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【第1章】三浦遥陽と植田美月
雨
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6月某日
【雨】
「うわー、今日雨だったんだ。
しまったな…」
昇降口から見えるのは鬱蒼とした雨
朝の天気予報では一日晴れると言っていたけど…
もうそろそろ梅雨だし…うん。
仕方ないか…
緩やかな坂なので家まで走れば約15分で着くけど
雨の中帰れば制服が濡れてしまう。
明日も学校はあるのだから制服を濡らして帰るわけには行かない。
室内干ししたとしても生乾きの匂いで明日の自分のテンションが下がる姿が容易に想像できる
…うん。
今日は大人しくバスで帰ろう。
下駄箱から靴を出した瞬間だった
視界に重そうな荷物を運ぶ生徒の姿が写った
人1人にダンボール箱3つ。
しかも積んであるダンボール箱が顔の半分まできている
「重そうだね。手伝うよ!」
気づけば話しかけていた
メガネの奥の瞳を大きく開きとても驚いた顔をする女の子
そんな、悪いです…と謎に謙遜する彼女が持つダンボール箱を2つ、受け取る
「わっ、結構重たいね。
これ1人で持つの大変だったでしょ?」
「ちょ、ちょっとだけ…」
(『ちょっと』の労力じゃないと思うけどな…)
「これ、どこに運ぶの?」
「図書室です 」
「図書室かぁ。図書委員の仕事?」
「えっ」
また驚いた顔をする
「どうしたの? 」
「え、あっ、いえ…。
私が図書委員だってよくご存知だなって思って…」
「?同じクラスだよね。」
「そうなんですけど、私影薄いから…」
「えっ」
今度は俺が驚く番。
「そんなことないと思うけど…」
確かに彼女はいつも1人で静かに本を読んでいて、騒がしいタイプではない。
だけど、「影が薄い」と感じたことは無い
【雨】
「うわー、今日雨だったんだ。
しまったな…」
昇降口から見えるのは鬱蒼とした雨
朝の天気予報では一日晴れると言っていたけど…
もうそろそろ梅雨だし…うん。
仕方ないか…
緩やかな坂なので家まで走れば約15分で着くけど
雨の中帰れば制服が濡れてしまう。
明日も学校はあるのだから制服を濡らして帰るわけには行かない。
室内干ししたとしても生乾きの匂いで明日の自分のテンションが下がる姿が容易に想像できる
…うん。
今日は大人しくバスで帰ろう。
下駄箱から靴を出した瞬間だった
視界に重そうな荷物を運ぶ生徒の姿が写った
人1人にダンボール箱3つ。
しかも積んであるダンボール箱が顔の半分まできている
「重そうだね。手伝うよ!」
気づけば話しかけていた
メガネの奥の瞳を大きく開きとても驚いた顔をする女の子
そんな、悪いです…と謎に謙遜する彼女が持つダンボール箱を2つ、受け取る
「わっ、結構重たいね。
これ1人で持つの大変だったでしょ?」
「ちょ、ちょっとだけ…」
(『ちょっと』の労力じゃないと思うけどな…)
「これ、どこに運ぶの?」
「図書室です 」
「図書室かぁ。図書委員の仕事?」
「えっ」
また驚いた顔をする
「どうしたの? 」
「え、あっ、いえ…。
私が図書委員だってよくご存知だなって思って…」
「?同じクラスだよね。」
「そうなんですけど、私影薄いから…」
「えっ」
今度は俺が驚く番。
「そんなことないと思うけど…」
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