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第五章
380 西の良き隣人
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「さあ! 国王陛下と教皇猊下からの令は下りました! 今こそ! 信徒の誇りを見せる時です!」
そう宣言する老女は年齢にそぐわない大声を張り上げ、その声よりもはるかに大きな歓声に飲み込まれる。
彼女、ないし彼は今からこの土地、スーサンを旅立つのだ。
誰もがこのクワイの西の果ての地には戻らないと思っている。何故なら遂に救いが訪れるからだ。もはや故郷など必要ない。
できる限りの荷物を持ち、忌まわしき蟻の居城へと向かい、生けるもの全てを救う使命を果たす。ただそれだけを想い、前進を始めた。
当然ながら移動には時間がかかる。
この西から樹海までの距離は相当にあり、そこまでの道のりはただ移動するだけでも困難を極める。
さらに食料などの管理、傷病人の治療、それらの諸問題を解決、対応するための準備は地味だが想像を絶するほど困難だ。
それに加え、移動するにつれ懐郷の念などによって兵卒の士気が下がる懸念もある。
しかしそれらすべての問題を一挙に解決する画期的な方法がある。
兵隊の命を惜しまなければよいのだ。
命が惜しくないから、腹が減っても戦える。命が惜しくないから病に倒れても不満などない。命が惜しくないから故郷に帰ろうとは思わない。
理性をかなぐり捨てたような狂信が結果的に最も合理的な戦略になっているのはいっそ皮肉と言えるだろう。
数日後。
誰一人いなくなった無人の街にわがもの顔で闊歩する蟻の姿があった。
「ほんとに誰もいねえな。食料はどうだ?」
「根こそぎ持っていっているようです」
そりゃそうか。流石にそこまでアホでもないらしい。
食い物は何をおいても持っていくべきだからな。
さていま働き蟻たちが偵察に訪れているのはクワイの西にあるスーサン。
以前から何かと話題になるこの町に向かわせたのは色々と理由がある。
何度かカッコウの偵察を向かわせているけれど、ほとんど音信が途絶えている。原因も何もかも不明。
だからこそ地上から偵察に向かわせ、何か異変がないかと見張らせていたのだけど。
「本当にいなくなるとはな」
この町にはもう誰もいない。老いも若いも皆オレたちの樹海に向かっている。
少なく見ても一か月以上はかかるとはいえ数百万人の暴徒が押し寄せてくると思うと憂鬱な気分になる。
が、見方を変えればこの町は簡単に占拠できるということだ。
「捨てていったもんを再利用しちゃいけないなんて法律はないからな。オレたちが有効活用しようじゃないか。まずは水場だ。しっかり押さえろよ」
この町は外の川から水路を引いており、町の水供給の大部分はその水路に頼っている。
その水路をきちんと使えるようにすれば後は適当にやっておけばどうにかなる。
「お、水路があったな。よしよしそれじゃあ――――」
そうして水路を調べさせていると、不意に水が盛り上がる。
何かがそこにいる。
そう思った束の間。
それは突然現れた。
のっぺらぼうという言葉がぴったりとはまる青い影のような顔。目や鼻がどこにあるのかさっぱりわからない。
腕は短いが、奇妙なほど細長い指を持ち、そしてどこかトカゲを思わせる尻尾がある二足歩行生物。
だが、なによりも奇妙なのはその生物の色。
青を基調とした服を着こみ、さらにその服と同じ体色。いや、むしろその服の色は体の色を際立たせるように少しだけ薄かった。
青は藍より出でて藍より青し。
そんな言葉を思い出させるその魔物は藍色をした生き物。間違いない。
こいつが西藍だ。
働き蟻と目が合う。
すると一瞬だけぽかんとした。表情なんてわからないけれどなんとなくそう思った。
どうしてここにいる? そう尋ねたいような表情だった気がする。
それは働き蟻も同じだったのだろう。
奇妙な間をおいて、ふたりともに同時に弾かれるように戦端が開かれた。
