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「起きたらいきなり世界が変わっているなんて、夢以外に何かある?」
夢?
目の前の男はゼシーじゃない。ユアンにはわかっている。なのに、どうしてこんなに美しいのだろう。青白い肌に、陰翳が濃く映る。間近で見る瞳は、きらきらと光が散っているようにきらめいて、遠目で見ていたときよりもずっと綺麗だった。
「こんなこと、夢じゃなきゃ起こるはずがない」
どうせ現実なら。夢なら。ゼシーの言葉じゃないけれど、ユアンにとってもあやふやだった。現実とは思えない。こんな体液にまみれている自分も、その自分の尻に指を入れているゼシーも。その指に感覚を拾っている自分の身体も。
気づくと身体が少し楽になっていた。指が引き抜かれたからだ。一拍おいてからユアンは理解する。
もうこれで終わりだろうか。もうゼシーは気が済んだのだろうか。そう思ったユアンの足が、痛いくらいに広げられる。ゼシーが身体を割り込ませてきた。そうして押し当てられたものに、ユアンは大きく目を見開く。
「なに、なにして……」
「なにって。入れるんだよ」
何をいまさら。ゼシーはいっそ稚く見えるほどに首を傾げた。いやだ、と首を振るユアンを理解できないとばかりに見つめる。
「ユアンの中に入るのはゼシーの身体なんだからいいじゃん」
「いいわけない! やめろ!」
「前のゼシーだったらこんなことしてくれなかったと思うよ。よかったね、ユアン」
「やだ! やだああ!」
ユアンの言葉は、やっぱりゼシーには届かない。ろくな抵抗もなさないユアンの身体を、ゼシーの性器がゆっくりと割り開いていく。
熱くて硬くて、指とはまったく違う。そこにあるのは嫌悪だと思った。不快感しかないと思っていた。なのに、身体は悦んでいる。自分の意識とは別に、ゼシーのペニスを呑み込み、咀嚼し、それが快感であるとユアンの脳を揺さぶる。
どうして。なんでこんなことになっている。
信じられない。こんなことあるわけない。
気持ちよくなるわけがないと思っているのに、身体はすっかりゼシーに従順になっていた。性器に絡みついた肉は、ゼシーに媚びるようにうごめいている。おかしい、おかしいと思っている間にもゼシーの陰茎はユアンを浸食し征服した。ユアンの性器からはとろとろと液体が零れている。それが精液なのか小水なのか、ユアンには分からない。頭どころか身体もばかみたいになっていて、どうしたらここから逃げられるのか分からない。
「あー、きもちいい。ユアン、きもちいいね」
「よくない。よくない……!」
「ほら。ユアン、目を閉じないで」
顎を捉えられ、強く押されて眼を開く。下生えが尻に当たるくらい挿入されているのが、見たくもないのに目に入る。広げられて赤くなった粘膜の縁。そうして美しく引き締まった腹も、自分の腰を強く掴む大きくて形のいい手指も。
「ひっあっ! ああっ!」
「あは。なに。また漏らしちゃうくらいきもちよかったの?」
「うっ……く……」
さっきで排泄しきっていなかったのか。それが刺激されたせいか、しょろっとまたユアンの鈴口から小水が溢れている。苦しくて、痛くて、屈辱を覚えているはずなのに、排尿により自分の内臓の動きがまたゼシーを喜ばせていることがわかる。そしてそのゼシーを締め付けながら粗相していることを、気持ちいいと感じている。自分が信じられない。ユアンは惨めだった。
ユアンを覗き込んでいるゼシーは、ユアンの知るままに美しかった。弧を描いたような赤くて薄いくちびるも、サファイヤを填め込んだような瞳も。こいつはゼシーじゃないと思うのに、どこまでもゼシーと同じ美しさを持っている。
腰を掴む手の感触に、ユアンはゼシーが意外にも力が強いことを知った。剣術でも優秀だったのだから、当然なのかもしれない。顔の美しさに囚われて忘れがちだが、背も高く、肩幅も広いのだし。
ユアンは知らず泣いていた。どうしていまさら、ゼシーじゃない人間から、ゼシーのことを気づかされるのだろう。ゼシーはユアンの涙を親指で拭っていく。その行動さえ、ユアンとしてみればゼシーじゃないと言えるのに。
中に熱い飛沫が放たれ、同時にユアンも達していた。身体が震える。目の前で歪んで弧を描いた紺碧の瞳ばかりは、こんなときでも変わらず美しい。
もはや彼が誰なのかなんてどうでもよかった。
ゼシーはどこへ行ってしまったんだろう。ユアンは力の入らない身体を投げ出しながら、ただただそればかりを考えていた。
夢?
