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僕たちはこれからどうなるんでしょう?

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「まさかアンウィルが俺たちの元から去っていくなんてな。さみしくなるなぁ~。」
「先輩、今まで本当にありがとうございました!たくさん心配かけてごめんなさい!」

 契約書の効力により僕の生身の体は人間界に縛られることになったため、洗面器に薄く水を張った水鏡の魔法を使って先輩に最後の挨拶をしていた。僕が魔法を使えるってことは、僕の下腹部に淫紋があるということ。それってつまり、昨日の夜もたくさんマカミくんに精気を分け与えてもらったということだ。
 その愛しい人物は、ベッドに座る僕を背後から抱きしめて僕の肩口に顎を乗せて興味深々といった様子で僕のやり取りを見ていたが、先輩が鏡に出てきてからは嫉妬深い眼差しでむすっとした態度を隠そうともしていない。鏡の中の先輩はそんなマカミくんのことを呆れた目で見ている。

「やっかいな人間に好かれたもんだな。あんまり無茶するなよ?何かあったらちゃん連絡して来い!」
「はい!」

 先輩の冗談にくすくすと笑いながら返事をすると、マカミくんは益々不機嫌オーラを先輩へと向けていた。

 これ以上旦那様のご機嫌が斜めになられては、元に戻すのが大変になってしまう。手遅れになる前に水鏡での通話を切り上げ、僕は改めてマカミくんに向き直り、チュ、とその額にキスをする。

「これで機嫌直してくれる?」

 いきなりのことに驚いた様子のマカミくんは頬を染め、耳まで真っ赤になりながら、こう答えた。

「足りひん。こんなんじゃ全然、足りん。」

 そうして噛み付くような勢いで唇を奪われる。
 マカミくんの熱い舌が僕の口内を暴れ回り、呼吸もままならないほど激しく求められてしまう。暫くして唇がやっと解放されたかと思うと、マカミくんの膝に乗せられて向き合う体勢にされる。すると今度はキスではなく首筋への愛撫が始まった。
 軽く歯を立てながら柔らかいところを何度も優しく甘噛みされて、甘い感覚に僕は思わず身を捩らせてしまう。鎖骨の窪みを舐められるとゾクゾクとしたものが背筋を走り、僕は快感を逃がすように体を反らせたがそれが逆に胸を突き出す格好になってしまう。マカミくんの手が僕の胸へと伸びてきて、服の上からでも分かるほど主張している胸の突起を摘まれれば、僕は堪らず甘い吐息を漏らした。
 マカミくんの膝に乗せられているせいで、自然と足は開いてしまい、その中心にある僕のものは既に熱を帯びて硬くなっていた。
 それを見計らったかのようにマカミくんは僕のズボンのベルトを外し始める。そして下着ごとズボンを下ろされれば僕のものが勢いよく飛び出し、外気に触れてぶるりと震える。
 マカミくんは僕のものを握ってゆるゆると扱き始めた。その気持ちよさに僕はマカミくんに縋り付くように抱きつき、与えられる快楽に身を委ねた。
 しかし僕のものがすっかり固くなると、マカミくんは手を止めてしまう。中途半端に熱を持たされたまま放置されてしまった僕のものは早く触って欲しいと言わんばかりに先端から蜜を零しているのに、どうして触れてくれないんだろう?僕が泣きそうな顔でマカミくんを見つめれば、彼は意地悪く笑って言った。

「優しくするから、…許して?」

 その笑顔はまるで獲物を前にした獣のようで、僕は背筋にぞくりとしたものを感じる。
 マカミくんは僕を膝から下ろすとベッドに座らせ、自分は床に膝立ちになって僕の目の前に顔を近づける。そして僕に見せつけるように舌を出して自分の指を舐めて唾液で濡らすとそれを僕の秘部へとあてがった。ゆっくりと中へ侵入してくる指の異物感に、僕は思わず顔をしかめる。しかしマカミくんはそんな僕を見て楽しそうに目を細めながらどんどん奥へと入れてくる。
 やがてある一点を擦られた瞬間、僕は体を大きく跳ねさせた。
 マカミくんの手が僕のイイところばかり攻め立てるせいで、僕のものからはどんどん蜜が溢れ出し、下腹部を伝ってベッドに染みを作る。
 僕はあまりの快楽に怖くなり思わずマカミくんの腕にしがみついた。しかしそれでも責める手は止まらず、むしろ激しさを増していく。僕が限界を迎えそうになった時、ようやく指が引き抜かれた。
 今度は指よりも太いものがあてがわれ、一気に奥まで突き入れられる。その突然の衝撃に僕は絶頂を迎えてしまい、自分のお腹に白濁した液体を吐き出した。それでもマカミくんは止まらず、ガツガツと腰を打ち付けてくる。まるで獣の交尾のような激しさに、僕はただ嬌声を上げ続けるしかなかった。
 やがてマカミくんの動きが一層激しくなったかと思うと、中で熱いものが弾ける感覚があった。それと同時に僕自身も絶頂に達してしまい、ビクビクと全身を震わせながらマカミくんのものを締め付ける。
 全てを吐き出し終えた後、僕の中を埋め尽くしていたものがずるりと引き抜かれ、僕の太腿を精液が伝っていく。
 マカミくんは放心状態の僕を抱き寄せると優しく口づけを落とした。

「あふっ、はぁ……、もうっ!せっかく綺麗にしたのに、また汚しちゃいます。」

 キスの合間にそんな心配の憎まれ口を叩くと、マカミくんは満足げに口角を釣り上げた。

「ええやんか。掃除する時間、これからはなんぼでもあるんやから。」

 その言葉通り、この後僕らはドロドロに汚したベッドの後始末に明け暮れることになったのだった。
 大変な作業なのに、なぜだろう。この人とやればどんな作業も苦じゃなくなる。
 むしろ温かい気持ちに包まれるのは、なぜなんだろう。


「シーツ洗濯できたっぽい。干すからそっち持って?」
「はい!……うふふ。」
「どしたん?思い出し笑い?」
「いえ、特に。ただ、改めて思いまして。僕はマカミくんが大好きだなあって!」

 宝石色の瞳が大きく開かれ、次の瞬間ふっと優しく細められる。

「俺も。」

 シーツがシワになるのも気にせず、唇と唇が触れ合い、やがて舌と舌を合わせる濃厚なものに変わる。

「んっ、ふっ…。マカミくん、こんなダメダメな僕を拾ってくれてありがとうございます。」
「そこも含めて好きやねん。」


 この人といれば胸がぽかぽかするのはなぜだろう。
 この人とキスをすれば頭がふわふわするのはなぜだろう。
 この人とセックスすれば、体がこの人を求めて疼き出してしまうのは、なぜなんだろう。

 淫魔の僕には人間の恋愛感情は分からない。
 けどこれって、たぶん。


 『愛してる』ってことなんじゃないだろうか。
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