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一週間分のノートはそれなりに多い。理仁と講義がかぶるものは理仁からコピーを渡されたが、それ以外は武藤と寿が頼りだ。確認しつつ、コピーを取っていく。一台を占拠することになったが、試験前ではないので問題ないようだった。
コピーをする真尋を前に、そわそわとしているのは寿だった。朝から質問したかったのだろう。
朝というよりも、理仁が真尋を名前で呼んだときから。
「付き合い始めた?」
真尋としては、寿が食いついたのが意外だった。いつもはどちらかといえば質問することなく、そうなんだ、と受け入れているのに。なんで。と言いながら、答えを期待した様子はなく、付き合い始めたんだよね? と首を傾げる。
「夏休み中にも連絡を取り合ったんだよね?」
「ああ、それはそうだけど」
「一緒に遊んだんでしょ?」
「夏休みだし、それくらいはあるだろ」
武藤と寿に合わなかったのは、単に予定が合わなかったからだ。だがそうムキになるのも違うだろう。真尋は澄ました顔で相槌を打った。寿はいいなあ、と深々と溜息を吐いた。
「いや、付き合ってないぞ」
「時間の問題でしょう」
寿は武藤と顔を見合わせ、肩を竦めた。否定もできず、真尋は渋面で口をつぐむ。
「まあよかったよ。南野って危なっかしいし」
「北浦が一緒にいるなら安心だよね」
寿が頷いてしまった。この二人には野上のときに心配をかけてしまったので、納得がいかないながらも受け入れるしかない。
寿の食いつきに比べ、武藤は頬杖をついて眉間にしわを寄せるくらいだった。それでも気になることはあるらしい。
「南野ってさあ。高校の頃どうだったの」
「どうって何が」
「付き合ってる相手とか? 告白とかされなかった?」
武藤の質問に真尋は曖昧に頷く。沙苗と別れた、というかフラれたのは高校の頃だったから、彼女の話を武藤や寿にしたことはなかった。自分もそうだが、武藤や寿も恋人の話はしない。いないのだろう、と真尋は思っている。武藤については、篠崎と付き合い始めるのは時間の問題とも思っていた。
真尋が付き合っていたのは沙苗だけだ。その間にも、数人に告白されたことはあったが、他の誰かを好ましいと思うこともなかった。友人に告白されて断ったときは、口汚く罵られてうんざりもしたものだ。
「付き合いの長いカノジョがいた」
「カノジョ! それだ!」
「なにが」
いままでの渋そうな顔から一変して目を見開いた武藤に、真尋は思わず身体を引いた。
「南野ってなんかその辺ぼけっとしてるじゃん」
「ぼけっとってなんだよ」
「割と露骨に告白されてるのにスルーじゃん」
真尋ははあ? と首を傾げた。
「冗談ではよく言ってくるやついるけど」
「冗談に見せかけて本気で言ってんだよあれ」
確かに付き合わないか? と笑いながら言われることはある。冗談にしても趣味の悪い類だと思って、相手をする気にもならなかった。付き合おうとしっかり露骨に伝えてきたのは理仁くらいだ。
「いままでそういうのなかったけどな」
野上がいたからでしょ。武藤が言う。寿も頷いている。
真尋としても自覚があった。前期はとにかく、野上はもちろん理仁に対しても気が抜けず、ぴりぴりとしていた。
「前より話しやすくなったっていうか、丸くなった?」
「話聞いてくれて助かるって言ってる子、結構いるしね」
自治会の手伝いの件だろう。助かっているなら何よりだと真尋は微笑む。
「あと高校の頃は彼女がいたからだと思うよ」
「ああ……そういうのもあるのか」
なるほど、それであの質問か。真尋は相槌を打つ。武藤に指摘された通り、早苗と長く付き合っていたため、この手の対処には疎い。機会自体が少なく済んでいたからだ。武藤や寿は、なんだかんだこの手のあしらいがうまい。野上のような相手では勝手が違うようだが。
武藤が考え込むように俯いている。あのさ、と躊躇いがちに口を開いた。
「浅野から聞いたんだけど、まだあの新歓の変な木下からの嫌がらせ多いんでしょ」
「……そんなに多くはない。減ったよ」
武藤は気にするだろうから、真尋としてはなるべく言わずに起きたかった。武藤はぎゅっと手を握りこんで、でも、と顔を上げた。かと思えば目を丸くしている。どうかしたのかと真尋が疑問を持つ前に、大きな声が耳を打った。
「真尋くんじゃ~ん」
「ヒッ!?」
