25 / 70
冒険の準備
恩恵
しおりを挟む
地面にうつ伏せになっている僕の身体を冷たい雨が叩く。
背中からジワリと暖かい液体が滲んできた。
「なんで……?」
声のした方に顔を向けると、そこには驚いた表情で僕を見るカガリが居た。
「……っ……」
考える前に体が動いてた、と返事をしたかったが僕の喉からは掠れた音が溢れるばかりで上手く話せなかった。
「無駄ナコトヲッ!」
影は夕に刺さっていた槍を引き抜き、カガリへと向けた。
ドサッ
「ナッ!?」
槍が地面に落ちる。
影の両腕と共に。
「どいつもこいつもボクの邪魔ばかり……」
ヒュンヒュン
突然のことに硬直していた影が膝をつく。
刃物で斬られたような傷が両足から開き、そこからダラダラと大量の血が流れ出した。
「ヒッ!」
恐怖に支配された影が芋虫のように這いずり逃げようとする。
ザン
しかし、無慈悲にもその背中を槍で貫かれ……影は息絶えた。
「ユウ……心配しなくていいよ。ボクが絶対に助けるから」
そう言って、カガリは懐から取りだした紅い石を夕の胸の穴へ入れた。
「まさかこんなところで使うなんて思ってなかったけど……やるしかない」
自身の胸に手を当てて、カガリは息を整える。
「”迷いし魂よ、我が言葉に導かれ、主たる器に戻れ……”」
夕の身体とその周りが淡い光に包み込まれていく。
「”反魂の聖法……クダン”!」
ぺしぺし
「…………」
ぺしぺしぺし
「……ん?」
僕が目を覚ましたのは冷たい雨が降る街道ではなく、暖かな陽光が降り注ぐ森の中だった。
「あ、起きた」
横を見ると、拳を振りかぶって殴る寸前みたいなポーズで止まっている少女がいた。
「君は……あっ!」
今しがた起きたことを思い出した僕は、槍で刺された部分を触る。
おかしい。
怪我が無い。
「なにしてんの?」
少女は不思議そうな顔をして僕を見つめる。
「刺されでもしたの?」
かなり物騒なことのはずなのにまるで”教科書忘れたの?”みたいな、いつもの日常感で聞かれた。
「うん。まあ、そんな感じ……」
さっきまでの緊迫した空気が無くなっていることに頭が混乱する。
「あっそ。っていうかさぁ」
あまり興味がわかなかったのか、少女は立ち上がると指先でクルクルと金色の髪を弄り始めた。
「こっち来るの早すぎじゃない?普通は長い長~い時間を生きてから来る人ばっかりなんだけど」
弄るのが楽しくなってきたのか、両手それぞれの指で髪をクルクルと巻き始める。
「ゴルジから聞いてまだちょっとしか経ってないのに……よっぽどウッカリさんなのかしら?」
「君は……誰なの?」
よく分からない内容のお喋りを続ける少女に僕は問いかけた。
「イ・ズ・ナよ。ほら、言ってごらん?」
「イ……イズナ」
「はいよくできました~」
少女は指に髪を巻きつけたまま両手を挙げて、その場でくるっとターンした。
「ま、来ちゃったものはしょうがないし?さっき採れたばっかりのコレでも食べなさいな」
少女にオレンジ色のツルツルした果実のようななにかを手渡される。
「ほら、グイッといっちゃって」
決してグイッといけるサイズではないが、手が勝手に動いてしまい僕は実を齧ってしまった。
「…………美味しい!」
口の中に香りが広がり、甘い果汁が身体に染み込んでいくのが分かる。
「いい食べっぷりね~」
噛んだそばからジュースのように流れ込む果実を、僕はすぐに完食してしまった。
「さてさて。どうせ”実”のことくらい勉強済みだろうし、イズナちゃんとゴルジの愛に満ち溢れた自慢話大会(司会進行・語り全部イズナちゃん)を始め……」
ここで僕の意識は途絶えた。
「誰もロープを垂らしてくれないでござるぅぅぅ!」
灯花は破った袖で左足首と大剣を結んだまま断崖絶壁を登りきった。
「ボルダリング二段の拙者をもってしても、厳しい壁でござった……」
大剣と足首を結んでいた袖をほどき、服についた泥を払い落とす。
「あれ?なんでユウ氏が地面に寝転がっているのでござるか?」
仰向けに寝転がっている夕に近付いて首筋に指を当てる。
「脈は異常なし……と。おーい、日向ぼっこの雨天決行はいくらなんでも厳しいでござるよ~!」
体を揺らすと気が付いたのか、夕の目が開いた。
「んん…………。寒っ!服がビショビショだし泥だらけだし……僕、何してたんだっけ?」
「拙者に愛の告白を……」
「二秒でバレる嘘をつくな」
容赦のないツッコミが入る。
「ちぇっ。それはそうとして、カガリ氏の姿が見えないのでござるが……」
灯花に言われて周囲を見渡すと、確かにカガリがいない。
「……トイレかな?」
とりあえず雨をよけようと、シャツを脱ぎつつ馬車の荷台へ向かう。
「カガリ?」
一応、乗っていないか確認したが、やはりそこにカガリの姿は無かった。
荷袋の中から下着を取り出して着替えると、荷台の隅っこに何も書いてない封筒のようなものを見つけた。
「灯花~!」
「なんでござる?」
名前を呼んだ瞬間に灯花が幌のすぐ外側で返事をした。
「馬車に封筒がある。たぶん、カガリからっぽい」
「どれどれ……」
灯花が僕から封筒を受け取り、ジーッと見る。
「読めるのか?」
「読めないでござる」
ガクッとずっこけた。
「まぁ心配しなくても大丈夫でござるよ」
「なんで?」
すると、灯花はスっと指を差した。
「たぶん、あの人に聞けば分かるでござるから」
「っ!」
目を覚ました瞬間、エルは全身のバネを駆使して飛び起きる。
「あららら!?」
が、鎧が外されていたせいで勢い余って前のめりに倒れてしまった。
「あら?」
地面とぶつかった感触は無く、その代わりに何かが下敷きになっているような。
「んー!んー!」
下敷きになっていた何かが必死に声を上げている。
状況が飲み込めずに混乱するエル。
「ちょっと失礼するでござるよ」
その声と同時にエルは体を引き起こされた。
「し、死ぬかと思った……」
下敷きになっていた少年が立ち上がるのを見て、エルは今の状況を漠然と理解した。
「申し訳ありません!……敵は!?私、どうなりましたの!?」
異形の怪物と戦い、爪で貫かれたあとの記憶が無い。
「と、とりあえず僕達の馬車で話をしましょう……」
少年は何故か顔を逸らしてこちらを見ない。
「騎士どの騎士どの」
トントンと肩を指で叩かれ振り向くと、少女は服の胸部分を指差している。
「………?……………!!」
切り裂かれていた服の穴から、身体の前半分が露になっていることに気付き……。
「キャァァァァ!!!!」
辺り一帯に悲鳴が響いた。
背中からジワリと暖かい液体が滲んできた。
「なんで……?」
声のした方に顔を向けると、そこには驚いた表情で僕を見るカガリが居た。
「……っ……」
考える前に体が動いてた、と返事をしたかったが僕の喉からは掠れた音が溢れるばかりで上手く話せなかった。
「無駄ナコトヲッ!」
影は夕に刺さっていた槍を引き抜き、カガリへと向けた。
ドサッ
「ナッ!?」
槍が地面に落ちる。
影の両腕と共に。
「どいつもこいつもボクの邪魔ばかり……」
ヒュンヒュン
突然のことに硬直していた影が膝をつく。
刃物で斬られたような傷が両足から開き、そこからダラダラと大量の血が流れ出した。
「ヒッ!」
恐怖に支配された影が芋虫のように這いずり逃げようとする。
ザン
しかし、無慈悲にもその背中を槍で貫かれ……影は息絶えた。
「ユウ……心配しなくていいよ。ボクが絶対に助けるから」
そう言って、カガリは懐から取りだした紅い石を夕の胸の穴へ入れた。
「まさかこんなところで使うなんて思ってなかったけど……やるしかない」
自身の胸に手を当てて、カガリは息を整える。
「”迷いし魂よ、我が言葉に導かれ、主たる器に戻れ……”」
夕の身体とその周りが淡い光に包み込まれていく。
「”反魂の聖法……クダン”!」
ぺしぺし
「…………」
ぺしぺしぺし
「……ん?」
僕が目を覚ましたのは冷たい雨が降る街道ではなく、暖かな陽光が降り注ぐ森の中だった。
「あ、起きた」
