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6.料理長とメイド長と庭師長
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あっけにとられ、マルは首をぶんぶんと横に振る。
「すみません……俺、男です……」
「ありゃ、えらくかわいいから間違えちまった」男はがっはっはと大きく口を開けた。「けんど男女じゃなかったら結婚できねぇなんて、大昔のことでさぁ。今は男同士でも女同士でも、よくあることですぜ」
男の言うとおり、同性の結婚はカエルム王国では認められている。カエルム王国に限らず、近隣諸国でもほとんどがそうだ。
けれどマルが知っているごろつきたちは、そういうのを嫌悪していた。規律が乱れるからだめだと主張するので、ならず者の集団に見えて実は規律があったのかと驚いた覚えがある。
「あ、あの、あの、俺はお嫁さんじゃなくって、人手が足らないからって、だから住み込みでって、ロナウドさんが……」
「人手は足りてるさ。足りねぇのは嫁さんなんでさぁ」
「たくさん必要なんですか……」
「ばか言っちゃいけねぇよ。嫁さんは一人いたら十分ですぜ。で、本当に違うんで?」
そんなに何度も訊ねられると、そうだったのだろうかと疑問に思えてくるものだ。ロナウドからは、仕事は屋敷内のことだと言われていた。けれどそれがお嫁さんの意味を含んでいたのなら、どうしたらいいのか。
いきなり、そんな、結婚だなんて。
マルは自分が結婚するなど、考えたこともなかった。いつだって、今日は入れ墨の針を深く刺されませんように、ごろつきたちが満足する花が生まれますように、ごはんが食べられますように、と無事に過ごせることを願うのが精一杯だった。それ以上の何かなど、求める余裕もなかった。
マルは考え込み、男は返事を待っている。静寂を破ったのは、屋敷から出てきた一人の女の声だった。
「料理長ー! 勝手口に芋と野菜が山のように届いてるよ。納品は合ってるの? しっかりしとくれよ、一人しか料理人がいないんだから……あぁ、なんだい。お客様がいらしてたの?」
「メイド長、お客様じゃねぇそうだー。旦那様の嫁さんかもしんねぇー」
「あらやだ料理長ったら! それならそうと言っとくれよ」
灰色のワンピースに白いエプロン、茶色い髪へフリルのついたカチューシャを付けた女がとととと小走りでやってくる。ふくよかな見かけによらず速い。
「初めまして奥様、あぁ、嬉しい。ずっとこの日を待ってたんですよ。あたしはこちらでメイド長をしてる、マチルダと申します。メイド長って言ったって、一人きりなんですけどね」
うふふ、と髪と同じ色の茶色い瞳が弧を描く。目尻には笑い皺が深く入っていて、柔らかい印象をマルへ与えた。
「おれは……マルです。名字はないです。ただのマルです。おれ、人手が足りないから住み込みで働けるって、ロナウドさんにそう言われたんです。だからお嫁さんとして働くのか、そうじゃないのかまでは聞いてないんです……。すみません……」
「あらあら、そうなんですか。うちの旦那様は浮ついた話の一つもなくって、いえね、真面目で仕事一直線の素晴らしい方なんですよ。でもほら、こんな素敵なお屋敷なのに、旦那様以外は私と料理長、それから庭師長しか住んでいなくって。だから旦那様に早く素敵な人と巡り会えたらいいなって、私どもは常々話してるんですよ」
マチルダはどこで息継ぎをしているのか不思議なほど、流れるように話を続ける。
ロナウドは男爵家の生まれだそうだ。
確かに、同じ竜騎隊のアニムスとは話し方や雰囲気が何となく違うのも頷ける。
竜騎隊本部はもっと王宮に近い場所にあって、そこへは毎日竜のカシスに乗って通っているのだとか。
「詳しく知りたいのなら直接訊ねるといいわ」
