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17話 ★
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深い闇の中。
どこが上でどちらが下なのかわからないまま、隼人は真っ暗な中に漂っている。
身体を動かそうとしても手足がまともに動かない。
しかも何故か全裸でフワフワ浮いていた。
(なんだこれ?)
いや、なんとなくわかる。
これは夢だ。
今、自分は夢を見ている。
夢の中で夢だとわかることはあまりない。
身動きが取れないこの状況は金縛りになるのか?
隼人があてもない考えを巡らせていると勝手に脚が持ち上がる。
膝を曲げられ左右に大きく広げられた。
抵抗しようにもやはり指一本動かせない。
なんだこれ。
なんなんだよ。
思わず叫び声を上げようとしてハッと目が覚める。
そこは普通に自分の部屋だった。
室内はすでに明るく、時計を見ると時間は十時を過ぎていた。
「し、仕事! ……は、休みだっけ?」
隼人はベッドから跳ね起きるが、同時に今日は休みだったことを思い出す。
念のためスマートフォンのスケジュールを確認するがやはり予定はなかった。
「はぁ~~~。びびった」
隼人がバタッとベッドに倒れ込むと扉がノックされる。
「隼人さん、おはようございます。起きられたのですか? 開けてもいいですか?」
「あ、うん」
ドアが開くとラフな私服姿の仙崎が入ってくる。
「おはよう、仙崎さん」
「ええ、おはようございます。大きな声が聞こえましたが大丈夫ですか?」
「大丈夫。仕事を寝坊したかと思って飛び起きただけだから。めちゃくちゃ焦ったよ」
仙崎は笑いながら話す隼人に近づくと、ベッドに腰を下ろしてじっと見つめてくる。
「私が仕事を入れすぎたせいでしょうか? 私としてももう少しゆとりのあるスケジュールを組みたいのですが……」
「俺にとってはいつものことのだし大丈夫だよ」
隼人の今のスケジュールは仙崎が組んだものが、事務所でさらに調整されたものだ。
彼は比較的余裕のある予定を組んでくれるが、事務所に確認を取ると仕事が増えて戻ってくるのだ。
隼人からすると今ぐらいの仕事量はいつも通りなのだが、仙崎は働きすぎではないかと心配してくれる。
「芸能人なんていつ人気がなくなるか分からないから今のうちに稼がないと」
「隼人さんがそう言うならこれ以上何も言いませんが……」
「大丈夫、大丈夫。それより俺、何か夢を見た気がするんだよな。何だったかな忘れちゃったな」
仙崎の心配をよそに、隼人は飛び起きる前に見た夢が気になっていた。
何か怖い感じの夢だった気がするのだが、すっかり忘れてしまっていた。
どんな夢だったけ。
「楽しい夢だったのですか?」
「いや~、なんか怖めだった気がする」
「なら思い出さなくてもいいのでは?」
「んー、それもそうなんだけど……」
隼人は頭をひねって思い出そうとするが何一つ浮かび上がらない。
「隼人さん、それよりも朝の分をすませてしまいましょう。元気一杯に待っていますよ」
「え? あっ!! うわ、なっ?! ちょ、待って!」
隼人は仙崎に指摘されて初めて自分が朝勃ちしていることに気がついた。
こんな状態で会話していたのか。
隼人は慌てて股間を隠すが、仙崎の手はそれをぬって隼人のあそこをきゅっ、と掴んだ。
「んあっ! あっ、ま、待って! 今日休みだし、自分でやるよ!」
仙崎にパジャマの上からそこを掴まれたん瞬間、思わず高い声が出てしまう。彼の腕を止めようとするが、そのままゆるゆると扱かれて隼人は快感を得てしまう。
「あっ、んんっ! せ、仙崎さん! あ、あっ、ん!」
「今日は丸一日お休みですから、昼と夜に頑張ればいいんですよ。ほら、隼人さんのここも嬉しそうですよ」
