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第二章
84 君の名を知っている
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「じゃ、じゃ、じゃ……」
あまりの驚きに言葉を失うとはこのことか。一体だれがこれを予想したと言うのか。
ひとたびは悪魔と呼ばれ、しかし次には救世主とさえ呼ばれたそれの名前は――
「ジャガイモだ――――――――!!!!!」
話は少し前に遡る。
誠心誠意込めた協力の甲斐あってやくざ蟻と和解することに成功した我らはやくざ蟻の巣に招かれることになった。そこで主食は何かを尋ねたところ、丸くてでこぼこした食材をポンっとくれたぜ。そう! ジャガイモだ! 形から察するに男爵みたいだ。
「ジャガイモの利点とは何か。やはり地下に可食部があるため天候に影響を受けにくいところだな。おっと、寒さと乾燥に強い点も見過ごせない。さらに栽培面積当たりの収穫量が多いうえに痩せた土地でも十分育つからこそ今でも主要作物になっているわけだ。魔物みたいだからさらに生産量アップだ! まあ連作障害が結構あるし、病気にもやや弱いのが欠点だけどな。あと栄養生殖だからクローンも簡単に作れるぞ! いちいち接ぎ木したりする必要はない。イエーイ! だからこそ病気貰うと一発アウトだけど。おっと話の内容が被っちまった。次は栄養面を見てみようか。デンプンの塊だぜ! デンプン! 炭水化物! そう! 主食だ! よう! やく! 主食が手に入ったぞ! ヒィィィィィヤッハァァァァァ! 辛生姜とか渋リンだとオレ的にはやっぱり主食にはならないんだ! 美味い時もあるけど! そして何よりビタミンCの含有量が多い! さらにデンプンで保護されるため加熱してもビタミンCが壊れない! 壊血病の解決に必要だったのはジャガイモなんじゃないか!? ダジャレじゃないぞ! さらにさらにぃ! 片栗粉などに加工可能! 上手くやればフライドポテトができるかも!? 夢が広がるぜええぇぇぇぇ!!!!」
ここまで一息に喋ったせいかちょっと疲れちゃった。けどオレの興奮は理解してもらえたと思う。
おいこらそこ。ドン引きしてんじゃねーよ。ちょっと話し込んじゃっただけじゃないか。
「ちなみにお前らジャガイモをどうやって食べてるんだ?」
「? そら、食べとるに決まっとるわ」
あ、やっぱり生で食べてるんだ。にやり。
人に好かれる方法もう一つあったな。それは胃袋を掴むことだ。今こそオレの料理の腕前が問われる時!
まあ正直そんな凝った料理ができるわけじゃない。シンプルに蒸すか。
かまどを作って枯れ木を集めて火を点ける。たったそれだけの作業なのにやくざ蟻は興味深そうにのぞき込んでいる。蟻の好奇心が強いのはどこも変わらないようだ。
蒸す用の鍋と水を準備してっと……ん? 味方蟻の奴、皮剝いてるのか?
「おい、今回は蒸し料理だから皮剝かなくていいぞ?」
「いや、これな? 皮ちゃんとむかな駄目なんじゃ」
どうもこの蟻の方言というか喋り方というか安定してないな。とはいえ今の発言は無視できない。ジャガイモの芽や緑色になった皮にはソラニンという毒性物質が思いっきり含まれている。嘔吐や胃炎などを引き起こすので例え加熱してもジャガイモの芽は食べてはいけない。
さらにこのジャガイモは魔物だ。今までの経験上植物の魔物はかなり捕食者に対して防御の強い化学物質を含んでいることが多い。強力な毒性物質が含まれている可能性は非常に高い。油断はできない。
それを理解しているのか皮をちゃんと処理している……ただ、その、
「口で皮を剝くのはどうなんだ?」
こいつらはがじがじ齧ってジャガイモの皮を剝いている。毒性のあるかもしれない植物を齧るのは危険だと思わないのか?
「ほなどうしたらええんじゃ?」
「ナイフ作れ。それで皮剝け」
<錬土>でナイフを作って皮を剝かせたら、一斉に味方蟻が目を輝かせ始めた。
「何じゃこれ!」
「どないしますん!?」
「すげえ!」
褒められるのは悪い気がしないけど微妙に馬鹿にされてるような気がするのはオレが卑屈っぽいのか? こんなことで驚くとか……原始人に文明を教えているようだ。蟻は頭がいいのに何で刃物を作ろうとしないのか。よくわからん。
ちょっと時間をかけて蒸す。聞いて驚け! この料理の名を!
