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○~第2章~○ 卵子:膣美(ちつみ)
6排卵目! これが排卵
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「閣下! 反則でございます! 魔法が使われているのです!」
(これで相手は反則負け。膣美さまの勝ちにございます! さあ! 閣下! 最終試験を中断させ、満子お嬢様に反則負けのご指示を!!)
『で?』
(……………………え?)
い、今、気のせいでしたでしょうか…… 閣下は『で?』と仰ったような……
いやいや、そんなはずはございません。きっと音響設備の不良にございます。
ならばもう一度、いえ何度でも!
「閣下! 魔法にございますよ! 反則でございます!」
『それがどうしたというのだ』
「いや…… でも……」
『キヨ子よ。これは排卵最終試験、“死ぬまで殴り合い”なのだぞ?』
「し、しかし……」
『構わん! 白血球ゴリラたちよ! キヨ子を今すぐ退場させよ!』
閣下がマイクでそう仰いますと、私の後方から白血球ゴリラが2頭現れ、私の両腕を掴んで観客席まで引っ張って行こうと致しました。その時です
「ば、婆や…… ケホッ! ケホッ!」
膣美さまの能力『純粋な透明』が解かれ、消していたお姿が現れてしまったのでございます。
私は、白血球ゴリラの腕を振りほどき、再び膣美さまのいるリングへかけよりました。
「ち、膣美さま! こんなのは反則です! 子宮公爵は…… いえ! 膣美さまの母君は気でも触れているのでございます!」
「え…… 子宮公爵が…… アタシのママ……」
(しまった! 口が滑ってしまいました。閣下と膣美さまの親子関係は、あの日閣下に固く口止めされていたのでございました…… しかし! もう構うことなどありません!)
「そうでございます! 詳しい事情は追ってお話申し上げますので、ここは大変お悔しいことと存じますが、ギブアップを選択致しましょう!」
私は、膣美さまにギブアップのご提案を申し上げ、肩を貸し、立ちあがらせました。そして、閣下にギブアップを宣言したのです。
「閣下! 膣美さまはこの通りにございます! よってこの最終試験、ご辞退させていただきます!」
しかし、閣下の返答はまたしても、私の期待するものではございませんでした……
『だからさっきも言っただろうが! これは排卵最終試験、“死ぬまで殴り合い”だ! どちらかが死ぬまで続くに決まっておろうが!!』
「そ…… そんな!」
(そ…… それで…… 膣美さまが…… 実の娘が死んでもよいと仰るのですか……)
私は全身の力が抜けてしまい、膣美さまと一緒にその場でひざまずいてしまいました。
ゆっくりと空を見上げると、そこには二羽の膣鳩ことチッツーが仲良く自由に飛び回っております。
その間にも、白血球ゴリラが膣美さまと私を無理矢理引き剥がし、私は羽交い絞めにされながらリングから引きずりおろされ、膣美さまは満子お嬢様に髪の毛を掴まれて、リングの中央まで引きずられて行きました。
膣美さまは今にも泣き出しそうな表情でした。幼少の頃、嫌いなブロッコリーを残して私にお説教をされている時の顔にございました。
全てが…… スローにございました。
閣下は再びマイクを持って、私に向かって何かを言っているようにお見受け致しましたが……
(私にはもう……)
閣下のお声はおろか、全ての人の声が届かなくなってしまったのです。
ただ、ただ一人を除いて……
「婆や!!!! 助けて!!!!」
わたくしは
キレました
「鉄の女! 第3形態:膣熊!」
通称膣五郎になり、羽交い締めにしてくる白血球ゴリラたちの腕をその鋭い爪で切り落としてやりました。血が噴出し、ゴリラたちは驚きと痛みに耐えかねて悲痛な叫びを上げているようでしたが、残念ながら私の耳には届かないのでございます!
さ、次です。
「鉄の女! 第2形態:膣鳩!」
通称チッツーにモデルチェンジし、膣美さまのいるリングへ音速で飛んでいき、満子お嬢様にはお気の毒ですが、音速のパンチを65発ボディに入れました。
満子お嬢様は当然リング場外へ吹っ飛んで行き、なんとか膣美さまを救い出すことに成功したのです。
この間、僅か5秒の出来事でした。
「ば、婆や…… あり……がと」
膣美さまは安心しきったのか、そのまま気絶してしまいました。
私の怒りは止まりません! その怒りは満子お嬢様でなく、魔法を使った執事でもありません!
そう。
オ・マーン公国公爵である、子宮・子宮閣下にございます!