マチルダはそう言いつつも、『好きな料理はウサギとトマトの煮込みよ』『お酒なら赤ワインがお好きなの』『夕食後に必ず入浴をするわ』『ご主人様のベッドは大きいから、マルが一緒に寝ても狭くないからね』という情報まで次から次へと提供した。
マチルダ自身は二度男性と結婚して、二度の離婚をしていた。次に結婚するなら、絶対に可愛い女性がいいと決心したそうだ。
子どもはいないが頼る実家もない。安い賃金で働く日雇いの洗濯女をしていたところ、シャツの仕上がりの丁寧さをロナウドに買われてやってきたそうだ。
「仕事が褒められて嬉しかったの」
前掛けをした料理長は、ジュリアスと名乗った。「でも名前じゃなくって、料理長と呼んでくだせぇ。そっちの方が気に入ってるんでさぁ」と言うので、そう呼ぶことにした。
料理長はいかつい身体に、家の一本も残らずそり上げた頭に、強面の風貌をしていて、まるでごろつきのようだった。
ロナウドとは、料理店の店長とそこに通う客の関係が始まりだそうだ。
そこは常連客も多い人気店。ところが店主が博打で借金を抱えて夜逃げをしてしまい、給与も貰えず店もなく、なぜか借金取りの恨みを買って八方ふさがりだったところ、常連客だったロナウドに声をかけられたそうだ。
「俺の考えたウサギとトマトの煮込みは、店の看板メニューだったんですぜ」
そんな話を聞いていたところ、用事から戻ってきた庭師がやってきた。やはり一人しかいない庭師の庭師長だった。
彼は背筋をぴんと伸ばし、脱いだ麦わら帽を胸に当て「ホセでございます」と挨拶をした。
滑らかな所作がとても美しく、深いお辞儀にマルもあわてて頭をさげた。ホセは日の下でよく働いた証のような艶のある濃い肌の色をしていた。白い髪は後ろで一つに束ねられ、目には丸い片眼鏡を。丁寧な口調と引き締まった口元からは、庭師長というよりも家令か執事のよう。
自己紹介によると、ホセは隣国の出身だった。カエルム王国に移住をした友人が事業を興して大もうけできたからとホセを誘ったそうだ。長年の友人を信じて全財産を渡し、さあいざカエルム王国へと旅立った。そして国境を越えた辺りで隠れていた友人に襲われたことで騙されたことに気が付き愕然とした。財産どころか口封じとして殺されかけたところを助けたのが、野生竜の捕獲にきていたロナウド率いる竜騎隊だったそうだ。
「それがご主人様とのご縁でしたので、騙されはしましたが悪いことばかりではありませんでした」
ホセは視線を屋敷へ向け、感慨深げに話した。
屋敷は一人で住むには広すぎる大きさで、マルが軟禁されていたごろつきたちのねぐらが三つか四つは入りそうに見えた。窓には色ガラスで花が描かれていたり、屋根もテラスも扉も曲線を用いられていて、どこかかわいらしいさがある。
庭には厩舎もあって、そこにはカシスとロバが一頭ずついるとホセが教えてくれた。
竜のカシスはロナウドが子どものころ、傷つき飛べなくなった渡り竜の子を世話したら懐いたそうだ。
ロバは市場で持ち主に酷く鞭を当てられているところへロナウドが通りかかり、見るに見かねて買い上げたそうだ。
つまりこの屋敷の関係者は、人からロバまで、ロナウドに助けられた縁で繋がっているのだ。
「ですので、いつか旦那様は奥方様をもいずれかでお救いして、お屋敷へ連れてきてくださるのだと思っておりました」
ホセが言い終わると、三人の視線はマルへ集まった。
「ふぇ……」
やはり自分は嫁なのだろうか。
三人の期待に満ちた瞳は、きらきらと輝いている。
どうしよう。そんな思いが形になって、しゅるるんと細長い緑のつるが現れた。
「お、花生みですかい」
「あら、花生みなんですね」
「もしや花生みでございますか」
