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「ほら。ユアン?」
「ああ゛あ゛まって! まってえ!」
「んー? イキたくないの?」
「イキたいぃ! やっ! だめ!」
「イキたいんでしょう?」
すでにゼシーの手はユアンのペニスを握っていない。尿道の穴を爪がくすぐるようにほじるばかりだ。
それだけでは達せない。だがそれ以上に、ユアンには危機が迫っている問題があった。
「だめえ! おしっこ! おしっこ漏れちゃうからあ!」
「射精じゃなくておしっこなんだ。いいよ? ここでしたら?」
「やだ! やだあ! 触らないで!」
「がまんはよくないよ。ね?」
足の指まで力が入り、ピン、と攣ってしまいそうなほどに伸ばされる。ふうん、とゼシーは言うばかりで、ユアンの叫びに耳を傾けるような様子がない。ユアンが奥歯を食いしばりながら、言うから、と折れるとようやく手が止まった。青い目がじっとユアンを窺い、それで、と応えを促す。
「言ってない。誰にも……」
「ふーん。よかった。そのまま言わないでね」
「やっぱり、先輩じゃないんだろう……?」
ゼシーは艶やかに笑う。その笑みは、決して以前のゼシーはしなかったものだ。ユアンはほとほとと涙をこぼした。
「顔がぐしゃぐしゃだね」
誰のせいだと思っているのか。ゼシーはただただ楽しそうだ。ユアンが泣いていることに心を痛めた様子もない。そして顔を顰めるでもない。ゼシーだったら。
ゼシーだったら、どんな反応をしただろう。
ユアンの心情など知るよしもないのだろう、ゼシーはシーツを引っ張り、ごしごしとユアンの顔を拭う。
「ほらほら、泣かなくていいよ。俺がゼシーなんだから。この顔でこの身体だったら、おんなじことだろ?」
「ぜんぜん違う」
「どうして? こうしてさあ」
「あっ?」
指が突き立てられる。先程散々嬲られたせいで、ユアンの陰部は性器ばかりでなく、尻までどろどろと粘液が浸っていた。不快感があるはずなのに、指が押し込まれていく。身体が驚いたせいだろうか、堪えていたものが決壊してしまった。若干萎えていたペニスから、ユアンの腹を濡らし、シーツに染みこまれていく。あーあ。ゼシーが吐息で笑うのがわかる。
「あ、うそ……うそ……」
惨めだった。なんでこんな目に遭うのか。止めようとしても力が入らない。腰がわななくだけだ。止めたいのに、ひどい開放感があるのが虚しくてたまらない。
その粗相が終わるまで、長い時間がかかった。ユアンが震え、涙を流しているのにも関わらず、その間もゼシーの指はずっとユアンの中を探っていた。ユアンは様々な体液でぐっしょりと濡れたシーツに沈み込みながら、自分がなぜ泣いているのかわからなくなる。
頭がおかしくなりそうだった。
「なんで……こんな……」
「んー? ……そうだな。現実なのかなと思って」
ゼシーが肩を竦める。こんなことをしておいて、何を言っているのか。ユアンは呆然とし、罵倒することも忘れた。
「ああ゛あ゛まって! まってえ!」
「んー? イキたくないの?」
「イキたいぃ! やっ! だめ!」
「イキたいんでしょう?」
すでにゼシーの手はユアンのペニスを握っていない。尿道の穴を爪がくすぐるようにほじるばかりだ。
それだけでは達せない。だがそれ以上に、ユアンには危機が迫っている問題があった。
「だめえ! おしっこ! おしっこ漏れちゃうからあ!」
「射精じゃなくておしっこなんだ。いいよ? ここでしたら?」
「やだ! やだあ! 触らないで!」
「がまんはよくないよ。ね?」
足の指まで力が入り、ピン、と攣ってしまいそうなほどに伸ばされる。ふうん、とゼシーは言うばかりで、ユアンの叫びに耳を傾けるような様子がない。ユアンが奥歯を食いしばりながら、言うから、と折れるとようやく手が止まった。青い目がじっとユアンを窺い、それで、と応えを促す。
「言ってない。誰にも……」
「ふーん。よかった。そのまま言わないでね」
「やっぱり、先輩じゃないんだろう……?」
ゼシーは艶やかに笑う。その笑みは、決して以前のゼシーはしなかったものだ。ユアンはほとほとと涙をこぼした。
「顔がぐしゃぐしゃだね」
誰のせいだと思っているのか。ゼシーはただただ楽しそうだ。ユアンが泣いていることに心を痛めた様子もない。そして顔を顰めるでもない。ゼシーだったら。
ゼシーだったら、どんな反応をしただろう。
ユアンの心情など知るよしもないのだろう、ゼシーはシーツを引っ張り、ごしごしとユアンの顔を拭う。
「ほらほら、泣かなくていいよ。俺がゼシーなんだから。この顔でこの身体だったら、おんなじことだろ?」
「ぜんぜん違う」
「どうして? こうしてさあ」
「あっ?」
指が突き立てられる。先程散々嬲られたせいで、ユアンの陰部は性器ばかりでなく、尻までどろどろと粘液が浸っていた。不快感があるはずなのに、指が押し込まれていく。身体が驚いたせいだろうか、堪えていたものが決壊してしまった。若干萎えていたペニスから、ユアンの腹を濡らし、シーツに染みこまれていく。あーあ。ゼシーが吐息で笑うのがわかる。
「あ、うそ……うそ……」
惨めだった。なんでこんな目に遭うのか。止めようとしても力が入らない。腰がわななくだけだ。止めたいのに、ひどい開放感があるのが虚しくてたまらない。
その粗相が終わるまで、長い時間がかかった。ユアンが震え、涙を流しているのにも関わらず、その間もゼシーの指はずっとユアンの中を探っていた。ユアンは様々な体液でぐっしょりと濡れたシーツに沈み込みながら、自分がなぜ泣いているのかわからなくなる。
頭がおかしくなりそうだった。
「なんで……こんな……」
「んー? ……そうだな。現実なのかなと思って」
ゼシーが肩を竦める。こんなことをしておいて、何を言っているのか。ユアンは呆然とし、罵倒することも忘れた。
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