がばっと後ろから抱きつかれて真尋は背筋を伸ばして硬直した。この声のこの遠慮のなさも覚えがある。一度目だってうんざりしたのに、二度目があるのは最悪だ。
「お祭りのときはどうもね~。たこ焼きおいしかったよ」
「そうですか」
相手はやはり木下だった。あの夏祭りの日のような声と抱きつきようなので、間違えるはずもない。真尋は木下の腕の中から逃れようと身体をねじったが、無理矢理抱き込まれる。相手の体温とにおいが不快だ。特ににおいは、強く放たれているようだった。近くでおろおろしている武藤や寿の顔も青い。
身長が高いくせに、肩に腕を乗せて寄りかかってくるので相手の顔がうなじに近くなる。プロテクターをしていても、決して気分のいいものではなかった。わざとやっているのだろうか。
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん~。挨拶みたいなものでしょ」
「放してください」
「も~」
すり、とプロテクターに当たらないぎりぎりのところを撫でられ、真尋は木下の手をはたき落とした。すぐに離れ、後ろに張り付かれないように向かいに立ち睨みつける。武藤と寿がそっと横に並ぶ。武藤の手にはスマートフォンが握られている。
木下はニッと口の端をあげた。
「ごめんごめん。真尋くん反応がいいから面白くてさあ」
「こういうの、不愉快です」
「う~ん。そう?」
挨拶なのにね、と木下は肩をすくめる。なんなら君たちもする? と武藤と寿に向かって手を伸ばすので、真尋はついふたりを後ろへ隠すように押した。
「不愉快です」
「しょうがないなあ」
わざとらしくがっくりと落ち込んだ様子を見せ、木下は手を引っ込めた。それだけで真尋はほっと胸をなで下ろす。自分だけならまだしも、武藤や寿まで変に絡まれるようになってほしくはなかった。へらへらしていても、真尋に抱きついてきた動作で力が強いことがわかる。いまは冗談のように接しているから大丈夫なのかもしれないが、押さえ込まれたら真尋の力では逃げられないだろう。
「夏ときは助けてあげたんだからさ、もうちょっと仲良くしてもよくない?」
「礼ならしたはずです」
「ええ~? 礼とかじゃなくってさあ、ほらほら運命感じたりしない?」
「するわけがない」
「辛辣~」
木下は楽しげに目を細める。話が通じるような相手に感じられなかった。真尋は知らず、一歩後じさっていた。
「ごめんごめん。何もしないよ~。ちょっと後輩ちゃんたちをからかいたかっただけだから」
ちっちゃい子たちが戯れてるってかわいかったからさ~。木下は髪の先を指でくるくるとねじりながら、やりすぎちゃったね、と笑う。それが本心なのかどうか。助けられたことも事実なら、威圧されたことも事実だ。
この場をどうやって立ち去るか。真尋が悩み、顔をしかめていると、廊下の先の方で木下を呼ぶ声がする。
呼ばれちゃった。木下はにっこりと笑った。
「またねえ」
真尋が返事をしないのも気にした様子はなく、木下はひらりと手を振って背を向けていってしまった。指や首が細いが、後ろ姿をみるとやはり体格がいい。近寄らない方がいいだろうと改めて思う。真尋は握りしめていた拳を解いた。
「ヤッベー先輩じゃん……」
「武藤知ってんの」
「スキーサークルの人だからな」
新歓の前に一通り調べた、と武藤はスマートフォンを取り出す。すいすい、と指で画面を撫でて、うん、と頷く。
「あの人がアメ役」
「アメ?」
「酔っ払って絡んできた泰良先輩が脅して、あの人が助けたふりすんの」
「それって……」
真尋は眉間にしわを寄せた。寿も、うわ、と思わずというように声を出した。
「アルファで顔が良くて、優しくされると信じちゃうみたいなんだよな」
「あんなうさんくさいのに……」
「追い詰められてると、大丈夫? って声かけられるだけで信じちゃうところあるよ」
寿がぽそりと呟き、真尋の服の裾を引いた。わからなくもない。真尋としても、例えば二人がいなかったら。野上の嫌がらせが止むことなく続いていたら。疲弊し、声をかけられるままにふらふら縋ってしまったかもしれない。
無理やり、脅迫などの行為もあるらしいと武藤は加えた。訴えが出ないので、真相はわからないのだと言う。ただの噂であればいいんだけどね。武藤はやりきれない顔をしながらスマートフォンをしまった。女性やオメガにも協力者がいて、被害者が囲い込まれている可能性があるとさらに加え、顔をあげる。「さっきの話にも通じるんだけど」