花生みはその生み出す花の価値から『生きる金貨』とも言われている。花生みだと知れるとそれまで普通にしていた人がどう変わってしまうのか、マルは身をもって学習していた。
「ひっ……」
「すみません……俺、男です……」
「ありゃ、えらくかわいいから間違えちまった」男はがっはっはと大きく口を開けた。「けんど男女じゃなかったら結婚できねぇなんて、大昔のことでさぁ。今は男同士でも女同士でも、よくあることですぜ」
男の言うとおり、同性の結婚はカエルム王国では認められている。カエルム王国に限らず、近隣諸国でもほとんどがそうだ。
けれどマルが知っているごろつきたちは、そういうのを嫌悪していた。規律が乱れるからだめだと主張するので、ならず者の集団に見えて実は規律があったのかと驚いた覚えがある。
「あ、あの、あの、俺はお嫁さんじゃなくって、人手が足らないからって、だから住み込みでって、ロナウドさんが……」
「人手は足りてるさ。足りねぇのは嫁さんなんでさぁ」
「たくさん必要なんですか……」
「ばか言っちゃいけねぇよ。嫁さんは一人いたら十分ですぜ。で、本当に違うんで?」
そんなに何度も訊ねられると、そうだったのだろうかと疑問に思えてくるものだ。ロナウドからは、仕事は屋敷内のことだと言われていた。けれどそれがお嫁さんの意味を含んでいたのなら、どうしたらいいのか。
いきなり、そんな、結婚だなんて。
マルは自分が結婚するなど、考えたこともなかった。いつだって、今日は入れ墨の針を深く刺されませんように、ごろつきたちが満足する花が生まれますように、ごはんが食べられますように、と無事に過ごせることを願うのが精一杯だった。それ以上の何かなど、求める余裕もなかった。
マルは考え込み、男は返事を待っている。静寂を破ったのは、屋敷から出てきた一人の女の声だった。
「料理長ー! 勝手口に芋と野菜が山のように届いてるよ。納品は合ってるの? しっかりしとくれよ、一人しか料理人がいないんだから……あぁ、なんだい。お客様がいらしてたの?」
「メイド長、お客様じゃねぇそうだー。旦那様の嫁さんかもしんねぇー」
「あらやだ料理長ったら! それならそうと言っとくれよ」
灰色のワンピースに白いエプロン、茶色い髪へフリルのついたカチューシャを付けた女がとととと小走りでやってくる。ふくよかな見かけによらず速い。
「初めまして奥様、あぁ、嬉しい。ずっとこの日を待ってたんですよ。あたしはこちらでメイド長をしてる、マチルダと申します。メイド長って言ったって、一人きりなんですけどね」
うふふ、と髪と同じ色の茶色い瞳が弧を描く。目尻には笑い皺が深く入っていて、柔らかい印象をマルへ与えた。
「おれは……マルです。名字はないです。ただのマルです。おれ、人手が足りないから住み込みで働けるって、ロナウドさんにそう言われたんです。だからお嫁さんとして働くのか、そうじゃないのかまでは聞いてないんです……。すみません……」
「あらあら、そうなんですか。うちの旦那様は浮ついた話の一つもなくって、いえね、真面目で仕事一直線の素晴らしい方なんですよ。でもほら、こんな素敵なお屋敷なのに、旦那様以外は私と料理長、それから庭師長しか住んでいなくって。だから旦那様に早く素敵な人と巡り会えたらいいなって、私どもは常々話してるんですよ」
マチルダはどこで息継ぎをしているのか不思議なほど、流れるように話を続ける。
ロナウドは男爵家の生まれだそうだ。
確かに、同じ竜騎隊のアニムスとは話し方や雰囲気が何となく違うのも頷ける。
竜騎隊本部はもっと王宮に近い場所にあって、そこへは毎日竜のカシスに乗って通っているのだとか。
「詳しく知りたいのなら直接訊ねるといいわ」
マチルダはそう言いつつも、『好きな料理はウサギとトマトの煮込みよ』『お酒なら赤ワインがお好きなの』『夕食後に必ず入浴をするわ』『ご主人様のベッドは大きいから、マルが一緒に寝ても狭くないからね』という情報まで次から次へと提供した。
