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第1章 群雄割拠

第8話 潜入

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夜遅く経丸達は今、急に天河の城の前にいる、城にはたくさんの兵が警備をしている。



こんなにたくさん兵がいると忍び込むのも大変そうだとにかく音をたてないようにしなきゃと経丸は思いこそこそ音をたてないように城に忍び込もうとした。



「殿、こういった兵の数が多い場合はこそこそ忍び込むと怪しまれるから。堂々と入っていってこの城の兵になりきった方がいいよ、兵が多いと人の把握が完全にできてないから」

それを聞いた片倉は

『ホントかよ士郎』

『それがしは今までたくさんの城に潜入した経験がある天才的英雄の外岡士郎が言ってるんだから大丈夫だ』

「なんで兄貴は城に潜入した経験があるの?」

凛の質問に士郎はたじたじしながら

『いやそれはだなぁ』

士郎は片倉に助けを求める目で見つめる。片倉は仕方ないなと思い

『いや、凛ちゃん自分の意見を通したいから士郎はでまかせ言ってるだけだよ』

『あっなるほど』

『でも士郎の意見理にかなったように思うので採用します』

『おっ殿、たまには話がわかるなぁ』

『また兄貴は余計な一言を』

経丸はいちいち突っ込まず

『そうと決まれば行きますよ』

『はい』

皆は小さく返事をし

経丸の後に続いた。

「あっー!!」

「どうした士郎?」

この声で皆に緊張が走る。

「あの穴の中からタヌキがでてきた」

「あほか!大事な時に」

片倉はそう言って士郎をひっぱたいた。

いつもなら突っ込むであろう経丸もあまりの緊張でそれどころではなかった

凛は士郎を鋭い目で睨み付けて

『兄貴静かにして』

『すみません』

静寂を切り裂くような偉そうな声で

「何をやっとるお前は?」

「あぁ?」

片倉は偉そうに怒鳴る声にイラっとしながら振り向いた。すると怖い顔の門番が立っていた。

まずい

と思い辺りを見渡した。片倉と士郎以外は、皆うまく隠れられた。

ヤバイ。

片倉はいきなり脂汗が出た。

士郎はあてにならない、俺が何とかしないとなんかなんかいい方法はないか。

片倉は頭の中で考えを巡らせた。どんどん追い込まれていくが片倉は追い込まれれば追い込まれるほど強い。

片倉はパッとひらめいた。

「えっとですね人質の見張りを代わってこいって言われたんですけど、僕、最近入ったものなんでこのお城でかいので道に迷って外に出てしまってすみませんが人質の場所まで教えてくださいませんか?」

「おーそうかそうかそれじゃあなぁ教えてやるよ」

「ありがとうございます」

「ナイス片倉さん」

「ナイス?」

「なんでもありません」

このバカ。

片倉は士郎の足を踏んだ。

足を踏まれた士郎は

「いってぇ」

と声をあげた。

片倉と士郎は男について行った。

「ここだ」

案内された場所にはひのが鎖で繋がれていた。

「じゃあよろしく頼むよ」

と言って男は去っていった。

その瞬間皆が集まってきた。

「よくやりました、片倉さん」

「片倉さん、これはずれません」

「貸して俺がやる」

片倉は士郎がはずせなかった手錠を手際よくはずした。

ひのはビックリし、そして小さい声で

「皆さん、なぜ来たのですか?」

「ひのさん、あなたを助けたいからですよ」

経丸はそう答えた。

「皆さん、私を助けるのは皆さんに迷惑かかるんでやめてください」

と言っていたが誰も聞く耳を持たなかった。

がっちゃがっちゃがっしゃーん

大きな音をたてた瞬間、士郎以外は蜘蛛の子を散らすように逃げた。

この物音に反応した兵が凄い勢いで士郎の前に現れた。

「おいどうした、すごい音がしたが。あっーお前何してんだ人質をどうするつもりだ」

「いやぁ、この人質トイレにいきたがってたのでいかせてあげようと思ってまして」

「お主、鍵もらってなかったのか?」

「いやぁーもらうの忘れてました」

「全くお主は、そんなにうっかりしててよく採用されたな」

「いやぁそれほどでも」

「誉めてねぇよ」

経丸達はよくあんなにヘラヘラする度胸があるなぁと感心しながら草影から見ていた。

「あっ殿」

男は偉そうに歩いてくる男に即座に膝を地面につけて頭を下げた。

「お、ご苦労様」

「ありがたきお言葉」

「ところでお主、横の男はなんだ」

「殿、何いってるんですか、殿が見張りを頼んだものではないですか」

「いやぁ俺そんな奴知らないし知らない奴に人質の見張りなど頼まないぞ。お前、勝手に連れて来たのか人質の見張りという大切な仕事場に」

「そうですよ先輩」

「いや、こんな奴知りません。私は連れてきておりません。やはり殿が連れてきたのでは?」

「そうですよ殿、自分を雇ったこと忘れたのですか。まぁこんだけ人数もいますし仕方ないですよ」

「いやぁ、おかしいな。まっいいか」

天河の言葉に士郎はホッとした。その時だった、霜河の横についていた男が。

「殿、この伊原、さっきからこやつの話を聞いておりましたがこやつ言ってることコロコロ変えておりました。こやつは天河の者ではありません」

「お前何者だぁ!」

『人気者だぁ!』

やばい、いつもの癖で余計なことを言っちゃった。

士郎の額から脂汗が滝のように溢れでした。

『お前ふざけてる余裕があるようだな』

余裕なんかねぇよもう。

士郎は敵の多さに逃げ切れないことを悟り覚悟を決めた。

果たして士郎はこのピンチをどう乗りきるのだろうか
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