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第二章 革命児編

第45話 賭博

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夜明け



金崎は冷静な口調で全軍に向かって



『今です』



その言葉を聞いた家臣達は



『かかれー!!』



それに続くように兵達が



「うぉーー!!」



金崎軍は一気に大原城の支城七王子城に攻め込んだ。





七王子城では



「申し上げます金崎軍が攻め込んで来ました」



身長185センチ以上はある優男の七王子城、城主赤藤は冷静な口調で



「まさか大原城に攻め込むのではなかったのか?」



「いやぁ我もそう思っていたのですが」



「仕方ない大原城に援軍を求めよそれまではここで食い止めるぞ」



「はっ」



普段は優男な赤藤は鬼のような形相で



「いいかぁ皆の者、敵が体勢を整える前に城を落とせー」





金崎軍の突撃を見た士郎は



「殿、我らも突撃しますか」



「いや士郎その必要はないみたいあれを見て」



経丸が指す先には炎上してる城があった。



「もう落ちたんですか殿」



「やはり金崎殿は強い強すぎる」



金崎の強さを目の当たりにして経丸は座り込んだ。



私と何が違うのだ。



経丸は悔しく地面を拳でめいっぱい叩いた。



まぁ経丸からしたら憧れでもあるがいつか超えたいという思いがあるその高い高い壁に絶望したのであろう。



金崎軍の勢いは凄まじく七王子城をあっという間に落城させた。



わずか一時間半のことであった。

その報告は大原城にも速やかに伝わったのであった。



「殿、申し上げます七王子城がわずか一時間半で落とされました」



「そうかぁ、もうおとされたかさすがは金崎軍」



そういって大山は笑い始めた。



「とりあえず今援軍に向かっているものを引き返させろ」



「はっ」



その頃七王子城では



次々と城兵が金崎軍にとらえられ遂に



『殿、城主の赤藤優馬を発見しました』



城主の赤藤優馬は動揺もせずにあぐらをかいて座り込んでいた。



まったく動揺しない赤藤優馬を不気味に思いながらも金崎軍は数十人で刀を向けて包囲した。



「これはこれは金崎殿、素晴らしいお出迎えで」



金崎は動揺しない赤藤に警戒しながら家来達に刀を鞘に納めさせた。



『あなた、この状況にヒビってないのか?』



赤藤は鋭い目付きで金崎を睨み付けながら



『こんなことでヒビっていてはこの世は生き抜けないでしょう』



「じゃあ、この場で命果てるってことですか?」



「その前に一つ私とやってもらいたいことがある」



『何をですか?』



『私の生き死にを賭け賭け事をしませんか?』



赤藤の言葉に金崎の家来は



『何をいってるんだこの状態でお前にはもう死しかないんだ』



赤藤は家来の言葉を無視して



『私が負けたらおとなしくこの場で腹を切ります、もしかったら城兵と私を逃がしていただきたい』



この言葉を聞いた家来がまたも



「ふざけるな、こっちになんの得もないだろうが」



赤藤は嫌みっぽい口調で金崎に



『へぇー義で動く金崎軍がまさか損得で動く大名だとは思ってなかったわ』



金崎の家臣は『なんだとこのやろう』と赤藤を斬りかかろうとするが金崎は片手で止める。



『賭け事をしないのなら最後の抵抗で私が殺されるまでここにいる金崎の兵に死に物狂いで殺しにかかりますよ』



金崎は一呼吸おいて



『それでも賭けはしませんよ』



赤藤は襲いかかろうと腰をあげる



『でも、私はあなたとこれ以上城兵を殺さない』



赤藤はビックリした顔で金崎を見つめ座り込んだ。



家臣は慌てて



『殿、何を申してるんですか?』



金崎は赤藤に満面の笑みで



『私はあなたの度胸がとても気に入りました』



赤藤は金崎の器の大きさにもはやかなわないと思って戦意を喪失した。



「此度の戦もはや私達が勝ちました。あなたは尋常じゃない度胸がある私達について来ませんか?」



家臣が割ってはいるかのように



「何を申すのです殿」



金崎は優しい口調で



「静かにしててください」



「何をバカなことを主を裏切ってまで私がそなたに従うなどそこまで落ちぶれておりませぬ」



「ならばどうするつもりですか」



「最後まで忠義を尽くすべし」



金崎はその男を試していた。すぐに自分につくと言おうものならこの場で首をはねようとしていた。



この方は度胸があって忠義もう持っているますます興味がわいてきました。



「見上げたものですよその心意気立派です。やはり殺すにおしい、さぁ行ってどうぞ」



「本当にいいのですか?」



「逃げていいと言ってるんですが」



男は困惑していた。



「私の首をはねるのではないのか」



「あなたは殺すにはもったいないお方ですから」



「わかりましたこの場は見逃させていただきます」



立ち去る男は金崎に



『金崎殿、ありがとうございました』



そう大きな声で言って去っていった。



「殿、敵の城主をなぜお逃がしになられた」



「私達が目的とするのは大山の首のみ、それ以外の首などはなんの価値もないですから」



「殿は甘すぎますぞ。しっかり敵ならば殺さなければいつやり返されてしまうか」



「あなたもそのうちわかるさあのお方きっと面白く成長していくと思うから」



こうして敵の城主を逃がしてしまった。金崎この戦いはどうなってゆくのだろうか

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