マチルダ自身は二度男性と結婚して、二度の離婚をしていた。次に結婚するなら、絶対に可愛い女性がいいと決心したそうだ。
子どもはいないが頼る実家もない。安い賃金で働く日雇いの洗濯女をしていたところ、シャツの仕上がりの丁寧さをロナウドに買われてやってきたそうだ。
「仕事が褒められて嬉しかったの」
前掛けをした料理長は、ジュリアスと名乗った。「でも名前じゃなくって、料理長と呼んでくだせぇ。そっちの方が気に入ってるんでさぁ」と言うので、そう呼ぶことにした。
料理長はいかつい身体に、家の一本も残らずそり上げた頭に、強面の風貌をしていて、まるでごろつきのようだった。
ロナウドとは、料理店の店長とそこに通う客の関係が始まりだそうだ。
そこは常連客も多い人気店。ところが店主が博打で借金を抱えて夜逃げをしてしまい、給与も貰えず店もなく、なぜか借金取りの恨みを買って八方ふさがりだったところ、常連客だったロナウドに声をかけられたそうだ。
「俺の考えたウサギとトマトの煮込みは、店の看板メニューだったんですぜ」
そんな話を聞いていたところ、用事から戻ってきた庭師がやってきた。やはり一人しかいない庭師の庭師長だった。
彼は背筋をぴんと伸ばし、脱いだ麦わら帽を胸に当て「ホセでございます」と挨拶をした。
滑らかな所作がとても美しく、深いお辞儀にマルもあわてて頭をさげた。ホセは日の下でよく働いた証のような艶のある濃い肌の色をしていた。白い髪は後ろで一つに束ねられ、目には丸い片眼鏡を。丁寧な口調と引き締まった口元からは、庭師長というよりも家令か執事のよう。
自己紹介によると、ホセは隣国の出身だった。カエルム王国に移住をした友人が事業を興して大もうけできたからとホセを誘ったそうだ。長年の友人を信じて全財産を渡し、さあいざカエルム王国へと旅立った。そして国境を越えた辺りで隠れていた友人に襲われたことで騙されたことに気が付き愕然とした。財産どころか口封じとして殺されかけたところを助けたのが、野生竜の捕獲にきていたロナウド率いる竜騎隊だったそうだ。
「それがご主人様とのご縁でしたので、騙されはしましたが悪いことばかりではありませんでした」
ホセは視線を屋敷へ向け、感慨深げに話した。
屋敷は一人で住むには広すぎる大きさで、マルが軟禁されていたごろつきたちのねぐらが三つか四つは入りそうに見えた。窓には色ガラスで花が描かれていたり、屋根もテラスも扉も曲線を用いられていて、どこかかわいらしいさがある。
庭には厩舎もあって、そこにはカシスとロバが一頭ずついるとホセが教えてくれた。
竜のカシスはロナウドが子どものころ、傷つき飛べなくなった渡り竜の子を世話したら懐いたそうだ。
ロバは市場で持ち主に酷く鞭を当てられているところへロナウドが通りかかり、見るに見かねて買い上げたそうだ。
つまりこの屋敷の関係者は、人からロバまで、ロナウドに助けられた縁で繋がっているのだ。
「ですので、いつか旦那様は奥方様をもいずれかでお救いして、お屋敷へ連れてきてくださるのだと思っておりました」
ホセが言い終わると、三人の視線はマルへ集まった。
「ふぇ……」
やはり自分は嫁なのだろうか。
三人の期待に満ちた瞳は、きらきらと輝いている。
どうしよう。そんな思いが形になって、しゅるるんと細長い緑のつるが現れた。
「お、花生みですかい」
「あら、花生みなんですね」
「もしや花生みでございますか」
花生みはその生み出す花の価値から『生きる金貨』とも言われている。花生みだと知れるとそれまで普通にしていた人がどう変わってしまうのか、マルは身をもって学習していた。
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