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ダメダメ淫魔でごめんなさい!
しおりを挟む狭い部屋にぱちゅんぱちゅんといやらしい水音が響き渡る。
「あっ、ん、だめ、これいじょ、は、入らにゃ、い!も、おなか、いっぱ、ふっ!」
「ごめんな~、止まれそうにないわ。」
「しょ、しょんなッ、あ、やめ、くるし、あ、あ、ナカ、出さないれ、やっ、ぁぁ~!」
搾りたてほやほやの熱い精子がビュクビュクと腹のナカに収まっていく。中出しされすぎて膨らんだ腹部が苦しいのに、背筋を走るゾクゾクとした快感が良すぎてどう反応すべきなのか、何を感じるべきなのか、色水を絵筆で混ぜた時のように感情がぐちゃぐちゃになる。
「出してもた。ヤバい。まだ足りひん。全然足りんわ。」
そう言ってバックになった僕の腰を掴んだ人間は前髪をかき上げる。汗で湿った髪がとてつもなくなまめかしい。
「も、おわり、です。も、げんかい、です、タイムアップ!ですからっ!」
「優しくするから…許して?」
天使のように微笑む優美な顔立ち、しかしその提案は悪魔のように残酷なもので。
僕はこの美しい人間をターゲットにしたことを本気で後悔したが、大きな男に覆いかぶされ揺すられ挿入され…、こんな逃れられない状況下では、そんなもの後の祭りでしかなかった。
▽
「アンウィル、もう俺のサポートに頼るな。一人前になる頃合いなんだ。お前にはこれ以降一人で搾精業務を行ってもらう。」
「あの、僕一人じゃとても…」
「そうやって甘やかしてきたからいつまで経っても独り立ちできないんだ。これはお前のために言ってるんだぞ。一人で搾精できるまで、魔界に帰る事は許さない。上も承認済みだ。」
「そ、そんなっ…!」
先輩淫魔にそう告げられ人間界に締め出されて、はや一週間が経とうとしている。
「お腹が空いた…消えちゃいそうだ…。僕、このまま死んじゃうのかな…。め、冥界堕ちは嫌だよ~!」
淫魔は人間の精気を摂取できないと7日で消滅すると言われている。行きつく先は僕たちのボスである魔王様が直々に管理している冥界だ。冥界って悪い人間を拷問しないといけないんでしょ?そ、そんな怖いところには絶対に行きたくない!残りは今日一晩。さすがに最終日は迎えに来てくれるものと思っていたが、先輩からは何の連絡もない。もしかしたら本当に死んでしまうのかもしれない。
淫魔の搾精、すなわち寝ている人間の夢に入り〝その気〟にさせるためには催淫魔法が不可欠だ。自らの姿を夢見人の好みに合わせて自在に変身させる。そうしてえっちな夢を作り出し、射精を促す。これぞ淫魔の搾精業務の基本のキ。広く一般に使用される王道のやり方で、簡単と言えば簡単なこと。そう、その催淫魔法さえ使えれば、の話だが。
「大の苦手なんだよなあ…、魔法…。」
淫魔としての基本事項も満足に扱えないダメダメな淫魔、それがこの僕アンウィルだ。先輩に付き添ってもらっていた過去、夢の中で人間に「ごめん、それじゃヌけないや…」と気遣わし気に、かつ遠慮がちに言われたことは今でも鮮明に覚えている。どうやら僕はえっちなものに対する解像度が低すぎるらしい。
これで人間好みの美形に生まれていればまだマシだった。しかし僕の見た目は平々凡々。人間を催淫魔法なしで『魅了』したり『誘惑』したりするなんてできっこないのだ。つまりは詰みの状態…。
しかし背に腹は代えられない。死ぬよりも怖いことなんてない。魔法が上手に使えなくたってやらねばならぬのが搾精だ。この一週間、夜な夜な失敗続きだったが今日こそは。もうこれしか考えられる手立てがない。覚悟は決めた、あとは実行に移すだけだ!
「お願いします!搾精させて下さい!」
恥も外聞も捨て、僕はハジメマシテの人間相手に土下座していた。
「わ~!すご~い、淫魔とか初めて見たんやけど~」
僕がターゲットにしたのは性欲の高そうな人間の若いオス、大学生で運動部の湊 巻網(ミナト マカミ)という人物だった。リサーチ班が調べてくれたタブレット端末上の情報によると、『えっちなことが大好きで、性欲が強くて彼女に嫌がられ振られた経歴アリ』とある。なんと、淫魔に持って来いの逸材ではないか!
先輩も言ってた。事前のリサーチ情報を良く読み込んでおくのが大事だと。まあ、それはあくまで催淫魔法や変化魔法で相手の好みの姿やシチュエーションを提供するためが主な目的なので、魔法が下手くそな僕ではあまり意味をなさないアドバイスだったのだが。
しかし、この人間のいいところは、頭のネジが二、三本外れていることである!なにせ今までは魔法なしでいきなり土下座しても、夢の中なのに泥棒と勘違いされたり、意味不明過ぎて勃たないと言われたり失敗ばかりだった。それがこの人間はどうだ、第一声が『わ~!すご~い』だぞ!最高すぎるではないか!
これは絶対にヤらせてくれる!とウキウキしながら状況を説明すると、目の前の人間は言った。
「俺は湊 巻網。マカミくんって呼んで。キミはアンウィルやっけ?今まで大変やったな~。」
「失礼な!に、人間に同情されるほどでもありません!そこまで落ちぶれてません!」
「でも落ちこぼれなんやろ?」
「ぐっ…、ま、まあ、ありていに言えばそうですけど。」
「お疲れ様~俺で良かったら手伝うから~」と、よしよし呟きながら頭やら背中やら羽やらをなでてくる人間に、僕はまるで子ども扱いされているようでぷんすかと憤った。
「事情が分かったなら早くヤることヤっちゃいましょうよ!」
よーしわかった!と勢い込んだマカミくんが僕の腰を掴んで下着を引きずり下ろす。そして露わになったおしりにローションを垂らし…。
「へ?」
僕は困惑でいっぱいの頭で必死に状況を整理しようとしながら背後のマカミくんを見遣る。
「あの…、僕が抱かれる側なんです…?」
「背に腹は代えられんのやろ?」
「ちょ、そんな!聞いてなッ、あー!」
こうして僕の過酷な搾精業務が幕を開けたのだった!
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