルフィーヌは声を震わせた。
「あんなところへ行くくらいなら一思いに処刑された方が――」
「この女を連れていけ。アンディオ公には荷物になるだろうが、エグマリンへの送還の協力を要請する」
壇上からフェザンが声をかけると、大広間にいたアンディオ公爵が叩頭した。
「姪の慈悲深い願いを尊重いたします。責任をもってベミナー修道院へお送りいたしましょう」
「やめて、離して! 私はエグマリンの太陽なの、王女なの! 誰か……助けなさいよぉっ! 私の命令を聞きなさい……!」
衛兵に拘束され、引きずられていくデルフィーヌは髪を振り乱し、大広間を出るまでずっと叫び続けていた。
狂ったように喚き散らす姿に、その場を静観していた貴族たちは失笑したり、見るに堪えないと扇子で顔を覆ったり、さまざまな反応を見せていた。だが同情する者はただ一人としていなかった。
「パトリエール子爵。事が片付くまで貴殿の身柄はこちらで預からせてもらう」
フェザンはレオニートに目配せし、子爵を連行するよう指示する。パトリエール子爵は青い顔で項垂れ、抵抗することなくその場から連れていかれた。
「皆の者、どうやら品性に欠ける人間が混じっていたようだ」
しんと静まり返ったところに、フェザンの律するような声が響く。
「本来であれば不敬罪で処するところだが、今宵の祝宴に免じて恩赦の対象とする」
その発言に場内はどよめいた。
「……だが、世の中には死よりもつらい道もある、かもしれないな」
白い悪魔のごとき心の臓まで凍てつくような声色は、静かながらも人々の身を震え上がらせた。
恩赦と言いつつ、死よりも恐ろしい目に遭わせると暗に匂わせたのだから当然だ。
「つまらないことで時間を取らせた。演奏を再開してくれ」
皇太子の一声で、再び王宮楽士たちが楽器を手に取り、さきほどの続きを奏で始める。
「結婚式は春に執り行う予定ですの。皆様、ぜひ若い二人の人生の門出を祝いにまたいらして」
朗らかなニコールの呼びかけを受けて、演奏が始まっても立ち尽くす貴族たちの中に動きが生まれた。
ニコールがギヨームと共に踊り出すと、再び大広間には色とりどりの花が開いた。
「怒らせてはいけないタイプだったのね、アルエットお義姉さま……。あの冷静さはフェザンお兄さまに引けを取らないわ」
「本人に怒っている自覚がなさそうなところがまた恐ろしい。これでわかっただろう? もう余計なことはするなよ」
「絶対しないわ。ある意味、最恐の二人の誕生よ」
ミレイユとナルヴィクは壇上の二人を見上げ、決して逆らわないことを密かに誓った。
「アルエット」
ぼうっとしていたアルエットは名前を呼ばれ、ずっとフェザンの上着の袖をずっと摘まんだままだったことに気づいた。
「フェザン。私……」
本当はこわくて仕方なかった。でも愛する人は傷つけさせない。どんな恐ろしいものにも手を触れさせない。そう思ったら無我夢中だった。
「ずっと、そばにいたいから」
澄んだ翡翠色の瞳が潤んで、後は声にならなかった。
「やはり俺の妃はアルエット以外に考えられない。絶対に手放すものか」
フェザンの腕に強く抱きしめられ、その尊い温もりに心の奥から幸せが溢れてくる。
彼にふさわしいかどうかではない、彼のことをどれだけ愛しているか、それだけだ。
「もう一度、踊れるか?」
「ええ。大丈夫」
大広間に降りたアルエットは、再びフェザンと音楽に合わせてステップを踏んだ。彼女の滑らかな動きに合わせて、ドレスに縫いつけられた宝石がシャンデリアの明かりを弾き、まるで希望を叶える流星のようにきらめいていた。
人々は二人の幸せに満ちた笑顔に、これからもクライノート帝国が安定した未来を築いていけることを確信したのだった。