「あああっ! んあっ! あ、ん、はあっ!」
布越しに扱かれているのに隼人のそこからはすでにくちゅくちゅと水音が聞こえ始めている。
このところ毎日気持ち良くしてもらっているせいか、隼人はすっかり快楽に弱くなっていた。
仙崎の手が動く度に身体の力が抜けていき、ベッドに倒れ込んで彼の刺激を受け入れてしまう。
「あっ! あっ! なんで、こんなに……。はあっ、あっ!」
朝勃ちなんて今までほとんどなかった。
なのにここ最近、起きると必ずと言っていいほどテントを張ってしまっていた。
毎日抜いているのにのにどうして。
「朝の勃起は生理現象です。隼人さんが健康な証ですよ。だからこの状況は悪いことではありません」
快楽に支配された脳に仙崎の説明がぼんやりと届く。
仙崎は慣れた手つきで隼人のズボンと下着を下ろす。
すでに濡れて勃ち上がっている隼人のペニスを両手で可愛がる。
寝起きの肉体には強すぎる快感を与えられて隼人は背中を大きく反らす。
「ああっ! んあっ、あっ! あ、もう出ちゃうっ……」
「はい、どうぞ」
「んあっ――――! んうっ! あっ、はあっ」
仙崎に手のひらで先端をくるくると刺激されて、隼人は勢いよく精子を出す。
隼人のそこから生まれた快楽は、電流のように身体を駆け巡り全身を包む。
隼人は本能のまま腰を軽く振って、白濁を飛ばすとぐったりとベッドに沈んだ。
「たくさん出せましたね。元気一杯で何よりです」
仙崎は手のひらでキャッチした体液を、隼人のペニスに塗り込める。
「あっ……あっ、まって。んうっ! ああっ」
達したばかりのものをぐちゅぐちゅと上下に擦られて、嬌声を上げてしまう。
隼人が身をよじって仙崎の手から逃れようとすると、彼が脚の間に身体を割り込んでくる。
「気持ち良いことから逃げては駄目ですよ」
「ひうっ! んあっ! あっ、あっ、ああっ!」
仙崎は脚の間を陣取るといっそう隼人の雄を扱く。
隼人の肉体はすでに一度達しているせいか、先程よりも敏感に快楽を拾っていく。
「んああっ! あっ、んんっう! ふうっ、んっああ!」
仙崎に与えられる快感に、隼人の理性はとろけて堕ちていく。
隼人はもっと気持ち良いことをしてもらうために、自ら脚を大きく広げてしまう。
それはまるで玩具を使われたあの夜のように。
「気持ち良いですか?」
「あっ、あう、んんっ! き、きもちいい! きもちいい!!!」
「正直に言えて偉いですね。お利口さんはもっと気持ち良くしてあげましょうね」
仙崎は少し後ろに下がると、背中を丸めて隼人のペニスを口に含む。
「ああああっ! んああっ! だ、だめっ! なめるのだめぇっ!」
言葉で抵抗しようにも、どうすることもできないほどの快感が脳を染めていく。
快楽に支配された隼人は、震える指でシーツを握りしめて彼に与えられる全てを受け入れた。
仙崎の舌がぬめぬめと隼人の陰茎を扱き、亀頭に絡みついて鈴口部分に浅く侵入する。
「ああああっ、ああっ! あっ、あっ、いくっ! いくぅっ!」
強烈な快感に身体がまるで魚のように跳ねた。
達したばかりのものをじゅっ、と音が聞こえてきそうなほど吸い上げられて呼吸が止まりそうになる。
「あ、あ……、はあっ、はあっ、あっ、んう………」
隼人は浅い呼吸を繰り返して涙を流しながら絶頂の余韻に浸る。
気持ち良すぎる。
こんなの頭がおかしくなってしまいそうだ。
「いい味でした。二度目もしっかり出せましたし、朝の分はこれでいいでしょう」
親指で口元を拭いながら仙崎が顔を上げる。
隼人は、彼の雄を感じる男らしい仕草に見惚れてしまう。
どうしてこんなにも格好良いのだろう。
「隼人さん? 大丈夫ですか?」
反応のない隼人を心配して、仙崎は覆いかぶさって隼人の顔をのぞき込む。
「気持ち良くて飛んでしまいましたか?」