藍色の体を躍らせ、前傾姿勢で走り出す西藍。それに対し、弓矢で応戦する働き蟻。
当然偵察部隊であるこちらは武装も貧弱だ。
矢はヒトモドキの<盾>に近い魔法で防がれ、お返しとばかりに右腕を振るった。
ざっくりと切り裂かれる働き蟻。しかし真に驚くべきことは、その右腕には今までなかったはずの鈍い輝きを放つ爪が握られていたことだ。
恐らく、何らかの金属を操る魔法だろう。やはり、だ。
「ふざけんなあ! マジで複数の魔法使ってやがるぞこの野郎!」
事前にエルフの手記を読んでいたとはいえ驚きは隠せない。今まで相手がどんなに強くても二種類以上の魔法を使った魔物はいない。そう見えていてもやはり一種類の魔法しか使えなかった。
しかし西藍は違う。正真正銘複数の魔法を操る。
そして、女王蟻の探知能力もそれを裏付けている。
こいつには複数の魔物の気配が感じられる。
探知能力は魔物を色によって識別する。大体体内の宝石と同じ色なわけだけど……こいつの場合それがぐちゃぐちゃに混ざっていて、万華鏡みたいだ。
「魔法を複数使えるっていうより他の魔物を取り込む魔法みたいなもんか……? いやそもそもこいつら何でここにいる?」
この遭遇戦は偶然だろうか。
少なくともお互いに予期していた戦いではないだろう。もしもオレが敵の指揮官なら姿を現すよりも先に攻撃したはずだ。
しかし全くの偶然とも考えにくい。スーサンの街に侵入するタイミングが被ったのは単純にそこの住人がいなくなったから様子を見に来たと考えるべきだ。
つまり、こいつらはなぜここからヒトモドキがいなくなったのか調査しに来たのではないか?
次々と西藍が姿を現すが、その数は十人ほど。軍勢とは呼べない。
恐らくは斥候。
この辺りの敵の動向を調べている兵隊だろう。
なら逆にヒトモドキがオレたちと絶賛戦争中であるということまでつかめていない可能性が高い。
「全員傾聴! こいつらは敵だ! 全力をもって倒せ! 絶対に逃がすな!」
敵にも探知や長距離テレパシーが使えるならここで敵に情報を入手されると漁夫の利を得ようと乱入されるだろう。
このゴタゴタのさなかに別勢力と戦うのだけは避けたい。なんとしても、ここで皆殺しにする。
そう宣言する老女は年齢にそぐわない大声を張り上げ、その声よりもはるかに大きな歓声に飲み込まれる。
彼女、ないし彼は今からこの土地、スーサンを旅立つのだ。
誰もがこのクワイの西の果ての地には戻らないと思っている。何故なら遂に救いが訪れるからだ。もはや故郷など必要ない。
できる限りの荷物を持ち、忌まわしき蟻の居城へと向かい、生けるもの全てを救う使命を果たす。ただそれだけを想い、前進を始めた。
当然ながら移動には時間がかかる。
この西から樹海までの距離は相当にあり、そこまでの道のりはただ移動するだけでも困難を極める。
さらに食料などの管理、傷病人の治療、それらの諸問題を解決、対応するための準備は地味だが想像を絶するほど困難だ。
それに加え、移動するにつれ懐郷の念などによって兵卒の士気が下がる懸念もある。
しかしそれらすべての問題を一挙に解決する画期的な方法がある。
兵隊の命を惜しまなければよいのだ。
命が惜しくないから、腹が減っても戦える。命が惜しくないから病に倒れても不満などない。命が惜しくないから故郷に帰ろうとは思わない。
理性をかなぐり捨てたような狂信が結果的に最も合理的な戦略になっているのはいっそ皮肉と言えるだろう。
数日後。
誰一人いなくなった無人の街にわがもの顔で闊歩する蟻の姿があった。
「ほんとに誰もいねえな。食料はどうだ?」
「根こそぎ持っていっているようです」
そりゃそうか。流石にそこまでアホでもないらしい。
食い物は何をおいても持っていくべきだからな。
さていま働き蟻たちが偵察に訪れているのはクワイの西にあるスーサン。
以前から何かと話題になるこの町に向かわせたのは色々と理由がある。
何度かカッコウの偵察を向かわせているけれど、ほとんど音信が途絶えている。原因も何もかも不明。
だからこそ地上から偵察に向かわせ、何か異変がないかと見張らせていたのだけど。
