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あの日僕らが言えなかった言葉をもう一度
しおりを挟む生きていくには金が必要だ。
蒸発した父親の借金を肩代わりさせられた俺は、てっとり早く稼ぐためにアンダーグラウンドな水商売の道を選んだ。つまりは自らの体を売るのだ。
指名が入ったのでドライバーに目的地まで連れて行ってもらい、客の自宅に到着する。インターホンを押してドアが開いたところで元気にあいさつを。
「ご指名頂きありがとうございます!本日担当させて頂く…」
「もしかして、阿比留子(あびるこ)…?!」
「へ?」
一瞬、頭の中が真っ白になった。しかしよく見るとたしかに〝あの人〟の面影がある。
俺が密かに思いを寄せていた、あの。
「ほら俺、高校三年間ずっとクラス一緒だった、加賀崎だよ。加賀崎 奏(かがさき かなで)!」
そう言ってパッと花が咲いたように浮かべるキラキラの笑顔にとっさに目を細める。ま、眩しすぎる。
「あの、じゃあ、さっそくだけどチェンジする?予定空いてる他の人とか。オーナーに事情を話してみるからちょっと待ってて…」
「なんで?」
「な、なんでってそりゃ…」
俺たち知り合い同士じゃん。カナデくんは気まずくないの?
「俺は阿比留子とシたいと思ってんだけど。ダメかな?」
もちろんお店の規約的にはダメじゃない。だけど、俺の気持ち的には……!俺の気持ち的には……!!
「ま、まったく問題ないよ!!」
『問題大ありだよ!』と言おうとした口は自分の意思に反しいつの間にか本音を言っていた。カナデくんの服の裾を掴み、目をぎゅっとつむり必死になって。
だけど『やっぱり萎えたわ』なんて言われるのが怖くて、掴んだ手が震え、思わず尋ねてしまう。
「あ、あのさ。カナデくん。」
「なに?」
「ほ、本当に俺のこと、抱いてくれる………?」
「っ…!」
不安になって恐る恐る目を開けて自分よりも身長のはるかに高い位置にある相手の顔を見ると…。ゴクリ、と音を鳴らす喉仏が見えた。と、思ったのも束の間、貪り食うように激しく唇を奪われ、すぐに息が出来なくなる。
その時酸素不足で朦朧とした脳裏にふと浮かんだのは、〝あの日〟のカナデくんの笑顔だった。
そう俺はとっくの昔に、あの瞬間から、彼の魅力にがんじがらめに取りつかれていたんだ。
そして、一夜限りの思い出作りが今、始まったのだった。
▽
高校生の頃、 加賀崎 奏は学校の人気者だった。
対して俺こと阿比留子 新太(あびるこ あらた)は、これといって得意なことがない、可もなく不可もない学校生活を送っていた。どこにでもいる普通の一般生徒A、それが俺。
たとえ同じクラスであってもほとんど喋ることもない、接点などまるでなかった俺が初めてカナデくんを意識したのは、総合体育大会の時期。運動部に所属してない生徒は全員強制参加で各部活動の応援に行かされるイベントに、もれなく俺も参加したときのことだった。俺はくじ引きでバスケ部の応援に行くことになったが、自分が参加するわけでもないスポーツの会場に行ってもつまらないだろうと高を括っていた。
しかし、だ。
冷房も効いていない、蒸し暑く汗の匂いが充満する、各学校の選手や応援団や保護者などの人々がひしめき合う体育館の中。
コートの上で、背も高くドリブルもシュートも上手いカナデくんは一際目立つ存在だった。
端的に言って、すごくかっこよかった。
他のみんなとともに二階の観客席から一階に降りて選手に一番近い場所で応援する。空き時間に二階から他の学校の試合を観戦していた時よりもはるかに距離が近く、ボールが地面にぶつかる音、シューズが摩擦でキュッキュッと鳴る音の臨場感があり過ぎて、すこし怖いくらいだった。