横を見ると、拳を振りかぶって殴る寸前みたいなポーズで止まっている少女がいた。
「君は……あっ!」
今しがた起きたことを思い出した僕は、槍で刺された部分を触る。
おかしい。
怪我が無い。
「なにしてんの?」
少女は不思議そうな顔をして僕を見つめる。
「刺されでもしたの?」
かなり物騒なことのはずなのにまるで”教科書忘れたの?”みたいな、いつもの日常感で聞かれた。
「うん。まあ、そんな感じ……」
さっきまでの緊迫した空気が無くなっていることに頭が混乱する。
「あっそ。っていうかさぁ」
あまり興味がわかなかったのか、少女は立ち上がると指先でクルクルと金色の髪を弄り始めた。
「こっち来るの早すぎじゃない?普通は長い長~い時間を生きてから来る人ばっかりなんだけど」
弄るのが楽しくなってきたのか、両手それぞれの指で髪をクルクルと巻き始める。
「ゴルジから聞いてまだちょっとしか経ってないのに……よっぽどウッカリさんなのかしら?」
「君は……誰なの?」
よく分からない内容のお喋りを続ける少女に僕は問いかけた。
「イ・ズ・ナよ。ほら、言ってごらん?」
「イ……イズナ」
「はいよくできました~」
少女は指に髪を巻きつけたまま両手を挙げて、その場でくるっとターンした。
「ま、来ちゃったものはしょうがないし?さっき採れたばっかりのコレでも食べなさいな」
少女にオレンジ色のツルツルした果実のようななにかを手渡される。
「ほら、グイッといっちゃって」
決してグイッといけるサイズではないが、手が勝手に動いてしまい僕は実を齧ってしまった。
「…………美味しい!」
口の中に香りが広がり、甘い果汁が身体に染み込んでいくのが分かる。
「いい食べっぷりね~」
噛んだそばからジュースのように流れ込む果実を、僕はすぐに完食してしまった。
「さてさて。どうせ”実”のことくらい勉強済みだろうし、イズナちゃんとゴルジの愛に満ち溢れた自慢話大会(司会進行・語り全部イズナちゃん)を始め……」
ここで僕の意識は途絶えた。
「誰もロープを垂らしてくれないでござるぅぅぅ!」
灯花は破った袖で左足首と大剣を結んだまま断崖絶壁を登りきった。
「ボルダリング二段の拙者をもってしても、厳しい壁でござった……」
大剣と足首を結んでいた袖をほどき、服についた泥を払い落とす。
「あれ?なんでユウ氏が地面に寝転がっているのでござるか?」
仰向けに寝転がっている夕に近付いて首筋に指を当てる。
「脈は異常なし……と。おーい、日向ぼっこの雨天決行はいくらなんでも厳しいでござるよ~!」
体を揺らすと気が付いたのか、夕の目が開いた。
「んん…………。寒っ!服がビショビショだし泥だらけだし……僕、何してたんだっけ?」
「拙者に愛の告白を……」
「二秒でバレる嘘をつくな」
容赦のないツッコミが入る。
「ちぇっ。それはそうとして、カガリ氏の姿が見えないのでござるが……」
灯花に言われて周囲を見渡すと、確かにカガリがいない。
「……トイレかな?」
とりあえず雨をよけようと、シャツを脱ぎつつ馬車の荷台へ向かう。
「カガリ?」
一応、乗っていないか確認したが、やはりそこにカガリの姿は無かった。
荷袋の中から下着を取り出して着替えると、荷台の隅っこに何も書いてない封筒のようなものを見つけた。
「灯花~!」
「なんでござる?」
名前を呼んだ瞬間に灯花が幌のすぐ外側で返事をした。
「馬車に封筒がある。たぶん、カガリからっぽい」
「どれどれ……」
灯花が僕から封筒を受け取り、ジーッと見る。
「読めるのか?」
「読めないでござる」
ガクッとずっこけた。
「まぁ心配しなくても大丈夫でござるよ」
「なんで?」
すると、灯花はスっと指を差した。
「たぶん、あの人に聞けば分かるでござるから」
「っ!」
目を覚ました瞬間、エルは全身のバネを駆使して飛び起きる。
「あららら!?」
が、鎧が外されていたせいで勢い余って前のめりに倒れてしまった。
「あら?」
地面とぶつかった感触は無く、その代わりに何かが下敷きになっているような。
「んー!んー!」
下敷きになっていた何かが必死に声を上げている。
状況が飲み込めずに混乱するエル。
「ちょっと失礼するでござるよ」
その声と同時にエルは体を引き起こされた。
「し、死ぬかと思った……」
下敷きになっていた少年が立ち上がるのを見て、エルは今の状況を漠然と理解した。
「申し訳ありません!……敵は!?私、どうなりましたの!?」
異形の怪物と戦い、爪で貫かれたあとの記憶が無い。
「と、とりあえず僕達の馬車で話をしましょう……」
少年は何故か顔を逸らしてこちらを見ない。
「騎士どの騎士どの」
トントンと肩を指で叩かれ振り向くと、少女は服の胸部分を指差している。
「………?……………!!」
切り裂かれていた服の穴から、身体の前半分が露になっていることに気付き……。
「キャァァァァ!!!!」
辺り一帯に悲鳴が響いた。
0
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
白花の咲く頃に
夕立
ファンタジー
命を狙われ、七歳で国を出奔した《シレジア》の王子ゼフィール。通りすがりの商隊に拾われ、平民の子として育てられた彼だが、成長するにしたがって一つの願いに駆られるようになった。
《シレジア》に帰りたい、と。
一七になった彼は帰郷を決意し商隊に別れを告げた。そして、《シレジア》へ入国しようと関所を訪れたのだが、入国を断られてしまう。
これは、そんな彼の旅と成長の物語。
※小説になろうでも公開しています(完結済)。
外れスキル「トレース」が、修行をしたら壊れ性能になった~あれもこれもコピーし俺を閉じ込め高見の見物をしている奴を殴り飛ばす~
うみ
ファンタジー
港で荷物の上げ下ろしをしたり冒険者稼業をして暮らしていたウィレムは、女冒険者の前でいい顔をできなかった仲間の男に嫉妬され突き飛ばされる。
落とし穴に落ちたかと思ったら、彼は見たことのない小屋に転移していた。
そこはとんでもない場所で、強力なモンスターがひしめく魔窟の真っただ中だったのだ。
幸い修行をする時間があったウィレムはそこで出会った火の玉と共に厳しい修行をする。
その結果たった一つの動作をコピーするだけだった外れスキル「トレース」が、とんでもないスキルに変貌したのだった。
どんな動作でも記憶し、実行できるように進化したトレーススキルは、他のスキルの必殺技でさえ記憶し実行することができてしまう。
彼はあれもこれもコピーし、迫りくるモンスターを全て打ち倒していく。
自分をここに送った首謀者を殴り飛ばすと心の中に秘めながら。
脱出して街に戻り、待っている妹と郊外に一軒家を買う。
ささやかな夢を目標にウィレムは進む。
※以前書いた作品のスキル設定を使った作品となります。内容は全くの別物となっております。
辺境で魔物から国を守っていたが、大丈夫になったので新婚旅行へ出掛けます!
naturalsoft
ファンタジー
王国の西の端にある魔物の森に隣接する領地で、日々魔物から国を守っているグリーンウッド辺境伯爵は、今日も魔物を狩っていた。王国が隣接する国から戦争になっても、王国が内乱になっても魔物を狩っていた。
うん?力を貸せ?無理だ!
ここの兵力を他に貸し出せば、あっという間に国中が魔物に蹂躙されるが良いのか?
いつもの常套句で、のらりくらりと相手の要求を避けるが、とある転機が訪れた。
えっ、ここを守らなくても大丈夫になった?よし、遅くなった新婚旅行でも行くか?はい♪あなた♪
ようやく、魔物退治以外にやる気になったグリーンウッド辺境伯の『家族』の下には、実は『英雄』と呼ばれる傑物達がゴロゴロと居たのだった。
この小説は、新婚旅行と称してあっちこっちを旅しながら、トラブルを解決して行き、大陸中で英雄と呼ばれる事になる一家のお話である!
(けっこうゆるゆる設定です)
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる