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2章
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しおりを挟む部屋に戻るとまだ2人は帰ってきていなかった。
着ていたワンピースを綺麗に畳んで部屋着に着替えソファに身を預けた。
ハルト皇子を好きだと自覚しても、こんなに嫌われていてはな、、
今日は少し心も体もいつもより疲れている気がする。
ふぅ、と息を吐いて天井を眺めてどれくらい時間が経っただろう
部屋の時計がゴーンとなって目を向ければもう日が変わっていた。
2人はまだ帰ってこないのかな、と思いながらお風呂に入り誰もいない静かな部屋で1人就寝した。
朝の日差しと小鳥のさえずりで目が覚めた私は顔を洗うために洗面所に向かった。
「あ!カリナ様おはようございます!」
ヘアバンドをつけたアイリが元気に挨拶をしてくれた。
『おはようございます。昨日は随分遅かったのに早起きですね。』
「少し盛り上がってしまって....あっやましいことは2人とも何も無いんですよ!!」
焦ったようにレイカが言うので
『ふふ、交流会なので少しくらいやましいことがあってもいいと思いますわ』
と笑いながら言うと、2人は少し目を見開いた。
「カリナ様.....そのようなご冗談を言えるようになったのですね」
『私だってこれくらい言いますよ』
「なんだか、もっと仲良くなれた気がして嬉しいです!壁が薄くなった感じがして!」
『壁なんてありましたか...?そう言って頂けて嬉しいです。私もおふたりともっと仲良くなりたいので』
2人が少し目に涙を浮かべて
「嬉しいです.....」
と言って言葉を詰まらせていた。
この後、交流会のプログラムは何事もなく進んでいき最終日の朝となった。
その間花梨菜と3回ほど会い、向こうの暮らしぶりも聞いていた。
私と違って予備知識が1つもないから最初は凄く困ったと言っていた。
記憶が無いと言って通していたが、私が置かれていた環境で学ぶことは多く、それが今はとても楽しいと。
入れ替わってから少しの間は入れ替わり前のようにわがままを言い、声を荒らげることもあったみたいだけど、私の両親は無関心で言葉すら交わさない為、相手の気を引く手段にすらならないと思ったらしい。
今は高校を卒業したら家を出る準備をしていると言われた時は驚いた。
私には家を出るという選択肢すら思いつかなかった。
ずっとこのまま両親の言うことに従って生きていくのだと信じて疑わなかったのだ。
この期間でやっぱり私はカリナの事が大好きだと思った。自分の意志をしっかり持った強い女の子だ。
私もカリナのようになりたいという気持ちは間違っていなかった。
やりたいように、したいように生きていこうと考えさせられたのだ。
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