試合開始のホイッスルが鳴る。選手たちは一斉に動き出す。
開始数分でみるみる内に点数が入っていく。めちゃくちゃスピーディーな試合のテンポに『バスケってちょっと面白いじゃん』、と吞気に思っていたその時だった。
相手の選手がパスしたボールが別の選手にカットされその軌道が逸れた。そして向かった先は――――俺の顔面。
避けられない、と体を強張らせた瞬間、目の前に入り込んできたのは大きな背中。カナデくんだった。ボールがコートから出ないように素早く別の選手に投げた後、自身の身体は慣性の法則に従って俺へと背中から覆いかぶさる。
ゼロ距離で触れ合う体と体。
「ごめん!大丈夫だった?」
「う、うん!」
そう言ってカナデくんは試合に戻って行った。
時間にしてほんの数秒。
たったそれだけのやり取りだったのに。
気づけばそれ以降、俺の目は自然とカナデくんを追うようになってしまっていた。
二年生になっても三年生になっても偶然カナデくんとは同じクラスだった。おそらく文理選択や選択科目が同じだったおかげだろう。
だけど、同じクラスであるとはいえ、おいそれと普段から話しかけられる相手ではない。帰宅部で陰キャな俺がカナデくんみたいなキラキラ一軍男子と喋れるとしたら、文化祭や体育祭の準備で一緒になるしかなかった。俺はカナデくんに気づかれないように自然を装って彼と同じ役割、文化祭実行委員や買い出し係に手を挙げた。
そうした努力が実を結び、俺はカナデくんにとって『喋ったことのないただのクラスメイト』から、『挨拶や世間話くらいはするクラスメイト』に昇格した。
共通試験も各大学の一次個別試験も終え、卒業式を控えた3月。
世の高校三年生たちは二次試験に向けて補講を受けるために学校へ来る。
これが最後のチャンスだった。
あまりにもカナデくんへの『好き』が高じてしまい、抑えられなくなった俺は、思い切って卒業式の日に告白することを決意した。あと数日しかない。心の準備をしておかないと、と意気込んでいた時だった。
俺は居合わせてしまったのだ。
カナデくんとその友達が〝そういう〟話をしているところに。
「カナデはさ、誰かと付き合ったりしないの?この前も卒業前だからってめっちゃかわいい女子に告られてたじゃん。断るなんてマジでもったいねー。」
「俺はいいんだよ、そういう、好きじゃないけどとりあえず付き合ってみるっていうの。好きな人とだけ付き合えればいいから。」
「え"?!そんなこと言ってたらお前一生縁ないよ?!」
「バカ、俺にだって好きな子くらいいるわ。」
「おいおい、初耳なんだけど!」
咄嗟に廊下の角の柱に隠れて耳を澄ましてしまう。
聞いちゃった。
カナデくん、好きな子がいるんだ。
そりゃそうだ。当たり前だ。
頭では分かっているのに、心がついて行かない。
ポロポロと目から雫が落ちる。
あーあ、俺、告白する前に失恋しちゃった。
袖で乱暴に涙を拭う。ズキズキと痛む胸を押さえながら、俺は二次試験の補講へと向かった。
そうして迎えた卒業式の日。
以前ならカナデくんの制服の第二ボタンをもらおうかなんてむふふな妄想をしていただろうが、今はそんな幸せな妄想すら、カナデくんがかわいい女子にあげているマイナスなシーンへと瞬時に脳内で切り替わる。
つらい。つら過ぎる。そんな光景、絶対に目撃したくない。
学校生活最後のホームルームが終わり、ちらりとカナデくんの制服を見る。第二ボタン以外、それこそ袖口のボタンまで根こそぎ取られた後の悲惨な状態だった。南無。きっとこれから、ただ一つ残っているその第二ボタンも本命の子にあげに行くんだろうな、と思うとやっぱり胸の奥がツキンと痛む。
「阿比留子、ちょっと話せる?」