「パトリエール子爵。真実を話す気があるなら、貴殿の身の上は保証してやろう」
「は……はい……申し訳ありません! すべてお話します。あの、ですが、ここではどうかご容赦ください――どうか……」
床に額を擦りつけて子爵は詫び続けた。残念ながらそれだけで後ろめたい事情があることは明白で、場内の人々はその滑稽な様子に苦笑いを禁じえなかった。
「ふん。まったく面倒なものを持ちこんでくれた」
フェザンは侮蔑を含んだ鋭利な眼差しで子爵を見下ろす。
「わ、私はサリアン王家の――」
思い通りに事が進まないことに、デルフィーヌの顔に焦りの色が浮かんだ。
「いい加減にしてください。あなたは私の姉の名を騙っただけでなく、パトリエール子爵の好意も無下にするつもりなのですか?」
「な、何を言いだすのよ、アルエット。頭おかしくなった?」
デルフィーヌは頬を引きつらせた。
「見た目は姉にそっくりですが、あなたはお姉さまではありません。私にはもう両親も姉弟もいないのです。私の家族はここにいるフェザン、それにディエルシカ王家の皆様だけです!」
アルエットがきっぱりと言い切る様子に、ナルヴィクの近くにいたミレイユは兄と顔を見合わせ、「あんな嫌がらせしたのに家族って言った……」と戸惑い気味に頬を染める。
「全然気にしていないみたいだな」
ナルヴィクが口端を上げると、ミレイユは肩を落として頷いた。
「どうして……? お人形みたいにニコニコしているだけの人だと思ったのに」
何やら言い合っているアルエットの姉だかなんだか知らないが、不愉快極まりなく、一言文句を言ってやろうかと思ったのに、なぜかそこに口を挟めない。アルエットの放つ毅然とした空気に気圧されてしまうのだ。
「戦争で身内を亡くして困っているのなら、せめてエグマリンに帰してさしあげますから、みんなを困らせるのはおやめになって」
アルエットは両手を胸の前で祈るように組み合わせ、天使のような微笑を浮かべた。
今や天涯孤独となったのはデルフィーヌの方だった。
「ベミナー修道院などいかがでしょう?」
アルエットの口から紡がれたその名を耳にした途端、デルフィーヌの目が見開かれた。
「ベミナー……ですって?」
「ご存知ですか? 厳重な鉄柵に囲まれているので不審者の侵入も心配ないそうです。生を全うするまで面倒を見てくださるとか」
それは逆に言えば、一生そこから出られないことを意味する。
「い、いや……」
デルフィーヌは呆然とした表情でゆるゆると首を横に振った。
「昔、お姉さまから教えていただいたのです。どこにも行く所がないならそこへ行くといいって。清貧を美とし、厳しい戒律の下で奉仕活動に励めば心も洗われるのだとか」
つらい現実から逃げられるなら、そこへ行くのも選択肢の一つだと思った時期もあった。だがアルエットは、侍女が扉の向こうで事実を話しているのを聞いてしまったのだ。
ベミナー修道院は厳格な場所で、罪を犯した貴族の娘などを隠したい貴族の親が放り込む人生の終着点のような場所だと。高い鉄柵で覆われ、逃げ出すことはできず、何日も食事を抜いたり、真冬に夜通し祈りを捧げ続けたり、そんな生活に耐え切れず精神を病む者も後を絶たないそうだ。
「冗談はやめなさい、アルエット……」
デルフィーヌが青ざめる。
「せっかく助かった命ですから、エグマリンの国民には一日でも長く生きていてほしいのです」
「ねえ。あなた、本当にアルエットなの……?」
愕然とした様子で恐怖の色を双眸に滲ませ、デルフィーヌは声を震わせた。
「あんなところへ行くくらいなら一思いに処刑された方が――」
「この女を連れていけ。アンディオ公には荷物になるだろうが、エグマリンへの送還の協力を要請する」
壇上からフェザンが声をかけると、大広間にいたアンディオ公爵が叩頭した。