「……ギリ大丈夫」
仙崎が隼人の流した涙を拭うと隼人を抱き起こす。
隼人は身体に力が入らず、されるがままに体重を彼の胸に預ける。
仙崎に抱きしめられているこの体勢に、隼人は安心感を覚えた。
「今日は丸一日お休みの日ですから、どう過ごしますか?」
そうだ。今日は休みだから色々とやりたいことがあったのだ。
「ん……、そうだね。とりあえず落合さんのとこにお見舞いに行きたい」
「怪我をされて入院中のマネージャーさんですね。私もご挨拶しなければ。では準備しますので隼人さんは少し休んでいて下さい」
「うん」
仙崎は隼人をベッドに寝かして部屋を出る。
その後ろ姿を見ながら、隼人はうとうとし始めてしまう。
さすがに二度寝はまずいと思い、隼人は眠気を振り払おうとスマートフォンを操作してネットショップを閲覧した。
購入履歴を見ると以前は色々なものを購入していたのに最近はほとんど注文をしていなかった。
仕事の忙しさとストレスで、必要なもの以外にも適当に買い漁っていたころが懐かしい。
(これも仙崎さんのおかげだよな)
彼が来てからというもの、冷蔵庫には新鮮な食材がいつも入っていて、忙しくても必ず料理を作ってくれるのでインスタント食品を頼まなくなった。
お風呂もいつも気持ち良く入れて、洗濯物もしてくれるので隼人は家事に煩わされることがなくなった。
仕事先でも気難しい人がいるときは、よくフォローしてくれるので円滑に進められた場面がある。
家事も昼間の仕事も仙崎さんの本業とは違うものなのに、なにもかも彼に助けられてきた。
(これ、甘えすぎてるよな)
もっとしっかりしないと、落合が復帰して仙崎がいなくなってしまった時に困るのは自分だ。
今まで弱点を見せないように生きてきたのに、彼に頼りすぎている自分に今更気がついて呆れて笑ってしまう。
「今のままだとマジで仙崎さんがいないと生きていけなくなるな」
冗談交じりの呟きが、真昼の明るい部屋の中に落ちていった。
どこが上でどちらが下なのかわからないまま、隼人は真っ暗な中に漂っている。
身体を動かそうとしても手足がまともに動かない。
しかも何故か全裸でフワフワ浮いていた。
(なんだこれ?)
いや、なんとなくわかる。
これは夢だ。
今、自分は夢を見ている。
夢の中で夢だとわかることはあまりない。
身動きが取れないこの状況は金縛りになるのか?
隼人があてもない考えを巡らせていると勝手に脚が持ち上がる。
膝を曲げられ左右に大きく広げられた。
抵抗しようにもやはり指一本動かせない。
なんだこれ。
なんなんだよ。
思わず叫び声を上げようとしてハッと目が覚める。
そこは普通に自分の部屋だった。
室内はすでに明るく、時計を見ると時間は十時を過ぎていた。
「し、仕事! ……は、休みだっけ?」
隼人はベッドから跳ね起きるが、同時に今日は休みだったことを思い出す。
念のためスマートフォンのスケジュールを確認するがやはり予定はなかった。
「はぁ~~~。びびった」
隼人がバタッとベッドに倒れ込むと扉がノックされる。
「隼人さん、おはようございます。起きられたのですか? 開けてもいいですか?」
「あ、うん」
ドアが開くとラフな私服姿の仙崎が入ってくる。
「おはよう、仙崎さん」
「ええ、おはようございます。大きな声が聞こえましたが大丈夫ですか?」
「大丈夫。仕事を寝坊したかと思って飛び起きただけだから。めちゃくちゃ焦ったよ」
仙崎は笑いながら話す隼人に近づくと、ベッドに腰を下ろしてじっと見つめてくる。
「私が仕事を入れすぎたせいでしょうか? 私としてももう少しゆとりのあるスケジュールを組みたいのですが……」
「俺にとってはいつものことのだし大丈夫だよ」
隼人の今のスケジュールは仙崎が組んだものが、事務所でさらに調整されたものだ。
