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38話 ★
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『ここでは私の言葉は絶対です』
そうルールが設けられた地下室は、一見地上部の部屋と変わらないヨーロッパ風の家具がそろっていた。
天蓋付きのキングサイズの大きなベッド。毛足の長い絨毯。
ベルベット生地のソファに、猫脚のテーブルやチェスト。
家具は少なめだがどれも高級なものばかり。
そんな品のある空間にもかかわらず、壁は打ちっぱなしのコンクリートそのままだ。
高価そうなカーテンがあるのにその向こうに窓はなく、無機質なコンクリートがここが地下室であることを物語っている。
一つ一つの家具は優雅さがあるのに、全体的に見れば殺風景。
空調が効いていて過ごしやすい温度なのに、このアンバランスな部屋には薄ら寒いのを覚える。
隼人はそんな貴族が暮らしているような、しかしどこか違和感を覚える空間で、産まれたままの姿で倒れ込んでいた。
「はっ、はっ、はっ、くぅっ、うぅっ! ああ!」
隼人は荒い呼吸を繰り返し、下腹を押さえて悶えている。
隼人の腹には、中を洗浄するための液体が大量に注がれていた。入り口はアナルプラグで塞がれて、使われた大きな注射器が床に転がっている。
「ああっ! はあっ! はっ、はっ、ああっ、も、無理っ!」
強烈な腹痛にのたうち回る隼人の直ぐ側で、仙崎はきっちりスーツを着て、華美な装飾が施された肘掛け椅子に座って隼人を観察している。
「まだまだですよ。この砂が落ちきるまでは我慢です」
彼はそう言うと、隼人に見えるように砂時計を床に置く。
砂時計の砂はまだ半分以上残っている。
ぐぎゅるるる、と酷い音が腹で鳴って、大きな腹痛が隼人を襲う。
隼人は身体をくねらせて限界を訴える。
「ふうっ!! ああっ! は、はっ、ひああっ! 出したい! もう出ちゃう!」
「……どうしても我慢できないなら、あちらに出してしまってもいいですよ。ただし、その時はもう一度することになりますが」
隼人は仙崎の指し示した背後へ目を向ける。
そこには黒いビニールが張られたタライがあった。
彼はそこに出せというのだ。
浣腸は今まで何度もやってきた。しかし今回のように目の前で出すよう言われたのは初めてだ。
「しゅ、修二さん、やだ…。トイレがいい。はあっ、ああっ! おねがい、トイレで出させてっ!」
隼人はじりじりと床を這うと、仙崎の足にすがりつく。
こんなところで排泄するのは嫌だ。トイレに行かせて欲しい。
仙崎はそんな隼人の手に自らの手を重ねると、穏やかな声色で隼人を諭す。
「隼人、最初に言ったでしょう? ここでは私の言葉は絶対だと。隼人が選べるのは私が出した選択肢の中からだけです。我慢するか、出してしまってもう一度浣腸剤を注入するか。それとこれは健康管理も兼ねています。おしっこはこの尿瓶にしましょうね」
彼は隣りにあるティーテーブルの上に、透明な尿瓶を置いてみせた。
「っ……、ふっ、……う、やだぁ」
優しいけれど絶対的支配者がそこにいた。
隼人はその恥辱に思わず涙ぐむ。
排泄を見られるなんて恥ずかしくて死んでしまう。
しかし隼人がどれだけ訴えても、彼は決して引かないだろう。
涙をポロポロとこぼし始めた隼人を、仙崎は落ち着かせるように頭を撫でてくる。
こんな状況なのに彼の手に心地良さを感じて頬が緩んでしまう。
苦しいのに撫でてもらえると嬉しい。
