Sオナ! ~SランクDNAの精子だけど、今回どう見てもオ○ニーです~○~○

巻き爪たろう

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○~第1章~○ 精子:テツオ

3射精目! ワイはDランク

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「おはよう! テツオ!」
「おはよ♪ テッちゃん」

 トモハルとムーが僕の席までやって来た。
 トモハルは僕と同じワイ染色体。つまり男だ。それに対しムーは、エッキス染色体の女の子。
 僕たち3人は小学校からずっと一緒の幼馴染であり、今は西の村の第三玉裏たまうら高校に通う高校2年生だ。

「テツオ! 今朝の王様からのエリアメール見たかよ」
「ああ。見たよ。でもSランクDNAって何だろう?」
「ええっ!? テッちゃんマジで言ってんの? 昨日の4時間目の保健体育の授業で習ったじゃん!」
 ※ちなみに授業は保健体育しかありません。

(そう言えば昨日、担任の玉五郎たまごろう先生がそんなことを言っていたような……)

 僕は両目を閉じて、昨日の4時間目の授業を思い出そうとした。

◇◆◇

「うほん! えー、今から黒板に書くDNAのことは、次の期末テストに出るからしっかりノートをとるように。いいなっ!」

 生徒たちがひそひそと「えー!」や、「マジかよ」と話しているのを気にも留めず、玉五郎先生は白いチョークを手に取ると、DNAのことをカリカリと黒板に書き出した。

【DNAとは】
・DNAの形は、二重らせん構造であり、言うなればお菓子の“ひねり揚げ”に似ている。
 ※ちなみにセブンプレミアムのひねり揚げ(レモン味)は、邪道だがおいしい。
・DNAは、キンタマーニ王国最北の山、ヒ・マラ山で採掘を行っている。
・DNAは、射精が決まっている精子全員に与えられる。
・DNAにはランクがある。以下ランク詳細……

 Aランク…文武両道。高身長、顔立ちも良い。45歳を境に25%の確率でハゲる。
 Bランク…努力次第でAランクDNAに近づける。45歳を境に50%の確率でハゲる。
 Cランク…バカだけど元気。しかもハゲない。
 Dランク…包茎。

・上記のA~Dランクの内、多く採掘されるのはAを除くB~Dであり、一般国民用として付与されるDNAである。
・AランクのDNAの付与は、原則キンタマーニ王国の王族のみであるが、王国へ一定の寄付金を収めれば付与される場合もある。

◇◆◇

 僕はなんとか昨日の授業を思い出すことができた。が……

「ってちょっと待ってよ! 肝心のSランクDNAの説明ないじゃん!」
「あ、本当だわ」

 そう言っていると、1時間目の保健体育の授業が始まるチャイムが鳴り響いた。

     キーン㈮ コーン㈮ カーン コーン㈮
          キーン㈮ コーン㈮ カーン コーン㈮

 1時間目の保健体育の先生は、勃起三郎ぼきさぶろう先生のはずだったが、当日は体調不良でお休みとのことで、代わりに先月入職したばかりのキース先生が教室にやってきた。

 キース先生は若く、聞くところによるとアメリカ育ちらしい。
 顔立ちも僕たちとは明らかに違っており、その青い目を見ると、男の僕たちでも惹かれた。当然女子からもモテまくりだった。

「ハーイ皆サーン! ッモーニッ!」

 そしてグッドモーニングの発音が物凄いネイティブだった。

「皆サーンよろしーデスかー? 今日のエリアメールはもう見マシタカ?」
「はい! 先生そのことで質問があります!」

 学級委員長のタネ八郎くんだ。
 きっとSランクDNAについて質問するはずだ。

「先生。僕たちはSランクDNAについて教えてもらっていません。教えてください」

 ほらやっぱり。

「OK包茎! それじゃー今日は、SランクDNAを教えチャウヨー!」

 キース先生がそう言うと、クラスの皆は静まり返り、ノートを広げ、キース先生から発信される情報を聞き逃すまいと集中した。
 当然、僕もトモハルもムーも同じくノートを広げ、先生の次の発言を待った。

「イイデスか? SランクDNAは、1000年に一度出るか出ないかと言われているDNAデース。
 SランクのDNAを付与されると、と言われてイマース!
 それだけジャーありまセーン。
 次が重要デース!
 SランクDNAを付与された精子はー、世界を変えることができる力を手に……」

 その時だった。

     ビシャンっ!

 教室のドアが勢いよく開いたと思ったら、そこに教頭の脇男わきお先生が立っていたのだ。

「キース先生。そこから先は禁じられているはずですよ?」
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