彼は比較的余裕のある予定を組んでくれるが、事務所に確認を取ると仕事が増えて戻ってくるのだ。
隼人からすると今ぐらいの仕事量はいつも通りなのだが、仙崎は働きすぎではないかと心配してくれる。
「芸能人なんていつ人気がなくなるか分からないから今のうちに稼がないと」
「隼人さんがそう言うならこれ以上何も言いませんが……」
「大丈夫、大丈夫。それより俺、何か夢を見た気がするんだよな。何だったかな忘れちゃったな」
仙崎の心配をよそに、隼人は飛び起きる前に見た夢が気になっていた。
何か怖い感じの夢だった気がするのだが、すっかり忘れてしまっていた。
どんな夢だったけ。
「楽しい夢だったのですか?」
「いや~、なんか怖めだった気がする」
「なら思い出さなくてもいいのでは?」
「んー、それもそうなんだけど……」
隼人は頭をひねって思い出そうとするが何一つ浮かび上がらない。
「隼人さん、それよりも朝の分をすませてしまいましょう。元気一杯に待っていますよ」
「え? あっ!! うわ、なっ?! ちょ、待って!」
隼人は仙崎に指摘されて初めて自分が朝勃ちしていることに気がついた。
こんな状態で会話していたのか。
隼人は慌てて股間を隠すが、仙崎の手はそれをぬって隼人のあそこをきゅっ、と掴んだ。
「んあっ! あっ、ま、待って! 今日休みだし、自分でやるよ!」
仙崎にパジャマの上からそこを掴まれたん瞬間、思わず高い声が出てしまう。彼の腕を止めようとするが、そのままゆるゆると扱かれて隼人は快感を得てしまう。
「あっ、んんっ! せ、仙崎さん! あ、あっ、ん!」
「今日は丸一日お休みですから、昼と夜に頑張ればいいんですよ。ほら、隼人さんのここも嬉しそうですよ」
「あああっ! んあっ! あ、ん、はあっ!」
布越しに扱かれているのに隼人のそこからはすでにくちゅくちゅと水音が聞こえ始めている。
このところ毎日気持ち良くしてもらっているせいか、隼人はすっかり快楽に弱くなっていた。
仙崎の手が動く度に身体の力が抜けていき、ベッドに倒れ込んで彼の刺激を受け入れてしまう。
「あっ! あっ! なんで、こんなに……。はあっ、あっ!」
朝勃ちなんて今までほとんどなかった。
なのにここ最近、起きると必ずと言っていいほどテントを張ってしまっていた。
毎日抜いているのにのにどうして。
「朝の勃起は生理現象です。隼人さんが健康な証ですよ。だからこの状況は悪いことではありません」
快楽に支配された脳に仙崎の説明がぼんやりと届く。
仙崎は慣れた手つきで隼人のズボンと下着を下ろす。
すでに濡れて勃ち上がっている隼人のペニスを両手で可愛がる。
寝起きの肉体には強すぎる快感を与えられて隼人は背中を大きく反らす。
「ああっ! んあっ、あっ! あ、もう出ちゃうっ……」
「はい、どうぞ」
「んあっ――――! んうっ! あっ、はあっ」
仙崎に手のひらで先端をくるくると刺激されて、隼人は勢いよく精子を出す。
隼人のそこから生まれた快楽は、電流のように身体を駆け巡り全身を包む。
隼人は本能のまま腰を軽く振って、白濁を飛ばすとぐったりとベッドに沈んだ。
「たくさん出せましたね。元気一杯で何よりです」
仙崎は手のひらでキャッチした体液を、隼人のペニスに塗り込める。
「あっ……あっ、まって。んうっ! ああっ」
達したばかりのものをぐちゅぐちゅと上下に擦られて、嬌声を上げてしまう。
隼人が身をよじって仙崎の手から逃れようとすると、彼が脚の間に身体を割り込んでくる。
「気持ち良いことから逃げては駄目ですよ」
「ひうっ! んあっ! あっ、あっ、ああっ!」
仙崎は脚の間を陣取るといっそう隼人の雄を扱く。
隼人の肉体はすでに一度達しているせいか、先程よりも敏感に快楽を拾っていく。
「んああっ! あっ、んんっう! ふうっ、んっああ!」