「姪の慈悲深い願いを尊重いたします。責任をもってベミナー修道院へお送りいたしましょう」
「やめて、離して! 私はエグマリンの太陽なの、王女なの! 誰か……助けなさいよぉっ! 私の命令を聞きなさい……!」
衛兵に拘束され、引きずられていくデルフィーヌは髪を振り乱し、大広間を出るまでずっと叫び続けていた。
狂ったように喚き散らす姿に、その場を静観していた貴族たちは失笑したり、見るに堪えないと扇子で顔を覆ったり、さまざまな反応を見せていた。だが同情する者はただ一人としていなかった。
「パトリエール子爵。事が片付くまで貴殿の身柄はこちらで預からせてもらう」
フェザンはレオニートに目配せし、子爵を連行するよう指示する。パトリエール子爵は青い顔で項垂れ、抵抗することなくその場から連れていかれた。
「皆の者、どうやら品性に欠ける人間が混じっていたようだ」
しんと静まり返ったところに、フェザンの律するような声が響く。
「本来であれば不敬罪で処するところだが、今宵の祝宴に免じて恩赦の対象とする」
その発言に場内はどよめいた。
「……だが、世の中には死よりもつらい道もある、かもしれないな」
白い悪魔のごとき心の臓まで凍てつくような声色は、静かながらも人々の身を震え上がらせた。
恩赦と言いつつ、死よりも恐ろしい目に遭わせると暗に匂わせたのだから当然だ。
「つまらないことで時間を取らせた。演奏を再開してくれ」
皇太子の一声で、再び王宮楽士たちが楽器を手に取り、さきほどの続きを奏で始める。
「結婚式は春に執り行う予定ですの。皆様、ぜひ若い二人の人生の門出を祝いにまたいらして」
朗らかなニコールの呼びかけを受けて、演奏が始まっても立ち尽くす貴族たちの中に動きが生まれた。
ニコールがギヨームと共に踊り出すと、再び大広間には色とりどりの花が開いた。
「怒らせてはいけないタイプだったのね、アルエットお義姉さま……。あの冷静さはフェザンお兄さまに引けを取らないわ」
「本人に怒っている自覚がなさそうなところがまた恐ろしい。これでわかっただろう? もう余計なことはするなよ」
「絶対しないわ。ある意味、最恐の二人の誕生よ」
ミレイユとナルヴィクは壇上の二人を見上げ、決して逆らわないことを密かに誓った。
「アルエット」
ぼうっとしていたアルエットは名前を呼ばれ、ずっとフェザンの上着の袖をずっと摘まんだままだったことに気づいた。
「フェザン。私……」
本当はこわくて仕方なかった。でも愛する人は傷つけさせない。どんな恐ろしいものにも手を触れさせない。そう思ったら無我夢中だった。
「ずっと、そばにいたいから」
澄んだ翡翠色の瞳が潤んで、後は声にならなかった。
「やはり俺の妃はアルエット以外に考えられない。絶対に手放すものか」
フェザンの腕に強く抱きしめられ、その尊い温もりに心の奥から幸せが溢れてくる。
彼にふさわしいかどうかではない、彼のことをどれだけ愛しているか、それだけだ。
「もう一度、踊れるか?」
「ええ。大丈夫」
大広間に降りたアルエットは、再びフェザンと音楽に合わせてステップを踏んだ。彼女の滑らかな動きに合わせて、ドレスに縫いつけられた宝石がシャンデリアの明かりを弾き、まるで希望を叶える流星のようにきらめいていた。
人々は二人の幸せに満ちた笑顔に、これからもクライノート帝国が安定した未来を築いていけることを確信したのだった。
1
お気に入りに追加
473
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。

麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる