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第五章
404 医療者の言うことを聞いてくれ
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ひとまず程よく離れた一軒家を拝借する。
蟻たちがいそいそと医療用具を持ち込み、家の中をできるだけ消毒し、なおかつ外から見えないようにする。せいぜい小学校の保健室程度の設備だけど、注射だけならこれで十分だ。
ちなみにサリは周囲でなんか祈っている。何の意味もないけど、この場所を清めて聖なる場所にうんたらかんたら。
とりあえず近づかないようにしろって言ったらそういうことになったらしい。だんだんサリの使い方がわかってきた気がする。
こう、あれだ。脳内で自分に都合よく設定をセイノス教っぽく変換して、それがうまい具合に受け入れられるみたいだ。オレにはさっぱりわからんけど。
「これでこの場所は聖められました。すぐに病人を運んでください」
汗をぬぐい、息を長くはいていかにも努力した様子だ。それを見た村人はまた感謝の視線を向ける。
しかし場を整えたのは働き蟻だ。
ぶっちゃけサリはふがふが言ってただけ。でも尊敬されるのはサリ。……なんだかなあ。
「これから神の奇跡で病を癒します。しかしそれは誰の目に触れてもなりません。もしも見ればあなた方は楽園に旅立てなくなるでしょう」
痛い設定乙。
楽園に旅立てなくなるとは死後の安息が約束されなくなるらしいので、死よりも重い罰らしい。村人たちは蒼白になりながら生唾を飲み込む。
「さらに奇跡は痛みを伴う。敬虔なるセイノス教徒ならば耐えられるだろう」
そりゃ注射だから痛いさ。よくまあ舌が回る。
ちなみにサリは注射未経験です。
「覚悟のできた方のみ近くに来てください。私の傍仕えが案内します」
傍仕えとは美月と久斗だ。二人もまたサリには劣るが尊崇の視線を向けられていた。
久斗が目隠しを病人にかけ、その病人を美月が手を引いていく。歩くことさえままならないなら久斗が背中におぶっていく。あいつも力が強くなったなあと少し感慨深い。
病人はみんな疲労困憊の様子だったけれど、意識がある奴らからは不安や悲壮感は感じない。喜びと、高揚。銀の聖女の奇跡を見れなくても、その場に居合わせることが嬉しいようだ。
注射の跡を隠すように巻かれた包帯を大事にさすったり、小屋に最敬礼を行ったりしている。
説明するまでもないだろうけど、包帯を巻いたのも注射をしたのも働き蟻。美月や久斗は外で村人たちの相手をしている。
ではサリは何をしているのか。
何もしていない。せいぜい注射の前と後に声をかけるだけ。それが無駄だとは言わんけどね。実のところ治療行為を見せないのはサリが何もしていないことをばれないようにするためでもある。
というか村人たちは全部サリがやっていると思っていそうだし。
くどいようだけどサリは本当に何もしてない。いや、むしろ病人に接触することを忌避している様子さえある。感染防止としては何ひとつとして間違っていないけどな。
今までオレの部下はほとんどが働き者だったからむしろ新鮮だ。口ばっかりで自分はたいして何もしない奴。
バイトや仕事をしていればそういう労働者はたまに出会う。千尋あたりもやる気が出ないことはある。
でも働かずに利益、つまり他人からの称賛を受け取っているのはこの世界に来てからはサリが初めてかもしれない。
正直に言えば嫌悪感はある。
ここが会社でオレが社長ならサリは真っ先にクビにするべき社員だ。そうであるはずだ。
しかしサリは顧客、この場合村人の確保に成功してしまっている。だからクビにはできない。
怠け者がもっとも成果を出すというのもなんとまあ皮肉だ。よく聞く話でもあるけどね。いつの世も裏方は貧乏くじを引くか。
蟻はともかくとして、美月と久斗がストレスを感じないようにしないといけないな。
特に美月。サリのご機嫌取りを苦にしていたとしたら相当なストレスだろう。後で気遣った方がいいかもしれない。
しばらく時間がかかったけれど、ひとまず病人への抗生物質の注射は済んだ。
次は病人の看護と感染拡大の防止だ。
ペストの感染経路は主に二つ。
ノミに刺される。ペスト患者が咳などから微小な水滴を放出し、健常者がそれを吸引してしまうこと。
前者は衛生環境を整えること。働き蟻にはこっそりとノミやネズミの駆除を頼んである。後者はマスクで防げるかもしれないけど……マスク文化がありませーん。ぶっちゃけ運を天に任せるしかない。
看護要員は働き蟻では難しい。いかに真の聖別(笑)を受けているからといって魔物の世話になることは耐えられないらしい。
元気な村人に看護をさせるためにちょっとしたレクチャーをしている。例えば部屋を清潔にしたり、食器などを聖水という名目にした消毒液で洗ったりすること。
現代なら誰でも知っているようなことをいちいち教えなくちゃならないのは面倒くさい。
が、それでも一番困ったのは――――。
「だから! 祈るなっつってんだろうが――――! サリ! 何とかなんないのか!?」
「紫水様。祈りは欠かすことができません」
「ああそうかい! じゃあせめて小声にさせてくれ!」
「それならばなんとか」
どうにか妥協点を見つける。
最大の問題点はとにかくセイノス教徒は祈りを欠かさないこと。何故ならこいつらにとって病は神に祈れば治るはずなのだから。
当然ながら神に祈ったところで病が治るはずもない。というかさらに感染拡大するリスクの方が高い。
さっきも言ったけど咳や痰からペストが移る。なので患者がしゃべればしゃべるほどペスト感染のリスクは高まる。ちょっとしゃべるくらいならまだいい。大声で聖歌を唄いだすのは本当に勘弁してほしい。
無駄に体力が減るし、睡眠不足にもつながる。
つーかペストがこんなに早く広まったのはこれが原因じゃないか!?
わかっているのか!?
お前たちのその愚行がどんどん病気を広めているんだぞこの大馬鹿野郎ども!
病人は安静にして寝てろって教わらなかったのか!? 習ってないんでしょうね! しかも看護人も一緒になって祈ってんじゃねえ! お前らにまで感染したらめんどくさいんだよ!
ああもう! 統計学者にして看護師の祖であるあの方が聞いたら殴り込みに来るんじゃ……いや、その前に病を広めたオレが殺されるな。
うん、あの人なら絶対にやる。
地球でも医者の言うことを聞かずに怪しげな民間療法やデマに惑わされる患者が後を絶たないと聞くけれど……こんなところでそれを実感するとはな。
こうして数々の面倒ごとに直面しながらも村人は快方に向かっていった。
それに伴いサリに対する畏敬の念は増していった。
実際には何もしてないけどな、あいつ。
だが、思わぬところで過去は足元に忍び寄ってくる。忘れたころに。蛇のように。
蟻たちがいそいそと医療用具を持ち込み、家の中をできるだけ消毒し、なおかつ外から見えないようにする。せいぜい小学校の保健室程度の設備だけど、注射だけならこれで十分だ。
ちなみにサリは周囲でなんか祈っている。何の意味もないけど、この場所を清めて聖なる場所にうんたらかんたら。
とりあえず近づかないようにしろって言ったらそういうことになったらしい。だんだんサリの使い方がわかってきた気がする。
こう、あれだ。脳内で自分に都合よく設定をセイノス教っぽく変換して、それがうまい具合に受け入れられるみたいだ。オレにはさっぱりわからんけど。
「これでこの場所は聖められました。すぐに病人を運んでください」
汗をぬぐい、息を長くはいていかにも努力した様子だ。それを見た村人はまた感謝の視線を向ける。
しかし場を整えたのは働き蟻だ。
ぶっちゃけサリはふがふが言ってただけ。でも尊敬されるのはサリ。……なんだかなあ。
「これから神の奇跡で病を癒します。しかしそれは誰の目に触れてもなりません。もしも見ればあなた方は楽園に旅立てなくなるでしょう」
痛い設定乙。
楽園に旅立てなくなるとは死後の安息が約束されなくなるらしいので、死よりも重い罰らしい。村人たちは蒼白になりながら生唾を飲み込む。
「さらに奇跡は痛みを伴う。敬虔なるセイノス教徒ならば耐えられるだろう」
そりゃ注射だから痛いさ。よくまあ舌が回る。
ちなみにサリは注射未経験です。
「覚悟のできた方のみ近くに来てください。私の傍仕えが案内します」
傍仕えとは美月と久斗だ。二人もまたサリには劣るが尊崇の視線を向けられていた。
久斗が目隠しを病人にかけ、その病人を美月が手を引いていく。歩くことさえままならないなら久斗が背中におぶっていく。あいつも力が強くなったなあと少し感慨深い。
病人はみんな疲労困憊の様子だったけれど、意識がある奴らからは不安や悲壮感は感じない。喜びと、高揚。銀の聖女の奇跡を見れなくても、その場に居合わせることが嬉しいようだ。