「とても辛いですよね。でもこうしている時は不安な思考や過去の記憶に苛まれないでしょう?」
「……うん」
「今この瞬間に集中出来るようになれば、もう少し生きやすくなるでしょう。さあ頑張りましょうね」
そしてようやく砂時計の砂が全て落ち、隼人は仙崎の望み通りに行動した。
浣腸で疲れ切った隼人は、仙崎に抱きかかえられてベッドに寝かされた。
抵抗する気力もなく、手首と足首にそれぞれ枷をはめられてベッドの支柱に鎖で繋がれる。
隼人はぼーとベッドの天井を見ながらされるがままになっていると、彼はスーツを脱いでその肉体を晒す。
相変わらず彫刻を思わせる素晴らしい身体だ。
「では隼人の頭の中に染みついてしまっている嫌な記憶を追い出してしまいましょう」
仙崎がそう告げると、隼人の頭を横に向かせて両手で固定してきた。
「……なに? しゅうじさ――、ひあああっ!!」
仙崎の影が落ちてきたと思った次の瞬間、隼人は悲鳴を上げた。
何をされているのかすぐには理解できなかった。
耳に感じる熱い吐息。
ぬるりとした感触が耳の穴に入り込み、頭の中に濡れた音が響く。
耳を舐められているのだ。
「ひあっ! あっ、あっ、あああっ!」
反射的に身体が逃げを打つ。しかし拘束されている手足はほとんど動かせない。頭を振りたくても完璧に固定されている。鎖の擦れる金属音が鳴るだけだ。
「あっ! あっ、ああっ! やめ、やめてぇっ!」
ぐちゅ、ぬちゃ、という水音が、脳に直接届いて侵していく。
動けないとわかっていても、ガチャガチャと鎖を鳴らして身をよじってしまう。
「隼人が過去に囚われることなく、私のことだけを考えるようになるまで止めませんよ。ずっとこうやって愛し続けてあげる」
「あっ! あああーっ! はあっ、あっ、んあっ! ひいっ!」
まるで別の生命体に内側から捕食されているような感覚だ。
嫌悪感に鳥肌が立つ。
仙崎はひとしきり隼人の耳をなぶると、頭を反対に倒されてもう片方の耳も同じように舐められた。
「ああっ! はあっ、ああっ! ……うっ、ふっ、もうやだぁ!」
終わりの見えない責め苦に、隼人は涙ながらに訴えると仙崎は楽しそうに言葉を返した。
「本当に嫌なんですか? 隼人のおちんちんは嬉しそうですよ?」
仙崎の拘束が緩み、隼人は思わず自分の股間に目をやった。
隼人のそれは確かに天をつくように勃ち上がり、先端を潤ませていた。
「あっ…あっ…、そんな、違う…。俺こんな――」
とんでもない行為を受けたのに、身体は発情してその先を求めている。
こんなにも自分は淫欲に弱くなっていたのか。
被虐の性がぞくぞくと欲望を高めていく。
「このままずっと舐め続けたら、耳だけでイケるようになるかもしれませんね。でもそれはまた今度試しましょう」
仙崎は不穏な発言をしながら隼人から顔を上げ、下肢へ移動する。
足首の枷を外して隼人の両足をM字に開脚させると、潤滑剤をまとった指が後孔に侵入してきた。
「あっ…、んっ…」
「最近はしていなかったから少し締まっていますね。でもここは指の形をしっかり覚えて吸い付いてきますよ。いい具合だ」
隼人自身も、そこがひくついて指よりもっと太いものを欲しがっているのがわかる。
ここまできつい行為が続いたので、彼に普通に愛されたい。
雄を受け入れて気持良くなりたい。
くちゅくちゅと内部を探りながら、時折り前立腺を押し込まれて甘い声を上げてしまう。
「あっ、んんっ! ああっ! 修二さん、もう大丈夫だから入れて…」
ペニスを受け入れることに慣れてしまった孔が、仙崎の指を締め上げてもっともっとと主張する。
肌が熱を持ち、腹の奥がきゅうっと切なく疼いてしまう。
「私も我慢の限界です」
仙崎の声に隼人が頭を起こすと、確かに彼のものは勃起していた。
先走りが滴っているそれに、隼人は生唾を飲み込む。身体を繋げたい思いは彼も同じらしい。
仙崎は隼人の膝裏を持ち、入り口にペニスを押し当て焦らすことなくその剛直を体内に突き立てる。
「あっ! あっ、んっ! んんうっ、ふう、あうっ!」
圧倒的な質量のものが、奥深くまで侵入していく。
隼人の媚肉は久々に入ってきた雄に歓喜するよう絡みつく。
「ああ、いいですね。こんなにも欲しがって、最高に気持ちがいいですよ。素晴らしい」
「あっ、あっ、あうっ! はあっ、ああっ!」
焼けてしまいそうなほど熱く、ガチガチな彼のもの。
太く長い体内のそれは、いつも以上に質量がある気がする。
尻に当たる睾丸も、とても張り詰めて重さがあるような――。
(もしかして――)
「修二さん、抜いてないの?」
「ええ、していません。隼人が不調なのに一人ですっきりするのは、隼人に対して不義理だと思い我慢していました」
そうか、そんなにも自分は自分のことで精一杯になっていたのか。
「ごめ――」
隼人が謝罪を口にしようとした瞬間、彼の手で口を押さえられた。
「謝らないで、一緒に気持ち良くなりましょう。私達なら互いの欲望を全て受け止め合えるでしょう。隼人はそれだけを考えていればいいのです」
「…うん。んっ、あっ…」
馴染むのを待っていたものがゆっくりと動き出す。
彼の太いペニスが中を擦り、隼人の良い所を抉っていく。
「あっ、あっ! ああっ! そこ、いいっ! んんっ、ああ!」
隼人は脚を広げて嬉しそうに彼を迎え入れる。
少しの空白期間などものともせず、隼人を抱く上位の雄が自分の存在を刻みつけていく。
中をピストンされる度、ぞくぞくと身体が震えて肌が粟立ち肉洞が絡みついていく。
「っ、隼人のここ、待ち望んでくれていたみたいですね。これは私も全力で答えなければなりませんね」
仙崎の動きが激しくなって、隼人の媚肉をかき分けて深いところに打ち付けていく。
身体の奥深くまで蹂躙されて、痺れるような快楽が全身を支配する。
「はあっ、ああっ! 気持ち良いっ! ああっ、あああっー!」
「ああ、良いですね。搾り取られそうだ。隼人ももっと気持ち良くなって」
仙崎は腰をそのまま動かし続けながら、隼人の胸の突起に手を伸ばす。
可愛らしく主張するそれを摘んで虐めていく。
敏感なところを弄られて、隼人は身体をよじって快感に鳴いてしまう。
「あっ、ああっ、乳首だめ! んんっ、ああっ! 一緒にされたらっ――!」
強い電流が腰から全身へと駆けていく。
隼人は手首に繋がる鎖を揺らして、がくがくと太ももを痙攣させて陰茎から白濁を飛ばした。
精液が腹に飛び散ると、仙崎はそれを指ですくって口に入れる。
「ふふっ、うん。思っていた通り濃くて美味しいですよ」
「は、あっ…。ん、言わないで――。あっ、あっ、あうっ! ああっ!」
余韻に浸るまもなく、仙崎の腰つきがより激しくねっとりと隼人を襲う。
隼人のペニスもくすぐられてまた勃ってきてしまう。
指の先まで痺れるような快楽が全身を包み、隼人は口を大きく開けて喘ぐ。
気持ち良い。身体も心も溶けていく。
「私のもきっと濃くて粘ついているでしょうね。中に出して擦り付けてあげる。今日は溢れるほど注がないと終われませんね」
隼人は仙崎の言葉にぞくぞくと感じ入って、中の剛直をきゅっと締め上げた。