目の前の男はゼシーじゃない。ユアンにはわかっている。なのに、どうしてこんなに美しいのだろう。青白い肌に、陰翳が濃く映る。間近で見る瞳は、きらきらと光が散っているようにきらめいて、遠目で見ていたときよりもずっと綺麗だった。
「こんなこと、夢じゃなきゃ起こるはずがない」
どうせ現実なら。夢なら。ゼシーの言葉じゃないけれど、ユアンにとってもあやふやだった。現実とは思えない。こんな体液にまみれている自分も、その自分の尻に指を入れているゼシーも。その指に感覚を拾っている自分の身体も。
気づくと身体が少し楽になっていた。指が引き抜かれたからだ。一拍おいてからユアンは理解する。
もうこれで終わりだろうか。もうゼシーは気が済んだのだろうか。そう思ったユアンの足が、痛いくらいに広げられる。ゼシーが身体を割り込ませてきた。そうして押し当てられたものに、ユアンは大きく目を見開く。
「なに、なにして……」
「なにって。入れるんだよ」
何をいまさら。ゼシーはいっそ稚く見えるほどに首を傾げた。いやだ、と首を振るユアンを理解できないとばかりに見つめる。
「ユアンの中に入るのはゼシーの身体なんだからいいじゃん」
「いいわけない! やめろ!」
「前のゼシーだったらこんなことしてくれなかったと思うよ。よかったね、ユアン」
「やだ! やだああ!」
ユアンの言葉は、やっぱりゼシーには届かない。ろくな抵抗もなさないユアンの身体を、ゼシーの性器がゆっくりと割り開いていく。
熱くて硬くて、指とはまったく違う。そこにあるのは嫌悪だと思った。不快感しかないと思っていた。なのに、身体は悦んでいる。自分の意識とは別に、ゼシーのペニスを呑み込み、咀嚼し、それが快感であるとユアンの脳を揺さぶる。
どうして。なんでこんなことになっている。
信じられない。こんなことあるわけない。
気持ちよくなるわけがないと思っているのに、身体はすっかりゼシーに従順になっていた。性器に絡みついた肉は、ゼシーに媚びるようにうごめいている。おかしい、おかしいと思っている間にもゼシーの陰茎はユアンを浸食し征服した。ユアンの性器からはとろとろと液体が零れている。それが精液なのか小水なのか、ユアンには分からない。頭どころか身体もばかみたいになっていて、どうしたらここから逃げられるのか分からない。
「あー、きもちいい。ユアン、きもちいいね」
「よくない。よくない……!」
「ほら。ユアン、目を閉じないで」
顎を捉えられ、強く押されて眼を開く。下生えが尻に当たるくらい挿入されているのが、見たくもないのに目に入る。広げられて赤くなった粘膜の縁。そうして美しく引き締まった腹も、自分の腰を強く掴む大きくて形のいい手指も。
「ひっあっ! ああっ!」
「あは。なに。また漏らしちゃうくらいきもちよかったの?」
「うっ……く……」
さっきで排泄しきっていなかったのか。それが刺激されたせいか、しょろっとまたユアンの鈴口から小水が溢れている。苦しくて、痛くて、屈辱を覚えているはずなのに、排尿により自分の内臓の動きがまたゼシーを喜ばせていることがわかる。そしてそのゼシーを締め付けながら粗相していることを、気持ちいいと感じている。自分が信じられない。ユアンは惨めだった。
ユアンを覗き込んでいるゼシーは、ユアンの知るままに美しかった。弧を描いたような赤くて薄いくちびるも、サファイヤを填め込んだような瞳も。こいつはゼシーじゃないと思うのに、どこまでもゼシーと同じ美しさを持っている。
腰を掴む手の感触に、ユアンはゼシーが意外にも力が強いことを知った。剣術でも優秀だったのだから、当然なのかもしれない。顔の美しさに囚われて忘れがちだが、背も高く、肩幅も広いのだし。
ユアンは知らず泣いていた。どうしていまさら、ゼシーじゃない人間から、ゼシーのことを気づかされるのだろう。ゼシーはユアンの涙を親指で拭っていく。その行動さえ、ユアンとしてみればゼシーじゃないと言えるのに。
中に熱い飛沫が放たれ、同時にユアンも達していた。身体が震える。目の前で歪んで弧を描いた紺碧の瞳ばかりは、こんなときでも変わらず美しい。
もはや彼が誰なのかなんてどうでもよかった。
ゼシーはどこへ行ってしまったんだろう。ユアンは力の入らない身体を投げ出しながら、ただただそればかりを考えていた。
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