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2話
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ー眩しい
だんだんと思考がクリアになってくる。
「ん、、」
なんだかすごく長い夢を見ていた気分だった。
すごく、大切な…
その感覚を追いかけるようにぼーっとする。
ふと、大きな魔法気配を感じた。
(?、ああ、わたしからするね)
滅多なことでは使わない古代魔法の気配が。
何か非常事態でも起きたんだろうか?
(古代魔法か、私らしくない…)
一部の記憶を封印している。記憶だけではなく、力も封印しているようだ。しかも自分では解けないよう複雑に、(んーどう説明すればいいかわからなけど)なっている。
なぜだ?
何かあっただんろうか。
思い出そうとすると、頭の中が霧がかったようになり意識が保てなくなる。
ー…あれ?何を考えていたっけ。
頭の中にたくさんのクエスチョンマークをうかべ、
(まぁ今思い出せないなら、またおいおい思い出せるだろう)
諦めた。
(そういえば、見慣れないどころか、ここはどこかな?)
もう今更だが、周りを見渡す
一つのベッドと最低限の椅子などの家具しか置いていない割には広い部屋に大きな窓。
(あ、テラスもついてる)
シルク生地のベッドシーツに天蓋付きの品のあるベッド。
取り合えず起きあがろうと手を動かすと、鋭い痛みが体を刺した。
「いっ…」
思わず声が漏れる。
今まで意識してなかったが、視界に入る自分の体のほとんどが包帯で覆われていた。
見た目ほどの痛みではなかったが、地味にいたい。こんな状態になるほどの大変なことが起こったのか?自分で処理できないなんて。
『チチチッ。」
外から可愛らしい鳴き声がして窓に目を向ける。
可愛らしい客人がテラスに設置された動物用のおやつを、ほお袋にせっせと詰め込んでいた。
少しでも上体を起こしたおかげで窓の外の景色がよく見える。
天界とは違い、緑豊かだ。
エネルギーが満ち溢れ、精霊もたくさんいる。
美しい景色に浸っていると、こちらに向かってくる三つの気配がする
そのうち二つは、近くで止まった。
ーーガチャー
「失礼いたします」
「お客様がお目覚めです。」
先に入ってきたのは若い男性だった。服装からこの屋敷のバトラーだろう
真面目そうな彼は、注意深くこちらを観察している。目には警戒と少しの疲労が見えた
「失礼する」
次に入ってきたのは厳かな騎士風の人だった。男前の顔を曇らせていて、かなり疲れて(精神的に)いるように見えた。
「ナァ、ラウー。見てねぇで助けてくれねぇか」
最後に、まるで熊のような大きい人がドアに突っかかっていた。まぁるい耳が生えているし大きな体格からやはりくま、なのかな?
(ふふっ、頑張ってるけどその体では少し難しいかなぁ)
微笑ましいものを見るようにくまさん?(仮)を見ていたら、笑われている事に気づいて恥ずかしそうに二番目の男にさらに目で助けを求めていた。
「ーうちのが失礼、私はラウド・シュバルツ。第3騎士団団長をしている」
騎士風の人が説明をする。なるほど、ここはシュバルツ領と言うのか。
そしてやはり騎士だったのか。
かわいそうに、くまさんは無視されている
「私はリヒャルトと申します。」
お見知り置きをと言い、自分の役目は終わったとでも言うように気配を消し騎士さんの、もといラウド・シュバルツの後ろに下がった。かなり警戒されているのはわかった。
そしてくまさんは無視されている。
「!!っふう」
やっと抜けたであろうくまさんは非難するように2人を見る。
「抜け駆けすんなよォ、俺はガルド・フロウ。あんたを拾ったのはおれだぜぇ。
とんでもねぇ場所にいたなぁ。」
くくくっと面白がるように笑う。
私を拾った?らしい。雰囲気が、いかにもやんちゃしている男そのものだった。
とんでもない場所とはまるで身に覚えがないが、何処にいたのか気になる。
考える事に集中しすぎていたせいか、なかなか喋らない私に痺れを切らしたラウドが声を出す。
「ーそちらはかなりの身分の方だと思っているのだが、まず名を教えていただけないだろうか。」
と、三人の視線が痛いほど服に注がれる。
特にこれといった特徴のない黒色のローブだけど…黒が珍しかったのかな?
