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○~第7章~○ 憧れのオ・マーン公国編
2射精目! クリスマスへ向けて②
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「はっ!」
目を覚ませば見慣れた病院の天井だった。
(この天井はおちんちんビローン病院の病室だな。っということは)
「あー、また死んじゃったよ」
「いや死んでおらんぞ」
「えっ!?」
体を起こし辺りを見回すが、いつもの病室の光景ではなかった。いつもならこのタイミングでムーが泣きながらかけ寄ってくるはずだ。そしてトモハルもいない。
じいちゃんだけがベッド横の椅子に座っていた。
「テツオよ。お前一体なにをしたんじゃ……」
あの日、家の裏山から巨大な火柱が上がったので、じいちゃんが急いでかけつけると俺がその場で倒れていたらしい。救急車でおちんちんビローン病院へ搬送され、検査を受けた結果“深刻な酵素不足”という診断が下りたとのこと。
その後、輸血ならぬ輸酵素をしてもらい徐々に回復に至ったそうだ。
「あの火柱は形状的に魔法の“マラミ”じゃ。ただ規模がマラミのそれを遥かに超えておる。テツオよ、お前一体なにをしでかしたんじゃ」
俺はボーっとする頭を働かせ、あの日のことを思いだそうとした。
(えーっと。俺はあそこで何をしてたんだっけ…… 確かマラを出してスパ次郎に…… スパ次郎に…… スパ次郎!)
「スパ次郎! じいちゃん! スパ次郎だよ!! じいちゃんスパ次郎!!」
「おお落ち着けテツオ。それではワシがスパ次郎じゃろうが!」
自分でも何を言っているのか分からなかった。もちろんじいちゃんにも伝わるはずがないと思ったが、じいちゃんからは意外な一言が帰ってきた。
「スパ次郎ってあの小さな妖精じゃろ?」
「えっ? じいちゃん知ってるの? なんで!?」
『お前に燃やされて他の人には見えない魔法が解けてしもうたんや』
「えっ!!」
なんとスパ次郎が生きていた。しかも俺のベッドで一緒に横になっていたのだった。
が、下半身を覆っていた真っ黒な毛が全て燃えてしまっており、キレイな肌色が露わになっていた。まるで毛をむしられたニワトリのようであり、不謹慎だけど絵面的にめちゃくちゃ面白かった。
「す、スパ次郎ゴメンな。ハフン…… お、俺のせいでこんな目にフフッ」
『お前完全に笑ろてもうとるやんけ』
「いやでもマジでゴメン」
『まあええけど…… ってそんなことよりテツオ、あの現象をお前のじいちゃんに言っておいた方がええんとちゃうか?』
確かに。
あの日、あの火柱が上がった原因はマラに俺の酵素をかけたからだと思う。
「じいちゃん。実は――」
◇◆◇
「うーーん。それは初耳じゃ」
「あ、やっぱり?」
「どれ、試しにやってみるかの」
じいちゃんがそう言うと、右の手の平からボウッと火が出た。俺のローソクみたいな火ではなく、立派な火の玉だった。
『やっぱ変態魔法賢者の魔法は一味ちゃうなー。どこかの誕生日ケーキローソクとは全然違うなー』
(もう1回燃やしてやろうかと思った)
「じゃ、酵素をかけるじょい」
じいちゃんがそう言うと、前かがみになり頭頂部からちょろっと酵素が出た。なんだろう。ものすごい嫌なものを見たような感覚にとらわれた。
――が、次の瞬間には
ジュッ……
という音ともに火が消えてしまったのだ。
「うん。やはりな。あのなテツオよ、酵素というものは元々熱に弱いんじゃ」
「え、そうなの?」
『今度はテツオの酵素をかけてみたら?』
「無駄だと思うがの」
俺は頭を横に振ってみた。
チャポチャポ……
頭の中の酵素は、音的に半分くらい元に戻っていた。
「じゃ、出すよ…… マラ!」
ポっ……
右の手の平からは出た魔法は、相変わらずローソクの火だった。
『フフッ』
「フフッ」
それを見て堪えきれず笑ってしまったコイツら二人を燃やしてしまいたいと思った。
「じゃ、俺の酵素をかけるよ」
「あんまり無駄遣いしてはならんぞ」
じいちゃんは昔からそう言う。酵素を大事にしろと。
俺は慎重に慎重に加減しながら、頭を少し振って酵素を少量かけた。が次の瞬間には――
ッボォォオオオオオオオオ!!