それはどうしようもないほど気持ち良くなることだろう。
「…して、全部俺の中に出してっ! 修二さんの精子欲しいっ!」
「もちろん、一滴残らず注いであげる」
「っ――! あ、あ、奥、あたって――、あっ、あっ! あああっ!」
仙崎は隼人の足を持ち直すと、より深く自分のものを挿入して奥の壁に当ててくる。
その部分はとてつもなく弱い場所の一つ。
本格的に動き出しそうな仙崎に、隼人は待ったの声をかける。
「あっ、んんっ! あっ、修二さん、待って! これ、取って! 修二さんとぎゅってしたいっ!」
隼人は腕を動かして鎖を鳴らす。
彼を抱き締めて、体温を感じながらイきたい。
そんな隼人の主張を仙崎は受け入れてくれた。
あっという間に外されると、隼人はすぐに仙崎に抱き着いた。
「私も余裕がありません。しっかり私に掴まってくださいね」
「うん! あっ、んあっ! はあっ、ああっ! あああっ!!」
激しいピストンが再開され、奥の壁や弱い部分を捏ね繰り回される。
目も眩むような快楽に、隼人は脚を仙崎の腰に回して、肩にしがみついて快楽の波を受け止める。
「あっ! あっ! ふうっ、あうっ!! ああっ!!」
「ふうっ、気持ち良いですよ」
「おれ、もっ! あああっ! んうっ! ひああっ!!」
「隼人、こうやってずっと愛してあげる。たくさん気持ち良くしてあげる。だから余計なことは考えないで私のことだけを想いなさい。いいね?」
「あっ、あっ、あっ! ああっ! はいっ、修二さんのことだけを――、んあああ!! も、いくうっ!!」
隼人は強く抱き締められたまま、仙崎の腕の中で絶頂する。
最高の快楽に目を剥く隼人に、仙崎は強く突き上げて濃い精液を注ぎ込む。
「隼人、愛していますよ」
「…あっ、…おれ、も、あいしてる…」
「まだまだ続けますよ」
「…んっ、もちろん」
二人は深い口付けを交わして愛を囁き合い、その後長く続く行為を再開した。
そうルールが設けられた地下室は、一見地上部の部屋と変わらないヨーロッパ風の家具がそろっていた。
天蓋付きのキングサイズの大きなベッド。毛足の長い絨毯。
ベルベット生地のソファに、猫脚のテーブルやチェスト。
家具は少なめだがどれも高級なものばかり。
そんな品のある空間にもかかわらず、壁は打ちっぱなしのコンクリートそのままだ。
高価そうなカーテンがあるのにその向こうに窓はなく、無機質なコンクリートがここが地下室であることを物語っている。
一つ一つの家具は優雅さがあるのに、全体的に見れば殺風景。
空調が効いていて過ごしやすい温度なのに、このアンバランスな部屋には薄ら寒いのを覚える。
隼人はそんな貴族が暮らしているような、しかしどこか違和感を覚える空間で、産まれたままの姿で倒れ込んでいた。
「はっ、はっ、はっ、くぅっ、うぅっ! ああ!」
隼人は荒い呼吸を繰り返し、下腹を押さえて悶えている。
隼人の腹には、中を洗浄するための液体が大量に注がれていた。入り口はアナルプラグで塞がれて、使われた大きな注射器が床に転がっている。
「ああっ! はあっ! はっ、はっ、ああっ、も、無理っ!」
強烈な腹痛にのたうち回る隼人の直ぐ側で、仙崎はきっちりスーツを着て、華美な装飾が施された肘掛け椅子に座って隼人を観察している。
「まだまだですよ。この砂が落ちきるまでは我慢です」
彼はそう言うと、隼人に見えるように砂時計を床に置く。
砂時計の砂はまだ半分以上残っている。
ぐぎゅるるる、と酷い音が腹で鳴って、大きな腹痛が隼人を襲う。
隼人は身体をくねらせて限界を訴える。