と考えながらも、どうやって答えようかと思考を巡らす
ー神は嘘がつけないー
「私はーーーー
だんだんと思考がクリアになってくる。
「ん、、」
なんだかすごく長い夢を見ていた気分だった。
すごく、大切な…
その感覚を追いかけるようにぼーっとする。
ふと、大きな魔法気配を感じた。
(?、ああ、わたしからするね)
滅多なことでは使わない古代魔法の気配が。
何か非常事態でも起きたんだろうか?
(古代魔法か、私らしくない…)
一部の記憶を封印している。記憶だけではなく、力も封印しているようだ。しかも自分では解けないよう複雑に、(んーどう説明すればいいかわからなけど)なっている。
なぜだ?
何かあっただんろうか。
思い出そうとすると、頭の中が霧がかったようになり意識が保てなくなる。
ー…あれ?何を考えていたっけ。
頭の中にたくさんのクエスチョンマークをうかべ、
(まぁ今思い出せないなら、またおいおい思い出せるだろう)
諦めた。
(そういえば、見慣れないどころか、ここはどこかな?)
もう今更だが、周りを見渡す
一つのベッドと最低限の椅子などの家具しか置いていない割には広い部屋に大きな窓。
(あ、テラスもついてる)
シルク生地のベッドシーツに天蓋付きの品のあるベッド。
取り合えず起きあがろうと手を動かすと、鋭い痛みが体を刺した。
「いっ…」
思わず声が漏れる。
今まで意識してなかったが、視界に入る自分の体のほとんどが包帯で覆われていた。
見た目ほどの痛みではなかったが、地味にいたい。こんな状態になるほどの大変なことが起こったのか?自分で処理できないなんて。
『チチチッ。」
外から可愛らしい鳴き声がして窓に目を向ける。
可愛らしい客人がテラスに設置された動物用のおやつを、ほお袋にせっせと詰め込んでいた。
少しでも上体を起こしたおかげで窓の外の景色がよく見える。
天界とは違い、緑豊かだ。
エネルギーが満ち溢れ、精霊もたくさんいる。
美しい景色に浸っていると、こちらに向かってくる三つの気配がする
そのうち二つは、近くで止まった。
ーーガチャー
「失礼いたします」
「お客様がお目覚めです。」
先に入ってきたのは若い男性だった。服装からこの屋敷のバトラーだろう
真面目そうな彼は、注意深くこちらを観察している。目には警戒と少しの疲労が見えた
「失礼する」
次に入ってきたのは厳かな騎士風の人だった。男前の顔を曇らせていて、かなり疲れて(精神的に)いるように見えた。
「ナァ、ラウー。見てねぇで助けてくれねぇか」
最後に、まるで熊のような大きい人がドアに突っかかっていた。まぁるい耳が生えているし大きな体格からやはりくま、なのかな?
(ふふっ、頑張ってるけどその体では少し難しいかなぁ)
微笑ましいものを見るようにくまさん?(仮)を見ていたら、笑われている事に気づいて恥ずかしそうに二番目の男にさらに目で助けを求めていた。
「ーうちのが失礼、私はラウド・シュバルツ。第3騎士団団長をしている」
騎士風の人が説明をする。なるほど、ここはシュバルツ領と言うのか。
そしてやはり騎士だったのか。
かわいそうに、くまさんは無視されている
「私はリヒャルトと申します。」
お見知り置きをと言い、自分の役目は終わったとでも言うように気配を消し騎士さんの、もといラウド・シュバルツの後ろに下がった。かなり警戒されているのはわかった。
そしてくまさんは無視されている。
「!!っふう」
やっと抜けたであろうくまさんは非難するように2人を見る。
「抜け駆けすんなよォ、俺はガルド・フロウ。あんたを拾ったのはおれだぜぇ。
とんでもねぇ場所にいたなぁ。」
くくくっと面白がるように笑う。
私を拾った?らしい。雰囲気が、いかにもやんちゃしている男そのものだった。
とんでもない場所とはまるで身に覚えがないが、何処にいたのか気になる。
考える事に集中しすぎていたせいか、なかなか喋らない私に痺れを切らしたラウドが声を出す。
「ーそちらはかなりの身分の方だと思っているのだが、まず名を教えていただけないだろうか。」
と、三人の視線が痛いほど服に注がれる。
特にこれといった特徴のない黒色のローブだけど…黒が珍しかったのかな?
と考えながらも、どうやって答えようかと思考を巡らす
ー神は嘘がつけないー
「私はーーーー
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