雨宿りは図書室で

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【第1章】三浦遥陽と植田美月

もう18時

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………………………




カタカタというタイピング音を聴きながら図書室を見回してみる。






…本が沢山あるなぁ





まあ、ここは図書館だから当たり前か…





「はい、どうぞ」




声をかけられたので振り返ってみると





植田さんの手にカードが握られている




どうやら貸出カードが完成したようだ。





「おお~!嬉しい!ありがとう」





貸出カードにはやはり綺麗な字で『三浦遥陽』と書かれている





「やっぱりきれいな字だね」




「そうですか?ありがとうございます。


…あと、これもどうぞ」




先程話していた『猫探偵』だ





「おっ!これがウワサの!ありがとう!俺、今日早速読むね!」





「本当ですか?嬉しいです」





「うん。それと明日…じゃなくて月曜日からのキャンペーンも楽しみにしてる。
そしていい機会だから本を読む習慣をつける!」







「図書委員として応援します。分からないことがあればなんでもご相談くださいね」





パチパチ、と拍手をしてくれる植田さん。




「ありがと!…っと、もうこんな時間か」





ふと時計を見ると、早くも18時になろうとしていた





「ごめんね、遅くまで話し込んじゃって。
時間大丈夫?」 






「わ、本当ですね。
あっという間にこんな時間に…


時間は大丈夫ですよ、それより…今日はすごい雨ですね」





「うわー、ほんとだ。来る前より雨強まってる…!仕方ない!バス停まで走るか」
  




バスを降りれば家はすぐそこだが、学校からバス停までが地味に遠い


 



福山高校前という名のバス停だが全然高校前じゃないとここ、福山高校に入った生徒が1度は会話する話題だ





「えっ…もしかして三浦くん…傘持ってきていないてんですか?」




「うん…天気予報見そびれちゃって」  






「そうなんですね……
あの、もしよければ…私の傘に入りますか?」





「え!植田さんの傘に!?」





「はい…、バス停まで遠いので雨に濡れて風邪をひいちゃいます」





それは、本当に助かる




「うう…!植田さんありがとう!」
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