Sオナ! ~SランクDNAの精子だけど、今回どう見てもオ○ニーです~○~○

巻き爪たろう

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○~第4章~○ 膣美の修行

3排卵目! はじめての精子

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「せーし? セーシ…… ねえ婆や、セーシって何?」
『精子でございます膣美さま。精子は外来の生物であり、このオ・マーン公国に度々やって来ては卵子の命ばかり狙う凶悪なテロリストにございます」
「ふーん。アタシ見たことも聞いたこともないや」
『一度ご覧になりますか?』
「えっ! 見れるの?」
『もちろんでございます。この婆やの能力、鉄の女アイアン・レディ第5形態:おデコに一重ひとえの千里眼 ※通称ハッブルと、第6形態:ちつホン10 ※通称ジョブズを組み合わせれば、時空と空間を調和させて現在の精子の動きをLIVE形式で確認できるのでございます』

 インコ婆やがそう言うと、両目から発せられる映像が間もなく切り替わり、見たこともない国の風景が壁一面に映し出された。
 ※言うの忘れてたけど、膣ホンX10には、プロジェクタ機能も付いている優れものなのだ

「こ、これが精子の世界……」
 
 LIVE映像にはたくさんの精子たちが映し出されていた。
 小学校に通う子供精子、バイトに励む高校生精子、走行音が静かなプリウスのマフラーを組み替えてわざわざアホみたいな音にしてしまうヤンキー精子、日々体を鍛えるゲイ精子と鍛えないゲイ精子、国民年金を払わず貯金を切り崩して細々と生活していたが、うっかり長生きしていまい貯金も底をつきかけている高齢者精子など、その世界と人種は多種多様であった。
 しかし……

「ねえ婆や。精子たち、アタシたちと同じで普通じゃん。ちっとも凶悪に見えないんだけど」
『普段は……。で、ございます。奴らがひとたびこのオ・マーン公国に侵入しようものなら血相を変えて襲ってくるのでございます』
「ふーん……」

 そうしてしばらく婆やが映し出す精子の世界をただなんとなく眺めていた。
 その時、ある精子に私の目が止まった。

トクン……

 心臓が小さく脈打つ。

「ば、婆や婆や! ちょっとあの精子をアップで映してくれる?」
『はい? ああ、あの“男の精子”でございますね。お任せください』

 その精子は、城下町のような通りで一人佇んでいて、どこか遠くの山を見ているような格好だった。

トクン……

(ま、まただ)

 その精子を見るたび心臓が脈打つ。
 呼吸が少し早くなり、息が浅くなる。
 ミゾオチが痛痒い。
 体が火照る。

(な、なんなの…… これ……)

 それは生まれて初めての感情だった。

――これが精子テツオさんとの初めての出会いだった。 

     ・
     ・
     ・

『ふん! こういう男の精子が一番厄介なのでございます』
「オトコ? 婆やオトコってなに?」
『いいですか膣美さま。精子には性別があるのでございます。男の精子と女の精子にございます』
「んーーー。2種類いるってことね。何か明確な違いがあるの?」
『ございます。まず男の精子ですが、とにかくすばしっこいのです。白血球ゴリラですら追いつけない者もいるくらいでございます。次いで女の精子です。女の精子は男の精子よりスピードは遅いですが、体力があり力も強いのでございます』
「へー。なんかちょっと意外だわ」
『私が軍人だった頃も、男の精子には苦労させられました……』
「でも皆殺しだったんでしょ?」
『もちろんでございます! この私の手にかかれば精子など瞬殺にございま…… あ!』
「どうしたの婆や!」
『お、思い出してしまいました。実は…… 一人だけのがしてしまった経験がございます』
「ある意味その精子、すごい運ね」
『確かあやつの名は…… えー…… あっ! アレックス! そう! アレックスにございます! この私の人生に唯一の汚点を残した精子にございます!』
「色んな精子がいるのねー(棒)」

◇◆◇

 一方その頃キンタマーニ王国――

「ぶぇえええっくしょい!!」
「うわっ! じいちゃんクシャミはあっち向いてしろよ! あー、また入れ歯ごと飛んでるよ!」
「うーむ。誰かがワシの噂をしとるのじゃな。きっと巨乳の女子大生じゃぞ?」
「はよ射精に行って来いじじい!」

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