「ちゃんと防犯ブザー持ちなよ」
真尋は素直に頷いた。
コピーをする真尋を前に、そわそわとしているのは寿だった。朝から質問したかったのだろう。
朝というよりも、理仁が真尋を名前で呼んだときから。
「付き合い始めた?」
真尋としては、寿が食いついたのが意外だった。いつもはどちらかといえば質問することなく、そうなんだ、と受け入れているのに。なんで。と言いながら、答えを期待した様子はなく、付き合い始めたんだよね? と首を傾げる。
「夏休み中にも連絡を取り合ったんだよね?」
「ああ、それはそうだけど」
「一緒に遊んだんでしょ?」
「夏休みだし、それくらいはあるだろ」
武藤と寿に合わなかったのは、単に予定が合わなかったからだ。だがそうムキになるのも違うだろう。真尋は澄ました顔で相槌を打った。寿はいいなあ、と深々と溜息を吐いた。
「いや、付き合ってないぞ」
「時間の問題でしょう」
寿は武藤と顔を見合わせ、肩を竦めた。否定もできず、真尋は渋面で口をつぐむ。
「まあよかったよ。南野って危なっかしいし」
「北浦が一緒にいるなら安心だよね」
寿が頷いてしまった。この二人には野上のときに心配をかけてしまったので、納得がいかないながらも受け入れるしかない。
寿の食いつきに比べ、武藤は頬杖をついて眉間にしわを寄せるくらいだった。それでも気になることはあるらしい。
「南野ってさあ。高校の頃どうだったの」
「どうって何が」
「付き合ってる相手とか? 告白とかされなかった?」
武藤の質問に真尋は曖昧に頷く。沙苗と別れた、というかフラれたのは高校の頃だったから、彼女の話を武藤や寿にしたことはなかった。自分もそうだが、武藤や寿も恋人の話はしない。いないのだろう、と真尋は思っている。武藤については、篠崎と付き合い始めるのは時間の問題とも思っていた。
真尋が付き合っていたのは沙苗だけだ。その間にも、数人に告白されたことはあったが、他の誰かを好ましいと思うこともなかった。友人に告白されて断ったときは、口汚く罵られてうんざりもしたものだ。
「付き合いの長いカノジョがいた」
「カノジョ! それだ!」
「なにが」
いままでの渋そうな顔から一変して目を見開いた武藤に、真尋は思わず身体を引いた。
「南野ってなんかその辺ぼけっとしてるじゃん」
「ぼけっとってなんだよ」
「割と露骨に告白されてるのにスルーじゃん」
真尋ははあ? と首を傾げた。
「冗談ではよく言ってくるやついるけど」
「冗談に見せかけて本気で言ってんだよあれ」
確かに付き合わないか? と笑いながら言われることはある。冗談にしても趣味の悪い類だと思って、相手をする気にもならなかった。付き合おうとしっかり露骨に伝えてきたのは理仁くらいだ。
「いままでそういうのなかったけどな」
野上がいたからでしょ。武藤が言う。寿も頷いている。
真尋としても自覚があった。前期はとにかく、野上はもちろん理仁に対しても気が抜けず、ぴりぴりとしていた。
「前より話しやすくなったっていうか、丸くなった?」
「話聞いてくれて助かるって言ってる子、結構いるしね」
自治会の手伝いの件だろう。助かっているなら何よりだと真尋は微笑む。
「あと高校の頃は彼女がいたからだと思うよ」
「ああ……そういうのもあるのか」
なるほど、それであの質問か。真尋は相槌を打つ。武藤に指摘された通り、早苗と長く付き合っていたため、この手の対処には疎い。機会自体が少なく済んでいたからだ。武藤や寿は、なんだかんだこの手のあしらいがうまい。野上のような相手では勝手が違うようだが。
武藤が考え込むように俯いている。あのさ、と躊躇いがちに口を開いた。
「浅野から聞いたんだけど、まだあの新歓の変な木下からの嫌がらせ多いんでしょ」
「……そんなに多くはない。減ったよ」
武藤は気にするだろうから、真尋としてはなるべく言わずに起きたかった。武藤はぎゅっと手を握りこんで、でも、と顔を上げた。かと思えば目を丸くしている。どうかしたのかと真尋が疑問を持つ前に、大きな声が耳を打った。
「真尋くんじゃ~ん」
「ヒッ!?」
がばっと後ろから抱きつかれて真尋は背筋を伸ばして硬直した。この声のこの遠慮のなさも覚えがある。一度目だってうんざりしたのに、二度目があるのは最悪だ。
「お祭りのときはどうもね~。たこ焼きおいしかったよ」