「本当にいなくなるとはな」
この町にはもう誰もいない。老いも若いも皆オレたちの樹海に向かっている。
少なく見ても一か月以上はかかるとはいえ数百万人の暴徒が押し寄せてくると思うと憂鬱な気分になる。
が、見方を変えればこの町は簡単に占拠できるということだ。
「捨てていったもんを再利用しちゃいけないなんて法律はないからな。オレたちが有効活用しようじゃないか。まずは水場だ。しっかり押さえろよ」
この町は外の川から水路を引いており、町の水供給の大部分はその水路に頼っている。
その水路をきちんと使えるようにすれば後は適当にやっておけばどうにかなる。
「お、水路があったな。よしよしそれじゃあ――――」
そうして水路を調べさせていると、不意に水が盛り上がる。
何かがそこにいる。
そう思った束の間。
それは突然現れた。
のっぺらぼうという言葉がぴったりとはまる青い影のような顔。目や鼻がどこにあるのかさっぱりわからない。
腕は短いが、奇妙なほど細長い指を持ち、そしてどこかトカゲを思わせる尻尾がある二足歩行生物。
だが、なによりも奇妙なのはその生物の色。
青を基調とした服を着こみ、さらにその服と同じ体色。いや、むしろその服の色は体の色を際立たせるように少しだけ薄かった。
青は藍より出でて藍より青し。
そんな言葉を思い出させるその魔物は藍色をした生き物。間違いない。
こいつが西藍だ。
働き蟻と目が合う。
すると一瞬だけぽかんとした。表情なんてわからないけれどなんとなくそう思った。
どうしてここにいる? そう尋ねたいような表情だった気がする。
それは働き蟻も同じだったのだろう。
奇妙な間をおいて、ふたりともに同時に弾かれるように戦端が開かれた。
藍色の体を躍らせ、前傾姿勢で走り出す西藍。それに対し、弓矢で応戦する働き蟻。
当然偵察部隊であるこちらは武装も貧弱だ。
矢はヒトモドキの<盾>に近い魔法で防がれ、お返しとばかりに右腕を振るった。
ざっくりと切り裂かれる働き蟻。しかし真に驚くべきことは、その右腕には今までなかったはずの鈍い輝きを放つ爪が握られていたことだ。
恐らく、何らかの金属を操る魔法だろう。やはり、だ。
「ふざけんなあ! マジで複数の魔法使ってやがるぞこの野郎!」
事前にエルフの手記を読んでいたとはいえ驚きは隠せない。今まで相手がどんなに強くても二種類以上の魔法を使った魔物はいない。そう見えていてもやはり一種類の魔法しか使えなかった。
しかし西藍は違う。正真正銘複数の魔法を操る。
そして、女王蟻の探知能力もそれを裏付けている。
こいつには複数の魔物の気配が感じられる。
探知能力は魔物を色によって識別する。大体体内の宝石と同じ色なわけだけど……こいつの場合それがぐちゃぐちゃに混ざっていて、万華鏡みたいだ。
「魔法を複数使えるっていうより他の魔物を取り込む魔法みたいなもんか……? いやそもそもこいつら何でここにいる?」
この遭遇戦は偶然だろうか。
少なくともお互いに予期していた戦いではないだろう。もしもオレが敵の指揮官なら姿を現すよりも先に攻撃したはずだ。
しかし全くの偶然とも考えにくい。スーサンの街に侵入するタイミングが被ったのは単純にそこの住人がいなくなったから様子を見に来たと考えるべきだ。
つまり、こいつらはなぜここからヒトモドキがいなくなったのか調査しに来たのではないか?
次々と西藍が姿を現すが、その数は十人ほど。軍勢とは呼べない。
恐らくは斥候。
この辺りの敵の動向を調べている兵隊だろう。
なら逆にヒトモドキがオレたちと絶賛戦争中であるということまでつかめていない可能性が高い。
「全員傾聴! こいつらは敵だ! 全力をもって倒せ! 絶対に逃がすな!」
敵にも探知や長距離テレパシーが使えるならここで敵に情報を入手されると漁夫の利を得ようと乱入されるだろう。
このゴタゴタのさなかに別勢力と戦うのだけは避けたい。なんとしても、ここで皆殺しにする。
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