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スラム街の改装……!!

まず、何をするのか…………

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(御母様の独り言)
「面白い、本当に面白いわ。まさかあの子の1
   番目の活躍がこっちの方面とはね。私の予想
   の斜め上を行く行動ね。でも、この行動が
   この世界を確実に変えていく事は確実ね。
   ああ、早く結果が知りたいわね。」
と笑顔で『遠見の鏡』を見ている。
   
アンデルの屋敷を出て《麗しの白鳥亭》に
帰って2日後、いよいよ俺のスラム街改装計画の第一歩が始まる。
この2日間、今後する事とどの様に段階を踏んで進めて行くかを考えていた。
結果、頭を悩めるだけで日数が過ぎって行った。
それはそうだろう。前の世界でそういう経験もしていない素人が、いきなり街の改装や改革をやるなんて事が可能なのかどうか、それは考えるまでもなくNOである。
しかし、あの街の状態を見たらやらざるをえないと考える様になった。
人々の沈んだ瞳、街の活気のなさ、たった1ヶ所だけきらびやかだった《闇の古巣亭》。
これらの事が俺にこの行動をさせた。
まだ少し考えながらアンデルの屋敷に向かう。
屋敷につくと、2日前よりは人通りが少なくなっていて、護衛兵も少し余裕がある様に
見えたので、
「あの、アンデルさんに会いに来たのですが、
    取り次いでもらえますか?」
と俺は尋ねた。
「ああ、アキラ君だね。連絡するから中で待っ
    ていてくれ。」
 と俺は屋敷の中に入れてもらえ、応接室に案内され椅子に座って待っていると、アンデルと
もう1人ドワーフらしき男と1緒に入ってきた。
「おお、アキラ君、来たかね。紹介しよう
    彼は製造ギルド【グッドメイカー】のギルド 
    長ダビルだ。今回の《闇の古巣亭》の改装を
    依頼しようと思っている。顔見せと君の構想
    を聞こうと思ってね。」
とアンデルが言って、横にいる男を紹介してくれた。
「 アンデルさんから紹介があったが、ワシが
  【グッドメイカー】のギルド長のダビルじゃ。
    今回の改装を受けるに当たって、依頼主を
    見ておこうと思ってこうして出てきたが、
    良いじゃろ受けてやろう。で、どの様な
    改装するか決まっているのか?」
とダビルが聞いてきた。
「ああ、あの場所に新しい施設を作りたいん
    だよ。外側はそのままであの派手な看板は
    外してくれていい。中はこのようにして
    ほしい。」
と言って、俺は数枚の皮紙を見せて、少しだけ
補足の説明をした。
「これぐらいなら出来るがいったい何の目的が
    あるのか?」
とダビルが聞いてきた。
「俺が考えるにスラム街の連中は自分がどんな
    仕事が出来るか、またどんな能力があるのか
    分かっていないんだ。そこでそれを教える
    場所を俺は作りたい、そして能力を引き出し
    成長させる事もしたいんだ。俺の国では
{職業訓練}と呼ばれている。だから、この様
   な構造の場所が必要なのだ。」
と俺は言った。
「しかし、能力が分かる方法があるのかい?
    それがないとどうしようもないと思うが。」
とアンデルが聞いてきた。
「ええ、ありますよ。《闇の古巣亭》を改装
    している間に造りたいと思っていますが、
    ダビルさん改装にはどれぐらい時間がかかり
    ますか?また、予算はどれぐらい必要です
    か?」
と俺はダビルに聞いた。
「この規模の改装だとまず現場確認から始めて
    その他諸々で半年位はかかるじゃろう。
    予算はかなりの額になると思うが、想像も
    つかないのが現状じゃ。」
とダビルは答えてくれた。
「じゃあ、とりあえず5千万ギル用意します。
    後は俺に言ってくれれば出したいと思いま
    す。それじゃあ、2日後《闇の古巣亭》の前
    に持って行きますので、受け取りの用意はし
    て下さいね。」
と俺はダビルに言った。
「わ、わ、分かった。じゃあ、2日後に
 《 闇の古巣亭》で待っておるぞ。ワシは
   準備があるからこれで失礼する。」
とダビルは言って、部屋から出ていった。
「アンデルさん。頼みたい事があります。
    職員が必要なのですが、前に《闇の古巣
    亭》と【ケルベロス】で働いて受付嬢を
    雇いたいと思っていますが、何処にいるか
    分かりますか?それ以外にも数十人必要
    なのですがアンデルさんの方で用意して
    もらえますか?給金は俺が当然出します。
    で、どのくらいで用意出来ますか?」
と俺はアンデルに聞いた。
「ああ、分かった。受付嬢の方も聞いてみよ
    う。約2週間で準備出来るだろう。」
と答えてくれた。
「そうですか。それなら2週間後にここに
    来ますので、その時に紹介してもらって
    仕事の説明をしていきたいと思っていま
    す。では、また会いましょう。」
と言って、俺はアンデルの屋敷を出た。
《麗しの白鳥亭》に戻って、色々準備するものや何を造るかの構想を考えながら、日々準備を進めて行った。
2日後、ダビルにお金を渡す為に《闇の古巣亭》で待っていると、1台の馬車が目の前に
止まって、ダビルが降りてきた。
「アキラ、待たせたかな。では後ろの荷台に
    お金を乗せてくれ。」
とダビルが言って、荷台に案内してくれた。
俺はマジックバックから1千万ギルの入った袋を5つ、荷台に置いて
「ダビル、置いたぞ。足りない分は2週間に
    1回様子見に来るのでその時に言ってくれ。
    では、よろしく頼む。」
と俺は言って、《麗しの白鳥亭》に戻った。

ここから俺の新しい人生の第1歩が始まり、
苦しくも楽しい日常の始まりである。
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