俺の右の手の平から火柱が上がった!
「ほらっ! ほら出た! ほらぁああああ!」
「おわっ! マジじゃ! これはマラの進化系魔法“マラミ”じゃ! ってこっちもってくんなバカ! 熱っつ! 熱っつ!」
そして俺のマラミは更に上昇し続け、病院の天井まで到達した。
ッパシャァァアアアアアアア!
当然スプリンクラーが反応し、火事のサイレンとともに病院全体の天井から水がシャワーのように噴出し出した。俺の魔法も勢いよく消火されたが、病院は一瞬の内に大パニックに陥ってしまった。
「うわぁぁああああああ!」
「火事よぉぉぉおおおおおお!」
「白内障で前が見えにゃぃぃいいいい!」
「皆にげろぉぉおおおおお!」
「…………ワシらも逃げよう」
『「うん!」』
◇◆◇
っとまあ、どさくさに紛れて3人とも病院から逃げ出した。
「しかしまあ本当に驚いたわい。テツオの酵素が魔法の威力を助長するとわな。あのローソクみたいなレベルでマラミが出るんじゃろ? っとなるとマラゾーマにお前の酵素をぶっかけると…… 想像もしたくないわい。しかしなぜテツオの酵素に反応するんじゃろう」
『多分それはこいつがSランクDNAの精子だからですよ。あっ……』
「あ……」
スパ次郎が口を滑らせてしまった。
――が、時すでに遅しだった。
「にゃ! にゃんじゃとぉお!」
入れ歯が飛んで出た。
目を覚ませば見慣れた病院の天井だった。
(この天井はおちんちんビローン病院の病室だな。っということは)
「あー、また死んじゃったよ」
「いや死んでおらんぞ」
「えっ!?」
体を起こし辺りを見回すが、いつもの病室の光景ではなかった。いつもならこのタイミングでムーが泣きながらかけ寄ってくるはずだ。そしてトモハルもいない。
じいちゃんだけがベッド横の椅子に座っていた。
「テツオよ。お前一体なにをしたんじゃ……」
あの日、家の裏山から巨大な火柱が上がったので、じいちゃんが急いでかけつけると俺がその場で倒れていたらしい。救急車でおちんちんビローン病院へ搬送され、検査を受けた結果“深刻な酵素不足”という診断が下りたとのこと。
その後、輸血ならぬ輸酵素をしてもらい徐々に回復に至ったそうだ。
「あの火柱は形状的に魔法の“マラミ”じゃ。ただ規模がマラミのそれを遥かに超えておる。テツオよ、お前一体なにをしでかしたんじゃ」
俺はボーっとする頭を働かせ、あの日のことを思いだそうとした。
(えーっと。俺はあそこで何をしてたんだっけ…… 確かマラを出してスパ次郎に…… スパ次郎に…… スパ次郎!)