「ふかしたジャガイモだ!」
まんまじゃねーか。というツッコミは受け付けない。
「こら美味い!」
「めっちゃ柔らかいんじゃ!」
「はぐはぐはぐはぐ」
グルメ漫画のモブみたいな反応が気になるけど好評なのは何よりだ。更にここで追加効果発動! ドライジンジャーだ!
ふりかけのようにジャガイモにふりかける。
「うおっ!? ピリッとしよる!」
「でももっと喰いたい!」
「はふはふはふ」
好評。好評。やはり人を手懐けるにはこれだな! 胃袋キャッチ!
「あ、そだ。ついでに畑とか見せてもらっていいか?」
「おう! 見ていいで」
辺り一面ジャガイモの緑色の葉……いや一部は作付けしていないようだ。雑草が茂っている。ジャガイモ畑には白っぽい花が咲いている。どうもジャガイモの花じゃないな。どちらかというとアサガオの花に……似て……い……る。
ものすごく嫌な予感がする。
実はジャガイモはナス科の植物だ。トマトやピーマンなんかもそうでナス科には農業や園芸用の植物が多い。で、その中に割と有名でなおかつアサガオの花に似た花をつける植物があるわけですよ。
「なあ。あの花食べたり触ったりすると幻が見えたりしないか?」
「よう知っとるな! 花と葉食べたらあかん」
はい、かくてーい。アレの名前はチョウセンアサガオだ。超・強・力・毒持ちの植物! 主に幻覚、悪寒など! 死亡事故もあったはずだよな!? 魔法の効果なのか毒によるものかはわかんないけどどっちにしろやばすぎる! なんてもん食ってたんだ!
「塊とか茎のとこは大丈夫じゃ」
「まあ、そうじゃなきゃ食えんよな」
毒がある部位はまじで死ぬぞ。よく栽培する気になったなこれ。ちゃんと栽培方法を聞き出した方がよさそうだ。
さて。まさかのジャガイモ発見でテンションが上がりまくっていたけどちょっと現実に立ち向かわなきゃ。
はい。蜘蛛さんです。さっきからめっちゃこっち見てる! や、そんなテレパシーを感じるだけだけどさ! 食事時でも機嫌よくならないのってやばいよ! だんだん目のハイライトなくなってね!? 怖い! 怖いよ蜘蛛さん!
よし! 名前いい加減に決めよう! 悩んでる場合じゃねえ! 自分だけで考えるよりもこいつの要望とかも聞いてみよう!
「よ、よし。あれだ! お前糸好きだよな! それにちなんだ名前とかはどうだ!」
「妾にとって糸は神聖であり、自身と合一すべきものではない」
あっかーん。ハイライトがどんどん消えてる気がする。やばい。バッドエンドに近づいてる!?
おおお、落ち着けオレ。大事なのは相手が大切だと思うものを正確に予想すりゅことだ! 全然落ち着いてない!
「えーとそれなら大きいとか広いとかそんな名前はどうだ」
蜘蛛さんピクリと体を震わす。お、当たりか? 適当だけど反応は悪くないぞ? むう。しかし仮にも女性の名前で大きさを表すとなると……うーん、広子? ダメだな。安直すぎ。
一応オレが日本っぽい名前だしこいつらも和風で統一したいな。広い、大きい、深い……あ、一個思いついた。
「千尋ってのはどうだ? 深い、とか、高いって意味になるけど」
ありきたりな名前ではあるけど女の子っぽくはあるはずだ。
「む、う。響きは悪くないな」
「気に入ったか?」
「まあよかろう」
ふいー、セフセフ。バッドエンド回避成功。名前一つで大騒ぎしすぎだ。
「ところで、これにも文字があるのか?」
「へ? そりゃあるけど……なんで急に気にしてるんだ?」
「……自分の名前をなんと書くか知りたいであろう」
そりゃそうだ。いや全く持ってその通り。子供がまず練習するのは自分の名前の文字じゃないか? そんな簡単なことにも気づかないとは……やっぱりアホだな。
まず相手が興味を持ってくれるように工夫しなければならなかったな。
「ひらがなだと"ちひろ"。漢字だと"千尋"。こうやって書くんだ。面白いだろ? 文字って」
コクコクと頷く蜘蛛に文字を教える。ゆったりとした時間が流れていった。
あまりの驚きに言葉を失うとはこのことか。一体だれがこれを予想したと言うのか。