「閣下! 子宮閣下! あなたのことを見損ないました! ご自身の子供をなんだとお思いなのですか!」
しかし、閣下は私の必死の訴えには目もくれず、あろうことか白血球ゴリラの追加援軍を要請したのでございます。
間もなくウジャウジャと何百頭もの白血球ゴリラが、スタジアムに押し寄せて参りました。
(さすがにこれだけの大軍は相手にできまぬ。ここはひとまず退散です!)
しかし……
謀反を起こした私は、このオ・マーン公国の卵巣エリアで元の生活を送るのは一生叶わないことを理解しておりました。
(こうなったら……)
「膣美さま、気絶のところ申し訳ございません! この卵巣エリアを突破させていただきます!」
オ・マーン公国の卵巣エリアは、たくさんの卵子たちが生まれ、そして成長するコロニーであり、四方が分厚い壁で守られているのです。そこを文字通り突破しなければなりません。
突破できると考えられる方法は1つだけ。
“鉄の処女・極キヨ子”と、“魔法”の融合にございます。
しかし、今まで一度も試したことがございません……
そう考えている間にも、白血球ゴリラの大軍が押し寄せてきております!
「ウホホー――!」 ※死ねえーーー!と言っています
もうダメ元上等でございます!
私は膣美さまを抱えたまま大声で唱えました。
「鉄の処女・極キヨ子!」
その瞬間、体が元の1000倍に巨大化し、全てが鉄と化しました。名前の通り鉄の処女にございます!
※彼氏ができたこともございません。
巨大化する過程でスタジアムの観客席を半分以上破壊し、白血球ゴリラを何十頭も殺めてしまいましたが、なんか、もう、ついでにございます。
問題は次です!
なんせ久しぶりの魔法にございます!
※時間省略のため詠唱はカットです
私の巨大化した足の裏に、魔法となる物質を呼び寄せました。
今回呼び寄せたのは、反物質たちにございます!
そして両足に思いっきり力を入れて屈み、一気に地面を蹴り上げ、反物質たちを解放しました!
魔法の名前はそうですね…… えー……
そのジャンプ力とスピードは、この世界の理を超越しており、生まれて初めてスピードの向こう側まで行くことができました。
一瞬にして卵巣エリアを取り囲む分厚い壁に到着し、そのまま見事突き破ったのです!!
私は笑顔でした。
(これから追われる身の大変な生活になりますが、膣美さまとなら!!)
・
・
・
「やはり、閣下の仰る通りの展開になりましたね」
「ああ。キヨ子は分かりやすいからな」
「いやしかし、本当に放っておいてよろしいかったのですか?」
「かまわん。なんせこれからSランクDNAの精子が来るのだからな」
(これで相手は反則負け。膣美さまの勝ちにございます! さあ! 閣下! 最終試験を中断させ、満子お嬢様に反則負けのご指示を!!)
『で?』
(……………………え?)
い、今、気のせいでしたでしょうか…… 閣下は『で?』と仰ったような……
いやいや、そんなはずはございません。きっと音響設備の不良にございます。
ならばもう一度、いえ何度でも!
「閣下! 魔法にございますよ! 反則でございます!」
『それがどうしたというのだ』
「いや…… でも……」
『キヨ子よ。これは排卵最終試験、“死ぬまで殴り合い”なのだぞ?』
「し、しかし……」
『構わん! 白血球ゴリラたちよ! キヨ子を今すぐ退場させよ!』
閣下がマイクでそう仰いますと、私の後方から白血球ゴリラが2頭現れ、私の両腕を掴んで観客席まで引っ張って行こうと致しました。その時です
「ば、婆や…… ケホッ! ケホッ!」
膣美さまの能力『純粋な透明』が解かれ、消していたお姿が現れてしまったのでございます。
私は、白血球ゴリラの腕を振りほどき、再び膣美さまのいるリングへかけよりました。
「ち、膣美さま! こんなのは反則です! 子宮公爵は…… いえ! 膣美さまの母君は気でも触れているのでございます!」
「え…… 子宮公爵が…… アタシのママ……」
(しまった! 口が滑ってしまいました。閣下と膣美さまの親子関係は、あの日閣下に固く口止めされていたのでございました…… しかし! もう構うことなどありません!)