すると人の垣根をかき分けて、カナデくんが俺の席まで話しかけに来てくれた。例えカナデくんに好きな人がいたとしても、最後にわざわざ俺にも声をかけに来てくれたという事実に胸が踊ってしまう。
だけど。
「い、いいよいいよ、俺なんかに構わなくたって!カナデくんと話したい人いっぱいいるし、せっかく最後なんだから話してきなよ!」
「でも、俺は阿比留子と話したくて。第二ボタンなんだけどさ……」
「そうだ!俺このあと用事あるんだよね!カナデくん、三年間ありがとう!大学行っても元気でね!」
「あ、ちょっと!」
ほぼ言い逃げの状態で俺は勢いよく席を立ち、玄関へ走る。幸い辺りは人でごった返していて、カナデくんも追って来られなかったみたいだった。
こうして俺の三年に及ぶ片想いは幕を閉じたのだった。
▽
「んむ、んんぅ…!」
カナデくんは俺の唇を奪ったあと、そのままベッドまで誘導し、押し倒して全身を愛撫していく。ベッドに倒れ込んだ瞬間、カナデくんの濃い匂いが鼻孔をくすぐる。ああ、カナデくんは毎日このベッドで眠ってるんだ。カナデくん、カナデくん、…。
俺はこれから大好きだった人に抱かれる。たとえ儚いワンナイトラブだっていい。カナデくんを感じられるのなら俺はそれだけで幸せだと思う一方で、胸が引き絞られるくらい切なくなってしまう。
ベッドに押し倒された俺はカナデくんにされるがままで、まるで肉食獣に捕食される小動物の気分だった。舌と舌が絡み合い、口端から涎が垂れるのと同時に服も脱がされ下着一枚にさせられる。そして最後にカナデくんの唇が離れる頃には、息も絶え絶えだった。
唇を離した二人の間を銀糸が伝う。
熱っぽい目で見て来るカナデくんに、俺で興奮してくれてるんだと分かり嬉しくなる。
「アラタ、アラタ…。好きだ、アラタ。」
「や、かなでくん、ちくび、だめ、っ!」
カナデくんは俺の胸にある二つの突起を、人差し指で優しく撫でながら言う。
その刺激に思わず声が出そうになるのを堪えられず、俺は彼の目を見つめ返した。
すると彼は少し物憂げな表情を浮かべながら、俺の耳元に顔を寄せて囁く。
「ずっとこうしたかった。」
それってどういうこと?と聞く前に、次の瞬間にはカナデくんの顔が目の前にあったかと思うとそのまま再び深い口づけを交わしてきた。先程のキスが獣のように獰猛なキスだったのに対し、今度のキスはまるで恋人同士のよう。蜂蜜のように甘くて濃厚なキスだった。
だから俺は無意識のうちにカナデくんの背中に腕を回していた。だって俺だって高校生の頃からずっとこうしたいと思っていたから。
そして彼の熱を感じたくて、俺からも舌を絡ませていく。するとそれに呼応するように彼もまた激しく舌を絡めてきて、俺は呼吸も忘れて夢中で彼の唾液を飲み込むのだった。
そんな俺の姿に満足したのか彼はそっと口を離すと、今度は首筋から鎖骨にかけて唇を這わせていき、ちゅ、ちゅと強く吸って真っ赤な跡を残していく。ピリリとした軽い痛みすら今は興奮の材料に過ぎなかった。そして最後に胸の突起を口に含んだかと思うとそれを舌先で転がし始める。
その刺激に思わず体を震わせながらも俺は必死に声を押し殺していた。
だが、そんな俺に気付いたカナデくんが顔を上げて俺の目を見つめる。
すると彼は優しい声色でこう言った。
「声我慢するために親指の付け根、噛まないで。ほら、血が出ちゃってる。」
俺の手を掴み血液をペロリと舐めて言うその声音はどこか哀愁を感じさせる、まるで母親のような慈愛に満ちたものだった。
しかし、その間も片方の手で胸の突起を弄るのをやめない。手を拘束された俺は口を抑える事もできずにとうとう醜い喘ぎ声を漏らしてしまう。
「あっ♡、ふあ、だめ♡♡、へん!!♡、ちくび、へんになるっ!♡♡♡」
