【BL ホラー】人狼と はちみつ【18R】

まふゆ

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6話 嘆きのホルマリン ーその4ー

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「ふふふ…
 それにしても今回の獲物は…たまらなく美しいね。
気高い顔立ち。みずみずしい肌。蜂蜜色の神秘的な瞳。
 この奇跡のように美しい男子をめちゃくちゃにしてやるのを想像しただけで…
 …ああ、ちょっとだけ射精ちゃったよ…」

変態講師は舌舐めずりをしながら蜜月の乳首を指で弄ぶ。

「…触るな!そいつは俺のだ!!」

俺は拘束を薙ぎ払い、敵に鉄拳を猛ラッシュでぶち込む。破壊、そして破壊。

粉砕し尽くしたはずの敵は、しかし瞬く間に元の姿に戻った。

「順番待ちができない子なんだね。仕方ないなあ…」

変態講師の背中から、たくさんの触手が飛び出してきた。
ヌメヌメしたそれは、服の隙間に入り込み、俺の乳首と股間をしごき始めた。

「やんちゃ君は媚薬たっぷりの触手で、よーくほぐさなきゃね…」

媚薬で体が燃えるように熱い。触手に触れられる所全てが異常に気持ちよくて意識が飛びそうになる。

(クソ…このままじゃ蜜月が…)

その時、さっきの瓶詰めの目玉が新たなビジョンを発してきた。

【毒をもって毒を制す。
 淫欲に狂った化け物は、究極性交で討つしかない】

何言ってんだオマエ…
まさか俺に…掘れというのか。
あのド変態野郎のケツを。

見ると、化学講師は下半身を剥き出しにイキリ立たせて、今にも蜜月に襲いかかろうとしていた。

俺の中で何かが弾ける。
肉体が突然巨大に盛り上がる。
そして「俺の知らないオレ」が意識の主導権をにぎってしまったのを感じた…



ーーー

気がつくと、俺の体は元のサイズに戻っていた。

変態講師は、色んな汁にまみれて白眼を剥き、口から泡をふいて痙攣しながら消滅していった。
準備室の床もいつの間にか元に戻っている。

と同時に、ホルマリン漬けにされていた目玉たちがキラキラ光りながら天に昇ってゆく。

次に生まれてきた時こそは、どうか素敵な青春を送れますようにと祈らずにいられなかった。

「…ん?」

ひとつだけ、取り残されている目玉がある。

コイツ、さっきから俺にビジョンを送りまくってきたヤツだ。

その瓶だけ謎のお札のような印紙が貼ってある。
外してやると、ポンッと音を立てて目玉が飛び出してきた。
そして嬉しそうに跳ね回っている。

「え?あれ…成仏は…?」

俺が聞くと目玉が喋り出した。

「あはは~☆
 俺だけは別件でさあ。あの化学講師とは無関係なんだよね。
 悪行の一部始終は見てたけどな。
 いや~出れた出れた!
 やっと喋れるぜ~!」

はぁ…。

こんな変な奴は見なかった事にしよう。
蜜月に服着せなきゃ。
あー疲れた。

無視を決めこむ俺の右肩に、ちゃっかり乗っかる目玉。

いつの間にか、雨は上がっていた。








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