ひとたびは悪魔と呼ばれ、しかし次には救世主とさえ呼ばれたそれの名前は――
「ジャガイモだ――――――――!!!!!」
話は少し前に遡る。
誠心誠意込めた協力の甲斐あってやくざ蟻と和解することに成功した我らはやくざ蟻の巣に招かれることになった。そこで主食は何かを尋ねたところ、丸くてでこぼこした食材をポンっとくれたぜ。そう! ジャガイモだ! 形から察するに男爵みたいだ。
「ジャガイモの利点とは何か。やはり地下に可食部があるため天候に影響を受けにくいところだな。おっと、寒さと乾燥に強い点も見過ごせない。さらに栽培面積当たりの収穫量が多いうえに痩せた土地でも十分育つからこそ今でも主要作物になっているわけだ。魔物みたいだからさらに生産量アップだ! まあ連作障害が結構あるし、病気にもやや弱いのが欠点だけどな。あと栄養生殖だからクローンも簡単に作れるぞ! いちいち接ぎ木したりする必要はない。イエーイ! だからこそ病気貰うと一発アウトだけど。おっと話の内容が被っちまった。次は栄養面を見てみようか。デンプンの塊だぜ! デンプン! 炭水化物! そう! 主食だ! よう! やく! 主食が手に入ったぞ! ヒィィィィィヤッハァァァァァ! 辛生姜とか渋リンだとオレ的にはやっぱり主食にはならないんだ! 美味い時もあるけど! そして何よりビタミンCの含有量が多い! さらにデンプンで保護されるため加熱してもビタミンCが壊れない! 壊血病の解決に必要だったのはジャガイモなんじゃないか!? ダジャレじゃないぞ! さらにさらにぃ! 片栗粉などに加工可能! 上手くやればフライドポテトができるかも!? 夢が広がるぜええぇぇぇぇ!!!!」
ここまで一息に喋ったせいかちょっと疲れちゃった。けどオレの興奮は理解してもらえたと思う。
おいこらそこ。ドン引きしてんじゃねーよ。ちょっと話し込んじゃっただけじゃないか。
「ちなみにお前らジャガイモをどうやって食べてるんだ?」
「? そら、食べとるに決まっとるわ」
あ、やっぱり生で食べてるんだ。にやり。
人に好かれる方法もう一つあったな。それは胃袋を掴むことだ。今こそオレの料理の腕前が問われる時!
まあ正直そんな凝った料理ができるわけじゃない。シンプルに蒸すか。
かまどを作って枯れ木を集めて火を点ける。たったそれだけの作業なのにやくざ蟻は興味深そうにのぞき込んでいる。蟻の好奇心が強いのはどこも変わらないようだ。
蒸す用の鍋と水を準備してっと……ん? 味方蟻の奴、皮剝いてるのか?
「おい、今回は蒸し料理だから皮剝かなくていいぞ?」
「いや、これな? 皮ちゃんとむかな駄目なんじゃ」
どうもこの蟻の方言というか喋り方というか安定してないな。とはいえ今の発言は無視できない。ジャガイモの芽や緑色になった皮にはソラニンという毒性物質が思いっきり含まれている。嘔吐や胃炎などを引き起こすので例え加熱してもジャガイモの芽は食べてはいけない。
さらにこのジャガイモは魔物だ。今までの経験上植物の魔物はかなり捕食者に対して防御の強い化学物質を含んでいることが多い。強力な毒性物質が含まれている可能性は非常に高い。油断はできない。
それを理解しているのか皮をちゃんと処理している……ただ、その、
「口で皮を剝くのはどうなんだ?」
こいつらはがじがじ齧ってジャガイモの皮を剝いている。毒性のあるかもしれない植物を齧るのは危険だと思わないのか?
「ほなどうしたらええんじゃ?」
「ナイフ作れ。それで皮剝け」
<錬土>でナイフを作って皮を剝かせたら、一斉に味方蟻が目を輝かせ始めた。
「何じゃこれ!」
「どないしますん!?」
「すげえ!」
褒められるのは悪い気がしないけど微妙に馬鹿にされてるような気がするのはオレが卑屈っぽいのか? こんなことで驚くとか……原始人に文明を教えているようだ。蟻は頭がいいのに何で刃物を作ろうとしないのか。よくわからん。
ちょっと時間をかけて蒸す。聞いて驚け! この料理の名を!