「そうですか」
相手はやはり木下だった。あの夏祭りの日のような声と抱きつきようなので、間違えるはずもない。真尋は木下の腕の中から逃れようと身体をねじったが、無理矢理抱き込まれる。相手の体温とにおいが不快だ。特ににおいは、強く放たれているようだった。近くでおろおろしている武藤や寿の顔も青い。
身長が高いくせに、肩に腕を乗せて寄りかかってくるので相手の顔がうなじに近くなる。プロテクターをしていても、決して気分のいいものではなかった。わざとやっているのだろうか。
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん~。挨拶みたいなものでしょ」
「放してください」
「も~」
すり、とプロテクターに当たらないぎりぎりのところを撫でられ、真尋は木下の手をはたき落とした。すぐに離れ、後ろに張り付かれないように向かいに立ち睨みつける。武藤と寿がそっと横に並ぶ。武藤の手にはスマートフォンが握られている。
木下はニッと口の端をあげた。
「ごめんごめん。真尋くん反応がいいから面白くてさあ」
「こういうの、不愉快です」
「う~ん。そう?」
挨拶なのにね、と木下は肩をすくめる。なんなら君たちもする? と武藤と寿に向かって手を伸ばすので、真尋はついふたりを後ろへ隠すように押した。
「不愉快です」
「しょうがないなあ」
わざとらしくがっくりと落ち込んだ様子を見せ、木下は手を引っ込めた。それだけで真尋はほっと胸をなで下ろす。自分だけならまだしも、武藤や寿まで変に絡まれるようになってほしくはなかった。へらへらしていても、真尋に抱きついてきた動作で力が強いことがわかる。いまは冗談のように接しているから大丈夫なのかもしれないが、押さえ込まれたら真尋の力では逃げられないだろう。
「夏ときは助けてあげたんだからさ、もうちょっと仲良くしてもよくない?」
「礼ならしたはずです」
「ええ~? 礼とかじゃなくってさあ、ほらほら運命感じたりしない?」
「するわけがない」
「辛辣~」
木下は楽しげに目を細める。話が通じるような相手に感じられなかった。真尋は知らず、一歩後じさっていた。
「ごめんごめん。何もしないよ~。ちょっと後輩ちゃんたちをからかいたかっただけだから」
ちっちゃい子たちが戯れてるってかわいかったからさ~。木下は髪の先を指でくるくるとねじりながら、やりすぎちゃったね、と笑う。それが本心なのかどうか。助けられたことも事実なら、威圧されたことも事実だ。
この場をどうやって立ち去るか。真尋が悩み、顔をしかめていると、廊下の先の方で木下を呼ぶ声がする。
呼ばれちゃった。木下はにっこりと笑った。
「またねえ」
真尋が返事をしないのも気にした様子はなく、木下はひらりと手を振って背を向けていってしまった。指や首が細いが、後ろ姿をみるとやはり体格がいい。近寄らない方がいいだろうと改めて思う。真尋は握りしめていた拳を解いた。
「ヤッベー先輩じゃん……」
「武藤知ってんの」
「スキーサークルの人だからな」
新歓の前に一通り調べた、と武藤はスマートフォンを取り出す。すいすい、と指で画面を撫でて、うん、と頷く。
「あの人がアメ役」
「アメ?」
「酔っ払って絡んできた泰良先輩が脅して、あの人が助けたふりすんの」
「それって……」
真尋は眉間にしわを寄せた。寿も、うわ、と思わずというように声を出した。
「アルファで顔が良くて、優しくされると信じちゃうみたいなんだよな」
「あんなうさんくさいのに……」
「追い詰められてると、大丈夫? って声かけられるだけで信じちゃうところあるよ」
寿がぽそりと呟き、真尋の服の裾を引いた。わからなくもない。真尋としても、例えば二人がいなかったら。野上の嫌がらせが止むことなく続いていたら。疲弊し、声をかけられるままにふらふら縋ってしまったかもしれない。
無理やり、脅迫などの行為もあるらしいと武藤は加えた。訴えが出ないので、真相はわからないのだと言う。ただの噂であればいいんだけどね。武藤はやりきれない顔をしながらスマートフォンをしまった。女性やオメガにも協力者がいて、被害者が囲い込まれている可能性があるとさらに加え、顔をあげる。「さっきの話にも通じるんだけど」
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