「スパ次郎! じいちゃん! スパ次郎だよ!! じいちゃんスパ次郎!!」
「おお落ち着けテツオ。それではワシがスパ次郎じゃろうが!」
自分でも何を言っているのか分からなかった。もちろんじいちゃんにも伝わるはずがないと思ったが、じいちゃんからは意外な一言が帰ってきた。
「スパ次郎ってあの小さな妖精じゃろ?」
「えっ? じいちゃん知ってるの? なんで!?」
『お前に燃やされて他の人には見えない魔法が解けてしもうたんや』
「えっ!!」
なんとスパ次郎が生きていた。しかも俺のベッドで一緒に横になっていたのだった。
が、下半身を覆っていた真っ黒な毛が全て燃えてしまっており、キレイな肌色が露わになっていた。まるで毛をむしられたニワトリのようであり、不謹慎だけど絵面的にめちゃくちゃ面白かった。
「す、スパ次郎ゴメンな。ハフン…… お、俺のせいでこんな目にフフッ」
『お前完全に笑ろてもうとるやんけ』
「いやでもマジでゴメン」
『まあええけど…… ってそんなことよりテツオ、あの現象をお前のじいちゃんに言っておいた方がええんとちゃうか?』
確かに。
あの日、あの火柱が上がった原因はマラに俺の酵素をかけたからだと思う。
「じいちゃん。実は――」
◇◆◇
「うーーん。それは初耳じゃ」
「あ、やっぱり?」
「どれ、試しにやってみるかの」
じいちゃんがそう言うと、右の手の平からボウッと火が出た。俺のローソクみたいな火ではなく、立派な火の玉だった。
『やっぱ変態魔法賢者の魔法は一味ちゃうなー。どこかの誕生日ケーキローソクとは全然違うなー』
(もう1回燃やしてやろうかと思った)
「じゃ、酵素をかけるじょい」
じいちゃんがそう言うと、前かがみになり頭頂部からちょろっと酵素が出た。なんだろう。ものすごい嫌なものを見たような感覚にとらわれた。
――が、次の瞬間には
ジュッ……
という音ともに火が消えてしまったのだ。
「うん。やはりな。あのなテツオよ、酵素というものは元々熱に弱いんじゃ」
「え、そうなの?」
『今度はテツオの酵素をかけてみたら?』
「無駄だと思うがの」
俺は頭を横に振ってみた。
チャポチャポ……
頭の中の酵素は、音的に半分くらい元に戻っていた。
「じゃ、出すよ…… マラ!」
ポっ……
右の手の平からは出た魔法は、相変わらずローソクの火だった。
『フフッ』
「フフッ」
それを見て堪えきれず笑ってしまったコイツら二人を燃やしてしまいたいと思った。
「じゃ、俺の酵素をかけるよ」
「あんまり無駄遣いしてはならんぞ」
じいちゃんは昔からそう言う。酵素を大事にしろと。
俺は慎重に慎重に加減しながら、頭を少し振って酵素を少量かけた。が次の瞬間には――
ッボォォオオオオオオオオ!!
俺の右の手の平から火柱が上がった!
「ほらっ! ほら出た! ほらぁああああ!」
「おわっ! マジじゃ! これはマラの進化系魔法“マラミ”じゃ! ってこっちもってくんなバカ! 熱っつ! 熱っつ!」
そして俺のマラミは更に上昇し続け、病院の天井まで到達した。
ッパシャァァアアアアアアア!
当然スプリンクラーが反応し、火事のサイレンとともに病院全体の天井から水がシャワーのように噴出し出した。俺の魔法も勢いよく消火されたが、病院は一瞬の内に大パニックに陥ってしまった。
「うわぁぁああああああ!」
「火事よぉぉぉおおおおおお!」
「白内障で前が見えにゃぃぃいいいい!」
「皆にげろぉぉおおおおお!」
「…………ワシらも逃げよう」
『「うん!」』
◇◆◇
っとまあ、どさくさに紛れて3人とも病院から逃げ出した。
「しかしまあ本当に驚いたわい。テツオの酵素が魔法の威力を助長するとわな。あのローソクみたいなレベルでマラミが出るんじゃろ? っとなるとマラゾーマにお前の酵素をぶっかけると…… 想像もしたくないわい。しかしなぜテツオの酵素に反応するんじゃろう」
『多分それはこいつがSランクDNAの精子だからですよ。あっ……』
「あ……」
スパ次郎が口を滑らせてしまった。
――が、時すでに遅しだった。
「にゃ! にゃんじゃとぉお!」
入れ歯が飛んで出た。
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