伝説の雀騎が麻雀で全てが決まる異世界に美少女雀士として転生してしまった事案

世界観

【イステシア】
　荒廃しきった地上を離れ、約三千メートルの高度を浮遊し、二千平方キロメートル程度の広さを持つ大地。
現実世界の日本で言うなら、東京都ほどの大きさを持つ。

　文明の進化度は現実世界でいえば中世レベルだが、様々な人種がひしめく様に生きており、人間や亜人、獣人などの種族が存在し、三十近い国に分かれて戦乱を繰り広げている。
　しかし戦乱といっても、武器を振るって殺し合う野蛮な行為はこの世界では行われない。

　全ては「マチャオ」によって物事は決められ、その法則からは国家の統治者すら逃れる事はできない。
　力の根源はイステシアの中央に建つ「タワー」にあると言われている。

【マチャオ】
　四人のプレイヤーが卓を囲み、34種類136枚の牌で役を揃えて得点を重ねるゲーム。
ルールは日本で行われた「リーチ麻雀」という遊びに酷似している。

　しかし大きく異なるのは、勝者が敗者に対し勝負の前に取り交わした約束を遂行させる強制力が働くという事。
　勝負開始直前に宙に卓が出現し、人の手に触れずとも自動的に牌が混ぜられ山が積まれるため、公平性は保たれている。
　イステシアに生まれ一定以上の知能を持った女性の多くが参加可能で、そのプレイヤーは「マチャオ士」と呼ばれた。

　彼女らは人差し指と中指を立て下に降ろす事で、ステータス画面を表示し、自分の段位や雀力、レーティング、点棒状況などが確認可能。
　段位上昇（レベルアップ）の際には、マチャオ中に発動するスキルも付与される。

　イステシアの住人にとっては上記の全てが自然な現象と行為であり、その事に疑問を抱く者はさほど居ない。