「ふかしたジャガイモだ!」
まんまじゃねーか。というツッコミは受け付けない。
「こら美味い!」
「めっちゃ柔らかいんじゃ!」
「はぐはぐはぐはぐ」
グルメ漫画のモブみたいな反応が気になるけど好評なのは何よりだ。更にここで追加効果発動! ドライジンジャーだ!
ふりかけのようにジャガイモにふりかける。
「うおっ!? ピリッとしよる!」
「でももっと喰いたい!」
「はふはふはふ」
好評。好評。やはり人を手懐けるにはこれだな! 胃袋キャッチ!
「あ、そだ。ついでに畑とか見せてもらっていいか?」
「おう! 見ていいで」
辺り一面ジャガイモの緑色の葉……いや一部は作付けしていないようだ。雑草が茂っている。ジャガイモ畑には白っぽい花が咲いている。どうもジャガイモの花じゃないな。どちらかというとアサガオの花に……似て……い……る。
ものすごく嫌な予感がする。
実はジャガイモはナス科の植物だ。トマトやピーマンなんかもそうでナス科には農業や園芸用の植物が多い。で、その中に割と有名でなおかつアサガオの花に似た花をつける植物があるわけですよ。
「なあ。あの花食べたり触ったりすると幻が見えたりしないか?」
「よう知っとるな! 花と葉食べたらあかん」
はい、かくてーい。アレの名前はチョウセンアサガオだ。超・強・力・毒持ちの植物! 主に幻覚、悪寒など! 死亡事故もあったはずだよな!? 魔法の効果なのか毒によるものかはわかんないけどどっちにしろやばすぎる! なんてもん食ってたんだ!
「塊とか茎のとこは大丈夫じゃ」
「まあ、そうじゃなきゃ食えんよな」
毒がある部位はまじで死ぬぞ。よく栽培する気になったなこれ。ちゃんと栽培方法を聞き出した方がよさそうだ。
さて。まさかのジャガイモ発見でテンションが上がりまくっていたけどちょっと現実に立ち向かわなきゃ。
はい。蜘蛛さんです。さっきからめっちゃこっち見てる! や、そんなテレパシーを感じるだけだけどさ! 食事時でも機嫌よくならないのってやばいよ! だんだん目のハイライトなくなってね!? 怖い! 怖いよ蜘蛛さん!
よし! 名前いい加減に決めよう! 悩んでる場合じゃねえ! 自分だけで考えるよりもこいつの要望とかも聞いてみよう!
「よ、よし。あれだ! お前糸好きだよな! それにちなんだ名前とかはどうだ!」
「妾にとって糸は神聖であり、自身と合一すべきものではない」
あっかーん。ハイライトがどんどん消えてる気がする。やばい。バッドエンドに近づいてる!?
おおお、落ち着けオレ。大事なのは相手が大切だと思うものを正確に予想すりゅことだ! 全然落ち着いてない!
「えーとそれなら大きいとか広いとかそんな名前はどうだ」
蜘蛛さんピクリと体を震わす。お、当たりか? 適当だけど反応は悪くないぞ? むう。しかし仮にも女性の名前で大きさを表すとなると……うーん、広子? ダメだな。安直すぎ。
一応オレが日本っぽい名前だしこいつらも和風で統一したいな。広い、大きい、深い……あ、一個思いついた。
「千尋ってのはどうだ? 深い、とか、高いって意味になるけど」
ありきたりな名前ではあるけど女の子っぽくはあるはずだ。
「む、う。響きは悪くないな」
「気に入ったか?」
「まあよかろう」
ふいー、セフセフ。バッドエンド回避成功。名前一つで大騒ぎしすぎだ。
「ところで、これにも文字があるのか?」
「へ? そりゃあるけど……なんで急に気にしてるんだ?」
「……自分の名前をなんと書くか知りたいであろう」
そりゃそうだ。いや全く持ってその通り。子供がまず練習するのは自分の名前の文字じゃないか? そんな簡単なことにも気づかないとは……やっぱりアホだな。
まず相手が興味を持ってくれるように工夫しなければならなかったな。
「ひらがなだと"ちひろ"。漢字だと"千尋"。こうやって書くんだ。面白いだろ? 文字って」
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