「アラタ、乳首弱いんだ。感度良くてすごくえっちだ。」
「やっ、言わな♡♡、で。は、はずかしっ…!♡」
「だーめ、隠さないで。アラタの恥ずかしい声、聞かせて。恥ずかしい所、全部見せてよ。」
そして次の瞬間には再び激しい口づけを交わそうと、カナデくんの舌が俺の歯列や口蓋をなぞり始めた。その刺激に思わず口を少し開くとカナデくんはすかさず舌を入れ込んできた。そのまま俺の舌に絡みつき、まるで蛇のように動き回る。
与えられる快感は今までのキスなんかでは感じたことがないほど強烈で、俺は無意識のうちに腰をくねらせていた。そんな俺の様子を見てカナデくんはクスリと笑い声を上げるとようやく唇を離す。
そして彼は自分の左手の指を俺の口元に近づけると、それを舐めさせるように無理矢理口内に挿入してきた。俺はされるがままその指に舌を這わせていくと、今度はカナデくんの右手が下着越しに俺のモノに触れてきた。その瞬間、電流のような快感が全身を貫き、思わず腰を浮かせてしまう。しかしカナデくんはそんな俺の様子を楽しむかのように何度も同じ箇所を刺激し続けた。しまいには下着の中に手を滑り込ませてくると直接俺のモノを触り始める。
そして一方で、俺に舐めさせ濡れた左手を俺のアナルに挿入し、じゅぽ♡じゅぽ♡と出し入れさせる。入り口近くのシコリをコリコリ♡と強く押して刺激を与えられれば、腰が勝手にビクビクと震える。次第に数が増えていく本数に合わせて刺激も段違いに強烈になっていく。
前から、後ろからの強い刺激に俺は堪らず声を上げそうになったが、それでも必死に堪えていた。しかしそんな俺の努力も虚しくカナデくんは容赦なく手を動かし続けていく。
そうしていると次第に先端からは先走り汁が溢れ出し、それが潤滑油となって、俺の後ろを解している彼の手の動きがさらにスムーズになっていった。
次の瞬間、今まで感じたことのないほどの快感に襲われ、俺はとうとう我慢の限界に達してしまう。
「ああ!♡…イク"♡イク"ッイク"ッ♡ああぁ~~~~!♡♡♡♡………あ”、なんで?!♡♡も、イったのに、や、止まって♡♡だめっ♡カナデくん♡♡!!」
しかしそれでもなおカナデくんは手を止めなかった。それどころかより一層激しくなる一方で、俺は再び絶頂を迎える寸前まで来ていた。
だがそこで突然手の動きが止まり、カナデくんが俺から離れていってしまう。突然の生殺し状態に驚きながらも俺は彼の方を見ると、彼はズボンを脱ぎ、下着の中からぶるんっ♡と大きく反り返ったモノを取り出した。それは俺のものよりも一回りも二回りも大きいもので、思わずゴクリと唾を飲み込む。こんなおっきいので突かれたら♡おかしくなっちゃう♡
カナデくんは俺の足の間に割って入り膝裏に手を差し込むとその足を上に持ち上げた。そしてそのまま自分の肩に乗せると、俺の尻が天井を向くようにする。そしてカナデくんの手が再び俺の下半身へと伸びて俺の尻の谷間を割り開き……。
くちゅ♡と卑猥な音を立てて俺のアナルとカナデくんのちんぽがキスをする。
「今までどれだけのお客さんのモノを咥えて来たのか知らないけど、今夜だけはこのアラタのアナルまんこも俺だけのものだって考えていいんだよね…?」
つらそうな顔でカナデくんが問いかけて来る。そこで俺はハッと我に返った。今からこの大きな怒張を受け止めなければならない現実に。一瞬、夢を見ていたかのような気分だが、カナデくんの一言に気付かされ、土壇場になって急速に不安が胸の中に広がっていく。こんなの入るわけない。だって、だって俺。俺―――…。
「あの、俺、実は。……今日が初めて…なんだよね。」
「ええ?!今日が初めて?!」
よほどびっくりしたのだろう、俺の言葉をそのままオウム返しで発してきた。