「ふうっ!! ああっ! は、はっ、ひああっ! 出したい! もう出ちゃう!」
「……どうしても我慢できないなら、あちらに出してしまってもいいですよ。ただし、その時はもう一度することになりますが」
隼人は仙崎の指し示した背後へ目を向ける。
そこには黒いビニールが張られたタライがあった。
彼はそこに出せというのだ。
浣腸は今まで何度もやってきた。しかし今回のように目の前で出すよう言われたのは初めてだ。
「しゅ、修二さん、やだ…。トイレがいい。はあっ、ああっ! おねがい、トイレで出させてっ!」
隼人はじりじりと床を這うと、仙崎の足にすがりつく。
こんなところで排泄するのは嫌だ。トイレに行かせて欲しい。
仙崎はそんな隼人の手に自らの手を重ねると、穏やかな声色で隼人を諭す。
「隼人、最初に言ったでしょう? ここでは私の言葉は絶対だと。隼人が選べるのは私が出した選択肢の中からだけです。我慢するか、出してしまってもう一度浣腸剤を注入するか。それとこれは健康管理も兼ねています。おしっこはこの尿瓶にしましょうね」
彼は隣りにあるティーテーブルの上に、透明な尿瓶を置いてみせた。
「っ……、ふっ、……う、やだぁ」
優しいけれど絶対的支配者がそこにいた。
隼人はその恥辱に思わず涙ぐむ。
排泄を見られるなんて恥ずかしくて死んでしまう。
しかし隼人がどれだけ訴えても、彼は決して引かないだろう。
涙をポロポロとこぼし始めた隼人を、仙崎は落ち着かせるように頭を撫でてくる。
こんな状況なのに彼の手に心地良さを感じて頬が緩んでしまう。
苦しいのに撫でてもらえると嬉しい。
「とても辛いですよね。でもこうしている時は不安な思考や過去の記憶に苛まれないでしょう?」
「……うん」
「今この瞬間に集中出来るようになれば、もう少し生きやすくなるでしょう。さあ頑張りましょうね」
そしてようやく砂時計の砂が全て落ち、隼人は仙崎の望み通りに行動した。
浣腸で疲れ切った隼人は、仙崎に抱きかかえられてベッドに寝かされた。
抵抗する気力もなく、手首と足首にそれぞれ枷をはめられてベッドの支柱に鎖で繋がれる。
隼人はぼーとベッドの天井を見ながらされるがままになっていると、彼はスーツを脱いでその肉体を晒す。
相変わらず彫刻を思わせる素晴らしい身体だ。
「では隼人の頭の中に染みついてしまっている嫌な記憶を追い出してしまいましょう」
仙崎がそう告げると、隼人の頭を横に向かせて両手で固定してきた。
「……なに? しゅうじさ――、ひあああっ!!」
仙崎の影が落ちてきたと思った次の瞬間、隼人は悲鳴を上げた。
何をされているのかすぐには理解できなかった。
耳に感じる熱い吐息。
ぬるりとした感触が耳の穴に入り込み、頭の中に濡れた音が響く。
耳を舐められているのだ。
「ひあっ! あっ、あっ、あああっ!」
反射的に身体が逃げを打つ。しかし拘束されている手足はほとんど動かせない。頭を振りたくても完璧に固定されている。鎖の擦れる金属音が鳴るだけだ。
「あっ! あっ、ああっ! やめ、やめてぇっ!」
ぐちゅ、ぬちゃ、という水音が、脳に直接届いて侵していく。
動けないとわかっていても、ガチャガチャと鎖を鳴らして身をよじってしまう。
「隼人が過去に囚われることなく、私のことだけを考えるようになるまで止めませんよ。ずっとこうやって愛し続けてあげる」
「あっ! あああーっ! はあっ、あっ、んあっ! ひいっ!」
まるで別の生命体に内側から捕食されているような感覚だ。
嫌悪感に鳥肌が立つ。