「そうでございます! 詳しい事情は追ってお話申し上げますので、ここは大変お悔しいことと存じますが、ギブアップを選択致しましょう!」
私は、膣美さまにギブアップのご提案を申し上げ、肩を貸し、立ちあがらせました。そして、閣下にギブアップを宣言したのです。
「閣下! 膣美さまはこの通りにございます! よってこの最終試験、ご辞退させていただきます!」
しかし、閣下の返答はまたしても、私の期待するものではございませんでした……
『だからさっきも言っただろうが! これは排卵最終試験、“死ぬまで殴り合い”だ! どちらかが死ぬまで続くに決まっておろうが!!』
「そ…… そんな!」
(そ…… それで…… 膣美さまが…… 実の娘が死んでもよいと仰るのですか……)
私は全身の力が抜けてしまい、膣美さまと一緒にその場でひざまずいてしまいました。
ゆっくりと空を見上げると、そこには二羽の膣鳩ことチッツーが仲良く自由に飛び回っております。
その間にも、白血球ゴリラが膣美さまと私を無理矢理引き剥がし、私は羽交い絞めにされながらリングから引きずりおろされ、膣美さまは満子お嬢様に髪の毛を掴まれて、リングの中央まで引きずられて行きました。
膣美さまは今にも泣き出しそうな表情でした。幼少の頃、嫌いなブロッコリーを残して私にお説教をされている時の顔にございました。
全てが…… スローにございました。
閣下は再びマイクを持って、私に向かって何かを言っているようにお見受け致しましたが……
(私にはもう……)
閣下のお声はおろか、全ての人の声が届かなくなってしまったのです。
ただ、ただ一人を除いて……
「婆や!!!! 助けて!!!!」
わたくしは
キレました
「鉄の女! 第3形態:膣熊!」
通称膣五郎になり、羽交い締めにしてくる白血球ゴリラたちの腕をその鋭い爪で切り落としてやりました。血が噴出し、ゴリラたちは驚きと痛みに耐えかねて悲痛な叫びを上げているようでしたが、残念ながら私の耳には届かないのでございます!
さ、次です。
「鉄の女! 第2形態:膣鳩!」
通称チッツーにモデルチェンジし、膣美さまのいるリングへ音速で飛んでいき、満子お嬢様にはお気の毒ですが、音速のパンチを65発ボディに入れました。
満子お嬢様は当然リング場外へ吹っ飛んで行き、なんとか膣美さまを救い出すことに成功したのです。
この間、僅か5秒の出来事でした。
「ば、婆や…… あり……がと」
膣美さまは安心しきったのか、そのまま気絶してしまいました。
私の怒りは止まりません! その怒りは満子お嬢様でなく、魔法を使った執事でもありません!
そう。
オ・マーン公国公爵である、子宮・子宮閣下にございます!
「閣下! 子宮閣下! あなたのことを見損ないました! ご自身の子供をなんだとお思いなのですか!」
しかし、閣下は私の必死の訴えには目もくれず、あろうことか白血球ゴリラの追加援軍を要請したのでございます。
間もなくウジャウジャと何百頭もの白血球ゴリラが、スタジアムに押し寄せて参りました。
(さすがにこれだけの大軍は相手にできまぬ。ここはひとまず退散です!)
しかし……
謀反を起こした私は、このオ・マーン公国の卵巣エリアで元の生活を送るのは一生叶わないことを理解しておりました。
(こうなったら……)
「膣美さま、気絶のところ申し訳ございません! この卵巣エリアを突破させていただきます!」
オ・マーン公国の卵巣エリアは、たくさんの卵子たちが生まれ、そして成長するコロニーであり、四方が分厚い壁で守られているのです。そこを文字通り突破しなければなりません。
突破できると考えられる方法は1つだけ。
“鉄の処女・極キヨ子”と、“魔法”の融合にございます。
しかし、今まで一度も試したことがございません……
そう考えている間にも、白血球ゴリラの大軍が押し寄せてきております!
「ウホホー――!」 ※死ねえーーー!と言っています
もうダメ元上等でございます!
私は膣美さまを抱えたまま大声で唱えました。
「鉄の処女・極キヨ子!」
その瞬間、体が元の1000倍に巨大化し、全てが鉄と化しました。名前の通り鉄の処女にございます!
※彼氏ができたこともございません。
巨大化する過程でスタジアムの観客席を半分以上破壊し、白血球ゴリラを何十頭も殺めてしまいましたが、なんか、もう、ついでにございます。
問題は次です!
なんせ久しぶりの魔法にございます!
※時間省略のため詠唱はカットです
私の巨大化した足の裏に、魔法となる物質を呼び寄せました。
今回呼び寄せたのは、反物質たちにございます!
そして両足に思いっきり力を入れて屈み、一気に地面を蹴り上げ、反物質たちを解放しました!
魔法の名前はそうですね…… えー……
そのジャンプ力とスピードは、この世界の理を超越しており、生まれて初めてスピードの向こう側まで行くことができました。
一瞬にして卵巣エリアを取り囲む分厚い壁に到着し、そのまま見事突き破ったのです!!
私は笑顔でした。
(これから追われる身の大変な生活になりますが、膣美さまとなら!!)
・
・
・
「やはり、閣下の仰る通りの展開になりましたね」
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