「ご、ごめんね、経験豊富じゃなくて!カナデくん、お客さんなのにリードしてあげられなくてごめん。俺、絶対未熟だしテクニックもないし…。ご、ごめんなさい…。」
「謝らないで。むしろ今初めてこの世の神に感謝したところだから。」
それがどういう事なのか、言葉の意味は分からなかった。だけどカナデくんは俺の頭を優しく撫でて額にキスを落としてくれた。再会した時からカナデくんはずっと優しかったけど、それでも俺が初めてだということを知るとそれに輪をかけた優しさ、そう、まるで宝物を扱うような手つきだ。その気遣いに心がむずがゆくなり、思わず顔が熱くなるのを感じた。
それから俺たちはどちらからともなく三度目のキスをした。触れるだけの優しいキスじゃなく、お互いの唾液を交換するような深いもの。そしてそのままカナデくんの舌が再び口内に侵入してきて俺の舌と絡み合う。その間もずっとカナデくんの手がそっと俺の頭を撫で続けてくれたおかげで俺は徐々に落ち着きを取り戻していった。しかしそれと同時に下半身の疼きも強くなってくる。
「ふむ♡んんぅ♡……早く♡カナデくんのちんぽ♡ほしい♡」
「アラタッ…!あんま煽られると抑えられないからっ。アラタの濡れ濡れアナルに容赦なく種付けプレスしちゃうからっ。」
ゆっくりと自ら脚を開いていくと、カナデくんもそれを察したのか再び自分のモノを俺のアナルにあてがい始めた。そしてついに亀頭部分が入り口に触れると、そのままゆっくりと押し進めてきた。事前に指でほぐされてはいたものの、その衝撃に俺は思わず背中を仰け反らせる。それでも彼は腰を進めてくる。
やがて根元まで全部入り切る頃には俺は息も絶え絶えで、しかしそれと同時にお腹の中に感じる熱量に幸せを覚えていた。
カナデくんも俺で気持ち良くなってくれてるのかな……? 少し不安になって彼の方を見ると、俺の視線に気付いたのかカナデくんは微笑みながら俺に優しくキスをしてくれた。それがとても心地よくて、俺はついうっとりと目を細めてしまう。
「お、お”っきぃ…♡カナデくんのちんぽ…あったかぁい♡♡♡」
そしてそのまましばらく動かずにお互いの体温を感じ合っていたが、やがてカナデくんの方から体を動かし始めた。最初はゆっくりとした動きだったけど、次第に激しくなり最終的にはパンッ♡パンッ♡パンッ♡どちゅ♡どちゅ♡どっちゅんッ!!♡♡♡と肌同士がぶつかる音が響くほど激しいものになっていた。そのあまりの激しさに、まるで自分のアナルが壊されてしまいそうな錯覚に陥り恐怖を覚えるほどだった。
だがそれでもなおカナデくんは腰を動かし続けていく。
彼のちんぽが俺の良いところに当たる度に俺の口からは甘い声が漏れ出した。
「あん♡…ふ”ぅ”!♡…アァッ!♡…はぁん”っ♡…あッん!♡…んん”ぅ♡…ふぁ♡♡♡!!」
「はあ~、アラタのとろとろまんこ、俺のを離したくないって健気に吸い付いてきてかわいい…! クソ…!誰にも渡したくないッ…!」
そしてとうとう限界が来たのか、彼は俺の最奥まで一気に貫くとそこで動きを止める。
「くッ……!!」
次の瞬間にはお腹の中に熱いものが注がれていく感覚があった。その感覚に俺は思わず身震いしてしまう。
「ああ♡カナデくんのせーし♡いっぱい出てるッ♡…あつい♡…うれしい♡♡」
「アラタッ…!アラタ!!」
自分の中に注がれる愛に自然と涙ぐんでしまう。高校時代、一度諦めた憧れの人と繋がれた。たとえ一夜限りの幻だったとしても、俺はこの夜を一生忘れないだろう。
しかしこれで終わりじゃないことは分かっていた。
カナデくんはゆっくりとちんぽを引き抜くと、今度は仰向けに寝っ転がって自分の上に跨るように言ってくる。