注射の跡を隠すように巻かれた包帯を大事にさすったり、小屋に最敬礼を行ったりしている。
説明するまでもないだろうけど、包帯を巻いたのも注射をしたのも働き蟻。美月や久斗は外で村人たちの相手をしている。
ではサリは何をしているのか。
何もしていない。せいぜい注射の前と後に声をかけるだけ。それが無駄だとは言わんけどね。実のところ治療行為を見せないのはサリが何もしていないことをばれないようにするためでもある。
というか村人たちは全部サリがやっていると思っていそうだし。
くどいようだけどサリは本当に何もしてない。いや、むしろ病人に接触することを忌避している様子さえある。感染防止としては何ひとつとして間違っていないけどな。
今までオレの部下はほとんどが働き者だったからむしろ新鮮だ。口ばっかりで自分はたいして何もしない奴。
バイトや仕事をしていればそういう労働者はたまに出会う。千尋あたりもやる気が出ないことはある。
でも働かずに利益、つまり他人からの称賛を受け取っているのはこの世界に来てからはサリが初めてかもしれない。
正直に言えば嫌悪感はある。
ここが会社でオレが社長ならサリは真っ先にクビにするべき社員だ。そうであるはずだ。
しかしサリは顧客、この場合村人の確保に成功してしまっている。だからクビにはできない。
怠け者がもっとも成果を出すというのもなんとまあ皮肉だ。よく聞く話でもあるけどね。いつの世も裏方は貧乏くじを引くか。
蟻はともかくとして、美月と久斗がストレスを感じないようにしないといけないな。
特に美月。サリのご機嫌取りを苦にしていたとしたら相当なストレスだろう。後で気遣った方がいいかもしれない。
しばらく時間がかかったけれど、ひとまず病人への抗生物質の注射は済んだ。
次は病人の看護と感染拡大の防止だ。
ペストの感染経路は主に二つ。
ノミに刺される。ペスト患者が咳などから微小な水滴を放出し、健常者がそれを吸引してしまうこと。
前者は衛生環境を整えること。働き蟻にはこっそりとノミやネズミの駆除を頼んである。後者はマスクで防げるかもしれないけど……マスク文化がありませーん。ぶっちゃけ運を天に任せるしかない。
看護要員は働き蟻では難しい。いかに真の聖別(笑)を受けているからといって魔物の世話になることは耐えられないらしい。
元気な村人に看護をさせるためにちょっとしたレクチャーをしている。例えば部屋を清潔にしたり、食器などを聖水という名目にした消毒液で洗ったりすること。
現代なら誰でも知っているようなことをいちいち教えなくちゃならないのは面倒くさい。
が、それでも一番困ったのは――――。
「だから! 祈るなっつってんだろうが――――! サリ! 何とかなんないのか!?」
「紫水様。祈りは欠かすことができません」
「ああそうかい! じゃあせめて小声にさせてくれ!」
「それならばなんとか」
どうにか妥協点を見つける。
最大の問題点はとにかくセイノス教徒は祈りを欠かさないこと。何故ならこいつらにとって病は神に祈れば治るはずなのだから。
当然ながら神に祈ったところで病が治るはずもない。というかさらに感染拡大するリスクの方が高い。
さっきも言ったけど咳や痰からペストが移る。なので患者がしゃべればしゃべるほどペスト感染のリスクは高まる。ちょっとしゃべるくらいならまだいい。大声で聖歌を唄いだすのは本当に勘弁してほしい。
無駄に体力が減るし、睡眠不足にもつながる。
つーかペストがこんなに早く広まったのはこれが原因じゃないか!?
わかっているのか!?
お前たちのその愚行がどんどん病気を広めているんだぞこの大馬鹿野郎ども!
病人は安静にして寝てろって教わらなかったのか!? 習ってないんでしょうね! しかも看護人も一緒になって祈ってんじゃねえ! お前らにまで感染したらめんどくさいんだよ!
ああもう! 統計学者にして看護師の祖であるあの方が聞いたら殴り込みに来るんじゃ……いや、その前に病を広めたオレが殺されるな。
うん、あの人なら絶対にやる。
地球でも医者の言うことを聞かずに怪しげな民間療法やデマに惑わされる患者が後を絶たないと聞くけれど……こんなところでそれを実感するとはな。
こうして数々の面倒ごとに直面しながらも村人は快方に向かっていった。
それに伴いサリに対する畏敬の念は増していった。
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