仙崎はひとしきり隼人の耳をなぶると、頭を反対に倒されてもう片方の耳も同じように舐められた。
「ああっ! はあっ、ああっ! ……うっ、ふっ、もうやだぁ!」
終わりの見えない責め苦に、隼人は涙ながらに訴えると仙崎は楽しそうに言葉を返した。
「本当に嫌なんですか? 隼人のおちんちんは嬉しそうですよ?」
仙崎の拘束が緩み、隼人は思わず自分の股間に目をやった。
隼人のそれは確かに天をつくように勃ち上がり、先端を潤ませていた。
「あっ…あっ…、そんな、違う…。俺こんな――」
とんでもない行為を受けたのに、身体は発情してその先を求めている。
こんなにも自分は淫欲に弱くなっていたのか。
被虐の性がぞくぞくと欲望を高めていく。
「このままずっと舐め続けたら、耳だけでイケるようになるかもしれませんね。でもそれはまた今度試しましょう」
仙崎は不穏な発言をしながら隼人から顔を上げ、下肢へ移動する。
足首の枷を外して隼人の両足をM字に開脚させると、潤滑剤をまとった指が後孔に侵入してきた。
「あっ…、んっ…」
「最近はしていなかったから少し締まっていますね。でもここは指の形をしっかり覚えて吸い付いてきますよ。いい具合だ」
隼人自身も、そこがひくついて指よりもっと太いものを欲しがっているのがわかる。
ここまできつい行為が続いたので、彼に普通に愛されたい。
雄を受け入れて気持良くなりたい。
くちゅくちゅと内部を探りながら、時折り前立腺を押し込まれて甘い声を上げてしまう。
「あっ、んんっ! ああっ! 修二さん、もう大丈夫だから入れて…」
ペニスを受け入れることに慣れてしまった孔が、仙崎の指を締め上げてもっともっとと主張する。
肌が熱を持ち、腹の奥がきゅうっと切なく疼いてしまう。
「私も我慢の限界です」
仙崎の声に隼人が頭を起こすと、確かに彼のものは勃起していた。
先走りが滴っているそれに、隼人は生唾を飲み込む。身体を繋げたい思いは彼も同じらしい。
仙崎は隼人の膝裏を持ち、入り口にペニスを押し当て焦らすことなくその剛直を体内に突き立てる。
「あっ! あっ、んっ! んんうっ、ふう、あうっ!」
圧倒的な質量のものが、奥深くまで侵入していく。
隼人の媚肉は久々に入ってきた雄に歓喜するよう絡みつく。
「ああ、いいですね。こんなにも欲しがって、最高に気持ちがいいですよ。素晴らしい」
「あっ、あっ、あうっ! はあっ、ああっ!」
焼けてしまいそうなほど熱く、ガチガチな彼のもの。
太く長い体内のそれは、いつも以上に質量がある気がする。
尻に当たる睾丸も、とても張り詰めて重さがあるような――。
(もしかして――)
「修二さん、抜いてないの?」
「ええ、していません。隼人が不調なのに一人ですっきりするのは、隼人に対して不義理だと思い我慢していました」
そうか、そんなにも自分は自分のことで精一杯になっていたのか。
「ごめ――」
隼人が謝罪を口にしようとした瞬間、彼の手で口を押さえられた。
「謝らないで、一緒に気持ち良くなりましょう。私達なら互いの欲望を全て受け止め合えるでしょう。隼人はそれだけを考えていればいいのです」
「…うん。んっ、あっ…」
馴染むのを待っていたものがゆっくりと動き出す。
彼の太いペニスが中を擦り、隼人の良い所を抉っていく。
「あっ、あっ! ああっ! そこ、いいっ! んんっ、ああ!」
隼人は脚を広げて嬉しそうに彼を迎え入れる。
少しの空白期間などものともせず、隼人を抱く上位の雄が自分の存在を刻みつけていく。
中をピストンされる度、ぞくぞくと身体が震えて肌が粟立ち肉洞が絡みついていく。
「っ、隼人のここ、待ち望んでくれていたみたいですね。これは私も全力で答えなければなりませんね」
仙崎の動きが激しくなって、隼人の媚肉をかき分けて深いところに打ち付けていく。
身体の奥深くまで蹂躙されて、痺れるような快楽が全身を支配する。
「はあっ、ああっ! 気持ち良いっ! ああっ、あああっー!」
「ああ、良いですね。搾り取られそうだ。隼人ももっと気持ち良くなって」
仙崎は腰をそのまま動かし続けながら、隼人の胸の突起に手を伸ばす。
可愛らしく主張するそれを摘んで虐めていく。
敏感なところを弄られて、隼人は身体をよじって快感に鳴いてしまう。
「あっ、ああっ、乳首だめ! んんっ、ああっ! 一緒にされたらっ――!」
強い電流が腰から全身へと駆けていく。
隼人は手首に繋がる鎖を揺らして、がくがくと太ももを痙攣させて陰茎から白濁を飛ばした。
精液が腹に飛び散ると、仙崎はそれを指ですくって口に入れる。
「ふふっ、うん。思っていた通り濃くて美味しいですよ」
「は、あっ…。ん、言わないで――。あっ、あっ、あうっ! ああっ!」
余韻に浸るまもなく、仙崎の腰つきがより激しくねっとりと隼人を襲う。
隼人のペニスもくすぐられてまた勃ってきてしまう。
指の先まで痺れるような快楽が全身を包み、隼人は口を大きく開けて喘ぐ。
気持ち良い。身体も心も溶けていく。
「私のもきっと濃くて粘ついているでしょうね。中に出して擦り付けてあげる。今日は溢れるほど注がないと終われませんね」
隼人は仙崎の言葉にぞくぞくと感じ入って、中の剛直をきゅっと締め上げた。
それはどうしようもないほど気持ち良くなることだろう。
「…して、全部俺の中に出してっ! 修二さんの精子欲しいっ!」
「もちろん、一滴残らず注いであげる」
「っ――! あ、あ、奥、あたって――、あっ、あっ! あああっ!」
仙崎は隼人の足を持ち直すと、より深く自分のものを挿入して奥の壁に当ててくる。
その部分はとてつもなく弱い場所の一つ。
本格的に動き出しそうな仙崎に、隼人は待ったの声をかける。
「あっ、んんっ! あっ、修二さん、待って! これ、取って! 修二さんとぎゅってしたいっ!」
隼人は腕を動かして鎖を鳴らす。
彼を抱き締めて、体温を感じながらイきたい。
そんな隼人の主張を仙崎は受け入れてくれた。
あっという間に外されると、隼人はすぐに仙崎に抱き着いた。
「私も余裕がありません。しっかり私に掴まってくださいね」
「うん! あっ、んあっ! はあっ、ああっ! あああっ!!」
激しいピストンが再開され、奥の壁や弱い部分を捏ね繰り回される。
目も眩むような快楽に、隼人は脚を仙崎の腰に回して、肩にしがみついて快楽の波を受け止める。
「あっ! あっ! ふうっ、あうっ!! ああっ!!」
「ふうっ、気持ち良いですよ」
「おれ、もっ! あああっ! んうっ! ひああっ!!」
「隼人、こうやってずっと愛してあげる。たくさん気持ち良くしてあげる。だから余計なことは考えないで私のことだけを想いなさい。いいね?」
「あっ、あっ、あっ! ああっ! はいっ、修二さんのことだけを――、んあああ!! も、いくうっ!!」
隼人は強く抱き締められたまま、仙崎の腕の中で絶頂する。
最高の快楽に目を剥く隼人に、仙崎は強く突き上げて濃い精液を注ぎ込む。
「隼人、愛していますよ」
「…あっ、…おれ、も、あいしてる…」
「まだまだ続けますよ」
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