仙崎に与えられる快感に、隼人の理性はとろけて堕ちていく。
隼人はもっと気持ち良いことをしてもらうために、自ら脚を大きく広げてしまう。
それはまるで玩具を使われたあの夜のように。
「気持ち良いですか?」
「あっ、あう、んんっ! き、きもちいい! きもちいい!!!」
「正直に言えて偉いですね。お利口さんはもっと気持ち良くしてあげましょうね」
仙崎は少し後ろに下がると、背中を丸めて隼人のペニスを口に含む。
「ああああっ! んああっ! だ、だめっ! なめるのだめぇっ!」
言葉で抵抗しようにも、どうすることもできないほどの快感が脳を染めていく。
快楽に支配された隼人は、震える指でシーツを握りしめて彼に与えられる全てを受け入れた。
仙崎の舌がぬめぬめと隼人の陰茎を扱き、亀頭に絡みついて鈴口部分に浅く侵入する。
「ああああっ、ああっ! あっ、あっ、いくっ! いくぅっ!」
強烈な快感に身体がまるで魚のように跳ねた。
達したばかりのものをじゅっ、と音が聞こえてきそうなほど吸い上げられて呼吸が止まりそうになる。
「あ、あ……、はあっ、はあっ、あっ、んう………」
隼人は浅い呼吸を繰り返して涙を流しながら絶頂の余韻に浸る。
気持ち良すぎる。
こんなの頭がおかしくなってしまいそうだ。
「いい味でした。二度目もしっかり出せましたし、朝の分はこれでいいでしょう」
親指で口元を拭いながら仙崎が顔を上げる。
隼人は、彼の雄を感じる男らしい仕草に見惚れてしまう。
どうしてこんなにも格好良いのだろう。
「隼人さん? 大丈夫ですか?」
反応のない隼人を心配して、仙崎は覆いかぶさって隼人の顔をのぞき込む。
「気持ち良くて飛んでしまいましたか?」
「……ギリ大丈夫」
仙崎が隼人の流した涙を拭うと隼人を抱き起こす。
隼人は身体に力が入らず、されるがままに体重を彼の胸に預ける。
仙崎に抱きしめられているこの体勢に、隼人は安心感を覚えた。
「今日は丸一日お休みの日ですから、どう過ごしますか?」
そうだ。今日は休みだから色々とやりたいことがあったのだ。
「ん……、そうだね。とりあえず落合さんのとこにお見舞いに行きたい」
「怪我をされて入院中のマネージャーさんですね。私もご挨拶しなければ。では準備しますので隼人さんは少し休んでいて下さい」
「うん」
仙崎は隼人をベッドに寝かして部屋を出る。
その後ろ姿を見ながら、隼人はうとうとし始めてしまう。
さすがに二度寝はまずいと思い、隼人は眠気を振り払おうとスマートフォンを操作してネットショップを閲覧した。
購入履歴を見ると以前は色々なものを購入していたのに最近はほとんど注文をしていなかった。
仕事の忙しさとストレスで、必要なもの以外にも適当に買い漁っていたころが懐かしい。
(これも仙崎さんのおかげだよな)
彼が来てからというもの、冷蔵庫には新鮮な食材がいつも入っていて、忙しくても必ず料理を作ってくれるのでインスタント食品を頼まなくなった。
お風呂もいつも気持ち良く入れて、洗濯物もしてくれるので隼人は家事に煩わされることがなくなった。
仕事先でも気難しい人がいるときは、よくフォローしてくれるので円滑に進められた場面がある。
家事も昼間の仕事も仙崎さんの本業とは違うものなのに、なにもかも彼に助けられてきた。
(これ、甘えすぎてるよな)
もっとしっかりしないと、落合が復帰して仙崎がいなくなってしまった時に困るのは自分だ。
今まで弱点を見せないように生きてきたのに、彼に頼りすぎている自分に今更気がついて呆れて笑ってしまう。
「今のままだとマジで仙崎さんがいないと生きていけなくなるな」
冗談交じりの呟きが、真昼の明るい部屋の中に落ちていった。
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