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長い舌がぬるぬると腔内を動き回り、何度も喉奥を抉った。その舌の動きと同時に硬い膝がユアンの股間を強くなぞり上げる。嘔吐きそうになっているのに、なぜか喉を抉られるたびにその膝を腿で挟もうとしてしまう。自分がそう動いていることに、ユアンは気づくこともできない。
いつ手が離されたのかも分からない。顎を強く引き上げられると、混ざり合った唾液を当然のように喉が嚥下していく。息ができなかった性だろうか、頭がぼうっとして視界が白んでいる。飲み込みきれなかった唾液が口端から零れ、喉を滴っていくのをを、ゼシーがゆっくりと舐め上げた。
柔らかくてあたたかくてきもちがわるい。そう思っているのに、喉仏に軽く歯を当てられ、ひい、とユアンは鳴いた。
「あーあ。こんなになっちゃって」
「ぎっ!? あ、なん、なんで……」
ゆるゆると押し当てられていた膝に力を籠められ、ユアンは中心の痛みに飛び上がりそうになった。
なぜ。自分のペニスが勃ち上がっているのか。
力を入れられたのはほんのひとときだけだ。またゆるゆるといっそ優しいほどに上下に撫でられ、ユアンは混乱し頭を振り乱した。やめろ、やめろと叫びながらも逃れようと身じろぐが、力もうまく入らない。それをゼシーは笑って見下ろしている。ユアンの性器がますます張り詰めていくのに、あーあー、と呆れたと言わんばかりだ。
「ユアンくんは痛いのが好きなの? 変態なのかな」
「ちがっ、そんなわけない!」
「大好きなゼシー先輩じゃないやつにこんなふうに触られて勃起してるのに?」
返す言葉が見つからない。ユアンはちがう、ちがう、と呻くことしかできなかった。ユアンはずっとゼシーを見ていた。ゼシーからすれば、気味が悪いと思われても仕方がないくらいだろう。それでも、そこにあったのは憧れだけだ。ゼシーのように、何があっても凜と背筋を伸ばしていたい、理不尽をはね除けられるようになりたい。そう思っていた。だから、こんな、いやらしい手つきで触れられることなど、想像もしたことはなかった。
なのにどうして。脳内が混乱する。ゼシーじゃないのに、きもちがいいのか。そう嘲られてわからなくなる。どうしてこんなことになっている。
ゼシーじゃないのにこんなふうに触れられている。
「きもちいいの?」
「っ……よくない!」
「へえー?」
「あっ、やだ! やだ!」
ユアンのベルトにゼシーの手がかかる。何をされるか察し、ユアンはすぐに身体を丸めようとしたが、あっさりと下着ごと下衣が引きずり下ろされた。ぬとーっと下ろされた下着と性器の間に糸が引いている。よりもよってそんな光景を、ユアンはゼシーと同時に見る羽目になった。
いつ手が離されたのかも分からない。顎を強く引き上げられると、混ざり合った唾液を当然のように喉が嚥下していく。息ができなかった性だろうか、頭がぼうっとして視界が白んでいる。飲み込みきれなかった唾液が口端から零れ、喉を滴っていくのをを、ゼシーがゆっくりと舐め上げた。
柔らかくてあたたかくてきもちがわるい。そう思っているのに、喉仏に軽く歯を当てられ、ひい、とユアンは鳴いた。
「あーあ。こんなになっちゃって」
「ぎっ!? あ、なん、なんで……」
ゆるゆると押し当てられていた膝に力を籠められ、ユアンは中心の痛みに飛び上がりそうになった。
なぜ。自分のペニスが勃ち上がっているのか。
力を入れられたのはほんのひとときだけだ。またゆるゆるといっそ優しいほどに上下に撫でられ、ユアンは混乱し頭を振り乱した。やめろ、やめろと叫びながらも逃れようと身じろぐが、力もうまく入らない。それをゼシーは笑って見下ろしている。ユアンの性器がますます張り詰めていくのに、あーあー、と呆れたと言わんばかりだ。
「ユアンくんは痛いのが好きなの? 変態なのかな」
「ちがっ、そんなわけない!」
「大好きなゼシー先輩じゃないやつにこんなふうに触られて勃起してるのに?」
返す言葉が見つからない。ユアンはちがう、ちがう、と呻くことしかできなかった。ユアンはずっとゼシーを見ていた。ゼシーからすれば、気味が悪いと思われても仕方がないくらいだろう。それでも、そこにあったのは憧れだけだ。ゼシーのように、何があっても凜と背筋を伸ばしていたい、理不尽をはね除けられるようになりたい。そう思っていた。だから、こんな、いやらしい手つきで触れられることなど、想像もしたことはなかった。
なのにどうして。脳内が混乱する。ゼシーじゃないのに、きもちがいいのか。そう嘲られてわからなくなる。どうしてこんなことになっている。
ゼシーじゃないのにこんなふうに触れられている。
「きもちいいの?」
「っ……よくない!」
「へえー?」
「あっ、やだ! やだ!」
ユアンのベルトにゼシーの手がかかる。何をされるか察し、ユアンはすぐに身体を丸めようとしたが、あっさりと下着ごと下衣が引きずり下ろされた。ぬとーっと下ろされた下着と性器の間に糸が引いている。よりもよってそんな光景を、ユアンはゼシーと同時に見る羽目になった。
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