俺は言われるがまま彼の上に跨ると、自分のアナルに彼のモノをあてがい少しずつ腰を下ろしていった。そして半分くらい入ったところで一度動きを止める。すると彼は俺の尻たぶを掴み左右に割り開くようにして揉み始めたのだ。その行為によって俺のアナルはさらに広がり、より深くまで彼のちんぽを受け入れることができるようになったのだが、それと同時に更なる快感が俺を襲うことになる。
俺は思わず動きを止めてしまうが、それでもカナデくんは俺の腰を掴んでは揉み解し、前を弄り、早く早くと急かすように責め立ててきた。そしてついに俺の尻が彼の股間と密着するところまで腰を落とすと、そこで一旦止まり呼吸を整える。
その間カナデくんは決して乱暴に俺を追い込むようなことはせず、ただひたすらに優しく尻たぶを撫で続けてくれたおかげで俺は段々と落ち着きを取り戻してきた。
それからはゆっくりと腰を上げるとまた下ろす…という動作を繰り返すように体を動かし始める。最初はぎこちなかったその動きも、回数を重ねるごとにスムーズになっていくのが分かった。それに伴って俺のアナルもカナデくんのデカちんぽの形に馴染んでいく。
やがて彼のちんぽが俺の良いところに当たるようになると、俺は無意識のうちに自分の一番感じる部分に当たるように腰を動かし始めた。するとそれに呼応するかのように彼もまた下から突き上げてくるようになり、次第にその動きは激しさを増していった。
パンッ♡パンッ♡という音が部屋中に響き渡るほど激しくなる頃には俺ももう何も考えられずただひたすらに快楽を求めるだけの獣になっていた。
「もっと♡もっとほしい♡♡カナデくんッ♡♡ カナデくん!!♡♡ 」
「あいあい、すぐにいっぱいにしてあげるから待ってて、俺の愛しい人。」
そしてついに俺のアナルの一番深い場所にまで彼のちんぽが到達すると、その瞬間に俺は絶頂を迎えた。
しかしそれでもなおカナデくんの動きは止まらず、むしろ更に激しさを増す一方だった。
びゅー♡びゅるる♡どぴゅっ♡♡どぷっ♡♡どぷどぷどぷ♡♡♡♡♡♡♡♡
大量の精液が俺の中に注がれていく感覚に、俺は再び絶頂を迎えてしまったのだった。
それからしばらくの間俺たちは抱き合ったまま余韻に浸っていた。お互いに向かい合ってベッドに寝転がる。カナデくんのちんぽは未だに俺のアナルに挿入されたまま。
そうして俺はふとある疑問を抱いた。
どうしてカナデくんは俺なんかを抱こうと思ったんだろう?と。だって、俺は顔なじみなんだらチェンジされたっておかしくない。男だし、それに経験だって無いし……。
「ねぇ、カナデくん。どうして今日俺を抱いてくれたの?」
俺は思い切って彼に尋ねてみた。すると彼は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに優しい笑みを浮かべて答えてくれた。ベッドサイドにある引き出しからあるものを取り出して。
「はい、卒業式の時渡せなかったやつ。」
「これって…!」
「俺の制服の第二ボタン。……受け取ってくれる?」
その言葉を聞いた瞬間、俺は胸が高鳴るのを感じた。そしてそれと同時に何故だか涙が溢れてきてしまい、思わず顔を俯ける。
するとカナデくんが俺の頭を優しく撫でてくれた。そのおかげでだんだんと涙は落ち着きを取り戻していった。
そして改めて顔を上げる俺に、彼は言う。
「俺と付き合って欲しいんだ。」
その言葉を聞いて俺は一瞬固まってしまったが、すぐにその意味を理解し嬉しさのあまり頬を赤く染めながら満面の笑みで答えたのだ。
「もちろん!喜んで!」と。
そんな俺を見たカナデくんもまた嬉しそうに微笑んでくれたのだった。
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